みんなの議会

小樽市議会 平成26年第2回定例会 2014年6月17日

教育について

2014年6月17日、小樽市議会の一般質問で、秋元智憲議員が「教育について」質問し、教育長 上林猛が答弁しました。

質問者
秋元智憲 議員
答弁者
教育長 上林猛

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 1番 秋元智憲

次に、教育に関連し、質問いたします。文部科学省では、2007年、小・中学校においては43年ぶりに全国学力テストを再開し、小樽市では4月22日に8回目の全国学力・学習状況調査が行われました。回を重ね、本市の課題や改善点が明らかになるとともに、本市における小・中学校の学力が、全国でも下位に位置する全道に比べ、各調査科目で低い状況が続いております。これまで各年の結果を基に、問題の改善に向けて教育委員会をはじめ学校、教職員、家庭が協力し、さまざまな観点から取組を行ってきたと認識しております。北海道教育委員会が発表している結果報告書では、過去7年間の推移についても触れられ、後志管内での小・中学校の結果も掲載されています。そこで伺います。本市において、まず過去7回の調査でのそれぞれの指導改善ポイントを踏まえ、課題とその傾向について、どのような変化が見られるのか、お知らせください。国立教育政策研究所が、国全体の学力の状況について、今後の教育施策の検証、改善に役立てるため経年変化分析調査を行い、経年の変化を把握、分析し、公表しておりますが、本市でも今年度より学力の定着状況を把握するために、過去の全国学力・学習状況調査問題を小学校5年生、中学校2年生で実施するとのことですが、この取組の狙いについてお知らせください。次に、教育現場におけるICTの利活用について伺います。現在、インターネットやコンピュータの情報通信技術は目まぐるしく発達し、教育現場でのその技術の利活用については、さまざまな角度から議論、実証が進んでおります。しかし、本市にあっては、ゲームや携帯電話などの利用時間が全国平均よりも長く、学力に及ぼす悪影響についても懸念されているところであります。ただ、将来、小樽の子供たちが社会に出て仕事をし、自立していくことを考えると、ICT技術の利用は避けては通れませんし、むしろいかにこの技術をうまく利用するか、これからは学校、教職員、生徒に対する情報リテラシー教育に力を入れていかなければならないと考えます。本年第1回定例会での教育行政執行方針で、教育長は、ICT機器を活用した授業改善とそれらに対する支援を行うとのことでありましたが、今後考えているICT利活用策がありましたら、お知らせください。また、情報リテラシー教育に対するお考えについても伺います。総務省では、現在、フューチャースクール推進事業に取り組んでおり、この事業では、ICT機器を使ったネットワーク環境を構築し、学校現場における情報通信技術面を中心とした課題を抽出・分析するための実証研究を行っており、教育分野におけるICT利活用の推進には、授業の双方向性を高め、児童・生徒の主体性、意欲・関心や知識・理解を高める等の効果があるという特徴があり、特に、ICTを活用した授業は、活用しない授業と比較して学力が向上することが国内外で実証的に示されていますとのことです。今後、ICT機器の活用を推進されるとのお話ですので、その実証結果については既に御存じと思いますが、フューチャースクール推進事業の認識と感想をお聞かせください。これまで述べたように、教育現場におけるICT機器の利活用は重要であり、小樽市の学校におけるICT環境の整備は年々着実に進んでいると認識しております。文部科学省が昨年発表した調査によれば、タブレット型パソコン端末などの教育用コンピュータ1台当たりの児童・生徒数は6.5人であり、教職員の校務用コンピュータ整備率は108.1パーセントでした。以前にもウィンドウズXP問題での各学校の状況について伺いましたが、まず教育用コンピュータ1台当たりの児童数と教職員の校務用コンピュータの整備状況をお知らせください。この教育現場でのICTの利活用については、公明党としても国にさまざま提案してきた経過もあり、私たちもその方策やICT利活用による効果など勉強を重ねており、本年5月には、会派視察として、佐賀県武雄市で取り組まれている反転授業を視察してまいりました。反転授業の導入は、欧米を中心に2010年ごろから注目を集めるようになったと言われております。事例数はまだ少ないですが、日本においても幾つかの小・中、高等学校、大学で導入されています。反転授業とは、授業と宿題の役割を文字どおり反転させる授業形態をいいます。通常は授業中に生徒へ教材を使って知識や考え方などの伝達、学習を行い、授業外でその内容の復習を行うことを反復し、学んだ内容の定着を図るというものです。武雄市では、自宅でビデオやタブレット端末による教材などを活用し、あらかじめ決められた学習内容を学んでから、学校の授業でその内容に関する確認、さらには協働学習によるディスカッションなどを行い、学んだ知識を使う活動によって学習能力の向上への取組を行っています。タブレットの導入は、児童が勉強への好奇心を育むことにつながっている上、事前に学習することで興味や関心が高まり、意欲的に授業を受けることができるといいます。当初、ゲームなどに利用してしまうのではないかという懸念の声も聞かれましたが、タブレットには学習で使用するアプリしか入っておらず、また休み時間には使わない、インターネットにはつながないというルールも徹底されております。また、児童の予習率はほぼ100パーセントで、総務省がICT教育を導入する実証校を対象に行ったアンケートでは、児童・生徒の大半がICT教育に対する授業に興味を示し、小学校3年生から6年生の児童では、コンピュータを使った学習や授業について「楽しい」「わかりやすい」「もっと受けたい」と答えた割合が9割に上っています。先ほど紹介した反転授業は、まさにICTを活用し、子供たちの興味、やる気を高めて行われるものであり、まだ授業で習っていない分野を各自が家庭でタブレットの動画を視聴して事前学習するのが特徴であり、学校での授業は児童全員が予習している前提で進められていきます。昨年11月、また今年に入っても公開授業が行われ、数百人の参観者が全国から来ているそうです。しかし、これまでとは全く違う形態での授業は、当初からさまざまな意見があり議論されましたが、導入までには約1年、スピード感が大切だと樋渡市長が語っておりましたが、市長の言葉をかりれば、「将来、武雄市の子供たちが自分たちで飯を食っていくためにはどうすればいいのか」、さまざま思索されたそうです。当然、反対の意見や保護者や教員の不安の声もあったようですが、マスコミに取り上げられ、企業や大学などからの協力も得られたことで導入が加速し、先行して反転授業を行った2校での様子を見たり説明を受ける中で、校長や教員から導入したいとの声が上がったといいます。現在はもちろん、今後、小樽で育つ子供たちに対してどのような方法で学力を身につけさせるのか、重要な問題でありますが、教育長はこの点についてどのようなお考えをお持ちなのか伺います。この項最後になりますが、先日、文部科学省は、公立小・中学校の統廃合を促すために、年内にこれまでの統廃合基準を改定することを発表したとの報道もありました。一定の学校規模を維持するためであり、財政支援も視野に検討を進めるとのこと。新たな基準として、通学距離を小学校で4キロメートル、中学校で6キロメートル以内とされてきましたが、スクールバスの普及などにより、通学バスを利用した通学時間を基準とする考えもあり、それによっては平成21年に策定された小樽市立小中学校学校規模・学校配置適正化基本計画にも影響が出てくるのか、伺いたいと思います。

答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)

秋元議員の御質問にお答えいたします。ただいま、教育について何点か御質問がございました。初めに、過去の全国学力・学習状況調査を踏まえた課題と傾向についてでございますが、まず本市における過去7回の課題と傾向につきましては、本市の平均正答率を基にした全国との比較の推移を見ますと、小学校6年生では国語、算数ともに全国との差が小さくなっており、中学3年生では国語のBでその差が小さくなっていますが、A問題については全国との差に変化は見られない状況です。数学においては、A問題に改善が見られますが、B問題については全国との差に変化が見られない状況となっております。次に、課題と傾向についてでありますが、本市の児童・生徒は、漢字や四則計算など基礎的な学習については放課後や長期休業中の補充学習、習熟度別少人数指導などにより徐々に改善が見られるものの、一方で目的や意図に応じ必要な情報を読み取る力や根拠を基に自分の考えを文章で表現するなどの応用力に課題が見られることから、それらの課題に向け、今後とも音読や言語活動を取り入れた授業づくりに粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。次に、過去の全国学力・学習状況調査問題を小学校5年生、中学校2年生で実施する取組の狙いについてですが、ただいまも答弁いたしましたが、本市の児童・生徒は、長文を短時間で正確に読み取ったり、類推して考えたことを文章で表現したりすることが課題となっております。その原因としては、日常の試験や宿題などで長文の問題や文章で解答する問題を扱うことが少ないことから、文章問題が多い過去の学力調査問題を活用し、これらの課題の克服を図ろうとしたものであります。次に、今後のICT利活用についてですが、まず現在の市内の整備状況から申し上げますと、教育用コンピュータについては、平成21年度に、小学校では1校当たり約12台、中学校では1校当たり約35台の整備更新を行っております。校務用コンピュータにつきましては、平成22年度から整備を始め、平成25年度には中学校の全ての教職員への整備を完了し、現在、小学校の教職員の整備を進めております。また、昨年度は適正配置に係る新しい学校づくりの一環として、高島小学校に実物投影機を3台導入し整備を行ったところ、授業改善に大きな成果が得られたことから、本年度には市内の小学校全校に少なくとも1台を整備することとし、今後、この実物投影機の実証研究に努めてまいりたいと考えております。次に、情報リテラシー教育に対する考え方についてですが、文部科学省では情報リテラシー教育を情報活用能力として位置づけ、「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の3点をバランスよく育成することが重要であるとしております。本市においては、小学校ではコンピュータの基本的な操作や情報モラルを身につけ、適切に活用するようにすること、中学校では生徒が情報手段を主体的、積極的に活用することを目指し、各教科を通して指導を行っております。私としては、これからの情報化社会の中をたくましく生き抜いていくためには、児童・生徒が携帯電話やスマートフォンなどさまざまな情報機器などに関する知識や理解を深め、コンピュータなどの情報手段を適切に活用できる能力を身につけることは必要不可欠なことであると考えております。次に、フューチャースクール推進事業の認識と感想についてでありますが、フューチャースクール推進事業は平成22年度から総務省が中心となり、文部科学省の学びのイノベーション事業と連携しながら、全国で指定された20校が学校現場におけるICT活用の課題などを分析し、その成果を普及することを目的とした事業であると承知しております。本市においては、ICT機器の段階的な整備と、それを活用する教職員の研修を優先しなければならないと考えており、フューチャースクール推進事業などの先進的な取組事例などについても、今後、情報収集に努めてまいりたいと考えております。次に、本市のコンピュータの整備状況についてですが、教育用コンピュータは現在、小・中学校で753台整備されており、本年5月1日現在で児童・生徒数の合計が7,584人でありますので、コンピュータ1台当たりの児童・生徒数は10.1人となっております。また、校務用コンピュータの整備は平成22年度より7年計画で毎年整備を進め、平成25年度には中学校の教職員全ての整備を完了し、引き続き小学校の教職員への整備を進めており、平成28年度には全ての整備を完了する見込みとなっております。次に、今後の小樽の学力向上とICTを活用した反転授業についてでありますが、現在、小樽市にあっては、教員の指導力の向上を図るため、秋田大学教授を招いた公開研究会の開催、子供たちの基礎学力の定着を図るため音読活動や樽っ子学校サポート授業、また本年度には実物投影機を活用した授業改善などを行っており、これらの取組を着実に定着することを通して学力の向上を図ってまいりたいと考えております。なお、佐賀県武雄市のICTを活用した反転授業等の取組が教育的効果を上げていることは承知しておりますが、現在、小樽にあっては、ICT機器の段階的な整備とそれを活用する教員の資質・能力の向上に努めているところでありますので、将来的な研究課題であると認識しております。次に、国の統廃合基準の改定と本市の適正化基本計画の関連についてですが、文部科学省から正式な通知はまだありませんが、報道によりますと、この秋には中央教育審議会に改定案を報告し、その後、全国の自治体に通知するとのことでありますので、通知があり次第、その内容を確認し、本市の適正化基本計画との関連について検討してまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 平成26年第2回定例会 2014年6月17日 議事録 PDF(57ページ) 間違いを知らせる