小樽市議会 平成24年第1回定例会 2012年2月29日
(1)災害拠点病院としての機能について/(2)市と新市立病院の連携による予防医学について/(3)ヘリポート設置計画について/(4)日本海側拠点港の選定を受けて
2012年2月29日、小樽市議会の一般質問で、中村岩雄議員が「災害拠点病院としての機能について」「市と新市立病院の連携による予防医学について」「ヘリポート設置計画について」「日本海側拠点港の選定を受けて」について質問し、市長 中松義治、病院局長 並木昭義が答弁しました。
- 質問者
- 中村岩雄 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治、病院局長 並木昭義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 中村岩雄
それでは、一般質問を行います。新市立病院に関しての質問です。まず、災害拠点病院としての機能はどうなるのかお尋ねします。昨年の東日本大震災では、想定できなかったような被害が起こり、多くの方々が亡くなり、避難された被災地の方々も家族や家をすべて失い、絶望感の中で必死に前に進もうとする姿勢に私たちも感動を覚えました。小樽市でもし、あのような災害あるいはSARSや新型インフルエンザのような未知の感染症などさまざまな問題が起きたときには、災害拠点病院である新市立病院が率先して市民の命を守るとりでとなっていただきたい。たとえ想定外の事が起こっても、市民の皆さんに的確な情報を与え、公的機関による医療の提供や医師会を通じての協力支援など、市民の皆さんが安全と安心を確保できるシステムづくりをしていただきたいと希望します。そういった趣旨を踏まえて、新市立病院は災害拠点病院としてどのような機能があり、どういった役割を担っていくのでしょうか、お教えください。次に、市と新市立病院の連携による予防医学についてです。小樽市は北海道の中でも高齢者比率の高い地域であり、今後ますます増加することがわかっています。そうした中で、医療費抑制の面でも予防医学が重要と考えられます。市立病院としての特性を生かし、小樽市民の健康情報を市役所とともに把握し、要介護認定を受けた市民は、認知症予防や運動機能の低下予防のため、積極的にかかわりを持っていく。医師による電話相談システムや地域の開業医との連携により、緊急の処置が必要な疾患を見逃すことを防ぎ、過剰な救急車の要請を防ぐ効果もあると考えます。また、観光のまちと言われる小樽市は、中国や台湾などからの観光客が多く滞在しており、そうした訪問客が病気にかかったときに安心して受診できる病院として、英語や中国語を話せるスタッフを配置し、外国人観光客も安心して受診できる病院として機能することを考えることが必要ではないでしょうか。そういった問題に対して、新市立病院における地域医療連携室は、地域の開業医との連携や市民への予防医学についてどのような役割を持つのでしょうか、お示しください。次に、ヘリポートの設置計画について質問いたします。救急医療のシステムは、最初は1次救急病院に受診し、ここではほぼすべての患者を受け入れ、軽症患者や1次救急で解決できる患者と2次救急に送らなければいけない患者を見極めるというふるい分けが必要となります。その後、2次救急施設で解決できる患者と3次救急施設へ送らなければならない患者のふるい分けが行われます。また、患者を搬送する救急隊が心筋梗塞や脳梗塞など一分一秒を争う病気の可能性があると判断した場合は、1次救急を飛び越えて直接2次救急施設への搬送が必要となります。これが現在の日本の救急システムの大まかな形であると考えられ、新市立病院にはヘリポートを設置する計画ですが、その利用形態と市民への周知方法についてどのように考えているのか、また現在のドクターヘリの運航方法などはどのように変わるのでしょうか、お答えください。次に、日本海側拠点港に関して何点かお伺いします。昨年 11 月に、小樽港は、外航クルーズの背後観光地クルーズの機能で、日本海側拠点港に選定されました。機能別ではトップの評価を得たことからクルーズ振興における小樽港の重要性やこれまでの取組が高く評価されたものと思っており、市としても積極的に取り組んでいただきたいと思っております。また、今回の計画は、伏木富山港、京都舞鶴港との連名によるものでありますが、今後、3港で連携した取組も重要なものになってくると思われます。そこで、まず応募した計画書にある3港連携による協議会について、現在、具体的に進めている取組があればお伺いいたします。次に、応募した計画書にある第3号ふ頭での大型クルーズ客船対応施設を整備するには、港湾計画の変更をはじめとして長期を要することになると思われますが、経済成長著しい東アジアのマーケットをターゲットとして、今後、現状よりも大型のクルーズ客船の導入も進んでくるものと考えられ、これらのクルーズ客船受入れのための早期な対応が必要と思われます。このような状況の中、第3号ふ頭における大型クルーズ客船のための係留施設が整備されるまでの間、小樽港としてどのように対応していく考えでいるのかお示しください。最後の質問です。このクルーズ振興は小樽港だけでなく、小樽観光の振興にとっても大きな期待が寄せられているところであります。そのためにも、応募した計画書にある施策を実現していくことが重要だと思います。その中で、第3号ふ頭での大型クルーズ客船対応のための係留施設の整備については、国の支援が必要になると思われますが、近年、国の財政も非常に厳しい状況にある中、計画の実現に向け、今後、国に対してどのように働きかけていくお考えなのか、お尋ねいたします。以上、再質問はいたしませんので、明快な御答弁をお願いいたします。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
中村議員の御質問にお答えいたします。日本海側拠点港に関して何点かお尋ねがありました。まず、3港連携による協議会についてでありますが、去る2月 10 日、本市において港湾管理者の京都府や富山県をはじめ、それぞれの港湾所在地である舞鶴市や富山市など合計8団体による設立準備会を開催し、協議会の名称を環日本海クルーズ推進協議会とすることや4月に設立総会を開催することを確認いたしました。また、多言語での共同パンフレットの作成をはじめ、国内外のクルーズ船社や旅行代理店の訪問など、初年度の事業計画案についても協議を行ったところであります。次に、当面の大型クルーズ客船の受入れについてでありますが、第3号ふ頭における係留施設整備につきましては、港湾計画の変更手続や事業実施に要する期間を考えますと早期に完成することは難しいところですが、この間の大型クルーズ客船の寄港打診に対しては、既存施設の活用により、できるだけその機会を逃すことのないよう対応していくことが重要と考えております。そのため、新年度予算案に勝納ふ頭の岸壁附帯施設改修事業費を計上しておりますが、この事業は既存岸壁の老朽化対策とあわせて極力大型クルーズ客船に対応可能な機能強化を図るもので、第3号ふ頭の整備が完成するまでの当面の対応策として進めるものであります。次に、計画実現に向けた国への働きかけについてでありますが、日本海側拠点港につきましては今後、年 1 回程度、国の検討委員会が開催され、計画の進捗状況や支援内容に関するフォローアップが行われることになっております。このため、3港連携による協議会での活動をはじめ、寄港地としての魅力づくりや観光情報の発信など客船の誘致に向けた取組を鋭意進めながら、寄港実績を着実に積み重ねることが重要と考えております。その上で機会あるごとに小樽港の寄港実績の多さや観光立国の推進に果たす役割の大きさを訴えながら、国の支援を要請してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 並木昭義(病院局長は2025年3月まで)
中村議員の御質問にお答えいたします。最初に、新市立病院の災害拠点病院としての機能と役割についてであります。災害拠点病院は、災害時の救命医療を行う機能、傷病者等の受入れ及び搬送を行う機能、自己完結型の医療救護チームを派遣する機能、地域の医療機関への応急用資器材を貸し出す機能などが求められております。また、被災地からの傷病者の受入れとなり、地域における医療救護活動において中心的な役割を担うこととなることから、継続的な病院機能を保持することが必要であります。このため新市立病院は、後志二次医療圏の災害拠点病院として大地震にも強い免震構造とするとともに、ヘリポートの設置やライフラインを確保するための給排水設備や非常用発電装置の整備を行うとともに、食料や医療品等を保管する備蓄倉庫の設置や、災害時に多数の患者が発生しても対応可能なスペースを確保しております。今後は、災害時に発生する外傷等の患者に適切に対応するため、専門的な研修や訓練を受けた災害派遣医療チーム(DMAT)の創設や災害時の市内医療機関への支援をするための体制整備も検討してまいりたいと考えております。次に、新市立病院における地域医療連携室の役割についてお尋ねがありました。これからの病院経営では、地域医療連携室が担う役割は極めて重要なものと考えております。このため、現在も両市立病院では地域の病院や診療所、医師会との連携窓口となり、勉強会や情報交換会などを行っております。また、市民を対象に市立病院の医師が病気に対する予防方法などをわかりやすく説明する市民公開講座を開催したり、身近な健康問題を看護師、薬剤師、理学療法士などの医療技術職員が説明する市民健康教室などを開催し、高齢者比率が高い小樽市民の健康知識を高めるよう、さまざまな取組を行っているところであります。これら地域医療連携室が行ってきた取組は、当然、新市立病院にも引き継ぎ、地域の医療機関などとの連携をますます進めていくとともに、がん検診、ドック、プチ健診などを通して、市民にさまざまな医療の情報を周知する取組を続けてまいります。また、外国人観光客の患者に対しても、現行のスタッフが安心して受診できるよう対応しているところですが、その対応能力を高める努力をしてまいりたいと考えております。次に、ヘリポートの利用形態などについてであります。新市立病院では、大地震などの災害時に被災地で発生する患者や物資の受入れのほか、より高度な医療が必要な患者の3次医療機関への搬送に対応するため、ヘリポートを設置することとしました。具体的には災害時の北海道の防災ヘリコプター、海難事故の際の海上保安庁のヘリコプター及び事故や急病の患者に対応するドクターヘリなどの利用を想定しています。現在は、公園やグラウンド等を臨時ヘリポートとして使用し、そこから車両で医療機関へ搬送しておりますが、新市立病院にヘリポートが設置されることで直接搬送することが可能となることから、搬送時間も1時間以上大きく短縮されるものと期待しております。また、このヘリポートは、新市立病院だけの利用にとどまらず、他の公的医療機関での利用にも供していくべき施設であると考えております。なお、平成 22 年度の実績では、後志管内で 174 件のドクターヘリ出動要請があり、そのうち小樽市消防本部の出動要請は 18 件でした。なお、小樽の医療機関へ搬送されたのは、このうちの9件となっております。新市立病院にヘリポートができることにより、より多くの患者の搬送や受入れが小樽で可能になるものと考えております。これらのヘリポートの設置に関する情報につきましては、開院に向け随時、広報おたるや小樽市ホームページ等で市民に周知してまいりたいと考えております。