小樽市議会 平成23年第4回定例会 2011年12月6日
(1)市内経済の現状と今後の財政運営の見通し/(2)製造品出荷額の約半分を占める食品分野を成長産業に/(3)天狗山観光推進に向けた提言について/(4)奥沢水源地の今後のあり方について/(5)原発と今後のエネルギー政策について
2011年12月6日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「市内経済の現状と今後の財政運営の見通し」「製造品出荷額の約半分を占める食品分野を成長産業に」「天狗山観光推進に向けた提言について」「奥沢水源地の今後のあり方について」「原発と今後のエネルギー政策について」について質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 山口保
民主党・市民連合を代表して質問いたします。本市の財政は、周知のように、一時の危機的状況からようやく脱し、平成 15 年度以来、一般会計の実質収支が 11 億 8,390 万円の黒字となり、累積債務の解消を果たしたわけであります。しかし、財政当局も同様の認識を持っておられると思いますが、今後の財政運営を考えますと、決して楽観できない状況にあると考えます。それは、本市の都市としての衰退に歯止めがかかっておらず、市税収入など自主財源の確保に不安があるからであります。一方で、急速に高齢化が進み、そのための財政需要の増加に対応が困難と見込まれるからであります。私は、これまで本市の発行する各種統計資料に注目をしてまいりました。一つには、市民所得の減少であります。私は、市民所得の指標としては、市税概要の市民税所得区分別所得金額を見ていくのが一番実態を把握できると考えております。これにより直近 10 年の推移を見てみますと、平成 13 年度には 1,690 億 767 万円、そして 10 年後の 22 年度には 1,284 億 4,961 万円で、約24 パーセントの減少となっております。しかし、この間、平成 18 年に年金所得の課税対象が 140 万円から 120 万円に引き下げられ、統計に加えられる人数が増加したことなどから 65 億円ほど増えており、これを割り引き平均の減少率を加えて推計をし直しますと、約 30 パーセントもの減少となるわけであります。また、この統計の金額の8割以上を占めます給与所得の同様の 10 年間の推移でも、29 パーセントの減少となっております。この間の本市人口の減少率は 11.4 パーセントですから、いかに大きな減少幅か理解していただけると思います。市税収入の減少は、市民所得の減少幅ほど大きくはありませんが、平成 19 年に所得税から市民税への税源移譲で 10 億円を超える増収があったにもかかわらず、この 10 年の推移では 11.4 パーセントの減少となっております。商業統計では、卸・小売業の年間商品販売額の推移で見ますと、平成9年には 4,078 億円ありましたが、直近の統計である 19 年には 3,000 億を割り込んで 2,929 億円に減少しており、28 パーセントを超える減少となっております。特に卸売業の販売額の落ち込みは約 31.9 パーセントの大幅な減少となっており、市内経済構造の変化に対応できずにいる深刻な事態となっております。また、小売業の販売額の減少率は 23.7 パーセント、平成 19 年の販売額は 1,410 億円となっております。このうち、観光の直接消費がどの程度含まれているかはデータがありませんのでわかりませんが、観光入込客数の減少と、観光客1人当たりの消費額の減少が色濃く反映したものと考えております。このように、本市経済は縮小を続けております。一方で、一般会計の各年度別決算規模では、平成 13年度の 711 億 7,600 万円から 22 年度 567 億 2,700 万円へと圧縮が続けられております。目的別歳出決算状況で見ますと、ほとんどの項目で圧縮されておりますが、その一方で、民生費は伸び続けております。市民生活の安心を担保する上で最重要の項目ですから、圧縮が難しいことは言うまでもありません。ちなみに一般会計決算に占める民生費の割合は、平成 13 年度の 26.1 パーセントから 22 年度は 39.4 パーセントと約4割を占めるまでになっており、極めて窮屈な行政運営となっております。平成 16 年度からの財政健全化の取組は、退職者不補充による市職員の削減や給与の削減、事務事業の見直しや削減で、ようやく一息つくところまで来たという印象であります。しかし、実態は、それらの努力にもかかわらず、国の三位一体改革で、平成 16 年度からの地方交付税の削減で達成が厳しい状況が続きましたが、平成 21 年度、22 年度と大幅な地方交付税の積み増しを受け、現在の一息ついた財政状況を実現できたにすぎないとも言えるわけであります。自主財源は減少を続けておりますし、ますます地方交付税などの依存財源に頼らざるを得ない脆弱な財政の構造は、ますます進んでいるのが実態ではないでしょうか。国債を主とした国の長期債務残高は、平成 23 年度末には890 兆円とされております。震災や原発事故を受けての財政需要が膨らみ、また欧州発の信用不安の連鎖で、日本の国債の信用低下にもつながりかねない状況であります。今の水準の交付税が、いつまでも担保される保証はどこにもないわけであります。いずれにしましても、一たび交付税が減額をされ、再び本市財政の危機が訪れたとき、どのような対処ができるのか、甚だ心もとない気分であります。市職員数の削減は、行政執行上、限界にまで来ているのではないかと感じております。平成 16 年から続けられております職員給与の削減も復元されておりません。事業費も、最低限の水準が維持されたままであります。また、本議会でも、多くの議員が言及されている人口1人当たりの普通建設事業費などは、道内 10 都市平均の半分程度にまで抑えられている現状であります。残されておりますのは、各種市民サービスの大幅なカットと、最後のセーフティーネットであります扶助費の削減ということにもなりかねない状況ではないでしょうか。これまで私は、大変悲観的な推論ばかり申し上げました。しかし一方で、起債の元利償還額が平成 16年度をピークに減り続けていることや、石狩湾新港西埠頭に北電が出力 50 万キロワット級の火力発電所を 2015 年度に建設着工することを発表するなど、明るい要素も申し添えねばなりません。今後の財政運営の見通しについての見解をお伺いし、あわせて 24 年度の地方交付税の見通しについても、おわかりになる範囲でお知らせいただきたいと思います。また、財政の概況には、今後の起債の元利償還額について平成 32 年度までの見込額が書かれておりますが、平成 23 年度以降新たに借り入れる起債の償還については、当然含まれておりません。新市立病院の建設や学校の耐震化、新共同調理場の建設など、予定されております事業を含めて今後の元利償還額の推移を見込額で結構ですので、お知らせください。いずれにしましても、財政構造の健全化は、本市経済の再生なくして実現できないのは自明であります。私は、本市の統計指標の中で、もう一つ注目しているものがあります。年次別工業概況の中の製造品出荷額の推移であります。平成 21 年が直近の統計ですから、この間の 10 年の推移で見てみますと、平成 12 年は 1,797 億 7,600 万円、21 年は 1,573 億円となっており、減少率は 12.5 パーセントです。しかし、製造品出荷額全体の5割を占める食品の出荷額は、平成 12 年度 722 億 5,400 万円、21 年度は 780億 3,700 万円と8パーセントの増加となっており、全体に占める割合も、平成 12 年度 40.19 パーセントから 21 年度 49.61 パーセントと、まさに本市の主要製造業になってきております。まず、これらの統計指標の推移についてどのように分析をされているのか、お知らせください。また、産業政策としてどのような施策を講じられてきたのかも、あわせてお知らせください。私は、この食品製造業こそ本市の主要産業となった観光とリンクして最も成長が期待される分野だと本議会でも繰り返し取り上げさせていただき、幾つかのとられるべき政策も申し述べさせていただいてきております。本市が全国的な知名度を持つ観光地となり、20 年を経過しようとしております。北一硝子をはじめとするガラスや、すしは、全国区の知名度を獲得しておりますが、菓子や水産加工品などのお土産や贈答品などは、いまだにローカル商品の域を出ていないというのが現状ではないでしょうか。既存商品でも、売り方やパッケージの形や色やデザインを変えれば、お土産や贈答品として売れ筋に生まれ変わることができるはずであります。食品製造業は、総じて小規模の事業者が多く、日々の製造に追われて、そこまでのこだわりをやりきることができないものと想像されます。行政の役割は、その背中を押してやることではないでしょうか。既存商品の見直し再評価や新商品の開発など、相談の窓口を新たに設け、プロの商業デザイナーや食品アドバイザーの方々にあらかじめ登録していただき、相談ごとに出向いてもらい、相談に乗ってもらうことができるような新たな仕組みができないでしょうか。もちろん一定の費用は相談者の事業者に負担をしてもらい、市が助成するという設計にする必要があることは言うまでもありません。一度、物産協会などと相談をされてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。次に、本市の観光についてであります。東日本大震災と、それに伴う福島第一原発の事故から6か月。3、4、5月の大きな落ち込みからようやく回復に向かい、前年のほぼ9割ほどまで戻ってきているとお聞きしております。このほどまとめられました本市平成 23 年度上期の観光入込客数は、前年同期の 14.5 パーセント、55万 9,400 人減の 329 万 4,400 人と報告をされております。特に、近年顕著に延びてきておりました台湾や香港、シンガポールや韓国、中国からの観光客は5割以上も減少し、宿泊業にも大きな痛手となりました。台湾や香港からの観光客は回復しつつあるとお聞きしておりますが、中国、韓国については、いまだ回復に至っていないと伺っております。今後の展望について、まずお聞きいたします。震災や原発事故の影響から一日も早く回復することを願うばかりでありますが、このことを別としても、本市の観光の長期低落傾向に歯止めがかかっておりません。大きな産業を持たない多くの他の地方都市は、観光をてこにして地域経済の活性化を図ろうと地域特産品の開発や地域の文化の啓発、また、まち並み景観の整備など多くの新たな魅力を創出して、観光地としての地位を築こうと努力されております。そうした中、私は、本市観光の相対的地位が落ちてきているのではないかと感じております。周知のように本市観光は、あの全国的に知られた小樽運河保存運動を経て、運河周辺の環境が整備され、堺町通りに北一硝子三号館が進出され、次々と有名店や専門店が進出、一気に観光地としての地位を築いてきたわけであります。しかし近年では、新規出店の勢いがとまり、一部閉店に追い込まれる企業も出始めるようになりました。私は、運河、浅草橋周辺と堺町通りという狭いエリアの観光では、早晩衰退すると申し上げてまいりました。また、新たな観光拠点の創出が不可欠とも申し上げてまいりました。本市の有する歴史資源や自然景観、中でも天狗山の夜景眺望、旧国鉄手宮線や手宮機関車庫の敷地、埠頭基部を含む第3号埠頭の港景観の整備など、これまで議論を重ねさせていただいております。しかし、この議論も、まだ入り口に立ったばかりと言わざるを得ない状況であります。このうち、旧国鉄手宮線日銀通から中央通までの沿線や鉄道敷地の整備につきましては、本年第2回定例会で議論させていただき、今年度交付金の導入に向けて国への要望を行い、平成 24 年度から用地買収や施設整備を実施し、27 年度までに事業を完成させたいと具体的に答弁をいただいております。前回、少し詳しく述べましたので、今回は簡略に触れさせていただきますが、この事業については、線路敷地山側の沿線に店舗立地を促すためには、線路山側敷地上にまくら木などでウッドデッキ用の長大なホームを築いて、線路側の取付けを改善することが肝要と申し上げました。海側については、線路のまくら木の高さに合わせてまくら木を敷き詰め、木道として人や人力車などが通行できるよう整備をしていただきたい旨、要望をいたしております。あわせて、まくら木の敷設などは、ボランティアも参加できる事業として実施していただきたい旨、要望いたしております。いわゆる公共事業にボランティアが参加し、汗を流すなど例がありませんから、鉄道ファンなどにも注目をしていただけると思いますし、ニュースとしても取り上げられ、北海道最古の鉄道遺構が認知されるよいきっかけになると考えます。この場でも、再度御検討いただきますよう、要望いたしておきます。天狗山観光のリニューアルについても、第2回定例会で若干の質問をさせていただきましたが、本市と北海道中央バス株式会社による天狗山観光推進検討委員会がまとめられました「天狗山観光推進に向けた提言」を読ませていただきましたので、取り上げさせていただきたいと思います。この提言をまとめられるに当たり、1年間に 20 回もの議論を重ねられ、後半部分からはパシフィックコンサルタントにこのプロジェクトのマネジメントを依頼され、いわば開発のプロを交えて、再開発の素案としてまとめられたものと思います。手弁当で民間からこの委員会に参加をされ、議論を尽くされた委員の方々には、特に敬意を表したいと思います。山ろく、山頂施設とも全面的に建て替え、さまざまな遊びの機能を入れ込んだ斬新な設計のイメージパースとなっております。山ろくハウスは、壮大な施設をイメージしており、威容であります。また、山頂ハウスのイメージパースは十分なインパクトを持って見させていただきました。総事業費概算で約 33 億円と見積もられておりますが、もし、これらすべてが実現されるなら、この天狗山エリアは一新し、運河に次ぐ本市を代表する観光エリアに変貌を遂げることができるのではないかと期待をするものであります。低迷する本市の観光に、どれほど大きな活力を与えるものになるかと期待をするものであります。施設は北海道中央バス株式会社の所有ですから、ひとえに中央バスの決断にかかっていることは理解はできますが、私は、これらの計画実現のためには、本市の相応の資金の支出も必要ではないかと考えます。築港ヤード跡地再開発時の前例もあるわけですし、市民の理解も得られるものと考えます。また、完成時には、ロープウエー利用については市民利用を半額にするなど市民に還元していただければ、なお理解が得られやすいのではないでしょうか。また、全体の事業を一気に進めることができないということであれば、個別事業費の概算もされておりますから、事業ごとに随時整備することも可能だと思います。例えば山頂ゾーンでは、山頂駅の改修で 4,500 万円、展望台の新築で7億 5,000 万円、既存展望台の解体で 1,980 万円、合計で8億 1,480 万円と見積もられております。また、散策路の整備についても、高さ 10 メートル長さ 100 メートルのウッドデッキによる樹上散策路の新設などは 5,000 万円、駐車場の改修整備で 1,000 万円、また天狗山観光道路の2車線への拡幅工事5.3 キロメートルについて1億 600 万円と概算をされております。全体計画の中でも、今述べさせていただいた分だけでも先行して実施できれば、相当の効果が期待できるものと考えております。このうち、散策路や道路の拡幅は、本市の事業であります。どう臨まれるのか、市長のお考えをお伺いいたします。去る 11 月 11 日、小樽港が国土交通省港湾局から京都舞鶴、伏木富山とともに日本海側拠点港に選定されました。外航クルーズ船の拠点港として選定されたことは大変喜ばしく、関係行政の皆さんの努力に敬意を表したいと思います。私は、港湾の利用の形態もまちのありようの変化とともに変わるべきものと考え、これまでも特に第3号埠頭やその基部のあり方について議論をさせていただきました。今後、客船ターミナルを中心として、いかに観光都市小樽にふさわしいにぎわいや、交流の場としての港の新しい景観を見いだすことができるのか、本市の将来を左右する重要な課題として注目してまいりたいと思います。これからも議論の場に加えていただきますよう要望いたしたいと思います。次に、奥沢水源地について触れさせていただきます。97 年間にわたり小樽市民の皆さんに水道水を供給してくれました奥沢水源地の奥沢ダムが、本年6月末、ダムの堤体からの漏水が発見され、さまざまな事情から、まことに残念ではありますが、廃止されることとなりました。大正3年に道内最古の水道専用ダムとして建設され、その美しい姿や北海道の近代水道発祥の地として、日本土木学会から土木遺産として平成 20 年に認定されたばかりでありました。去る 10 月 24 日、私どもの会派は現地を案内していただきましたが、ダムの水はほとんど抜かれており、ダムの底に堆積した泥の中を小川のように水が流れておりました。水すだれで有名な階段式溢流路は、ダムに向かう細い鉄橋から見させていただきましたが、圧巻の様相でありました。浄水施設は、引き続き継続できるよう尽力されていることは承知をいたしております。この奥沢水源地は、ダムとしての機能を失ったとしても、本市の貴重な近代化遺産であり、歴史資源であります。これまで水道施設であるがために、ダム本体への立入りは制限され、階段式溢流路を正面から望める橋も立入りが制限されてまいりました。言いかえれば、今後は自由に市民が憩える場に変えることができるということではないでしょうか。私は、空になったダムの底を見ながら、堆積した泥は腐葉土の堆積であり、桜やカエデやコブシなど、植樹をすれば成長も早いし、すぐに花見やもみじ狩りの名所になると想像いたした次第であります。ダム堤体の下には、道路に面した広大な敷地があり、駐車スペースは十分でありますから、長橋なえぼ公園以上の名所となると確信をいたした次第です。奥沢水源地から流れる勝納川下流域、北の誉酒造の酒泉館から上流の奥沢側河岸には昨年、一昨年と市民ボランティアの尽力で桜の植樹がなされ、桜並木が生まれてきております。昨年の作業には、ここにおられる奥沢地区を地元とされる議員の方々も、私どもとともに作業服で植樹や支柱の打ち込みに汗を流され、奥沢町会の役員の方々も多く参加をされました。ダム廃止後の水源地のありようについては、ぜひ奥沢町会や関心を持たれている市民の皆さんも交えて議論させていただきたいと思う次第であります。市民との協働のまちづくりを宣言されている市政のあり方にも合致するものと考えますし、私どもも協力を惜しまないつもりであります。御検討いただきますよう要望いたしますが、御所見をお聞かせください。最後の質問であります。原発の問題について、市長の考え方をお伺いいたしたいと思います。福島第一原発の事故を受けて、原発の安全神話は完全に瓦解し、また事故の影響がいかに大きく、多くの国民を苦しめるものなのかを目の当たりにした1年ではなかったでしょうか。3月 11 日のあの日以来、9か月を迎えようとする今日、いまだ瓦れきの処理もままならず、被災地は廃墟のままであります。原発がなければ日本の電力は賄えないなどと吹聴し、世界の中でも最も地震の頻発する地震国でありながら、54 基もの原発を立地させてきた我が国のエネルギー政策は、合理性に立ち返り、根本的な見直しが必要であることは疑いの余地を入れないものであります。現に、原発の電力を全く使えなくなった東京電力は、夏には電力不足に陥り節電を国民に呼びかけたりしておりましたけれども、この秋には、余剰電力があるから東北電力に売りたいと言っております。企業からの買電や火力発電の稼働で、余るほどの供給能力があるわけであります。これまで一部では、原発なしでも電力供給の仕組みさえ変えれば、企業の持つ発電能力を生かし、それを電力会社が買電すれば、日本の電力は賄えると言われてまいりましたが、それが事実であることが証明されたわけであります。また、火力発電所の稼働は、CO2の排出を増やし、地球温暖化の防止に悪影響を及ぼすと言われてきました。しかし、今や技術革新も進み、近年の火力発電はガスコンバインド発電が主流となり、これは圧縮した空気でガスを燃やし、その力でタービンを回す発電に加え、従来は捨てておりました排気ガスの熱も利用をして、蒸気タービンを再度回し、さらに発電をするというすぐれた技術であります。従来の火力発電の2倍以上の発電効率で、CO2の排出量も半分以下となっております。建設コストや建設までに要する期間も原発よりはるかに安く短いと言われており、今、各電力会社も従来型火発を、このガスコンバインドサイクルに切り替えてきていると言われております。この切替えが進めば、大きなCO2の削減効果も生まれると記載もされており、NGO法人気候ネットワークは、こうしたことから2020 年までに温室効果ガス 25 パーセントの削減は可能と試算をしているそうであります。過去の常識は非常識に変わったのではないでしょうか。私は、なぜ今回の経験を踏まえてもなお原発が必要なのか、理解ができません。私たちのまち小樽は、40 キロメートル先に泊原発を抱えているわけであります。11 月 28 日の定例記者会見で市長は、原発災害緊急防護措置区域、いわゆるUPZを 30 キロメートル圏より一層拡大するよう国や道に要請するとの考えを表明されました。このことについては、当然のこととして同感であります。泊周辺には新たな断層の報告もありますし、また北電は、新たな防潮堤の建設など安全措置を講ずるとしておりますけれども、絶対安全という確信は、もうだれも持てないのではないでしょうか。また、少しの放射能漏れでも必ず風評被害は甚大であります。函館もそうした観点から、大間原発に対して強い反対の態度を示しておられるのだと思います。泊原発の再稼働に対して安易に同意をされないよう求めますが、市長のお考えをお知らせください。私の質問はこれで終わりますが、最後に、10 月 14 日、北海道新聞朝刊一面に「ポスト原発社会」と題した大変興味深い記事がありましたので、簡単に紹介させていただきたいと思います。北海道大学大学院量子集積エレクトロニクス研究センターで、次世代の太陽電池の開発が進められており、実現がされれば、1平方メートルのソーラーパネルで一般家庭 100 戸分の消費電力を賄えるというものだそうです。今、日米欧の各研究機関が、その開発を競って行っている中、北大では 10 年後の実用化を目指し、研究を続けられているそうであります。こうした技術革新は、我が国の電力をはじめとするエネルギー事情を一変させるに違いないと思います。詳細はぜひ記事を読んでいただきたいと思います。以上、私の質問を終わります。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。初めに、市内経済の現状と財政運営の見通しについて、何点かお尋ねがありました。まず、今後の財政運営の見通しについてでありますが、本市の財政構造は、歳入では市税などの自主財源に乏しく、また歳出では扶助費をはじめとした義務的経費の占める割合が高く、柔軟性に欠けるといった特徴があります。そのため、安定した税収の確保に向け、今後とも産業振興や企業誘致などに積極的に取り組むとともに、真の財政再建に向けて、歳入の確保や経費の節減など収支改善の取組を引き続き強力に実施してまいりますが、現時点におきましては、やはり社会保障サービスを持続的に提供するための都市税財源の充実強化や地方交付税総額の確保といった国の財政措置によって、本市の財政運営も大きく左右されるものと考えております。次に、平成 24 年度の地方交付税の見通しについてでありますが、総務省の平成 24 年度予算に係る概算要求におきましては、要求の前提となる地方財政収支の仮試算において、地方の税収プラス 1.5 パーセント、0.5 兆円の伸びと見た上で、地方交付税については本年度比でマイナス 1.6 パーセント、0.3兆円減の 17.1 兆円を要求し、地方の安定的な財政運営に必要となる財源を適切に確保することとしたところであります。しかしながら、国の試算は地方全体のマクロの試算でありますので、景気の低迷や固定資産税の評価替えなどによる税収減が見込まれる本市におきましては、総務省の概算要求を反映し、来年度の地方交付税については、本年度より減少するのではないかと懸念しているところであります。次に、今後予定されている事業を含めた市債の元利償還額の推移についてでありますが、現地点でおおむね起債額が決まっている主な事業では、病院統合新築事業で約 126 億円、小・中学校の耐震及び大規模改造事業等で約 11 億 8,000 万円、新共同調理場土地取得事業で1億 9,200 万円の新たな借入れを予定しております。これらを含めた元利償還額につきましては、平成 23 年度借入分の元金償還が始まる平成 27 年度で現在の試算より約3億 3,900 万円増加し、約 102 億 3,300 万円となりますが、平成 26 年度の元利償還額の 116 億 5,800 万円を 14 億 2,500 万円下回りますので、これらの事業に係る元利償還額を含めても、減少傾向にあることに変わりはありません。次に、食料品製造業に関して御質問がありました。まず、ここ 10 年間における製造品出荷額の推移の分析についてでありますが、特に近年は経営環境が厳しい中にありながらも、食料品製造業の出荷額が増加しているものであり、新たな企業の操業開始及び各企業の設備投資や営業努力による安定した売上げの確保などがその要因であると考えております。次に、産業施策についてでありますが、市内企業のPRツールやホームページの作成、産業展への出展などを支援するものづくり市場開拓支援事業、物産展などによる国内販路の拡大事業や、東アジア等の海外への販路拡大事業のほか、地域経済の波及効果が高い企業誘致にも積極的に取り組んできたところであります。次に、食料品製造業に対する新たな仕組みづくりについてでありますが、本市の高いブランド力をさらに生かすためにも、新しい商品開発や既存商品のブラッシュアップとともに、効果的な販路拡大を図ることが必要であります。そのためには、地元の特性を把握したフットワークのよい支援体制が重要であると考えており、小樽物産協会などとの連携を強化し、市場マーケティングに基づいた商品開発や、販路拡大のための営業戦略などを視野に入れた事業を展開できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。次に、天狗山観光推進など、本市の観光についてお尋ねがありました。まず、今後の外国人観光客の展望についてですが、東日本大震災の被災地から離れた地域では、風評被害の払拭などにより、ゴールデンウィークを境に日本を訪れる観光客数が回復傾向にあります。しかし、長引く円高が回復傾向を鈍化させているほか、韓国、中国では依然として多くの皆さんが放射能に対する懸念を抱いております。本格的な回復にはまだ時間がかかるものとお聞きしておりますので、今後の誘客に向け、外国人観光客ダイレクトアクセス実証実験事業を 12 月 21 日から実施するとともに、海外でも人気の高い小樽雪あかりの路のPR、中国でのトップセールスなどに取り組んでまいりたいと考えております。次に、天狗山観光推進に向けた提言の実現に係る本市の事業へのかかわりと実施する事業についてでありますが、天狗山地域は小樽観光基本計画における重点地域の一つであり、この地域の活性化は、今後の小樽観光の振興に大きな役割を果たすものと考えておりますので、観光事業者だけではなく、市も連携して事業を進めていかなければならないものと認識しております。現在、北海道中央バス株式会社と事業化に向けた検討を進めるために必要な調査等について、事務レベルでの協議を行っており、具体的に本市が実施する事業については、これらの結果等を踏まえて判断してまいりたいと考えております。次に、奥沢水源地の今後のあり方についてでありますが、奥沢水源地は大正3年の水道創設から 97年間現役で稼働してきた水道施設であり、先人から引き継いでいる歴史的な土木遺産であると思っております。奥沢ダムはやむを得ず廃止いたしますが、ダム以外の水道施設については、可能な限り残したいと考えております。今後、ダムの貯水池内の活用方法については、検討委員会などを設置し、有識者や市民の皆様からの声を聞きながら、創設水道であったことを後世に伝えるとともに、市民に親しまれる施設になるよう検討してまいりたいと考えております。次に、原発と今後のエネルギー政策についてのお尋ねがありました。泊原発の再稼働に対して、安易に同意することがないようにとのことでありますが、議員も御承知のとおり、現行のいわゆる安全協定に基づいて小樽市は同意する立場にはありません。しかしながら、福島第一原発の事故を踏まえて、原子力発電はさらなる安全対策が求められるべきであり、これまでも国、北海道や北電に対して安全対策に万全を期すこと、情報の提供に努めること、電力の安定供給確保のためエネルギー供給源の多様化を進めることなどの対応を求めてまいりました。私としても、原子力に過度に依存することがないよう、今後、自然エネルギーを含む代替エネルギーなどの導入について、積極的に取り組む必要があると考えております。