小樽市議会 平成24年第2回定例会 2012年6月19日
(1)放射能汚染対策とエネルギー政策の転換について/(2)人口減少の対策について/(3)新市立病院の入札問題について/(4)夜間急病センターについて/(5)高機能消防指令センターの補正予算について
2012年6月19日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「放射能汚染対策とエネルギー政策の転換について」「人口減少の対策について」「新市立病院の入札問題について」「夜間急病センターについて」「高機能消防指令センターの補正予算について」について質問し、市長 中松義治、副市長 貞村英之が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治、副市長 貞村英之
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
平成 24 年第2回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。まず、UPZ拡大に向けた動きについて質問いたします。国の原子力安全委員会は、EPZをUPZとして半径 30 キロメートルとする見直し案を昨年 10 月 20日に示しました。福島第一原発の被害の実態から、30 キロメートルは極めて不十分であるとする見解は広くマスコミなどでも報道され、泊原発を抱える後志の各自治体からも、戸惑いの声が一斉に上がりました。中松小樽市長は、直ちにUPZの拡大に向けて、後志町村会とともに道や国に対して要請するとの見解を示し、平成 23 年 12 月 28 日の道との意見交換会でも「UPZは単純に 30 キロメートルとくくらず、自然や気象の条件を加味すべき」と発言するなど、一貫して小樽市民の安全と後志全体の安全のために、積極的な役割を果たしてこられたことは高く評価されております。今後のUPZ拡大に向けた見通しと市長の決意をお伺いいたします。その後、経済産業省は、経済界などから夏場の電力不足を懸念する声に押される形で大飯原発の再稼働を1度は決断したものの、関西を中心とする広い地域の自治体から原発の安全性に対する疑問や事故対策の不備に反発の声が広がり、事実上、再稼働は断念されました。こうしたことから、原発の再稼働は広い地域の自治体の同意が必要との考え方が広がり、当時、全国で唯一、営業運転を続ける泊原発3号機の定期検査が迫る中で、地元自治体の動きが注目されました。中松市長は、4月 26 日のマスコミのインタビューに答える形で「関西電力大飯原発の再稼働をめぐる経過を踏まえ、福島第一原発事故の原因究明、原子力規制庁の早期の立ち上げで、もっと専門的な立場からの検証を進めた上で判断すべき」と指摘し、泊原発1、2号機の再稼働についても「安全で環境に優しいと言われてきた原発に対する神話は崩壊した」、さらに「泊原発の周辺では、活断層の存在が指摘されています。再稼働の是非は、耐震性の検証をした上で判断すべき。再稼働に当たっては、後志全体を一つの圏域として各市町村との同意が必要」、北電に対しても「1市 19 町村すべてと安全協定を結び、発電所全体の耐震性や安全性について情報提供を求める」など、大変わかりやすいメッセージを発していただきました。その後も、後志の各首長からも、関西電力大飯原発の再稼働を政府が判断することに違和感を示し、「原発は将来的に廃炉にすべき。1954 年9月の岩内大火では焼けた紙片が余市や赤井川まで飛んできたことからも、西風の吹く時期に泊原発で事故が起きれば、紙片より遠くまで運ばれることは容易に想像ができる」、4月 28 日、仁木町長。「国は、地域防災計画の見直しを求めながら、その指針も示していない。放射線のモニタリングポストを増やすと言いながら、まだ設置もされていないなど安全宣言は矛盾。泊原発の1、2号機のストレステストで断層が連動して起こる地震、長周期の揺れ、原子炉格納容器の金属劣化など、どこまで反映されたか説明されていない」、4月 30 日、黒松内町長。「原発の再稼働ありきの中での安全基準では、住民の理解は難しい。電力不足になる可能性があるからといって、すぐに再稼働が認められることにはならない。安全協定の拡大は必要。国は早期に原子力規制庁を設置し、地域防災計画策定に向けたマニュアルづくりなど、スピード感を持って動くべき」、5月1日、倶知安町長。また、古平町は「泊原発1、2号機の再稼働に現時点では賛成しかねる」、真狩村も「農業に影響するので再稼働は避けるべき」と明確に意思表示をいたしました。UPZは、おおむね後志全域とする方向が示され、泊原発の再稼働についても 20 市町村中 18 町村長の同意が必要との見解を示し、国や道は判断が求められることとなりました。そうした中で5月5日、泊原発3号機が定期検査に入るため運転を停止し、日本の原発はすべて停止する事態となりました。今度は電力各社の電力不足が深刻となると言われていますが、北海道電力はピーク時で7パーセントの電力が不足することが想定されていることから、節電が求められています。札幌市は、あらゆる業務機関で 10 パーセントの節電目標を設定して取り組み、市民にも節電を呼びかけています。小樽市は、庁舎に冷房もなく、これまでも経費の節減対策で節電に取り組んできており、目標の設定は厳しいものがあると思いますが、原発の再稼働を中止するか、相当長期間になることを想定しての節電対策と市民に対する呼びかけも必要と考えますが、市長の考えをお伺いいたします。次に、福島第一原発事故以来、従来の原発政策を見直し、脱原発、卒原発、段階的撤退など、いろいろな意見や論文が多くなってきております。これまで原発の優位性とされてきた発電コストやCO2 の削減といった環境対策、何より安全神話の崩壊がこうした動きを加速しているのであります。これまで原発は発電コストが安いとされてきましたが、放射性廃棄物の処理費用や原発立地交付金、事故に備えるべき補償金などが全くコストに反映されていないことが明らかとなり、環境面でも焼却によって消滅する通常の毒物と違い、放射性物質は環境に取り返しのつかない汚染をもたらし、放射性廃棄物は数万年という単位で保管と管理が必要とされ、人間が管理する限界を超えていることは明らかであります。そうした理由から、原発を中心とする重厚長大な仕組みはリスクが高く、これを機に原発は不良債権としてエネルギーの転換が必要との考えから、先般、私どもは「『脱原発』成長論」の著書で知られる金子勝先生の講演に参加をしてまいりました。講演の中で、「東日本大震災と福島第一原発事故で、日本はバブル崩壊のときと同じような、失われた 20 年の振出しに戻った感がある。当時も、金融不安、不良債権問題で大蔵省や大手金融機関の統治能力のなさが問題となったが、今回も経済産業省と東京電力が無能ぶりを露呈した。今ここで変わらなければ、日本は滅亡するほどの瀬戸際にある」との現状認識の下、「今回の事態を機に、地域分散型、ネットワーク型の社会に転換し、再生エネルギーは小規模分散、それを双方向で、ネットワーク型の送配電網であるスマートグリッドでつなぐというのが新しい経済のイメージになる。今、日本のあらゆるシステムが持続の可能性を失い、これを突破していく成長の種はそこにしかない。北海道には広い土地があり、風力、地熱、太陽光、バイオマスなど、自然エネルギーの潜在能力が高く、それを送配電の改革につなげることが必要だ。再生可能エネルギーが産業になり、エネルギーが根本的に転換すると、新しい投資と需要が喚起される。日本は今、100 年に1度の転換期に立っている」。大変熱のこもった講演をいただき、感銘を受けるとともに、まずエネルギー政策は地方から変えるしかないと強く思った次第であります。幸いにも、小樽市には、既に風力発電や洋上発電の計画が進み、小規模であってもまだまだ可能性があります。国が7月1日から電力の固定価格買取りを電力会社に義務づけただけで、道内では標津町が大手パネルメーカーの誘致をして、最大規模のメガソーラーの計画が進行しています。ほかにも、釧路市や北見市でも同様の計画が進んでいると言われ、地熱発電やバイオマス発電も計画され、北海道はまさに再生エネルギーの拠点としても重要な役割が期待されています。電気も地産地消の時代に向かい、安いコストで投資や新たな雇用も見込まれる再生エネルギーへの転換こそ、これからの成長の起爆剤になると確信するものですが、市長も小樽市発展のために脱原発、再生エネルギーへの転換の方針を明確にすべきときと思われませんか。見解をお示しください。次に、瓦れきの受入れ問題について伺います。本年第1回定例会で、私どもの会派の代表者から瓦れきの受入れについて質問し、理事者からは以前、国から一度問い合わせがあり、「小樽市としては処理能力がないと回答した。その後は、受入れについての問い合わせや要請もない」との回答でありました。しかし、高橋知事は、北斗市の太平洋セメント上磯工場が受入れを検討していることから、高谷北斗市長に協力要請を行いましたが、高谷市長は「真摯に受け止め、慎重に検討していきたい」との回答をしたと報道されています。しかし、3月以降、住民説明会などを開催したとの情報もなく、市長の苦悩がうかがえます。一方、苫小牧市の岩倉市長は、5月 18 日、東日本大震災で被災した岩手県宮古市から瓦れきを試験的に受け入れる実証実験を行う方針を表明しました。会見の席上、岩倉市長は「次世代のためにみんなで協力して、東北の復興を世界に示す必要がある」と受入れの意義を強調し、高橋知事も「全面的に協力していく」と表明して、歓迎の意向を示したとされています。このことにより、道内への震災瓦れきの搬入は確実になったと見られています。しかし、苫小牧市の環境審議会では、有識者の委員などから、放射性物質の安全基準には識者間で相違があり、心配などの懸念や質問が続出したと言われています。そもそも低線量汚染が心配される瓦れきの受入れは、大変長期にわたる未来への責任が伴う判断が求められるものですが、専門家の意見も分かれており、慎重な検証が必要です。高橋知事は、北海道独自の基準を設けて、受入れを表明しています。上田札幌市長は「長期間の瓦れきの管理は市町村の手に負えない」と拒否しています。専門家の立場では、石川正純北大教授は「専用の焼却炉が必要だ」と提言し、岩手県陸前高田市長は「その建設を国や県に頼んだが、相手にしてもらえなかった」と答えています。国や県がなぜ地元の要望を無視してこうした施設を建設できないのか、その理由はいまだに不明のままですが、本来これまで自治体や広域連合などの焼却施設や埋立施設は、放射性物質を想定した設計がなされておらず、一般産業廃棄物の焼却炉や最終処分場の設置でも、周辺住民の理解を得た上で環境対策など慎重に対策を進めた上で、廃棄物の処理がなされてきたものと思います。そうした視点から、輸送費や対策費などの無駄な経費をかけずに、現地に建設を応援するための寄附金付復興債を提言している団体などもあり、既に、現地の企業はかなりの処理能力と除染能力を備えた焼却システムを開発したと最近報道されています。私たちは、そうした取組に対する支援こそ被災地の復興につながる取組であると考えます。市長は、瓦れきの広域処理について、どのような認識をお持ちですか。次に、中古車の放射線汚染について伺います。昨年8月から本年4月までに、全国の主要 13 港で船積みされる予定の中古車 7,137 台から、港湾業界などが定めた独自基準を大幅に上回る高い放射線が検出されたとの新聞報道がありました。これは、港湾荷役団体、日本港運協会が労働者の安全を守るために実施しているもので、国や業界団体の規制する法律や取決めもないとのことで、驚くべき実態であります。我が国は、車の登録制度が大変厳格で、履歴は転売されても必ずさかのぼることができるとされ、輸出先の諸外国でも信頼性が高く、日本の中古車人気はいまだ続いていると言われています。主な輸出先であるロシアは、放射線量に厳しい基準を設け、通関条件を毎時 0.3 マイクロシーベルトと設定し、放射能に対するアレルギーが強い国民性であることが知られていますし、福島第一原発事故以来、アメリカや韓国、中国など諸外国は、我が国よりも放射線に対する強いアレルギーを示していることは、承知のとおりであります。そうした中で、このたびの報道は、中古車の輸出問題にとどまらず、回復した海外からの観光客に再び不安を与えるなど、影響ははかり知れないものがあります。道内では 135 台の中古車から基準を上回る放射線が検出され、小樽港では 82 台、苫小牧港で 41 台、釧路港で 12 台、これらの車は売主に戻されたということですが、その後、大半が転売され、行き先は不明とされ、全国的には 7,137 台の車が我が国を走り回っていることになります。問題は、これらの中古車が市場に出ても、放射線に関する規制がなく、業者のモラルにゆだねられていることにあります。新聞などで詳しく報道されたこともあり、市民からの問い合わせや行政に対する疑問の声もあり、小樽市の担当部署でも、国の法整備が不備のために小樽市として条例をつくることもできないと、大変苦悩しています。東京電力は、放射能汚染のために輸出できずに道内で転売した際の損失を補てんしているとのことですから、事業者の転売が加速され、今後さらに増え続くものと見られていますが、国に対して法整備を求めていくだけでなく、少なくとも小樽港から中古車を輸出する業者には、放射能のチェック結果の報告を義務づけることなどを検討すべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。こうした取組は福島の風評被害をなくし、事業者の信頼にもつながり、評価されるものと思います。次に、食品に含まれる放射性セシウムの新たな基準が平成 24 年4月1日から施行されて2週間あまりで、全国の自治体で 4,866 件の食品検査を実施し、一般食品で1キログラム当たり 100 ベクレルを超えた肉や野菜などは、福島、東北、関東など8県で 156 件、検査総数全体の3パーセントに上ると厚生労働省が発表し、政府は6県の一部産地を対象にシイタケ、タケノコなどの8品目を出荷停止としました。昨年末の厚生労働省が発表した時点では、暫定基準値が1キログラム当たり 500 ベクレルであったものが、より厳しい新基準により、本来は基準値を超える食品が大幅に増えることが懸念されていましたが、やや増加にとどまり、安心した反面、これまでの厚生労働省の調査の信憑性が問われることとなりました。地方自治体が超過の予想される食品を重点的に検査した結果であることは、厚生労働省も認めているところではありますが、福島県、栃木県、茨城県、宮城県、岩手県、千葉県などの一部市町では、シイタケやタケノコなどを含めた8品目の出荷停止となったこともあり、汚染の深刻化が懸念されています。市民から「小樽市の市場に出回っている生鮮野菜や肉、魚介類などはどのようにチェックされているのか」「生産地のチェックは正確にできるのか」などの問い合わせがあるほか、「東京などに住む子供や孫のために、米や野菜を毎月送っている」と訴える方もおりました。そうした中で、このたび教育委員会が給食用食材の産地公表と放射性物質の検査を実施する方針が明らかとなり、大変評価しています。今後も、こうした小樽市に対する市民の要望や期待が続くものと思われますが、保健所にこの秋にも導入が予定されております食品の放射性物質の検査機器の運用はどのように考えておられますか。また、加工食品などの検査に対する要望も多いことから、こうした要望にこたえられる体制はできていますか。放射性物質が検出された場合、公表の基準値はどの数値を考えていますか。市民からの検査依頼に対する結果の公表は考えておられますか。以上の点について、市長の見解をお伺いいたします。先般、小樽市医師会が主催した「放射線被曝の健康被害の真実」と題する講演会で講演をいただいた先生は、放射線治療の専門家として、国の原子力規制のあり方は極めて不十分であることや、食品として体内に取り込まれた放射線は臓器に蓄積され、その影響は極めて深刻であることを訴えておられました。私も、市民の安全と安心、健康を守るために、機器の導入を機に最大限の活用を求めていきたいと考えています。次に、人口減少対策について伺います。私は、昨年第4回定例会の一般質問で、総務省が 2010 年に実施した国勢調査の結果を踏まえて、小樽市が取り組むべき課題について、幾つかの提言をしながら市長の見解を求めてきましたが、人口減少はその後も進み、小樽市のみならず北海道全体でも人口減少は昨年1年間で2万 4,700 人、全国で 26 万5,000 人もの減少が続いています。人口減少対策は、各自治体でもいろいろ試行錯誤が続いていると言われますが、解決策はなかなか見つからず、全国の自治体で対策に苦悩していることをうかがい知ることができます。中でも小樽市の人口減少と高齢化は急速に進んでおり、経済をはじめ、あらゆる分野で影響が出始め、何としても人口減少に歯止めをかける対策を早急に講じる必要があります。そうしたさなかにも、6月 12 日の新聞には、小樽市の人口がついに 13 万人を割り込んだと報道され、私どもも大変衝撃を受けております。これまで提言してきた雇用の場の確保や住宅の整備、恵まれた子育て支援に対する取組、高齢者が生き生き活動できる社会資本の整備などの対策と取組の状況についてお伺いいたします。市長は4月 23 日の定例記者会見で、今後の取組として人口減少対策や雇用対策に取り組む決意を語られ、市民も市長の手腕に大変期待していると思います。第6次総合計画でも減少傾向は想定済みですが、まずは、どこで人口減少に歯止めをかけるか、目標値を明確に示して、そのために必要な施策を効果的に実施するために小樽市の担当部局が連携して、人口減少対策に総合力を生かしていくことが大切だと思います。喜茂別町は、町の基幹産業である農業への就農支援による若者の移住で成果を上げていると言われています。小樽市には、伝統的なものづくりの文化がありますが、後継者不足によってその文化が失われています。技術の継承支援や起業支援によって若者の定着を図るなど、小樽ならではの対策が必要であると考えています。これまでの公共事業による雇用政策には限界があり、発想の転換が求められております。今、民間資本による自然エネルギーや循環型エネルギーなどの分野で、新たな投資が活発に行われており、こうした分野の仕事は将来性もあり、小樽市にはこれからの積極的な企業誘致などによって、雇用の場を確保することが期待されています。労働人口が再び小樽に定着できる環境整備のためには何が必要か、一つ一つ検証して取り組んでいくことが重要であると思います。新聞記事にも、市長の大胆な政策に期待していると報道されていますが、私たちも市民も共通の願いであります。市長は、人口減少対策にどのような戦略をお持ちですか、お示し願います。次に、小樽市立病院統合新築建築主体工事について、2度にわたって業者の入札辞退という異例の事態となりました。これまで 49 億円あまりの大型公共工事で、2度にわたる入札中止は過去に例がないとされる一方で、地元業者から「採算に合わない」「過剰な設計」などの批判があったとされていますが、これまで長きにわたって市立病院調査特別委員会や議会の場で議論が続けられ、とりわけ新市立病院の建設費や規模・機能、国の起債問題、設計基準などは、繰り返し議論が行われた結果であると確信するものであります。特に建設費は、私どもとしては、将来の病院経営の負担とならないように、コンパクトでスリムな設計を求めて主張を展開してきたことも承知の事実ですが、地元業者にも配慮して、国の基準を満たすぎりぎりの設計として1平方メートル当たり 29 万 4,000 円を維持することを議会の意思として決定したことであり、いわば共同責任であるとも思っております。しかし、東日本大震災の復興需要が見込まれる中で、建設資材や人件費の高騰が昨年末から指摘されていたものの、今年度の復興予算が閣議決定されたころから、建設資材が急騰していると言われ、新聞報道では生コンクリートが一気に3倍にはね上がっているなどの懸念が広がり、全国的に公共工事などにも影響を及ぼすことが予想されることから、私どもは国に調査を求めています。その理由は、東日本大震災の復興は全国民の願いでもあり、建設費や人件費の高騰はやむを得ないものと理解もできます。日本全体の景気回復につなげたいとの思惑も理解できますが、地方経済にはいまだに大きな格差があり、国の積算基準や単価の見直しがない中では、地方自治体が進める公共工事が軒並み中止や延期に追い込まれる危険が懸念されるからであります。2度にわたり入札に参加する意思を示しながら直前になって2社ともに辞退をすることが続くことは、極めて不自然の感がありますが、今後の建設需要を考えれば、時間の経過とともに建設費の上昇が続くものは確実と見られていることから、規模・機能を維持して、免震構造の民間病院建設実績なども参考に、入札条件で再検討を進め、一日も早く入札を行い、建設に着手すべきと考えています。市民は、新市立病院の完成を心待ちにしていることをしっかりと受け止め、この事態を乗り切るべきだと考えています。市長の見解をお伺いいたします。次に、夜間急病センターの移転に伴う予算に関連して伺います。夜間急病センターは、これまで済生会小樽病院に併設されて、指定管理者である小樽市医師会によって運営されてきましたが、済生会小樽病院の移転新築に伴い、独立した施設が必要との判断からこのたびの予算措置になったと理解していますが、先般、小樽市が主催した「市民と考える救急医療セミナー」に多くの議員や市民とともに参加して、「救急医療ってなんだろう?」と題した講演を聞きました。特に、小樽市夜間急病センターの運用状況について、済生会小樽病院副院長から「平日は午後6時から午前7時まで、主に外科、小児科を含めた内科の医師1名が診療に当たっている。広い意味で、さまざまな症状の患者が来るので、専門外もあるが準夜勤の夜6時から9時までは市内の医師が担当し、深夜勤務は夜9時から翌朝7時まで大学病院の契約医師が担当しているが、医師不足が深刻化している中で、やりくりができず、済生会小樽病院の医師がカバーに入っていることも少なくない。そうした環境で、年間 7,400 件の患者のうち外科で2件、内科で 54 件、小児科で 56 件が2次救急に転送され、95 パーセントは小樽市内の病院で措置されている。残る5パーセントが3次救急として札幌に転送されている」とのことです。夜間急病センターの受診者は、当初の年間1万人から平成 17 年度以降1万人を割り込み、平成 20 年度から 7,000 人台で推移しているとのことであります。一方で、2次救急患者は7パーセント、540 件で変化はなく、患者数が減少しているわりに救急転送の患者は増加していることから、夜間急病センターの重要性が増していることが理解できました。しかし、人口減少が続き受診者も減少すれば、当然収支の悪化も心配されます。新夜間急病センターの施設設備でもCTスキャンは設置されないとのことですが、患者の立場を考えると不安もあると思います。医師不足も深刻化する中で、独立型施設として医師の確保や、これまで果たしてきた司令塔としての役割が今後も確保されるのかといった心配も講演の中で知ることができました。私どもも、夜間急病センターの果たしてきた役割を今後も期待する立場で、医師の疲弊と負担を少しでも少なくするために、コンビニ受診を減少させるための啓発活動の重要性を再認識するとともに、函館市、室蘭市、苫小牧市、釧路市などの事例の紹介と経費の比較などには、大変大きな危機感を感じました。そうしたことから、「救急医療を考える市民懇話会」の設置を通じて、将来の夜間急病センターのあり方についても協議していくのか大変心配になりまして、保健所に確認したところ、夜間急病センターの体制の変更について協議するものではないとお聞きしました。それでは、「救急医療を考える市民懇話会」は、どのような役割を目的に設置されるのか、また、どのようなメンバーで構成されるのか、あわせて今後のスケジュールなどをお示しください。次に、高機能消防指令センターの補正予算に関して、消防の広域化について私どもの見解を明らかにし、市長の決意を伺いたいと思います。東日本大震災を機に、地域防災に対する重要性が再認識され、市民の消防に対する期待は大変大きなものになっています。これまで、とかく役所的なとらえ方で、消防や警察・自衛隊なども、効率化などを画一的に求められてきましたが、私どももこのたびの津波の大災害や、福島第一原発事故の経験を踏まえて、こうした考え方は改めるべきと再認識したところであります。現在、総務省は消防の広域化事業を推進しておりますが、かつて市町村合併を総務省は地方行政の効率化を目的に強力に推進しましたが、北海道は各自治体の行政面積がもともと広く、行政サービスが行き届かなくなる懸念から、市町村合併は全国一進まなかった経緯があります。消防の広域化は、そうした経過を全く無視するばかりか、東日本大震災や原発事故で、我が身を呈して活動した消防職員や消防団員の努力と、その経験を踏まえた地域が求めている消防活動を無視した措置と言わざるを得ません。また、本来デジタル無線化と高機能消防指令センターなどの事業は一体であると理解しますが、そうした意味からも、国の補助金がこのたび交付されなかったという状況は市町村の防災への取組に対し、あまりにも厳しい対応であったと言わざるを得ません。そうした中で、後志の広域化といっても、その面積は本州の県に相当する広い地域であり、拙速に進められた広域化後の消防に、これまで以上に火災や防災などの人命にかかわる重要な仕事を総務省が求めていることに問題があることは明確であります。市長もそうした立場で、このような総務省などの一方的な施策の押しつけに対しては断固とした姿勢を貫いていただきたいと考えていますが、市長の見解をお示しください。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
林下議員の御質問にお答えいたします。初めに、放射能汚染対策とエネルギー政策の転換について、何点かの御質問がありました。まず、今後のUPZ拡大に向けた見通しと決意についてですが、私としては、これまでもUPZの範囲について福島第一原発の事故を踏まえ、発電所からの距離により画一的に決めるのではなく、地形や気象条件などの科学的根拠に基づく範囲拡大を国や北海道に求めてまいりました。国では、今後、放射性物質の拡散シミュレーションを行うとしており、その結果がUPZの線引きを決定する際の判断材料とされることから、その実施結果に注目しているところであります。いずれにいたしましても、市民の安全と安心を守るため、今後も後志町村会や北海道市長会と連携を図りながら、国や北海道に対して引き続きUPZの拡大を求めてまいりたいと考えております。次に、節電対策と市民への呼びかけについてですが、本庁舎におきましては経費節減の観点から、10年ほど前から蛍光管の間引きや昼休み時間の消灯などを行い、取組開始前後の平成 15 年度との比較で18 年度では 12 パーセントの使用電力量の削減となっており、以後、昨年度までおおむね同程度の使用電力量で推移してきているところであります。今年度、北海道電力株式会社からは、さらに目標数値として 22 年度比7パーセントの削減を要請されておりますので、パソコン機器の小まめな電源オフや冷蔵庫等電化製品の集約、又は使用の自粛を図るほか、照度調査を行いながら、さらなる蛍光管の間引きなど節電対策を一層徹底し、目標数値に近づけるよう既に取組を始めているところであります。また、市民に対する節電の啓発についてですが、基本的には事業者である北電が行うべきものと考えておりますが、広報おたる8月号には節電に関する記事を掲載する予定でおりますし、パンフレットの配置も含め、北電の情報提供に協力してまいりたいと考えております。次に、脱原発、再生可能エネルギーへの転換の方針についてですが、電力の需給バランスを考慮すると、原子力発電所を直ちに廃止することは、経済活動などへの影響もあり、難しいものと考えておりますが、将来的には原子力への依存を減らしていかなくてはならないものと考えております。そのためには、再生可能エネルギーによる電力ウエートを高めていく必要があり、市としても電力事業者等からの導入の計画や提案があった場合などは、できる限りの協力を行うなど、推進に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。次に、震災瓦れきの広域処理に対する認識でありますが、確かに相応の処理能力や除染能力を有するよう開発された焼却施設を現地に設置することが復興支援につながると考えられますが、被災地の早期復興のためには、できるだけ早く震災瓦れきの処理を完了させることが重要であり、全国の自治体の既存ごみ処理施設を利用して広域処理を行うことも緊急措置としてやむを得ないものと認識しております。次に、中古車の放射線量についてでありますが、現在、小樽港から輸出される中古車につきましては、港湾荷役業者が日本貨物検数協会に依頼し、輸出する全車両の放射線量測定を実施しております。毎時0.3 マイクロシーベルトを超えた車両については、中古車業者が輸出を取りやめ引き取っており、その際、放射線量の測定結果について、港湾管理者である市は日本貨物検数協会から報告を受けておりますので、改めて中古車業者に結果報告を求める考えはありません。次に、保健所に導入が予定されている食品の放射性物質検査機器の運用についてですが、機器の種類は簡易型ガンマ線スペクトロメーターというスクリーニングを目的とする機器であり、消費者庁から無償貸与されるものです。この機器で検査を実施した結果、基準値を超えたり、基準値に近い数値であった場合は、厚生労働省が別に定めるゲルマニウム半導体検出器による確定検査が必要となります。検査対象は、17 自治体で生産された野菜等の生鮮食品です。主として、学校給食用食材を予定していますが、該当する生鮮食品であれば、市民の持込み検査にも対応したいと考えています。また、加工食品等につきましては、機器の機能が確認でき次第、実施いたします。次に、検査結果の公表についてですが、公表の基準値を設けず、個人情報を除き原則すべての結果を公表したいと考えております。次に、人口減少の対策についてお尋ねがありました。初めに、これまでの取組状況についてですが、雇用の促進を図るため、企業説明会や企業見学会を実施する「労働者地元定着事業」などを実施したほか、地場産業の振興や企業誘致の取組を進め、雇用の場の確保に努めてまいりました。また、定住促進を図るため、公営住宅の建替えや、市外からの移住促進に取り組んできたほか、子育て支援では、延長保育や休日保育などの特別保育事業とともに、放課後児童クラブの拡充などを進めてまいりました。次に、人口減対策の戦略についてですが、今年度予算では経済・雇用対策を重点施策に位置づけ、雇用の場の確保を図る事業を積極的に推進するほか、子供を産み育てやすい環境づくりなど、人口減を最小限にとどめるための施策を着実に進めていく必要があると考えております。雇用対策といたしましては、新規学卒者の地元定着と雇用の場を確保するため、先ほど申し上げた「労働者地元定着事業」を実施しているほか、今年度からは地元高校生を早期に人材育成するための、「高校生就職スキルアップ支援事業」を実施し、市内企業への定着を図ることとしております。また、地元企業の振興策としましては、「小樽ブランド力推進事業」や「地場産品導入促進事業」などの新たな事業を展開しているところであります。雇用の場の創出や確保のためには、厳しい財政状況にあっても、さらなる対策が必要と考えておりますので、地元企業の活性化に向けた支援策や企業誘致などの取組を進めながら、地域経済を活性化することが重要な課題と考えております。次に、新市立病院の入札問題についてでありますが、建設工事の入札が本年3月に続き、今回も中止になったことに対し大変遺憾に思っております。また、中止になったことで、予定していた開院が遅れることとなり、市民の皆様や関係者の方々に御迷惑をおかけすることとなり、大変申しわけなく思っております。私は、この事態を受け、病院局に原因の究明と設計見直しなどの対応策について、早急な検討を指示するとともに、市長部局に第三者的な視点で設計内容を検証するため設計検証部会を組織し、発注体制の強化を図ったところであります。新市立病院の建設は、市民の命と健康を守るために絶対に必要な事業であるとの認識はいささかも変わっておりませんし、加えて議員が御指摘のような、今後の建設需要の変化も予想されますので、一日も早い着工に向けて、スピード感を持ち全力で取り組んでまいります。次に、夜間急病センターについてお尋ねがありました。このたび「救急医療を考える市民懇話会」を設置した目的についてでありますが、市民の立場で救急医療について考え、知識を深めていただくために設置したものであります。夜間急病センターの今後の体制については、市と医師会の中で検討していくものと考えております。既に本年1月から協議を進めているところであります。また、市民懇話会の構成メンバーは、公募市民3人、地域代表として小樽市総連合町会から3人、高齢者代表として「杜のつどい」から2人、子供を持つ世代として小樽市PTA連合会から2人、計 10名であります。今後のスケジュールは、第1回を6月 28 日に開催し、その中でメンバーと相談の上、回数などを決める予定です。次に、高機能消防指令センターの補正予算にかかわって、消防の広域化について御質問がありましたが、消防の広域化は平成 18 年の消防組織法の一部改正により明記され、市町村は都道府県が策定した消防広域化推進計画に基づき、広域化に向けた取組を行うこととされております。本市の広域化につきましては、この推進計画の中で、後志圏による広域化を検討することが望ましいとされており、これまで本市を含む4消防本部により検討を行ってまいりました。しかし、広域化後の行政区域が山梨県や石川県に匹敵する広大な面積となることや後志特有の地形など、市民の安心・安全を確保する上で課題であることから、本市といたしましては現段階での広域化は困難と考えております。いずれにいたしましても、消防の広域化につきましては、市町村が自主的に決定するものでありますので、今後におきましても、自治体消防の原則に基づき、私が適切に判断してまいりたいと考えております。(「議長、16 番」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 林下孤芳
細かい点については予算特別委員会で再度質問したいと思いますけれども、エネルギー政策の展開についていろいろと発言させていただきました。電気料金の値上げや節電を求められたとしても、なお、脱原発、エネルギー政策の転換を求める意見が 60 パーセントから 70 パーセントの状況で推移しているという各紙のアンケート調査の結果からも、市民は脱原発、エネルギー政策の転換というのを求めているというふうに思います。そうした意味で、私も大飯原発の再稼働については、間違った判断をしてしまったなというふうに思っていますし、国の政策がいつも正しい判断をするとは実は私は思っておりません。私も国鉄改革を経験しましたし、中松市長もバブルの崩壊による国の政策転換などで、非常に苦労された経験があると思います。そうした経験がある首長というのは、そう多くいるとは私は思っていませんから、ぜひそういう経験を踏まえて、やはり国の政策転換というのは、当時もバブル崩壊で銀行を救済するために、相当な国の税金が投入をされて今日に至っている、国鉄改革でも相当な、いわゆる国民負担が残されたと。そういう経過からしますと、今回、例えば原発を廃炉にした場合4兆 3,900 億円ですか、それくらいの費用が必要だということを考えますと、非常に今後の政策転換に向けて、やはり非常に大きなきっかけになるのではないかと私は思っています。そうした意味で、そういう経験をした市長として、もっと国に対してしっかりと発信をしていただきたいという点で、もしお考えがあれば、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
答弁 副市長 貞村英之(副市長は2015年3月まで)
国の施策に対して物申していけということなのですが、脱原発、これは何年か後には、ならざるを得ないものと思っております。ただ、それまでの間のエネルギー供給という面を考えれば、即、脱原発とはいかないだろうというふうに思っております。市民のことを考えれば安全というものは第一、それはもう言うまでもなく、それ以上のものはないと思うのですが、原発自体、過渡的なエネルギーと位置づけて、完全に原発がなくなるまでの間、どのようにしてエネルギー全体の調整を図っていくかと、そういうことで考えておりますので、申すべきところは申して、安全ということはもう確実に守らなければならないことですので、それだけは国であろうが道であろうが物を申していかなければならないと考えております。