小樽市議会 平成25年第2回定例会 2013年6月17日
経済動向及び観光施策について
2013年6月17日、小樽市議会の一般質問で、鈴木喜明議員が「経済動向及び観光施策について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 鈴木喜明 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 12番 鈴木喜明
次に、経済動向及び観光施策についてお聞きします。まず、本市の経済動向について伺います。日本全体が円安・株高で大企業の業績や個人消費が上向いている中、インフレで生活必需品や石油関連用品が次々と値上げされ、本市に限って言えば、まだまだ円安のデメリットがメリットを上回っているようにも感じますが、実際、本市の景気の現状をどう分析されているのかお聞かせください。また、今後の経済動向についてもお示しください。次に、本市の観光施策についてお聞きします。2012年度、本市を訪れた観光客数が659万9,000人との発表がされ、東日本大震災で激減した11年度から56万3,000人増加し、被災前の10年度と同水準に持ち直し、その内訳は道外客が189万3,600人、道内客が470万5,400人、宿泊客数が61万2,500人で、10年度比4.8パーセント増と報告されました。LCCの就航効果や、震災後の市内の宿泊施設の本州への宿泊客確保への営業努力もあったと聞きます。結果的には本市が進める宿泊型観光が実を結んできたと思われます。今後、本市の国内観光客誘致施策と、通過型観光から宿泊型観光への方策についてお聞かせください。また、震災後激減した外国人宿泊客数は4万5,491人とかなり増加したものの、2011年度比8.1パーセント減少となっています。今年度はタイなどのアジア圏からの誘致に力を入れるとのことですが、具体的な方策についてお聞かせください。次に、小樽ブランドについてお聞きします。本市も小樽ブランドの育成の重要性に鑑み、重点施策として毎年度予算を配分し、その育成と経済効果に期待しています。その中の事業で小樽物産協会が2008年度から行っている小樽物産展は、全国的に知名度のある小樽を前面に、独自の加工品や食文化の紹介や販売、観光PRに力を入れ、昨年度には井筒屋小倉店なども加わり、今年度は新たに2か所の開催地を検討するなど、発展的に着実に売上額を伸ばしています。その一方、同じ年から行われた、道央圏へのPRを狙い、本市と小樽物産協会などが消費の掘り起こしと販路の拡大を目的とした、大都市圏の札幌で開催している物産展、小樽の物産と観光フェアの売上げが減少していると聞きます。同じような物産展が道外では人気を博し、道内では低迷しているという現状のようですが、その違いと課題はどのようなものなのでしょうか。また、今後の方策をお聞かせください。次に、クルーズ客船誘致についてお聞きします。クルーズ客船誘致については、函館市も、3,000人超え乗りの15万トン級の大型客船も接岸できる岸壁整備を計画するなど、積極的に行っています。報道の中では1隻1,000万円から3,000万円の経済波及効果があるとされますが、本市の経済波及効果は幾らと試算しておりますか。また、函館市は事業主体となる国に岸壁整備を求めるとのことですが、本市としても、何かもっと国へ第3号ふ頭岸壁整備予算確保に向け、働きかけなければならないと思いますが、いかがでしょうか。これまでの小樽港貿易振興協議会の中で行ってきた誘致活動を、観光振興の側面から強め、誘致に特化するためとして、小樽市や観光協会など関係団体が、先月、小樽港クルーズ推進協議会を設立しました。この協議会の有用性と協議内容、また、小樽港がこれまで以上に人気の寄港先になるよう取っておきのプランを提案するとありますが、その具体案についてお聞かせください。次に、物流港としてのロシア極東貿易についてお聞きします。昨年12月、プーチン大統領の年次教書演説の中で、北極海航路開発の強化が表明されました。本年4月、安倍政権で閣議決定された海洋基本計画を受け、道は、アジア太平洋地域とヨーロッパを結ぶ航路として、北極海航路可能性調査報告書の中で、北極海のロシア領海を航路とする北回りルートを取り上げました。道内港から、夏は安価な北回り、冬は南回りという2ルートの組合せで、1コンテナ当たりの経費が約7パーセント抑えられるとの試算も出ております。昨年12月には、ノルウェーからの液化天然ガスが北極海経由で北九州に到着し、北極海航路を通る商業物流として、日本での第1号の実績をつくりました。苫小牧港は北米やロシアにも近く、道外の港に比べ地理的に優位だ、1次産品の輸出拡大に活路を見いだしたいとの地元大手港湾業者の声などもありつつ、苫小牧港管理組合なども、昨年から同航路の研究を始めました。本港としては、道内1次産品のヨーロッパへの輸出窓口港の可能性と、北極海航路の国内最終立ち寄り港として、また、燃料、食料、水などの補給基地としての可能性も考えられると思います。また、4月24日にはロシア・サハリン州が主催する経済フォーラムが東京都内で開かれ、サハリン州の関係者が同州で進むプロジェクトへの投資などを呼びかけるなど、積極的なプロモーションが行われました。それに呼応するように、旭川市が道北の先頭に立って、サハリン州と経済交流を進めようとしています。州都ユジノサハリンスクにおいて9月に、市場を開拓するため、初めての道北物産展の開催と観光プロモーション、道路、公園の整備など土木建設分野の協力拡大の準備に入りました。通関はウラジオストク経由となり、不便な状況もあるようですが、ユジノサハリンスクには新たな液化天然ガス工場の建設や、日本の技術提供を見込んだ道路の改修計画もあるとされ、市場としては有望だと言えます。前述したように、新たな小樽港港湾計画の直近の懸案は、クルーズ客船の誘致を進めるための第3号ふ頭及びその基部の整備ではありますが、物流港としての本港の復権にも係る案件でもありますので、北極海航路の利用案件に今後どのように取り組まれていくのか、また本市とサハリンの間に1995年、定期航路を持ち、その後、航路を休航した経緯と、現在のサハリンとの貿易の可能性について、御見解をお聞かせください。以上、2項目めの質問を終わります。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、経済動向及び観光施策について御質問がありました。初めに、本市の経済動向についてですが、市内企業や経済団体からは、報道されているような円安や株高によるメリットよりも、原材料費や燃料費等の高騰が経営に与える影響が大きいと聞いており、市内経済は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。また、今後の経済動向についてですが、円相場や株価が不安定な状況にある中、国の経済対策の影響が不透明であり、加えて電気料金の値上げが予定されていることから、市内経済は今後も厳しい状況が続くものと考えております。次に、観光施策についてですが、まず、今後の国内観光客誘致施策と通過型観光から宿泊型観光への移行の方策として、8月下旬に東京で予定しております小樽港クルーズセミナーにおいて、首都圏の旅行エージェントに対して広く小樽・後志の魅力を売り込むほか、物産協会と連携して、全国の百貨店で開催する観光物産展を活用したPR活動や、観光協会と連携した札幌圏での誘致キャンペーンなどのプロモーション活動を積極的に行ってまいりたいと思っております。次に、新しい小樽観光の魅力づくりとして、新たな冬のイベント、小樽ゆき物語や、祝津地区の「地域資源を生かした小樽観光の魅力アップ事業」などを実施してまいります。これらの事業を効果的に展開していくことにより、道内外からの観光客、とりわけリピーターや宿泊客の増加を図り、宿泊滞在型観光への移行を進めてまいりたいと考えております。次に、外国人観光客誘致の具体的な方策についてですが、タイについては、昨年10月の直行便就航により観光客の増加が期待できることから、札幌市などと連携して、7月に旅行雑誌の招聘事業、8月に現地でのPRキャンペーン、11月には旅行エージェントの招聘事業を予定しております。このほか今年度は、台湾、香港、中国などに向けたプロモーション活動などを展開し、広くアジア圏からの観光客誘致を進めてまいりたいと考えております。次に、道外での小樽物産展と、札幌圏での小樽の物産と観光フェアの違いと課題についてですが、道外の百貨店で開催される小樽物産展は、日常買い求めることができない小樽産品を買える機会であり、一方、札幌圏では小樽産品を容易に買い求めることができる点に違いがあります。また、課題としては、道外では百貨店の閉鎖による会場の減少等、札幌圏では出展者や出展商品の固定化により魅力が薄れている点が挙げられます。今後の方策についてですが、道外では「小樽産品」販路拡大支援事業を活用し、小樽物産展等の会場の新規開拓に努めるとともに、札幌圏では物産協会等との連携を図りながら、出展者や出展商品がマンネリ化しないよう工夫を凝らすなど、地場産品の販路拡大につながる取組を進めてまいりたいと考えております。次に、クルーズ客船誘致についてですが、まず寄港に伴う本市の経済波及効果については、乗船客や乗組員による市内消費のほか、水先案内や綱取りなど港湾関係業者の収入、さらには入港料や係留施設使用料などの市の収入があります。昨年のクルーズ客船の寄港実績を基に、過去の入港時に実施したアンケート調査での1人当たりの平均消費額等を用いて試算しますと、乗船客や乗組員の市内消費額は約1億7,000万円となり、それに港湾関係業者や市の収入を加えると、これらの直接的な経済効果だけでも、平成24年度で約2億円となります。次に、第3号ふ頭岸壁の整備についてですが、本市としても、岸壁整備には多額の事業費を必要とすることから、国の支援が必要不可欠であると考えております。私も本年1月と5月に北海道開発局港湾空港部長と面談し、国直轄事業による第3号ふ頭岸壁整備の実施について直接要請しており、また、去る5月29日に東京で開催された環日本海クルーズ推進協議会の総会に際して、石井富山県知事や平井鳥取県知事らとともに、鶴保国土交通省副大臣に対して岸壁整備等に関する支援を要請したところであります。今後も機会を捉え、引き続き国土交通省などへの要請活動を行ってまいりたいと考えております。次に、小樽港クルーズ推進協議会についてですが、近年のクルーズ客船の寄港増を受けて、従来小樽港貿易振興協議会で行っていた歓送迎行事や誘致活動のほか、観光宣伝などの一層の充実強化を図るため、新たに国の関係機関や北後志の観光協会などにも参画いただき、本年4月に設立したものであります。今後は、小樽港へのクルーズ客船の誘致を通じ、後志地域や道央圏との連携を図りながら、地域全体の振興に寄与することを目的に活動を進めることとしております。次に、プランの具体案等についてですが、観光ボランティアを活用するなど、地元ならではの個性的な着地型旅行プランの提案を想定しており、現在、市内の旅行エージェントが作成中であり、完成したツアー商品を、8月下旬に東京で開催予定の小樽港クルーズセミナーなどで、旅行エージェントに対し、積極的に売り込みを図ってまいりたいと考えております。次に、物流港としてのロシア極東貿易についてですが、まず、北極海航路の調査研究につきましては、平成24年度に北海道建設部が北極海航路に関する情報の共有を図り、北海道における運航の可能性とその活用について調査研究することを目的に、北海道北極海航路調査研究会を設置し、小樽市も道内の他の港湾管理者とともにオブザーバーとして参画しております。この航路の開通によって、スエズ運河を利用したルートと比べ、輸送距離が約3分の2となり、燃料費等の輸送コスト削減や輸送時間の短縮が期待されることから、その経済的効果について関心が高まっております。今後もこの研究会において検討が継続されると伺っておりますので、市としても、北極海航路を活用した貿易の可能性等について情報収集に努めてまいりたいと考えております。次に、本市とサハリンとの定期航路についてですが、平成7年に小樽-コルサコフ間でロシア船サハリン7により定期航路を開始し、8年には航路が小樽-ホルムスク間に変更となり、その後日本側の貨物の集荷が進まないことや燃料高騰などにより、ロシアの運航会社が不採算航路と判断し、17年8月以降、現在に至るまで休航となっております。現状の中で航路の再開には難しいものがありますが、今後とも北海道が事務局を務める日ロフェリー定期航路利用促進協議会とも連携を図りながら、航路の再開に向けて協議を続けてまいりたいと考えております。なお、本港とロシア極東の港との貿易につきましては、サハリンやナホトカとの間で、主に中古車や機械類の輸出、水産品の輸入が行われておりますが、平成24年度の速報値ではありますけれども、貨物量は輸出入の合計で約11万7,000トンと微増傾向で推移しており、当面はこのような状況が続くものと考えております。