小樽市議会 平成26年第2回定例会 2014年6月18日
教育について
2014年6月18日、小樽市議会の一般質問で、安斎哲也議員が「教育について」質問し、教育長 上林猛が答弁しました。
- 質問者
- 安斎哲也 議員
- 答弁者
- 教育長 上林猛
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 安斎哲也
一般質問します。小樽市教育委員会が全国学力・学習状況調査の本市児童・生徒の平均正答率を公表したことで、数値によって全国・全道平均と比較できるようになり、学校現場や保護者に小樽の学力の低さを自覚させるとともに、現場の緊張感の高まりにつながったと感じています。市教委の教育問題に対する熱意、姿勢を評価させていただきます。さて、私は3月に開かれた絵本・児童文学研究センター正会員ゼミに参加し、道教委の武藤久慶学校教育局次長の「基礎学力問題のディープインパクト~基礎学力軽視論が招く危険な未来」を拝聴いたしました。講演では、基礎学力がないことで消費税の計算や預金利息の算出ができない、マニュアルが理解できないなどの問題が実際にあること、新規高卒者の離職率が高い傾向にあり、高校中退など将来的な問題点が挙げられました。さらに、2007年就業構造基本調査に基づくデータで、生活保護世帯の母親の中卒率が34パーセント、その父親の42.3パーセントが中卒、その母親の51.9パーセントが中卒、保護母子世帯の母親の14.6パーセントが保護世帯で育っているなどという数字が示されました。この統計データから、基礎学力低下という問題から、このまちの将来の危機感を強く感じました。学力が高いと言われる秋田県や福井県では、全国学力・学習状況調査で全国平均以下の点数の児童・生徒がほぼいない状況です。北海道では平均点以下の児童・生徒が多く、平均点以上の児童・生徒がとても少ない状況です。小樽市においても同様です。武藤次長は、全国平均以下の児童・生徒のフォロー、ケアが大切であり、そこを改善することによって、必然的に全国平均以上になってくるとおっしゃっていました。私も同様に考えています。地域の発展は労働力に直結していると言われますが、将来就業する子供たちがしっかりと基礎学力を身につけなければ、雇用先という受皿があったとしても企業が求める労働力につながらず、まちの経済の衰退につながると懸念しています。ここで、まず上林教育長もこのゼミに参加されていましたので、率直な感想と小樽の教育の問題、課題解決のためのお考えをお聞かせください。次に、市教委では、教育分野の重点施策の第1点目に学力の向上を掲げ、23の指針を示し、各学校が具体的な数値目標を設定し、行動を行えるよう指導しているとのことですので、各学校でどのような数値目標が設定され、どう行われているのかお聞かせください。23の指針の中で、体験的な活動の充実があります。文部科学省でも体験活動について、思考や知識を働かせ、実践してよりよい生活をつくり出していくために体験が必要であると提起しています。文部科学省中央教育審議会の答申では、体験活動の意義、効果として、社会を生き抜く力の養成、規範意識や道徳心の育成、学力への好影響などを挙げています。また、独立行政法人国立青少年教育振興機構の調査では、小・中学生時代の経験が豊富な大人ほど意欲、関心や規範意識が高い人が多い、学力の面でも自然観察をしたことがある小・中学生のほうが、全国学力・学習状況調査での平均正答率が高いというデータが示されています。体験活動の効果として、市教委はどのような見解をお持ちで、今後の学校現場での取組にどのように期待されているかお聞かせください。一方、教育現場では、この意義と効果は認識していても、授業日数や課外活動への予算の割り振りなどで、教員が望むことができないでいるという課題があります。先日もある中学校の地域活動に参加しましたが、体験活動はもっと増やしたいが、ふだんの授業のこともあり、年1回取り組むので精いっぱいなどとの声をいただきました。市教委としてどのように感じ、今後どのように対処していくか、お考えをお聞かせください。最後に、教育予算についてです。教育は、さきに述べたとおり、小樽の経済にも影響するとともに、子育て世代、若者世代の定住にも大変影響します。将来のまちを考えていく上で重要で、長期的に取り組む必要があります。近年、ハード面を除いても、教育費は増額されてはいますが、次世代の子供たちを育てる上で教育予算の拡充をさらに求めます。見解を伺い、質問を終わります。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)
安斎議員の御質問にお答えいたします。ただいま、教育について御質問がありました。初めに、このセミナーに参加した感想と小樽の教育の問題、課題解決についてでありますが、講演では、教育の目的は社会に役立つ人材の育成であり、そのためには義務教育では、しっかりと基礎・基本を身につけさせることが大切であり、そのため生活規律や学習規律の重要性について詳細なデータを基に説明されたものであり、まさに小樽の教育を改善するに当たって的を射た内容であったと感じております。小樽の教育の現状は、小学校で基礎・基本の学力が十分に身につかないまま中学校に入学し、授業内容が理解できず、学力を伸ばすことができていないことが課題であると考えております。これらの課題を解決するため、学校においては教科書を声を出して読むことや文章を書くことを取り入れたわかりやすい授業を行っており、一方、家庭では子供たちに早寝早起き朝ごはんなどの生活習慣を身につけさせることなどの取組を行っております。また、教育委員会では、全市的な音読運動や樽っ子学校サポート事業、指導方法工夫改善に向けた研修会などの取組を進めており、学校と保護者、教育委員会が一体となって学力の向上に努めているところであります。次に、23の指針の数値目標についてでありますが、例えば「確かな学力の育成」では、樽っ子学校サポート事業を活用した長期休業中の補習を10日間以上実施する、「豊かな心の育成」では、地域や外部団体と連携し、年1回以上のボランティア活動に取り組む、「社会の変化に対応した教育の推進」では、英語の授業が楽しいという子供の割合を80パーセント以上にするなど具体的な目標が示されており、教育委員会では学校訪問等を通してこれらの状況を確認するとともに、2学期末には達成状況と今後の改善策などについて報告を求め、目標の達成に向け、指導・助言を行ってまいります。次に、体験活動の効果についての見解と学校の取組への期待についてでありますが、23の指針においても体験的な活動の充実を重要な観点と位置づけており、みずから学び、みずから考える力などの生きる力を培う上で欠かせない活動であると考えております。教育委員会としては、これまでも総合博物館での理科実験教室、美術館でのワークショップ、おたる案内人ジュニアの取組などの体験活動を行っておりますが、今後とも各学校において、小樽の恵まれた教育資源を活用した体験活動を積極的に取り入れるよう指導してまいりたいと考えております。次に、体験活動の現状と今後の対応についてでありますが、体験活動につきましては、思考力、判断力、表現力を養うことを狙いとして学習指導要領で定められており、年間指導計画に適切に位置づけられることが求められております。道教委の調査によると、卒業式や入学式などの儀式的行事や学芸会などの文化的行事の準備に多くの時間が使われている状況が報告されており、この時間を縮減するなどの工夫をして、体験的活動を取り入れるなど、バランスのとれた教育課程が編成されるよう指導してまいります。次に、教育予算の拡充についてでありますが、教育委員会では平成23年度から毎年、教育行政執行方針を議会で説明し、学力向上をはじめとした各般の施策に取り組んでおり、その執行に当たっては、それぞれの事業の成果を分析、検証しながら次年度以降の予算に反映することが大切であると考えております。今年度、市長の重点施策に次代を担う子供たちへの取組の一つとして学力向上対策が取り上げられ、デジタル教材整備費やスクール・ライブラリー便事業費を予算化できたことは、その成果と考えており、今後とも市長部局の理解と協力を得ながら予算の獲得に向け、努力してまいりたいと考えております。(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
質問 6番 安斎哲也
これは意見として聞いていただきたいのですけれども、運動会や学芸会などの練習については、北海道では比較的多く、小樽でも多いという話をこの前、室蘭市の学校の教員から伺いまして、今、答弁でもありましたように、その辺を少し整理して取り組んでいただけるということをうれしく思います。また、先日市内のある企業から話を伺ったのですが、地元の小樽の子供を採用したいのだけれども、札幌の子供たちと比べると、どうしても札幌の子供のほうがレベルが高く、札幌の子供を採らざるを得ない状況にあったのだというような話も伺いました。学力ばかりではないのでしょうけれども、そういった市内企業の就職的な問題でも、ぜひ小樽の子供たちが地元で頑張れるようにして、基礎学力を育んでいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。