小樽市議会 平成23年第1回定例会 2011年3月2日
(1)介護保険制度について/(2)市民体験農園について
2011年3月2日、小樽市議会の一般質問で、中島麗子議員が「介護保険制度について」「市民体験農園について」について質問し、市長 山田勝麿、医療保険部長 志久旭、産業港湾部長 磯谷揚一が答弁しました。
- 質問者
- 中島麗子 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、医療保険部長 志久旭、産業港湾部長 磯谷揚一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 中島麗子
一般質問をします。初めに、介護保険制度について質問します。政府は、2012年度の第5期介護保険制度改定案をまとめ、通常国会に提出する予定です。この中には、介護の必要性が比較的軽い要支援を市町村の判断で介護保険サービスの対象から外し、市町村独自の配食サービスなど地域支援事業に移す仕組みが盛り込まれています。2000年に創設されてから10年を迎えた介護保険制度は、介護の社会化を掲げて公的介護制度を確立し、その財源は公費と国民が負担する保険料、利用料で賄うとしてきました。高齢化が進み、ひとり暮らしや高齢者世帯が増加し、本市でも、介護保険が開始された2000年と比較すると、10年間で65歳以上人口は約5,900人増え、要介護認定者数は4,200人から8,650人と2倍になりました。公的介護体制の整備は急務です。しかし、自民・公明政権は、社会保障費を抑制し、公的整備は遅れ、国民には給付の抑制と負担強化が続いてきました。今回の改定の中心は、要支援の介護サービスを対象外にして給付費の削減を図るものです。本市の2009年度の介護保険利用者数で見ると、要支援は全体の約2割弱で、介護給付費全体に占めるサービス量の割合は約5パーセントです。提案では、要介護認定で自立と判定された人も、要支援と判定された人も使える総合サービスを新設して見守りや配食などを行いますが、これらは自治体が実施している地域支援事業になります。現在、地域支援事業は介護給付費全体の3パーセントという制限がありますが、要支援者のサービス分5パーセントは上乗せになるのか、お聞きします。現行の要支援者へのサービスは全国一律の基準がありますが、新たな総合サービスは市町村の判断で柔軟な対応ができるとあり、要支援者が従来どおりの保険サービスを利用するのか、総合サービスを利用するのか、これも自治体の判断になります。これでは、自治体ごとに提供するサービスが大きく違ってきます。要介護認定を受けた人も受けない人も同じサービスを受けるなら、要介護認定の目的はどうなるのか、説明してください。地域支援事業のヘルパー派遣は、ボランティアや町会の助け合いなど民間で実施するなどと提案されていますが、本市では、週1回の配食サービスに参加する町会すら少ないために、長い間、配食サービスの普及が遅れてきた経過があります。ヘルパー業務や見守りなどの現実的な人材確保ができるとお考えでしょうか。要支援者は軽度と言いますが、2006年度の介護保険制度改悪で予防介護を導入し、認定の仕組みも変更したため、多くの人が要介護1から要支援に引下げになりました。そのため、要支援者であっても、車いす生活の方や歩行困難な方など、ヘルパー派遣で生活が支えられている方が少なくありません。そして、今度は介護保険の対象外にするのでは踏んだりけったりです。軽度者に介護サービスは必要なしという発想が問題です。軽度者には適切な介護支援を実施して重度化を防止するのが本来の目的でした。要支援者の介護給付対象外は、財源対策に終始して、介護保険制度本来の目的から逸脱したものです。国会審議に向けて、自治体からきっぱり反対の声を上げるべきです。市長の見解をお聞きします。次に、保険料の問題です。65歳以上の現在の全国平均保険料は月額4,160円ですが、政府の試算では、第5期は5,200円程度に上がるため、財政安定化基金を取り崩し、保険料軽減に充て、5,000円程度にするとのことです。昨年の第4回定例会での菊地葉子議員への答弁では、本市の第5期介護保険料は現在より月額約2,100円の増加見込みでしたが、本市の財政安定化基金は幾らあるのか、これを保険料軽減に充てると1人当たり幾らの引下げ額になるのか、また、介護保険料引下げの財源になる平成21年度から3年間の介護保険準備基金残額の見通しもお聞かせください。本市の介護保険料は、第3期から1人平均年額6,120円引き下げても4,387円と全国平均より高額です。年金から天引きされる介護保険料の引上げは、市民にとっては大きな負担であり、関心の的です。保険料を上げるのか、給付削減するのかの選択ではなく、実情に合わせて公費負担割合、とりわけ国庫負担を引き上げて社会保障制度として充実させるべきです。今後、介護サービスの需要が高くなるほど給付抑制と保険料引上げ対策では制度として破綻するのではありませんか、市長の見解をお聞きします。次に、介護型療養病床ですが、政権交代による方針転換のため、平成23年度療養病床全廃を前提とした本市の施設計画は見直しになりました。変更後、2か所計画していた小規模特養は、事業者の希望がないため1か所しか建設できません。市内では、施設に申し込んでもなかなか入れず、とりわけ在宅で重度の要介護者を抱える家族の大変さは深刻です。先日、入船にお住まいの70代の女性から、80代の夫は、要介護4で認知症もあり、週4回デイサービスを利用しているが、自分のしていることは何も覚えていず、自宅で目放しができない、疲れ果てていると、特養に申し込んでいるがめどが立たないと相談がありました。また、脳梗塞後の75歳の男性は、要介護4になり、妻では対応しきれず特養に申し込みましたが、待ちきれず一時老健施設に入所しました。順番が来て特養に入所できたのは1年半後でしたが、入所後2か月ほどで病態が悪化し、病院に入院してそのまま死亡されました。結局、必要なときに介護サービスが利用できないのです。在宅で要介護4から5で特養入所待ちになっている実態についてはどのように把握しているのか、対策についてもお聞きします。小規模特養ではなく、必要数にこたえる特養建設を進められないのか、また、民間が建設しないとき、自治体が建設することはできないのか、お聞きします。本市の各介護保険施設及びグループホームの待機者数はそれぞれ何人でしょうか。特に、特養の年間入所・退所実態はどのようになっているのか、第5期の施設計画には、これらの実態を考慮して何を盛り込むのか、考えをお聞かせください。最後に、介護職員の待遇改善の件です。2009年10月から介護職員処遇改善交付金が介護労働者1人当たり月1万5,000円相当額が事業所に交付されてきましたが、2年半の時限措置で2012年3月で期限が終わります。政府は、財源が厳しいとその後は介護報酬2パーセントアップで対応するとしています。全国の交付金を申請した事業所割合、介護職員の給与の改善額についてお答えください。申請数は100パーセントではないのですから、処遇改善されないままの介護職員もいるわけです。小樽市の実態は把握しているでしょうか。2009年4月に介護報酬を3パーセント引き上げましたが、もともと経営難のため職員待遇改善まで回りませんでした。保険料や利用料が上がらないように、国費で介護報酬をさらに上乗せするなどの対策で実質的に効果のある待遇改善策が必要と考えますが、市長は、介護労働者の労働実態をどのように把握しているのか、改善策についても見解をお聞きします。次に、市民体験農園について質問します。小樽市では、おたる自然の村市民体験農園事業として、市民に家族農園を提供しています。毎年4月に広報を通じて募集し、野菜などの種まきから収穫まで、1区画年額4,000円で利用できます。他にジャガイモやトウモロコシの掘り取りやもぎ取りがあり、これは収穫物をとるだけで1区画1,800円です。歴史的には、自然の村開設時に市民体験農園の計画があり、塩谷の農家である若林金吾さん個人の農地提供という協力があって開始されたと聞いています。運営は、おたる自然の村市民体験農園協議会が行い、毎年、総会で事業報告と決算報告がされ、翌年の計画が決められてきました。小樽市産業港湾部農政課が事務局を担当し、農園使用料の5パーセントが協議会の事務費に充てられています。家族農園の利用状況は、平成21年度までの5年間は件数も区画数も伸びてきましたが、平成22年度は、前年度に比べて件数で8件、区画数で18区画減少しています。市民からは、申し込んだのに受付期間が終了していることを理由に事務局から断られたと苦情が寄せられております。従来は、募集期間後であっても、希望があれば随時受けつけており、300区画という貸出し数はあっても、若林さんが提供できる農地の範囲で希望者に対応してきました。今回、市は、募集期間を広報で知らせているのに、この期間を過ぎた応募を認めることは市民間に不公平だと一部市民の受付を断っています。農園提供者であり協議会会長でもある若林さんは、昨年5月末、農園で市の担当課長に会ったとき、従来どおりの申込みを認めてほしいと交渉しています。募集期間は1週間であり、受付を忘れることもある、区画数が不足しているわけでもないのに断るのはやめてほしいと要望されました。また、市外からの希望者に対して、市民優先だからと断っていますが、従来は、市外の申込みも受けつけてきたのに、利用区画数があるのになぜ断るのでしょうか。市民農園は、若い世代も家族ぐるみで参加して、市民交流のよき場になっています。利用者数は150件ほどですが、皆さん、畑仕事を楽しんできたのに、今回、市は、決まりだからと従来の了解で行われてきたやり方を変更し、申込みを断っています。長年の取組で適切でないと思うことは、従来なぜそうなってきたのか、改善するためにはどうするのか、少なくとも話合いが必要ではないでしょうか。なぜ協議会会長と事前に話し合わなかったのでしょうか。少なくとも、今回の対応で、平成21年度までわずかずつですが拡大してきた事業がストップしています。事業の収支計画にもマイナスの影響が出る心配はないのでしょうか。受付期間が短いなら、1か月に拡大する、広報記載事項と矛盾すると言うなら、受付期間が過ぎても、区画数に余裕があれば随時受け付けますと書いておけばよいのではありませんか。市民サービスの利用については、協議会との話合いの下で十分な理解を得ることが重要だと考えますが、今回の申込み打切りについての経過と今後の対策についてお聞かせください。再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
中島議員の御質問にお答えいたします。最初に、介護保険について何点か御質問がございました。まず、要支援者のサービスから地域支援事業に移行した部分の事業費枠の上乗せについてでありますけれども、現時点で具体的な取扱いや基準などが示されておりませんので不明でありますが、今後、提供されます情報等を十分注視してまいりたいと考えております。次に、新たな総合サービスと介護認定についてでありますけれども、新たな総合サービスについては、詳細が示されておりませんので、知り得る範囲での答えになりますけれども、要支援者の方も配食や見守りなどのサービスを制度として受けられるようにするためのものと理解しております。また、介護認定の結果により要支援と自立の間を行き来する方については、総合サービスが切れ目なく提供されるメリットがあるものとされております。なお、総合サービスを利用するかどうかは、その方の身体の状態や意向を踏まえて適切に判断することになるものと承知しております。次に、ヘルパー業務や見守りなどに携わるボランティアなどの人材確保でありますが、国は、見守りや配食などの総合サービスには、有償ボランティアや自治会などが行うインフォーマルなサービスを活用することを前提としております。本市においては、御指摘のとおり、ボランティアなどの人材基盤が脆弱であるため、国の提案する人材確保については非常に厳しいことが予測されますので、総合サービス制度の導入については今後の課題と考えております。次に、国の給付費抑制等に対して反対の態度を明確にすべきとのことでありますけれども、現在、平成24年度に向けた制度改正については概要しか示されておりませんので、今後、具体的な取扱いが示される中で意見を上げていかなければならない問題があれば、全国市長会を通して要望してまいりたいと思います。次に、財政安定化基金等の状況についてでありますけれども、財政安定化基金の積立額は、現在、約1億7,000万円で、これを第5期の3か年の保険料軽減に充てますと月額1人約120円となります。また、介護給付費準備基金は、平成20年度末の残高が約6億8,000万円でありましたが、第4期の平成21年度からは、保険料軽減に充てているため、平成21年度末の残高は約5億7,000万円、平成22年度末の残高見込みは約3億円であり、平成23年度予算では約2億5,000万円を保険料軽減に充てることになっておりますので、平成23年度末の基金残高は約5,000万円になる見込みであります。次に、介護保険制度が破綻するのではないかという問題でありますけれども、国は、現在の保険給付費約7兆円が、団塊世代が75歳以上になる平成37年には約17兆円に膨らむと試算しております。このため、持続可能な制度への再構築が迫られており、給付と負担のバランスを考慮した上で、将来を見据えた政策が検討されたものと考えておりますが、今後、さらに社会保障と税の一体改革の議論の中で改めて検討が進められるものと期待しております。次に、特養の待機者の実態でありますけれども、第4期介護保険事業計画策定の際の20年5月の調査では、待機者の実人数は933名、このうち要介護4及び5で在宅で待機している方の実人数は29名となっております。なお、昨年12月に地域密着型特養2施設を公募したところでありますが、1法人から応募があり、23年度末に東南部地域に1か所開設する予定となっておりまして、待機者の解消につながるものと考えております。次に、特別養護老人ホームの建設についてでありますけれども、老人福祉法では、特養の設置者は、市町村、地方独立行政法人及び社会福祉法人と定められておりますが、都市部などの社会福祉法人が存在する市町村では、運営の効率化などの観点から、民間活力にゆだねている状況にあります。一方で、特養などの施設が増加すると、保険料を押し上げる要因ともなりますので、そこのところも念頭に置いて、建設については十分検討しなければならない問題であると考えております。次に、介護保険施設及びグループホームの待機者数でありますが、老人保健施設及び介護療養病床の待機者は、平成22年3月の調査で、それぞれ123名と60名、グループホームの待機者は、22年12月の調査で61名となっております。また、特養の21年度の入所と退所の実態でありますが、20年度末に地域密着型特養29床が新設されたこともあり、入所者は146名でしたが、退所者は110名となっております。次に、第5期の施設計画でありますが、平成23年4月に策定委員会を立ち上げ、審議してまいりますが、本市の計画を策定する上で重要なポイントとなる介護療養病床の存続の延長が示されており、第5期の施設整備は大変厳しい状況にありますので、居宅サービスの充実も含め、総合的に検討しなければならないものと考えております。次に、全国で介護職員処遇改善交付金を申請した事業所の割合でありますが、厚生労働省が昨年7月1日時点で実施した抽出による全国調査によりますと、86.7パーセントであります。また、処遇改善交付金の申請を行った事業所の1か月当たり給与の改善額は、手当及び一時金を含んだ平均で1万5,160円となっております。次に、介護職員処遇改善交付金の小樽市の実態でありますが、所管の後志総合振興局に確認しましたところ、本年1月末時点で、168か所の対象事業所のうち、142事業所が申請しており、申請率は84.5パーセントとなっております。なお、処遇改善交付金による給与の改善状況については、厚生労働省の全国調査において自治体ごとの調査が行われていないため、把握はしておりません。次に、介護労働者の労働実態でありますが、市が指定権限を有する地域密着型サービス事業所のうち、職員数が安定しているグループホームの場合で、平成21年度の職員給与費決算額を前年度と単純に比較したところ、平均で4.6パーセント増加しております。21年度分には、介護報酬3パーセント改定と処遇改善交付金4か月分が反映されていることを考えますと、これらの施策により一定の効果が表れているものと考えております。また、平成23年度には、第5期介護保険事業計画策定のため、全介護事業所を対象とした労働実態調査を予定しておりますので、その結果により実態を把握できるものと考えております。なお、改善策についてでありますが、介護職員等の処遇改善について、利用者及び保険者の負担増とならない形で恒久的な措置とすることを、全国市長会を通して国に要請しているところであります。次に、おたる自然の村市民体験農園、家族農園についての御質問でありますけれども、まず、市外からの申込みを断ったということでありますけれども、事務局は農政課が担当しておりますが、平成22年度の受付に当たり、札幌市民からの問い合わせが1件ありましたので、小樽市民が優先となるという説明は申し上げましたが、お断りはしていないとの報告を受けております。なお、平成18年度から22年度までの5年間での市外から受付件数については、22年度の1件のみとなっております。次に、なぜ協議会会長と事前に話し合わなかったかということでありますけれども、22年度の受付については、4月9日の申込み期限後も区画数に余裕がありましたので、従前どおり追加の受付を行っており、会長と事前に話し合うという必要は生じませんでした。次に、申込み件数の減少に伴う収支計画への影響でありますけれども、過去5年間の件数を見ますと140件台前後で推移しており、22年度は対前年度比で若干減少しておりますが、安定した件数を維持しております。その中で、収支については、収入の増減に応じて支出も増減するよう均衡を図っておりますので、件数の増減によって影響が生じることはないものと考えております。次に、市民体験農園の申込みの経過と今後の対策でありますけれども、22年度の家族農園の総受付件数は145件となっております。当初、広報おたる4月号に申込期限を4月9日までとして募集のお知らせを掲載し、9日までに124件を受け付けしました。さらに、区画数に余裕があることから、期限後も従前どおり随時受付を行い、最終的には6月8日までに21件の追加申込みを受け付けております。なお、23年度の募集に当たりましては、広報おたるに、例えば、期限後においても区画数に余裕がある場合は追加の受付をしますのでお問い合わせくださいなどといった掲載内容の工夫をしてまいりたいと考えております。(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
再質問 8番 中島麗子
再質問をいたします。最初に、介護保険の問題ですけれども、答弁では、介護の必要性が比較的軽い要支援の方が、非該当、要支援でないというふうに判断されたときでも切れ目なくサービスが提供できるようにするものだというふうにおっしゃいました。しかし、これまで厚生労働省の社会保障制度審議会介護保険部会では、第5期の改定に向けて、ケアプランの有料化や介護サービスの利用料を1割負担から2割にするなど、利用者負担の増となる検討をずっとしてきているのです。今回、この部分についての法案化は見送られていますけれども、基本はサービスの抑制と利用者負担の拡大で制度を維持するという中身があるのです。ですから、私は先ほども質問で言いましたけれども、今の地域支援事業というふうに入れてしまうと、それは介護給付費全体の中の3パーセントという枠を決めているわけですけれども、今、実際に小樽市では要支援の方々の介護サービスというのは5パーセントぐらい使っているのです。この5パーセント分をプラスしていかない限り、同じサービスは利用できないということになるのです。ところが、3パーセントの枠を検討するとか拡大するという話にはなっていない。そういうことなしに同じサービスが受けられるという保障がないと思うのですが、そういう点では大変矛盾した中身だと思うのです。そういう問題がありますし、さらに、今でも介護サービスというのは十分受けられている状況ではないのです。今、施設サービスの話をしましたけれども、待機者が多くて、実際に必要なときに介護サービスを受けられないという苦情がたくさんあります。また、要支援の認定の方が通院に使いたいということを希望しても、要介護1ではないから受けられませんといって断られている方がいっぱいいるのです。そういうときに、自治体の判断で、要支援の方は地域支援事業に組み込まれる総合サービスなのか、介護保険なのか、全部自治体でそれぞれ決めなさいということになると、さらに地域ごと、自治体ごとに介護保険制度の中身が変わってくるのです。それは、国が一律に一本化している介護保険制度の内容としては総崩れの状態になる。さらに、格差とか違いが広がるということになって、本来の介護保険制度の中身とはずれてくるのではないかと思うのです。このような自治体任せの判断を基にした介護保険制度の状態に変化させるということ自体、私は大変問題だと思っているのです。もっと国の責任で、きちんと介護保険のサービスについての提供と、受ける、受けないの中身もきちんと堅持するべきだと思います。そういう点で、市長には、こういう問題を自治体任せにするのは困るとはっきり意見を言っていただきたいという立場で質問したのですけれども、その点について再度お答え願いたいと思います。次に、介護保険料の問題ですけれども、今は政府が言っているような財政安定化基金を取り崩したとしても120円ぐらいしか引下げにならないというお話です。それでしたら、小樽の場合には、現在からさらに2,100円ぐらい上がると言っていたうちの100円ぐらい下がるだけですから、2,000円弱の値上げになる。到底、5,000円という政府の水準にはならないのです。そうなれば、5,000円程度にしたいという政府の介護保険料に対する方針を普及させるために、特別の財政的な手だてというものがあり得るのでしょうか、この点について御意見を聞きたいと思います。それから、介護職員の処遇改善の申請ですけれども、小樽市でも申請率は84.5パーセントということで100パーセントではないわけです。申請しなかった事業所の理由についてはどのように把握しているのか、また、改善されなかった、申請しなかった部分についての対策ということが今後何か検討されるのか、この点についてもお聞きしたいと思います。それから、市民体験農園の問題ですけれども、従来どおりやってきて、断ってはいないというようなお答えがあったように思います。しかし、22年度は4月1日から9日までの申込期間の後に、21件受け付けています。ですから、確かに期間が終わったらすべて断っているという状況ではありません。けれども、さかのぼって調べてみたら、同じように受付期間が終わった後に、平成21年度は36件受けており、平成20年度は33件受けているのです。例年より10件から15件ほど少なくなっているのです。受付期間を決めて、その後も次々と30件ぐらい受けていることがいいか悪いかという問題はあるのですけれども、従来はそういうやり方でやってきたわけです。そういう結果、全体の22年度の総件数も減っているというふうに私は思うのですが、実際に申込みを断られたという苦情を寄せている市民がいることについてはどのように受け止めているのでしょうか。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
介護保険については、最初の問題のみお答えいたします。その他は部長から答えさせます。まず、介護保険制度ですけれども、やはり、問題なのは、特養などの待機者が相当いて、必要なときに利用できないというのが問題であろうというふうには理解しております。これは制度の根幹の問題ですから、これからどう展開していくかまだわかりませんけれども、これから随時、内容の充実といいますか、こういったものは必要だと思います。それから、要介護認定についても、自治体任せという話もございましたけれども、市では地域包括支援センターのほうにお願いしているわけですから、そこで適切な判断をされてやっているものというふうに思っておりますので、これからもぜひお願いしたいと思っています。ただ、今、地域サービスの問題については、これは両方のサービスを受け入れるといいますか、要するに、要支援や自立に認定された場合に、要支援の人も、自立の人も、配食サービスとかそういったものをどちらのランクであっても受けられるという利用しやすい制度にしたというふうに言っていますので、それはそれで一つ理解できるのかというふうには思っております。いずれにしましても、この問題については、制度の根幹の問題ですから、全国市長会にも介護保険の特別委員会がございまして、その中でいろいろ議論して、国にいろいろ申し上げておりますので、その中でまた議論していきたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 医療保険部長 志久旭(医療保険部長は2011年3月まで)
中島議員からの御質問の2点目にございました介護保険料の引下げ財源等についてでございますけれども、市長から答弁させていただきました財政安定化基金の積立金で120円ほどが下がる以外の手だてがあるのか、ないのかということだったと思いますけれども、介護保険制度の仕組みから言いまして、その制度の中での手だてというものは見当たらないと思います。以前にも議会のほうで説明しておりますけれども、現在、4,887円の月額については、準備基金から繰入れを行い、6億円を3年で取り崩して引下げを図っておりますけれども、この財源がもうなくなりますので、500円ほどが上がっていく。それから、療養病床が存続してしまうということで、これも900円上がってしまう。ここの部分につきましては、恐らくそのまま上がっていくことになる。これだけで32パーセントほど上がっていくわけです。それに、今度は制度改正があるということでございますし、今後ますます保険料が上がっていく。これに関しましては、小樽市独自で手だてをどうするかということではなくて、国の税と社会保障の一体改革の中で、新たな財源を求めて制度の根本的な見直しをしていかなければ、個々で解決できる問題ではないと思ってございます。それから、3点目で、いわゆる介護従事者の処遇改善の申請の状況でございますが、申請がなかった理由につきましては、介護事業所におきましていろいろな職種の方がいるわけですけれども、介護職員の方の報酬だけが上がってしまうと、アンバランスになるので申請をしなかったというふうに聞いてございます。これにつきまして、対策はどうかということでございますけれども、一般の事業所でございますので、いわゆる自由主義社会の中で介護事業所を立ち上げていただいておりますので、私ども保険者として、強制的に幾らを高くしなさいということはできませんけれども、今後、いろいろな機会の中で要請はできるのかというふうには思ってございます。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 産業港湾部長 磯谷揚一(産業港湾部長は2011年3月まで)
中島議員の再質問にお答えいたします。市民体験農園の関係でございまして、断られたという市民がいることについてどう受け止めているのかという再質問であったと思いますが、現場の職員に何度確認しても、そういったような経過についての事実を、私は確認してございません。そしてまた、今の話の中にもありましたように、過去数年ですけれども、期限が過ぎても区画数に余裕があれば、もちろん会長と相談ですけれども、その後も受け付けているという事実がございまして、平成22年度についても、そういったことで受付を行っておりますから、窓口で期限が過ぎたのでお断りしますということは、私はないというふうに思っているのです。ただ、22年度の場合は、4月1日の広報に出て、期限が4月9日というふうになっております。人間は、期限であきらめる人もいれば、あきらめないで、またちょっと電話して申し込んでみようかという人もいますから、そういう意味では、追加の数日間の中に改めてまた農政課に電話をして、まだ間に合うのでしょうかだとか、そういう方が確かにいらっしゃったので、追加ということでの受付があったのも事実でございますし、期限が終わったのだからもうだめだなといってあきらめた人もいるかもしれません。したがって、そういう点にやはり配慮しなければならないということから考えますと、先ほど市長が答弁いたしましたように、今年の募集に当たっては、広報の中に区画に余裕があればお問い合わせくださいというようなことを文書で表現するなりの工夫をしてみたいと、このようにお答えしたところでございます。(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
再々質問 8番 中島麗子
再々質問です。介護保険の問題では、これから第5期の改定内容の審議ということですから、まだまだ流動的な部分があると思います。そういう点では見ていかなければならないのですけれども、先ほど市長が答弁しているように、これからさらに高齢化と介護サービスの需要の高まりの中で大変な財源が必要になってきたときに、持続可能な制度として税と社会保障の一体化の問題が今出されましたけれども、その結果、サービスも受けられない、保険料も上がるということでは困るのです。この問題をどう解決するかということが今の重要問題だということを私は提案しているのですが、ぜひ、そういう立場で今後の経過を見ていきたいと思います。今回、この質問をするに当たって、市内の事業所の方々にいろいろな意見を聞いたのですが、大変率直な意見が届いております。要支援1、2該当者を介護保険適用外にすることについてどう思うか。こちらの事業所は、はっきり反対です。現在も状態が変わらないのに、要支援と要介護を繰り返す方がたくさんいる。実際、予防の観点から見れば、要支援の方こそサービスを利用して、寝たきりを防ぐべきではないでしょうかと答えています。介護保険制度でぜひ改善してほしいことについては、診療報酬を改定してほしい、特に、ヘルパーの事業所では収支が合わない、2級ヘルパー、介護福祉士も、一区切りになっているために、同料金の収入ですけれども、給料には差をつけるしかない、また、冬期の事業所では、雪のある地域では除排雪費がどうしても出ていく、そういう地域の人件費のそういうものも検討してほしいという意見が寄せられました。今の答弁では、第5期の改定に当たって、職員の処遇の問題についても事業所の調査、アンケートをするとおっしゃっていました。それは大賛成です。それと同じように、一般市民、利用者の方々だけでなくて事業所の皆さんに、今の制度の矛盾や改善点なども含めた調査なども私は必要ではないかと思っているのですが、こういう点について検討するという方向はないのでしょうか。最後に、介護保険についてはこのことをお聞きしたいと思います。それから、市民体験農園は、部長の答弁では断った事実はないとされております。こうなりますと、事実を調べるのはなかなか難しい問題がありますが、私は、やはり、市民の皆さんからこういう苦情が出てきたことについて真摯に受け止めるべきだと思います。今後については、広報の中で期間に限らず弾力的な対応をするという旨が記載されることで改善されるものと思っていますので、ぜひ期待したいと思います。
答弁 医療保険部長 志久旭(医療保険部長は2011年3月まで)
ただいまの前段で、いわゆるサービスの切捨てという話が総合サービスに関係してあったと思うのですけれども、これは、もともとスタートが、中島議員は要支援のサービスを、質の落ちるボランティア等で賄う総合サービスに全部移行してしまうから、それはどうなのだということなのですけれども、そもそもが違いまして、本州等の中には、ボランティアでありますとか、自治会でありますとか、NPOでありますとか、そういうところの活動が非常に活発なところがありまして、そういうところで、住民のために介護サービスをさせてほしいという要望があって、また、それらの意見を社会保障審議会の介護保険部会の委員から見直し案として提言されて、それを受けて、こういう新たなサービスの門戸を開いたということなのです。ですから、先ほど答弁させていただきましたけれども、小樽のように、まだボランティアの基盤が脆弱だということで、そういうサービスにはなかなか手を挙げられないというところがあるだろうと国のほうも回答しておりますし、今までどおり要支援でいかなければならないのだというところもあるとも答弁してございます。それから、後段のほうで、人件費を含めて事業所の実態調査、これに事業所の職員自体、又は事業所自体がどのように考えているか、問題があるのか、ないのかということを調査しろということでございました。これに関しましては、検討をしてみたいと思います。