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小樽市議会 平成25年第2回定例会 2013年6月18日

地方交付税の削減と小樽市の財政展望

2013年6月18日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「地方交付税の削減と小樽市の財政展望」について質問し、市長 中松義治が答弁しました。

質問者
林下孤芳 議員
答弁者
市長 中松義治

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 16番 林下孤芳

平成25年第2回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。まず、地方交付税の削減と小樽市の財政展望について伺います。小樽市は、小泉内閣時代の三位一体の改革による地方交付税の削減や補助金の削減、バブル崩壊後の経済対策に伴う市債償還の増加、景気の低迷と人口減少による市税収入の減少、扶助費、国保事業、医療助成などの財政負担の増加などによって深刻な財政危機に直面し、財政健全化計画などによる事務事業の見直し、職員給与の独自削減や期末手当の削減、他会計や基金からの借入れによる財源対策を実施し、財政の健全化に取り組みました。何より平成16年度から9年間に及ぶ給与の削減総額は65億5,200万円にも及び、財政の健全化に大きな役割を果たしました。また、民主党政権発足以降の平成20年度からの地方交付税の増額も、小樽市のみならず全国の地方自治体の財政健全化に大きく貢献したと確信しているところであります。昨年の政権交代によって発足した第2次安倍内閣は、経済政策優先で円安・株高を誘導し高い支持率を維持して、経済界、学者、文化人からの批判や懸念もほとんど報道されることなく、自民党安倍政権は、まさに順風満帆の状態が続いております。しかし、地方交付税を地方公務員の給与削減に関連づけて削減するなどの措置は、これまでの地方自治体が独自に取り組んできた財政健全化の努力を無視し、地方自治体に対する国の支配介入であり、定着した地方分権の流れに反するもので、到底理解されるものではありません。本市は、これまで国に先駆けて行財政改革に取り組みましたが、国の指示や強制ではなく、市長や議会、市民の意思に基づき自主的に決定してきました。それが地方自治体運営の基本であり、命であると思います。こうした国の動向から今後の小樽市の財政は極めて厳しくなることが予想されることから、市長に幾つか質問し、見解を求めます。国は、東日本大震災の復興財源として、国家公務員給与の7.8パーセントの削減を2年間の期間を限定して実施しておりますが、地方公務員にも同様の削減を求め、削減額に相当する地方交付税を一方的に減額するとしています。市長は、国の要請に応じて、5月24日に職員組合に対して4パーセントから6パーセントの給与削減に1パーセントの上乗せを提案したと報道されました。小樽市は、国に先駆けて財政健全化に取り組み、9年間に及ぶ給与の削減を実施してきました。その結果として、小樽市の経済は低迷し、民間賃金も低迷するといった副作用も伴ってきました。安倍政権は、デフレからの脱却、2パーセントの物価上昇を目標に掲げ、経済の建て直しを図るとして、本年の春闘では総理みずから経済団体に直接出向き賃上げを要請するなど、異例の行動はマスコミからも経済の立て直しの決意を示すものとして好意的な報道がなされました。こうした一連の政策と地方公務員の給与削減を強制することは極めて矛盾しており、人事院勧告制度も無視するもので、違法、不当な措置と言わざるを得ません。市長は、こうした点についてどのような認識をお持ちなのか、お示しください。また、半ば強制的に集められた復興財源が被災地で活用できずに国に返還される事態が生じている例や、民主党政権時代に各省庁の復興予算に関連して、無関係、便乗だと厳しい指摘を受けて削減やカットされた予算が、続々と復活していると指摘されています。また、当時の国会やマスコミから厳しい指摘に基づき追加された、復興予算を流用しないという条項が消えてしまっていることや、安倍政権が経済政策には膨大な国債を発行して対処しながら、東日本大震災の復興は地方公務員の給与削減で賄うというのは、到底理解されるものではありません。しかも、見返りは、復活したひもつき補助金による公共工事と言われています。これでは地方自治体がこれまで懸命に取り組んできた財政健全化の努力を無視し、国の膨大な借金を地方交付税の削減という形で地方につけ回すようなもので、国の措置には断固反対の意思を示すべきと思いますが、市長の決意をお示しください。次に、アベノミクスと言われる経済政策と小樽経済に及ぼす影響について伺います。アベノミクスは、金融緩和、大幅な財政出動、成長戦略の3本の柱で構成され、これまでの金融緩和、財政出動は、円安・株高の効果をもたらし、経済波及効果も大きく、高級ブランド品が飛ぶように売れている、マンションや戸建て住宅も品薄になっている、中元商戦も高級品の予約が順調などと連日マスコミが報道していますが、地方都市や市民生活にほとんど波及効果は現れていません。むしろ円安・株高によって原材料が値上がりし、市内の事業者からは、大手企業からの値上げ通告が相次いでなされ、小売価格に転嫁できない中小の事業者の経営は大変厳しくなっている、売上げを伸ばしても利益率は悪化しているとの訴えが相次いでおります。また、燃料の高騰による漁業への深刻な影響はたびたびマスコミにも取り上げられておりますが、バスやハイヤー、タクシー、トラックなどの運輸業や、製造業においても影響は深刻になっていると言われています。そうした現状を反映して、小樽市内で賃金の引上げをしたとの話は聞いておりませんが、市長は、小樽市内の賃金の実態と経済の実態についてどのように把握されているのか、お示しください。私どもは、アベノミクスが絶好調と言われる最中の先月上旬に上京して、同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子氏の講演を聞いてまいりました。浜教授は、経済のグローバル化が進む中で、我が国の政府と日本銀行が歩調を合わせて大量の国債を発行して、日銀が買い支え、円安・株高を誘導しても、海外の機関投資家や本当に一部の株主の利益にしかならず、やがて世界各国から批判が出始め、株価は暴落する危険性をはらんでいる。円安効果も多くの資源と原材料を輸入に頼る我が国の経済構造から、輸出産業や大企業、大都市に利益が集中する懸念がある。この経済政策が順調に推移したとしても、地方経済にまで波及効果が及ぶことは期待できないのではないか。市場経済が一部でも回復すれば、金利の上昇は避けられず、長期金利の上昇により、国家財政や地方財政は極めて深刻な事態を迎える危険がある。むしろ経済政策に大量の国債を増発して財政の健全化を怠れば、国際的な信用を失い、日本ショックも起きかねないなどの講演だったと記憶しております。そして、5月23日、日経平均株価が暴落し、1,143円安、リーマン・ショックを上回る13年ぶりの下げ幅となり、緩和一辺倒への警鐘だ、住宅ローン金利も5月から上昇に転じ、6月にさらに上がる見通しで暮らしにも暗い影を落としているなどと報じられています。私たちも日本発の国際的な信用不安が起きるのではないかと大変驚きました。やはり大切なことは実体経済を上向かせ日本全体の成長につなげることであり、我が国が進むべき道であると思いますが、市長はアベノミクスをどのように評価されていますか。また、既に住宅ローンの金利、長期金利が上昇するといった影響が出ていますが、市債償還への影響は、どのように見ておられるのかお示しください。成長戦略が具体的にならず、経済効果は限定的にとどまるとすれば、浜教授が指摘していることが現実味を帯びてきます。地方自治体にとっては、今以上の税収の落ち込みと金利の上昇が続くとすれば、国の政策によって多くの自治体が財政再建団体に転落していく危険性があります。それでも市長は国の政策に従うのですか。どうか、市民のためにも全国市長会と連携して、国に主張すべきことはしっかりと主張していただくことをお願いいたします。

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

林下議員の御質問にお答えいたします。ただいま、地方交付税の削減と小樽市の財政展望について御質問がありました。初めに、国からの給与減額措置の協力要請についての認識ですが、本市職員の給与は、人事院勧告準拠を基本に、財政状況を勘案しながら労使合意や議会議論を経て自主的に決定されるものであり、国からの要請は、地方自治の本旨に照らし、極めて不適切なものであると考えております。また、市としては、これまで実質的に国の要請をはるかに上回る給与の削減をはじめとした行財政改革を進めてきており、これを考慮することなく国並みに給与の引下げを求めることは、まことに遺憾であると考えております。次に、地方交付税の削減に対する国への意思表示についてでありますが、行政サービスの根幹を支える地方固有の財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いることは、地方自治の本旨に照らし、極めて不適切であるものと考えており、これまでも北海道市長会や全国市長会などを通じ伝えてきたところであります。次に、市内の賃金の実態についてですが、全国的には一部の大手企業が政府からの要請に応え、賃金アップを実施するということは承知しておりますが、厚生労働省が実施している毎月勤労統計調査によれば、道内の平成25年3月の所定内給与は前年同月比でマイナスとなっていることから、市内企業についても同様に賃金は上昇していないものと考えております。また、経済の実態についても、市内の企業や経済団体からは、円安や株高による好影響よりも、原材料費や燃料費の高騰、さらには電気料金の値上がりのほうが経営に与える影響が大きいと聞いていることから、市内経済は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。次に、アベノミクスに対する評価についてですが、内閣府が今月10日に発表した本年1-3月期における国内総生産成長率の速報値によりますと、実質年率4.1パーセントで2四半期連続でのプラスとなっております。その要因としては、政府は個人消費の増加を中心に安倍内閣の経済政策の効果が現れ始めているものとしておりますが、円相場や株価に不安定な動きもあることから、政権誕生から約半年という短期間の結果のみで評価を申し上げるのは、時期尚早と考えます。いずれにいたしましても、デフレから早期に脱却し、雇用と所得の増加を伴う経済成長を実現できるよう、日本経済再生に向けた政策を着実に実施していただきたいと思います。次に、金利の上昇に伴う市債償還への影響についてでありますが、今年度の一般会計当初予算では、新学校給食共同調理場や奥沢保育所、学校再編に関連して手宮地区統合小学校の建設など大型な事業を実施し、それらの財源などとして約62億9,000万円の市債の借入れを予定しております。借入時期は来年5月を予定しており、その時点での金利の状況にもよりますが、金利の上昇が続いた場合、市債の借入れに伴う金利負担の増加が懸念されるところであります。

出典:小樽市議会 平成25年第2回定例会 2013年6月18日 議事録 PDF(66ページ) 間違いを知らせる