みんなの議会

小樽市議会 平成24年第4回定例会 2012年12月11日

(1)緑の景観のあり方について/(2)市所有歴史的建造物の保全のあり方について/(3)旧国鉄手宮線整備事業とそれに伴う沿線の景観形成について

2012年12月11日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「緑の景観のあり方について」「市所有歴史的建造物の保全のあり方について」「旧国鉄手宮線整備事業とそれに伴う沿線の景観形成について」について質問し、市長 中松義治、建設部長 工藤裕司が答弁しました。

質問者
山口保 議員
答弁者
市長 中松義治、建設部長 工藤裕司

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 山口保

質問に入らせていただく前に一言申し上げます。今定例会は、1週間後に我が国の進路にかかわる重要な国政選挙を控えた中で行われております。本市は、私たち議会も行政も小泉政権の三位一体改革以来、交付税の大幅削減や地域税収の減少により、長い間、財政難に苦しんでまいりました。市職員の皆さんの給与や手当のカット、市職員数の削減による行政のスリム化、市民サービスの一部に切り込むなど、できる限りの自助努力がなされてまいりました。私たち議員も給与や手当のカットで協力をさせていただいてまいりました。しかし、そうした努力も、地域経済の構造変化や衰退がとまらず、税収の減少で相殺されております。3年半前の歴史的政権交代に対する評価は、さまざまであろうかと思います。しかし、補助金の一部交付金化や地方交付税の大幅増で、本市の財政健全化が曲がりなりにも一息つくことができたのは事実ではないでしょうか。今回の選挙でどの政党が政権を担うことになったとしても、地方交付税の削減だけは、絶対にやっていただかないよう強く望むものであります。他会派の皆さんにも、そのことに対してだけは会派を超えて協力をいただけるようお願い申し上げて、質問に入らせていただきます。まず、本市の景観行政について、伺います。初めに、本市の緑の景観についてであります。平成 16 年7月に策定されました小樽市緑の基本計画は、「市民と育(はぐく)むみどりあふれる、ゆとりあるまち小樽」を基本理念として掲げております。以下、基本計画の一部を読み上げさせていただきます。「本市の市街地は比較的緑が少ない状況にあるため、残っている緑の保全に加え、魅力ある公園の整備、花と緑でうるおうような公共公益施設や民有地の緑化を進め、緑豊かで美しくゆとりある街並みを形成していく必要があります。また、道路や河川の緑化により緑の連続性を確保しながら、拠点となる公園緑地を結ぶ緑のネットワークの形成を図り、緑地としての機能を強化することも望まれます。そこで、“みどり広がる安心・快適なまち”の実現を目指し、市民・事業者・行政の協働のもと、花と緑であふれる新たな空間をつくり育てていきます」と書かれております。また、平成4年に改正、新たに制定された「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」は、歴史景観のみならず緑化の推進も盛り込まれた条例となっております。この間、本市中心部や山手地区なども建替えが進み、広い敷地を有した商家の居宅なども次々と取り壊され、庭に植えられていた緑も消失、無機質なまち並みに変貌しております。民地の緑は明らかに減少しており、だからこそ私は、街路樹の緑や花壇、公園緑地の緑の景観の整備・保全が、ますます重要になってきているのではないかと考えます。本市緑の基本計画は、市内全域での緑化の推進、保全を目的としております。現状を見てみますと、観光客の回遊ルートとなっている市内中心部の街路や公園でさえ、緑の配置や花の植栽など、意識的に行われているとは到底言えない寂しい状況ではないでしょうか。本市の財政事情は理解はできますが、私は、少なくとも本市景観条例で定める小樽歴史景観区域内や重要眺望地点に定められている手宮公園、水天宮、平磯公園などについては、観光都市小樽にふさわしい緑の景観形成が行われるべきだと考えます。これらを重点地区と定め整備・保全を進めていくために、本市緑の基本計画を基に具体的目標を掲げて推進していく緑の景観計画の策定を検討するべきではないかと考えております。地区内の街路樹には、プラタナスやナナカマド、メタセコイアなどがあります。ナナカマドなどは現在は剪定がなされていないそうでありますが、かつての剪定で、電線に対する配慮からか、樹形が整っていないように思われます。プラタナスは、住民に対する配慮で強剪定が行われており、11 月から6月中旬まで街路樹の面影もなく、まるで立体オブジェのようなありさまで、緑化効果も半減であります。日銀通りのプラタナスについては、歴史的景観の中心地でありながら、5月のゴールデンウィーク時にも丸裸で異様な姿であり、観光地として改善が必要ではないかと問題提起され、本市と日銀通り景観協議会との協議を経て、平成 16 年、剪定の方法が見直され、プラタナス本来の見事な樹形がよみがえっております。地先の住民の皆さんには大変御負担をおかけしておりますが、平成 16 年以来今日まで、毎年 11 月 23 日を目安に、まちづくり関係団体や市職員の皆さんで落ち葉の回収が実施されております。本年 11 月 23 日にも、建設部長、次長をはじめ、建設部の有志の皆さん、観光振興室、文学館・美術館、昨年まで建設部に在籍され、毎年参加をいただいておりました現水道局長も参加されて、市内まちづくりの4団体とともに雪の中、作業がされております。しかし、他の地域の街路のプラタナスについて、同様に剪定の方法を改めることは、大変難しいのが現状ではないでしょうか。そうであるならば、将来樹種の変更も考えねばならないのではないでしょうか。費用の点からも、ほとんど剪定が要らないナナカマドなどと比較して、毎年強剪定を行うわけですから、財政負担が生じます。中央通や色内本通りに植えられているメタセコイアについても私は大変奇異に感じております。中央通の街路樹の整備は、皆さん御存じのように、小樽駅から運河や港に通ずる本市の縦軸のシンボルロードとして、平成 15 年、本市の中央通地区土地区画整理事業とあわせて、北海道により道路の拡幅、歩道の整備が行われ、電線の地中化も行われました。メタセコイアがどのような経緯で選択されたのか承知しておりませんが、メタセコイアは、杉のように樹形は縦に長い三角錐であります。また、常緑樹ではなく、秋には細かな葉が赤褐色に変わり、だらだらと次第に落葉します。8メートルと幅の広い歩道が敷設され、電線が地中化されているわけですから、横に枝を広げ木陰をつくり、大木に育つ樹種がなぜ選択されなかったのか、大変疑問であります。例えば、ナナカマドやイタヤカエデ、キタコブシなど、北の風土特有の樹種で本市の緑の景観にふさわしい樹種に植え替えていくことも必要ではないでしょうか。また、手宮公園や平磯公園など重要眺望地点とされている公園や小樽を代表する小樽公園の保全・維持なども十分に行われているとは言いがたい状況であります。手宮公園では、平成 16 年台風第 18 号の強風により公園内のクリや桜の老木が倒れ、その後、老木の整備はされましたけれども、補植の計画もされませんでした。また、現在も草刈りなどが十分に行われておりません。本市公園緑地課の管理する公園は、大小合わせて 93 か所にあり、面積は 129 ヘクタールと伺っております。ほかにも管理する緑地は、2ヘクタールがあるとのことです。それに対し予算は、財政健全化以前に比べほぼ半減の 4,000 万円強とのことであります。これでは十分な維持・管理や植栽はできないのではないでしょうか。一方で、幸いなことに、そうした市の窮状を補完するように、市民による植樹の活動も盛んに行われてまいりました。平成 15 年には運河公園に桜 30 本が、また平成 19 年には手宮公園におたる緑のまちづくりの会により桜 30 本が植樹され、今年も 15 本が植えられております。また、北限のくり林の会もクリの苗木を植え続けられています。桜の老木も手入れが行き届かず、根元からひこばえが繁茂し放置されておりましたが、緑のまちづくりの会や建設部長をはじめ公園緑地課長以下市職員の手で、今年 10月 21 日と 10 月 25 日の両日、手宮公園内の桜については、すべて整理がなされたところであります。妙見川河岸にも市民、町会がお金を集めて、河岸のレンガブロックによる修景が行われ、柳並木が復活いたしております。この事業には 400 万円を超える資金が集められ、中心になって活動をされた「利尻屋みのや」社長をはじめ、妙見町会の皆さんや緑のまちづくりの会、市建設部の皆さんが、休日を返上して作業を進められた結果であります。花園グリーンロードにも市民の皆さんの手で桜が植えられておりますし、勝納川河岸にも桜並木が造成され、また朝里川河岸の桜並木の造成は、小樽・朝里のまちづくりの会の皆さんが力を注いでおられます。花の植栽などでは、フラワーマスター連絡協議会の皆さんにより市内各拠点にフラワーポットを設置する事業が行われており、新日本海フェリーターミナル海側緑地には、ウェルカムガーデンとしてネットワーク・らんの皆さんにより、毎年花の植栽が行われております。また、ハーブなど野草の愛護団体もあります。他にも多くの市民ボランティア団体が緑化活動をされていると聞いております。本市緑の基本計画には、「緑の施策を実現していくため、市民との協働のしくみをつくり、緑化を推進する体制の強化を図っていきます。体制づくりにおいては、市民が緑化活動に参加しやすく、個人・団体を問わず自主的な参加を促すようなシステムづくりをめざします」と書かれております。財政難の中、北海道を代表する観光地にふさわしい緑の景観の保全推進のためには、そうした体制づくりも急務ではないでしょうか。そのためには、行政が施策のどの作業を市民の手でやっていただくのか、あらかじめ決めておく必要がありますし、ボランティアでやっていただける個人や団体を把握しておく必要があります。先ほど来、挙げさせていただきました団体はもちろんのこと、ほかにも多くの団体がありますし、例えば「ポイ捨て防止!街をきれいにし隊」にも多くの個人や団体が参加されております。事業ごとにそうした個人や団体をあらかじめ登録させていただき、参加の有無を確認するなどできれば、市民参加の事業はやっていけるのではないでしょうか。今後進められる旧国鉄手宮線整備事業の中にも幾つかのコミュニティガーデンの造成が検討されておりますし、街路樹の植樹ますなどに花の植栽などをしていただければ、まちの中に彩りができるのではないでしょうか。長々と述べさせていただきましたが、市民参加・協力のシステムづくりは、本市の状況を考えれば、大変重要な政策課題ではないでしょうか。いずれにしましても、北海道を代表する観光都市である本市にふさわしい整備が必要だと考える次第であります。今後、この区域内の緑の景観の保全や推進についてどのように取り組んでいかれるのか、市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。次に、歴史的建造物の維持・保全について伺います。今年 11 月末現在、登録歴史的建造物 90 件、指定歴史的建造物 71 件、加えて文化財では、国指定重要文化財として、旧日本郵船株式会社小樽支店と旧手宮鉄道施設、国登録有形文化財として、JR小樽駅、旧青山別邸があり、日本銀行旧小樽支店は、市指定有形文化財となっております。また、祝津の鰊御殿は、道指定の有形文化財となっております。景観条例制定以降、老朽化や道路拡幅、火災などにより解除、抹消されたものは、平成 19 年5月に火災で焼失した坂別邸など 10 件となっております。ほかに所有者の意向で、指定歴史的建造物とはなっていないものに旧三井銀行小樽支店や和光荘などがあると伺っております。本市の歴史的建造物の多くは、民間所有であり、所有者の方々には条例の趣旨を御理解いただき、保全・維持に努めていただいていることについて、感謝を申し上げたいと思います。一方、本市所有の歴史的建造物は、国指定重要文化財である旧日本郵船株式会社小樽支店、旧手宮鉄道施設、道指定の有形文化財の鰊御殿、市指定では小樽市庁舎、旧小樽区公会堂・旧岡崎家能舞台、旧小樽倉庫、旧第一銀行小樽支店、旧寿原邸、潮見台浄水場管理棟、運河公園内にある旧日本石油㈱倉庫と計 10 件となっております。維持・管理については、公会堂は生活環境部、旧小樽倉庫や日本石油㈱倉庫、鰊御殿は産業港湾部、旧日本郵船株式会社小樽支店や旧手宮鉄道施設は教育委員会、潮見台浄水場管理棟は水道局など、所管が分かれております。ほかにも総務部や財政部が所管しているものもあります。本年第3回定例会代表質問で同僚の佐々木秩議員が、建設部公園緑地課が所管する旧寿原邸の維持・保全について質問しております。私は、かつて旧日本郵船の維持・保全のあり方についても、長々と議論をさせていただいております。旧寿原邸は、先日、所管部の市職員とともに内部を見させていただきました。壁や天井には随所に雨漏りの跡があり、屋根の傷みが激しく、早急に修繕の必要を感じました。修繕に当たっては、市景観審議会委員など専門家の意見を伺いながら、屋根のみならず建物の傷みの程度などのしっかりとした調査を経て修繕の計画を立て、早急に実施がされると伺っております。旧寿原邸については、所管が建設部内でもまちづくり推進課ではなく公園緑地課であることについて奇異に感じております。天井や壁のしみは、相当以前からあったのではないかと推察されます。一般の家でも屋根にさびが出るまで放置をすることはありません。私は、これを機会に本市が所有する指定歴史的建造物や文化財の維持・保全のあり方について、再検討が必要だと痛感いたしております。歴史景観を最大の財産として、国内有数の観光都市として認められてきた本市であれば、建設部か教育委員会に文化財課が配置され、文化財建築の専門職員が維持・保全・管理に責任を持つ体制ができていてしかるべきと考えてまいりました。しかし、本市の財政事情から市職員数が削減され、部や課の統合で行政のスリム化が余儀なくされている今日、望むべくもないのは理解しております。しかし、今の体制のままでは不十分なことは自明であります。先ほどから述べさせていただいたように各指定歴史的建造物、文化財の維持・保全・管理の所管がさまざまな部局に分かれております。所管に専門家は皆無と言っていいと思います。私は、今の所管の体制のままでも今以上の管理ができるよう改善はできると考えます。問題は、連携なのではないでしょうか。例えば、本市景観条例を所管する建設部まちづくり推進課に担当の係員を配置し、指定歴史的建造物を所管する部局と、それぞれ建物の維持・保全点検のマニュアルを作成し、各所管がそれに従って日ごろ維持点検に努め、担当は所管と随時情報の交換をし、常に建物の状態をカルテなどにして把握している、こういうことができれば、今回のような事態は起きないと思います。そうした体制はできませんか。市所有の歴史的建造物の維持・保全のあり方について、そうした改善が行われるよう求めますが、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。次に、旧国鉄手宮線跡地整備と、それに伴う沿線の景観形成について伺います。平成 25 年度から旧国鉄手宮線の整備が始められると伺っております。まず、その概要を報告いただける範囲で構いませんので、お知らせください。私は、この整備は、国の重要文化財である旧手宮鉄道施設と旧日本郵船株式会社小樽支店の北運河周辺の木骨石造倉庫群など本市北側にある歴史資源と日銀通りなど市内中心部を結ぶ横軸としての本市の重要なシンボルロード、本市の誇る北海道最古の鉄道遺構を生かした歴史公園の道として、後世に残すべき重要な事業だと考えております。この事業の重要性については、さまざまな観点からこれまで機会あるごとに述べさせていただいております。長期低落傾向にある本市観光に新たな魅力を加え、離れかけている多くの小樽ファンの皆さんに、もう一度評価をいただき、訪れていただく機会とせねばなりません。平成 21 年3月に市長が当時座長としてまとめられた旧国鉄手宮線活用懇話会の報告書によれば、各地区に拠点として駅をモチーフとした広場を整備したいとされており、北から手宮、稲北、竜宮、中央、色内、花園と六つのステーションが想定されております。小樽駅4番ホームのように昔ながらの石積みのプラットホームを造成し、プラットホーム待合所には、朝里駅のように柱材として古いレールを用いたいとも書かれております。また、広場では、横浜の赤レンガパークの事例のように、まくら木や石を敷き詰めるなどの提案がされております。また、各地区に適度に樹木を植栽して、四季の彩りを楽しめる場に、また市民が参加して楽しめるコミュニティガーデンなども想定されております。翌平成 22 年、これらを基に旧国鉄手宮線活用計画がまとめられ、ステーションの数も7か所とされるなど、よりきめ細やかな計画になっております。市民の皆さんの期待に沿えるよう整備が実施されることを期待するものであります。残る課題は、それに伴う沿線の景観形成ではないでしょうか。旧国鉄手宮線沿線は、色内通りのように歴史景観に乏しく、跡地整備を機会に、いかに景観を誘導することができるかが大きな課題であります。さきに述べさせていただきました中央通拡幅事業に伴う区画整理事業では、多くの建物が建て替えられましたが、その際には、本市の歴史景観に配慮した外観となりました。本市景観条例第 66 条第2項では、「市長は、景観重要建造物及び登録歴史的建造物の保全その他都市景観の形成のために特に必要があるものとして規則で定める行為について、技術的援助若しくは融資のあっせんを行い、又は予算の範囲内においてこれに要する費用の一部を助成することができる」と書かれております。しかし、現条例では、旧条例の規則で定めていた特別景観形成地区又は、一部略しますが、景観形成地区における建築物等又は広告物の新築、増築、改築、移転若しくは除却、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更であって、その内容が、一部略しますが、当該地区における地区景観形成計画及び地区景観形成基準に適合するものという規則の一文が新しい条例では抜け落ちております。中央通地区土地区画整理事業では、恐らくこの規則を根拠として、建物の新築にも助成が行われたものと思います。もう一度この規則を盛り込むことはできないでしょうか。現在、市景観条例による既存の歴史的建造物の修復等に係る助成の財源は、財政上の理由から予算も限られ、専ら「小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例」に基づき寄せられた基金によっていることは、承知いたしております。その基金も残念ながら近年では減少してきております。しかし、当初想定していた以上の寄附が寄せられたのも、また事実であります。この旧国鉄手宮線の整備や沿線の景観形成事業は、本市にとっても未来につながる大きな事業であり、これまで寄附を寄せられた多くの小樽ファンの皆さんにも支持をいただける事業だと考えます。私は、これを機に、再度広く寄附を募り、本市の景観形成に資することができるよう検討していただきたいと思います。いずれにしましても、旧国鉄手宮線沿線の景観形成は、本市の都市としての魅力度を上げるために欠かせない事業ではないでしょうか。どのように取り組まれるのか、最後に市長のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。再質問は、留保いたします。(拍手)

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

山口議員の御質問にお答えいたします。初めに、緑の景観のあり方についてでありますが、市内でも特に重要な地域である歴史的景観地域の街路樹の剪定については、これまで地元の皆様の御意見も参考に樹種を決めてまいりましたが、数十年を経過する中で、落ち葉の苦情や剪定費用の増加など、維持・管理上の問題が生じております。落ち葉の苦情については、樹種の剪定の問題はありますが、当面の対応としてボランティアの皆さんの協力なども得ながら処理しているところであります。今後は、樹形の悪化や老化した街路樹について、塩害などに強く、剪定の手間が少ない在来種を中心に植え替えを検討してまいりますが、その際には市民やまちづくり団体の皆様の御意見も参考にさせていただきたいと考えております。また、重要眺望地点の緑の保全や推進の取組についてでありますが、市内にある多くの公園の中でも、小樽港を一望でき、市民や観光客の皆さんに特に親しまれている公園として、手宮公園と平磯公園があります。ここは、眺望のほかにも四季を通じた草花がきれいであることから、市街地全体を見渡せる地点として、景観条例で重要眺望地点に指定されております。ここからの景観を守るためにも、市民協働をより積極的に進め、市とボランティア同士が連携しやすい市民参加のシステムづくりを検討し、今以上の維持・管理に努めてまいりたいと考えております。次に、市所有歴史的建造物の保全のあり方についてでありますが、本市が所有する歴史的建造物は、お話にありましたように、小樽市庁舎、公会堂、旧小樽倉庫、旧寿原邸など全体で 10 件あり、その所管については、それぞれ総務部、生活環境部、産業港湾部、建設部など、全体で7部局となっております。管理状況の例として旧寿原邸を挙げておられましたが、旧寿原邸は、昭和 61 年に所有者から市に寄贈され、それ以降、一般公開しながら小さな修繕を加えて維持・管理に努めてまいりました。しかしながら、小さな修繕では老朽化の進行になかなかついていけず、計画的な改修が必要な時期に来ていると考えております。しかし、旧寿原邸に限らず、本市で所有する歴史的建造物は、所管部局がそれぞれの目的に応じて建物の利活用を図っていることから、維持・管理についても各部局が日常の利用の中で、その状況に合わせて対応することが基本と考えております。そのため、維持・管理については、これまでも建設部をはじめ、各部局間で連携を図りながら行ってきたところでありますが、より専門的、技術的な知識が必要なことも多々ありますので、今後は、これまで以上に建設部と連携を密接にするとともに、お話のありました点検マニュアルやカルテの作成についても研究してまいりたいと考えております。次に、旧国鉄手宮線について、何点か御質問がありました。初めに、旧国鉄手宮線の整備概要についてでありますが、現在、平成 21 年度にまとめられた旧国鉄手宮線活用計画を基に実施設計を進めているところであります。整備区間は、中央通から小樽市総合博物館までの延長 1,096 メートルであり、歴史性の確保のため、極力既存施設を残し、季節に応じた草花の植栽などにより市民に親しまれる散策路とすることを整備方針としております。具体的には、新しく市民や観光客が集い、憩う機能を有する四つの広場を設けますが、舗装材にはプラットホームをイメージした軟石を主体に、一部はウッドデッキも併用することとし、ベンチなどの休憩施設のほか、まくら木を利用した花壇や街路樹を配置したコミュニティガーデンを造成する予定としております。また、このコミュニティガーデンは、市民協働のまちづくりの観点から、個人、団体を問わず、市民が自主的に参加できるようなシステムづくりを構築し、造成してまいりたいと考えております。さらに、散策路につきましては、鉄道遺構に沿ってレトロな雰囲気をイメージしながらバリアフリーを導入するとともに、イベント開催時の資材搬入、自転車や人力車の乗り入れ、除雪・清掃作業などに対応する必要があることから、耐久性も考慮し、アスファルト系の舗装を考えております。そのほかには、散策路入り口や広場に鉄道遺産をイメージしたサインや案内板の設置、また市道や民間の駐車場などに接している区間もあり、利用者の安全性を確保する必要があることから、レールをイメージした鉄さくや、まくら木を用いた木さくの設置などを予定しております。次に、旧国鉄手宮線沿線の景観形成に係る助成制度についてでありますが、お話のありました助成制度は、昭和 61 年度から平成 17 年度まで実施しており、良好な景観誘導を図るため、当時の特別景観形成地区内で新築、改築する場合に、一定の基準に適合している建物に対し、助成を行ったものであり、中央通の区画整理事業では一定の効果を果たし、現在のまち並みを形成しております。しかし、この区画整理事業も平成 15 年度に終了したこと、加えて、その後、財政事情が非常に厳しい状況となってきたことなどから、この助成制度は 17 年度に中止したものであり、依然として厳しい財政状況の中では、現時点で再度制度を実施することは難しいものと判断をしております。また、今後の旧国鉄手宮線沿線の景観形成の取組につきましては、建物の新築、改築などを行う場合には、景観条例に基づき手続が必要となりますので、その届出の際に設計者や所有者とは十分協議をし、良好な景観誘導を図ってまいりたいと考えております。さらに、景観阻害となる廃屋の撤去などにつきましては、現在、空き家条例の検討を行っているところでありますが、これまで以上に所有者へ粘り強く改善の要請を行っていくとともに、国の支援制度などについても研究してまいりたいと考えております。(「議長、18 番」と呼ぶ者あり)

再質問 18番 山口保

詳しくは予算特別委員会で質問させていただきますけれども、2点再質問をさせていただきます。市内中心部の先ほど申し上げた地区の中の緑の景観です。これは先ほどの答弁では、費用面から樹種の変更などをこれからも考えていきたいというお話でした。私の質問の趣旨は、当然財政難ですから費用のことは重要なことですが、私は、今の緑の景観、これは特に観光客が周遊される地域内の街路樹や植栽も含めて、観光地として本当に大丈夫なのかと、そういう問題意識なのです。例えば、仙台のケヤキ並木、東京もそうですよ、非常に有名ですけれども、いかにも小樽は、緑の景観に対する基本的な認識、思想を持っていらっしゃるのかという状況だと思います。私は、樹種を挙げて先ほど申し上げました。これは道によって行われた事業でございますけれども、中央通の例えばメタセコイアです。まだそれほど育っておりません。幼木に近いです。これが、なぜ小樽のまちに、いわゆる海につながるシンボルロード、ここに植えられているのか。これは大変問題だと思います。将来、本当に観光都市としてやっていくなら、樹種の変更は当然だと思います。まして、先ほど申し上げましたように、8メートルの歩道で、電線が地中化されているのです。杉の例を挙げましたけれども、ほとんどカラマツに近いです。カラマツよりもひどいです。なぜかといったら、メタセコイアというのは北の木ではありませんから。何でそのような樹種を選ばれたのか、私は本当に疑問です。色内通りにも、またメタセコイアが植えられているのです。小樽雪あかりの路をやっていますと、例えば浅草橋街園にナナカマドがあります。雪の時期ですから、まだ赤い実がなっています。大変喜ばれます。ただ、ナナカマドもそれほど横に広がる樹種ではありません。でも、いわゆるカラマツやトドマツのような樹形ではないです。こういうふうにずっとイタヤカエデほど広がりませんけれども、樹形は剪定さえしなかったら物すごくいい樹形になります、大木に育つまでに時間はかかりますけれども。だから、少なくとも私は計画をきちんと立てろということで申し上げましたけれども、一定の手続を踏まないと、そういう樹種の変更はできないのではないですか。老木になったら、その時点で考えるではだめだと思います。ナナカマドも、先ほど申し上げましたように日銀通りのようにすべてできるわけではないですから。たしか「鈴懸の径(すずかけのみち)」でしたか、歌がはやった時期に植えられたと思います。今ヨーロッパでは、例えばマロニエはナナカマドと同じような種類です。それを維持・管理しているのです。パリをごらんになったらわかりますけれども、秋になったら毎日しっかりと係員が出て掃除しています。そういうことをできないわけです。そうしたら、維持・管理が要らなくて、そしてこの観光地にふさわしい樹種に植え替えていけばいいのです。だから、そういうことを今からおやりになることがぜひ必要だというふうに思いますけれども、私の質問の趣旨はそういうことです。費用の面もありますけれども、緑の景観をどういうふうにつくっていくのか、これまでは、そういうことが足りなかったのではないかという趣旨で質問をさせていただいているわけです。それから、景観誘導の件です。財政がないから、苦しいから基本的には平成 17 年をもって新築に対しての助成は、基本的にあまりできなくなったということですね。だから、先ほどの質問の中で、市民の皆さんだけではなくて、小樽ファンの皆さんに対して、寄附条例の中にこれを加えて、新たに小樽の歴史景観にふさわしい景観形成のために資金を集められたらいかがかということなのです。それに対して、どういうふうに対処をされるのかという答弁をいただきたかったのです。

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

まず、私から緑の景観について答弁させていただきます。私も市長になってからということではなくて、小樽市民になったときから、やはり小樽にはもう少し緑の景観が必要だろうという思いで今まで小樽に住んでいるわけでございます。それは単に街路樹だけということではなくて、やはり身近な草花なども、それから北海道で言うと、富良野のラベンダーであるとか、あるいは滝上公園や大空町のシバザクラであるとか、あれほど大々的でなくてもいいから何か特徴のある緑のまちづくりというのは、小樽でももっと取り組んでいかなければいけないのではないかという、私個人としてもそういう思いでおります。ですから、今、山口議員からいろいろと御提言をいただいたように小樽の緑の景観、緑のまちづくりということについて、今まで以上に取り組んでまいりたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思っております。それから、景観条例につきましては、部長から答弁をさせていただきます。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 建設部長 工藤裕司(建設部長は2015年3月まで)

景観形成についての補助金の導入の御質問でございますけれども、旧国鉄手宮線の整備につきましては、これから国の補助金を使って整備することとなっていきます。それにあわせまして、今後、景観につきましても重要な課題として取り組んでいかなければならないということは考えておりますけれども、かつてのような、中央通のような補助につきましては、繰り返しになりますが、現在の財政事情の中ではなかなか難しいと考えておりますけれども、今後の課題として検討はさせていただきたいと考えております。(「議長、18 番」と呼ぶ者あり)

再質問 18番 山口保

予算特別委員会でしっかりと質問させていただきますので、今日はこれで終わります。

出典:小樽市議会 平成24年第4回定例会 2012年12月11日 議事録 PDF(65ページ) 間違いを知らせる