小樽市議会 平成26年第2回定例会 2014年6月17日
地域医療・介護総合推進法と小樽市の対策について
2014年6月17日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「地域医療・介護総合推進法と小樽市の対策について」質問し、市長 中松義治、医療保険部長 藤井秀喜が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治、医療保険部長 藤井秀喜
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
次に、地域医療・介護総合推進法と小樽市の対策について伺います。厚生労働省は、昨年9月25日の社会保障審議会の介護保険部会で、サービス利用時の自己負担割合を、現行の1割を2割負担に、一定の所得や資産がある人などへの自己負担の見直し、要支援者に対する介護予防給付を市町村が実施、特別養護老人ホームへの入居は要介護3から5の中重度者に限定するなどの大幅な改悪を行い、介護費用の拡大を抑える方針を打ち出しました。民主党が実施した全国自治体アンケートの調査結果に基づき、介護保険制度は創設以来、所得に応じて保険料を支払い、利用は平等の原則に反すること、かつては自治体が担ってきた介護制度をサービスの充実や平準化を理由に介護保険制度を導入して、事業を民間に移行したのはかつての自民党政権であり、少子高齢化が進む中で社会保障の維持と機能の充実、財源やサービス提供が重要な課題であるとの認識に基づき、制度の維持を前提として消費税の導入に3党合意がなされました。私は、その経過を踏まえて、昨年の第4回定例会の一般質問でも市長の見解を伺いました。市長もさまざまな課題があり、全国市長会とも連携して懸念を伝えるとの見解を示されましたが、法案は多くの課題や問題点の修正も行われぬままに5月15日、十分な議論もない中で衆議院を与党の強行採決で通過し、現在、参議院の厚生労働委員会で質疑が行われていますが、今月中にも成立すると言われています。介護保険制度は国が主導してつくられたものである以上、制度の持続性は重要な課題であり、根幹をなすものですが、高齢化が進むことも制度創設以来の課題として盛り込まれ、介護費用の膨張も予測されたものであり、そのための消費税であることは国民との約束でありました。政権交代したとはいえ、安倍総理は消費税は全額社会保障に使われると表明しながら、その大半を企業減税に使い、介護保険制度には国が十分な資金の手当もせずに、軽度の要支援者向けの通所介護、デイサービスと訪問介護、ホームヘルパー事業を市町村に押しつけ、NPO法人やボランティアの活動を求めていることは、介護の質を低下させる明らかな要支援切りであり、国民との約束違反でもあります。矛盾した法改正を強行し、その事業を押しつけられる全国の自治体では懸念が広がっています。昨年末に、北海道社会保障推進協議会の調査では、91の自治体から回答があり、約30パーセントが移行は不可能と回答し、可能は10パーセント弱とのレポートがありますが、この結果は民主党が昨年、法案の審議が始まる前に行った全国自治体アンケートの調査結果とほぼ一致するものであります。そこで、来年4月から要支援1、2の高齢者向けの訪問介護、通所介護を介護保険から外し、地域支援事業に移行した場合、小樽市の対象人員をお知らせください。政府は介護予防給付の伸びを現行の五、六パーセントから三、四パーセントに圧縮するとしていますが、小樽市の影響額はどのくらいになると見込んでいますか。財源が大幅に抑制された場合、小樽市の介護サービスにどのような影響が出ると想定されていますか。調査結果によりますと、要支援者のうち軽い認知症の方の割合が高くなっているとの指摘があります。そうした症状には早期に専門知識のあるプロのサービスが大切であると言われていますが、早期に適切なサービスが受けにくくなることにより症状が重篤化し、結果的に財政負担を大きくするとの指摘もありますが、小樽市の要支援者の実態からどのような分析をされていますか。要支援1、2のサービスカットや自己負担がアップすれば、今まで以上に家族の自宅介護が増えていくことが予想され、介護のための離職が心配されます。特に、女性の社会参加は我が国の重要政策として安倍総理も訴えていますが、女性の社会参加を阻害することにならないか、市長の見解を伺います。地域医療・介護総合推進法案の重要課題として、介護事業者に支払う委託料も引き下げられることになっておりますが、これまでも介護職員の待遇改善の必要性は求めてきましたが、まだまだ離職が多いと指摘されています。これ以上賃金が引き下げられると、プロとして経験を積んだベテラン職員の離職が心配されます。また、介護事業者がベテラン職員を雇えず、ボランティア等に頼らざるを得ないということも考えられますが、どのような認識をされていますか。今回の改正では、現行1割の介護保険の自己負担割合は、年間の年金収入が280万円以上の人は2015年8月から2割に引き上げられますが、小樽市の対象人員はどの程度になると見込まれますか。今回の改正への対応では、市町村で財政的に豊かなところやボランティアが集まりやすい自治体と集まらない自治体では、要支援に対するサービスに大きな格差が生まれると言われていますが、小樽市では財政的な負担とボランティアの確保、NPO法人にどのような見通しをお持ちですか。来年4月からの制度改正で要支援事業が移管されますが、社会福祉の専門家は、自治体がこれから安定的な事業に仕上げていくためには大変な困難が伴い、サービスに地域格差が出るようであれば市民の目も厳しくなり、不満は市町村に向けられるのではないかと予測していますが、市長はどのような体制で迎えようとしているのか、所見を伺います。以上、再質問を留保して、質問を終わります。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、地域医療・介護総合推進法と小樽市の対策について御質問がありました。初めに、国の要支援切りにどう対処すべきかについてですが、まず地域支援事業へ移行した場合の小樽市の対象人数につきましては、平成26年2月の利用実績では1,411人となっております。次に、介護予防給付の伸びを抑制した場合の小樽市の影響額につきましては、仮に2パーセントの予防給付の抑制があったといたしますと、本年2月利用実績からの試算では、年間1,200万円の影響があると考えられます。次に、財源が抑制された場合の介護サービスへの影響につきましては、国は予防給付を地域支援事業に移行した場合でも、給付に見合う財源を措置することとしており、現時点では影響がないものと考えております。しかし、仮に国が予防給付の伸びを大幅に抑制した場合には、地域支援事業での介護サービス利用料や介護職員の報酬に影響が出てくることが考えられます。次に、要支援者の実態からの認知症の重度化による財政負担増の問題につきましては、本市の要支援者2,505人のうち、認知症と言われる認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の方は139人で、要支援者全体に占める割合は5.5パーセントと比較的小さいものであります。また、早期の認知症対策として国が示している認知症初期集中支援チームの設置などの取組により重度化を抑制し、大きな財政負担とならないよう努めていきたいと考えております。次に、要支援1、2の地域支援事業への移行等が女性の社会参加を阻害しないかとのことにつきましては、今回の制度改正の目的は、急速に進展する高齢化に伴い、増え続ける介護給付費の伸びを抑制し、今後も介護保険制度を維持していこうとするものであり、現時点では女性の社会参加への影響について申し上げることはできません。次に、ベテラン職員等の離職につきましては、要支援者へのサービスが市町村事業に移行となる場合、サービスの受皿として既存の介護事業所への委託も想定できますが、まだまだ法案の審議中で具体的なことが示されておりません。したがいまして、現時点では委託料の引下げを前提とした職員の離職について申し上げることはできません。次に、自己負担が2割となる対象人員につきましては、世帯構成や他の所得の状況により、2割負担の基準額が変わります。また、対象となる基準額の世帯であっても、実際に介護サービスを利用している人数を把握しておりませんので、現時点では対象人数の把握は困難であります。次に、小樽で要支援のボランティアやNPOでの対処が可能であるかについてですが、まず財政負担の見通しにつきましては、国では給付に見合う財源を措置するとのことでありますので、大きな財政負担になるとは考えておりません。しかし、ボランティア等の確保につきましては、現状では地域支援事業を担うほどの団体等がないため、今後、積極的にボランティア等の育成に努力していく必要があると考えております。次に、要支援事業の移管後の体制につきましては、国は平成29年4月からの地域支援事業への移管を全市町村に義務づけていることから、それまでの期間は現行の予防給付を続けていく考えであります。今後、地域支援事業への移管に向けて課題を整理し、他市の状況なども参考にしながら、体制を整えていきたいと考えております。(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 林下孤芳
再質問をさせていただきます。確かに除雪体制の問題では、災害対策基本法というのがあることは承知しているのですけれども、ここ二、三年の状況を見ますと、関東地方でも大雪が降る。それは30センチメートルかそれぐらいの話ですけれども、それでも国は災害対策という位置づけでいろいろな措置をしているように報道されています。しかし、現状では、北海道においてはその措置がされたりされなかったりという、そこが私は最大の問題だと思っておりまして、何とか北海道全体の自治体が連携をして国に対して要望すべき課題ではないかと考えるわけであります。その点については考え方が示されておりますけれども、そういった取組、そういった視点で市長のお考えがあれば、お答え願いたいと思います。また、除排雪の条例の関係ですけれども、私は、冬の道路の環境あるいは安全、快適に維持するというのは、やはり市民も協力してやっていかなければならないという大きな課題であると思っております。そこで、市民との協働という立場での条例があれば、より効果的なものになるのではないかと考えておりますので、これについても、今の段階ではなかなか難しいとは思うのですけれども、市民との協働ということを前提に、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。次に、国の経済対策の関係ですけれども、一番問題なのは、今日の新聞の社説にもありましたけれども、やはり企業が利益を上げて、それが労働者の賃金に反映されていないというところが一番大きな課題であると思っています。例えばこれまでも国においては工事請負契約の変更契約、つまりインフレスライド条項の関係などありまして、賃金の関係を反映した、国にはそういった法律があるのですけれども、やはりこれは公契約条例という地方に置きかえてみれば、例えば小樽市が公契約条例を制定するにしてもあまり不合理はないのではないかと私は考えておりますので、ぜひそういう観点で検討をお願いしたいと思っております。次に、子育て支援の関係では、少子化対策というのは全国的な課題でもありますし、なかなか難しい問題だと思いますけれども、ほかの市町村も同じ状況だとすれば、やはり先駆けて何とか小樽でできることをやっていただけないかというのが質問の趣旨でありまして、それについての見解をお示しいただければと思います。次に、地域医療・介護総合推進法の関係ですが、恐らく来年4月からということになっていても、体制が整うまでには何年かかかるという猶予期間もあるのではないかという御答弁を聞いておりましたけれども、やはり一番心配しているのは、その二、三年の猶予期間を待たずして、事業者が廃業するのではないか、撤退するのではないかということでありまして、その点についてお考えがあればお伺いしたいと思います。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
林下議員の再質問にお答えします。まず、除雪の関係でありますけれども、先ほども答弁をさせていただきましたように、災害というような状況につきましては、災害対策基本法という一つの決まりがございますので、そういった中で考えていかなければいけないというふうに思っております。また、特例の措置等につきましては、これは引き続きやはり国に対して要望していきたいと思います。北海道においても、市においても、除雪費は物すごいばらつきがあるのです。小樽市は多いほうでありますけれども、小さいところは1億円ぐらいで済むところもございますし、そういったことを踏まえて、一自治体の問題ではなくて、国に対して要望してまいりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。また、道路への雪出し防止条例の話でございますけれども、これはなかなかその個人を特定するとか、あるいは誰が雪出しをしているかというのはなかなかチェックできない状況であります。仮にそれをチェックしたとしても、どれだけの量を出したのかという、そういったこともなかなかわからないところでありまして、そこにまた不公平感が出てきてもいけないと思います。市民協働ということでは、条例ではなくて、やはり市民の皆さん一人一人にこういったことのないようにこれからもお願いしていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。次に、公契約条例の制定でありますけれども、これも全国的に非常に少ない事例でございまして、もう少し事例などを調査する必要があるのかと思っているところでございます。道内では札幌市がこの公契約条例の制定について取り組んでいると聞いておりますが、賛否いろいろとあるのだろうと思いますので、そのあたりもよく調査をしてまいりたいと思っております。次に、子育て支援につきましては、私はいつも申し上げておりますけれども、将来の小樽を担う子供たちの支援については、やはり前向きにしっかり取り組んでいかなければいけないものだと思っております。特に、平成10年までは年間1,000人の赤ちゃんが生まれてきたわけですけれども、その後平成11年に1,000人を切ってからずっと減り続けております。2年ほど前年比で少しプラスになった年がありますけれども、昨年も647人しか生まれてこない状況にあります。ですから、やはり産み育てやすい環境づくりというのはしっかり取り組んでいかなければいけないと思っておりますので、これにつきましても、先ほど答弁させていただきましたように、継続して取り組んでいきたいと思っているところでございます。最後は、部長から答弁させます。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 医療保険部長 藤井秀喜(医療保険部長は2015年3月まで)
林下議員の再質問にお答えいたします。介護事業所の今後の経営の不安ということについての御質問だったと思うのですけれども、確かに国の制度改正自体も審議中ですし、具体的な中身がいま一つ見えてこない部分もありますので、経営者の方からすればそういう漠然とした不安も含めて、いろいろと悩みがあるというのは私どもも考えております。今、要支援者を訪問介護などのサービスから外すということでの受皿として、先ほどもお話がありましたNPOなどのボランティア団体ということですけれども、なかなか団体の中でもそこまで支えてくれるような団体がまだ育っていないというか、ない状態ですので、もしできたとしても、それが100パーセントというか、大部分を支えてくれるということにはならないだろうと私どもは見ております。ですから、そこを補っていただくというか、そういう部分は介護事業所に委託という形で、国もそれを想定しているようなコメントもありますので、そういう形でやっていくのが現実的かというイメージは抱いておりますが、委託料がどのようになるのかという部分もありますけれども、そこら辺を含めて、策定委員会での年度内のいろいろな議論を踏まえて、また、国からいろいろなガイドラインも示された中で、議論していく中で、そういう課題についても検討していきたいと考えてございます。