小樽市議会 平成22年第4回定例会 2010年12月8日
(1)本市観光の中・長期の展望/(2)新市立病院建設の工費圧縮について
2010年12月8日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「本市観光の中・長期の展望」「新市立病院建設の工費圧縮について」について質問し、市長 山田勝麿、病院局長 並木昭義が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、病院局長 並木昭義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 山口保
一般質問を行います。まず、本市観光の中・長期の展望について、2点お伺いいたします。去る10月18日、民主党4区総支部主催の北海道後志総合振興局、小樽市、後志各町村長出席の下、政策懇談会が開かれ、私もオブサーバーとして出席させていただきました。各地域からさまざまな要望が出され、興味深く聞かせていただきました。本市からも、山田副市長が出席され、小樽-余市間の高規格道路整備について、余市方向からの朝里ジャンクションの設置方についてや、小樽港の港湾整備のための重点港湾の指定、医師確保などについて、要望されておりました。後志の町村からもさまざまな要望が出されておりましたが、その中でも、赤松赤井川村長から、国道393号、赤井川-倶知安間が一昨年開通し、交通量も増大してきている、今後は赤井川-小樽間の改良が課題であり、道道小樽定山渓線からトンネルで赤井川とつないでほしい旨、要望されておりました。私も、この間、本市の重要な政策課題の一つとして、この国道393号、小樽-赤井川間の道路改良について議論をさせていただいております。小樽、赤井川、倶知安、ニセコ羊蹄エリア間の移動時間の短縮は、札幌を起点とした後志エリア観光の新たな魅力を引き出す大きな力になると申し上げてまいりました。また、小樽、赤井川、倶知安の国道393号が国道5号のバイパスとして機能すれば、国道5号と並ぶ市内幹線である道道小樽臨港線の交通量も減少し、仮に現在の交通量の4割程度が減少すれば、6車線の車線を片側1車線ずつ減らし、4車線の供用とすることができると伺っていると申し上げてきました。私は、かねがね、小樽を代表する観光資源である小樽運河と小樽を代表する歴史的建造物である石造倉庫群が6車線の産業幹線道路で分断されてしまったことが、本市観光の可能性を小さくしていると考えてまいりました。また、かつて本市経済の中心であり、今も多くの近代建築遺産の残る色内大通の再生が進まないのも同じ理由からではないのか。私は、この無味乾燥な6車線の道路がまちと運河や港とを大きく分断した印象を与えているこのマイナスをいずれ解消しなければ、本市観光の発展は望めないのではないかと考えております。私は、今でも、運河が昔のままの幅の運河で、臨港道路がかつてポートフェスティバルの出店のにぎわいであふれた遊歩道として整備されていたならば、本市は、国内では類を見ない圧倒的な観光地になっていたのではないかと感慨を持って想像をするわけであります。しかし、現実を直視するとき、車線の減少なら十分可能ではないのか。減少した両側の1車線分を緑地帯として整備をし、両側に植えられたカエデやナナカマドなどの木陰にはパーキングエリアが設置されるなど、それだけで十分印象を変えられるのではないか。また、将来、第3号埠頭基部周辺や第3号埠頭が観光・交流ゾーンとして整備されることを想定すれば、そうした臨港地域のアメニティーを高める整備が必ず必要になってくると考えるからであります。以上、これまで申し述べさせていただいた理由から、小樽-赤井川間の国道393号の改良は、本市、赤井川、倶知安、ニセコ羊蹄エリアを結ぶ広域観光推進に資するのみならず、本市の運河観光を新たなステージへと押し上げる可能性を秘めるものであることなどから、本市の中・長期の重要な政策課題として位置づけ、その実現を国に対して強く要望されるよう求めたいと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。また、本年10月28日、北海道新聞の記事に、「クルーズ船寄港拡大へ視界不良 小樽港整備重点港湾外れ財源に壁」と題して、近年の大型クルーズ船寄港の増加に対応して、第3号埠頭での客船専用ターミナルの建設や水深9メートル岸壁のさらなる掘削の検討も視野に入れた、港湾法に基づく港湾計画の改訂に23年度にも着手したい考えと書かれてありました。私は、昨年の第4回定例会の一般質問でも、第3号埠頭について、観光交流空間としての港湾施設等の活用という観点から、旅客ターミナル施設の整備の必要性を議論させていただいております。平成19年11月に策定されました小樽港将来ビジョンには、第3号埠頭は交流・生活ゾーンに見直すとされておりますが、いまだ港湾計画に正式に位置づけられてはおりません。計画年度を早め、検討されるよう求めましたが、この時点では、現在の物流機能の移転が困難な状況であることなどとして芳しいお答えをいただけなかったと記憶しております。私は、第3号埠頭の観光交流空間としての活用は、本市観光の発展にとって不可欠と考えております。また、その経済的価値も高く、整備には民間の協力も得られやすいものと考えております。記事のように、港湾計画の改訂作業に23年度にも着手をされるのか、また、第3号埠頭についてどのような整備を考えておられるのか、お聞かせください。最後の質問です。新市立病院についてお伺いいたします。本年6月の第2回定例会予算特別委員会で、私は、民間病院と自治体病院の建設費の価格差が問題となっている、倍近いと言われるこの差は、一体、何が起因をしているのかとお尋ねしました。その際、民間病院と公立病院では仕様の違いもあり、同列に比較はできないが、事業の発注の仕方の違いが価格差を生んでいるのではないかという議論となり、民間病院と同様の、又はそれに近い発注方法でコストを抑えた自治体病院の事例をお尋ねしたところ、福島県三春町の町立三春病院と、岐阜県下呂市の市立金山病院の例を、名前は伏せておられましたが、紹介されておりました。私も、この事例の資料を取り寄せ、現地に出向いて調べてまいりましたので、ここで紹介させていただきたいと思います。三春町の町立三春病院につきましては、この病院計画を町の保健福祉課長として中心となり進められた遠藤誠作氏が、現在、北大公共政策学研究センターの研究員として在籍されていることから、去る10月22日に市民センターで行われた新市立病院に関するシンポジウムに講師として招かれ、事例について講演をされていますので、御存じの方も多いかと思います。私は、当日、都合が悪く出席できませんでしたが、氏が、本年4月から6月にかけて、月刊「公営企業」に「病院建設コストと公立病院経営 町立三春病院の経験から」と題して3度にわたり寄稿された報告を読ませていただきました。要約しますと、新築時に、医業収益を超える過大な設備投資や建設費をかけると、医業収益から病院建設のための企業債を償還することが困難となり、その結果、病院の運営資金がショートして経営危機を引き起こす、そして、過剰な投資をして病院財政を硬直化させると、コスト削減の締めつけが必要以上に厳しくなり、医師やスタッフの処遇改善ができず、多くの退職を招き、経営のますますの悪化を引き起こすという悪循環になりかねない、このことから、医業収益に見合った投資と民間病院並みの建設費の圧縮に大きな御苦労をされ、実現された事例が紹介されておりました。この町立三春病院は、規模が小さく、86床、地上3階建て、延べ床面積6,060平方メートルで、建設費10億3,000万円、1平方メートル当たり17万円、発注方法は設計・施工一括発注方式を採用されております。また、先月、11月16日、私ども民主党・市民連合で調査をしてまいりました岐阜県下呂市立金山病院も、直接担当された病院の前事務局長と現事務局長からお話を伺うことができました。当初計画では100床で30億円との試算が提示されていたそうですが、平成19年、公立病院改革ガイドラインに示された1平方メートル当たり30万円の上限枠の設定を機に、議会の議論や市の厳しい財政状況もあり、事業費圧縮のため見直しが求められ、人口3万7,000人と小規模な都市のため病院建設にかかわる専門家も外部に求めることとなり、自治体病院建設で、近年、その事業見直しで大変実績のあるNPO法人医療施設近代化センターと病院建設にかかわるアドバイザリー委託契約を交わされたそうであります。このNPO法人が、市立病院の決算書を精査された結果、基本計画で100床、30億円とされていたものが、現状の年間収益、経営状況から新病院の建設費の上限は20億円と指摘され、この20億円以内でいかに機能的で質の高い病院を建てるかが課題となり、最終的には、4階建て、一部5階、免震構造で、延べ床面積7,000平方メートルで、病床数99床、本体工事費20億円以内という条件でプロポーザル型の入札方式を行い、単なる価格重視ではなく、地元事業者の工事参入や資材納入を配慮することを条件に落札業者を決定したそうであります。結果、地元参入割合を35パーセントとした準大手ゼネコンが落札をし、落札額は17億円、1平方メートル当たり約24万円だったと聞きました。私は、新市立病院の規模や内容について、この間、相当の議論がなされ、並木局長を迎えられて以降、院内で十分練られた成果が計画としてまとめられたものと感謝をし、評価するものであります。私は、現場の医師やスタッフに過大な負担を強いる結果を回避するためにも、建設費の当初負担をいかに圧縮するかにかかっていると申し上げたいわけであります。今議会には、地元建設業団体などから工事参入を求める陳情が出されております。地元配慮と工事費の圧縮を両立させることは容易ではないでしょう。しかし、岐阜県の小さなまちの試みは、本市にとって大変参考になる事例ではないでしょうか。近年、独立行政法人となった国立病院機構の病院も民間病院並みの建設単価となってきております。先日、市病院局により示された資料の中の国立病院機構北海道医療センターの事例では、1平方メートル当たり21万8,000円となっております。地域医療の現実、また、自治体病院の置かれている厳しい経営環境を考えるとき、起債償還の負担をでき得る限り小さくすることは、私たちに今課せられている課題だと考えます。福島県三春町の病院建設では、大手に一括発注して建設単価を下げ、下がった分で別に老人保健施設を計画して、それを地元の業者に発注するということで地元に対する配慮も実現したそうですし、一方、岐阜県下呂市では、単なる価格重視ではなく、下請としての地元の参入を重要なプロポーザルの条件として業者選定をして一定の地元配慮を実現し、かつ、建設費の圧縮にも成功しております。さまざまな知恵や工夫が私たちにも求められているのは自明であります。御所見をお伺いいたし、私の質問を終わります。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。本市の観光の中・長期展望について何点か御質問がございましたけれども、初めに、国道393号の小樽-赤井川間の改良整備についてでありますけれども、国道393号の全線開通の効果を最大限に発揮し、地域の発展、広域観光の振興に寄与するためには、この区間の早期整備は必要であると考えております。特に、市内天神町と毛無山の区間につきましては、急カーブ、急勾配が連続していることから、線形改良などの早期整備について国に対して要望しているところであります。次に、港湾計画の見直しと第3号埠頭整備でありますけれども、現行の港湾計画は、平成9年に改訂したものでありますが、既に10年以上が経過し、港の利用状況や経済社会情勢も大きく変化してきておりますので、港湾計画の改訂作業に着手したいと考えております。見直しの具体的なスケジュールや内容につきましては、まだ提示できる状況にはありませんが、今後の物流動向やまちづくりの視点からのニーズを的確にとらえつつ、目標貨物量や施設計画、さらには土地利用計画などの見直しを行ってまいりたいと考えております。また、第3号埠頭の整備についてでありますけれども、既存の物流機能との調整を図る必要がありますが、この埠頭周辺には多くの観光施設があり、また、近年はクルーズ需要も高まっておりますことから、客船埠頭としての機能を核とした小樽港ならではの魅力ある交流空間としての活用を目指していきたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 並木昭義(病院局長は2025年3月まで)
山口議員の新市立病院についての御質問にお答えいたします。新市立病院の医業収益に見合った建設費はどのぐらいと考えているのかというお尋ねがありました。公立病院は、その地域で担うべき医療を行うために必要な機能を持った施設であることが基本であります。また、不採算部門や災害拠点病院としての役割も担う必要があるなど、医業収益と建設費については一概には論じられるものではないと考えております。新市立病院につきましても、必要な機能を持った施設づくりをするとの考えで計画概要をまとめ、基本設計を行っているところであります。一方、将来の財政的な負担の軽減ということも重要な要素であると認識しております。これまでも、コンパクトで機能的な病院建設を心がけてきておりますし、今後も、積算方法などを含め、十分検討することにより、事業費のさらなる圧縮に努めてまいりたいと考えております。なお、病院の規模や機能が異なっているため、単純に比較はできませんが、議員が実例としてお話のありました二つの病院におきましては、医業収益に対する建設工事費の割合は、86床の三春病院におきましては1.53倍、それから99床の下呂市立金山病院におきましては1.58倍となっております。一方、388床の新市立病院におきましては、あくまでも仮定による試算しかできませんが、前回示しました新市立病院の収支試算における医業収益に対しまして、これも前回示した基本設計料を算定するために試算した建設工事費で比較しますと1.33倍と低くなっております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
再質問 18番 山口保
細々とした再質問をするつもりはありませんが、この間、市長も出席をしているところで、小樽市の将来展望についてずっと議論をさせていただきました。前回の代表質問のときにも申し上げましたけれども、市長は、任期中、ほとんど財政再建ということに終始をされて、政策的な大きな仕事は、病院建設以外のところではなかなかできてこなかったのではないかと。その中でも旧国鉄手宮線を買っていただいたりしましたけれども、そうした中で、本市の将来に向けての政策的な課題は何かという議論を今一部させていただいたのですけれども、一般的には新幹線建設と高規格道路というふうに、どうもそういう議論になっている嫌いがある。私は、本当に小樽のまちの将来を考えたときに、観光が数字の上でも3割5分から4割の主要産業になっているこのまちで、都市の魅力度をいかに維持してさらに底上げを図っていくのかということが重要だと思っているのですが、そういう意味で、私は、港の話もさせていただいたし、当然、天狗山の話もこの間ずっとしておりますけれども、特に、国道393号の話は、私は、小樽にとって余市までの高規格道路よりもはるかに重要であるという認識を持っているわけです。そういう認識について、市長がどのように考えていらっしゃるのかということを直接お伺いしたことはあまりないので、優先順位でどちらかということではありませんが、市長も今期で勇退されるということで、私も次の選挙で通るかわかりませんが、今私がお伺いしたことが次の市長に、行政の継続性からいって、これが重要課題だということでお伝えを願えるようなことなのかお答えいただきたいと思います。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
今、まちづくりについて、新たな展開がなかったというような話もございましたけれども、振り返りますと、何といっても、今ある危機に対してどう対応するか。特に、先ほど井川議員から御質問がありましたように、旧丸井今井小樽店の後をどうするのかと。そういう緊急の危機対策をどうするかということに奔走したといった状況もありましたのでなかなか進まなかったのですけれども、一つは、やはり、小樽のまち特有の、古いものに磨きをかけて、それをまた魅力づくりに変えていくという視点でやってきましたので、その点は、何点か事例を挙げればたくさんあります。ただ、今の国道393号については、重要性を十分認識していますけれども、今の民主党政権は、コンクリートから人へということでどんどん公共事業を削減していますので、そういう中でこれを優先的にやれというのはなかなか難しいのではないかと思います。そういうことですから、山口議員にもぜひ後押ししてもらってよろしくお願いしたいと思います。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
再質問 18番 山口保
今、市長の御答弁を聞いて、やめようと思ったのですけれども、一言、私の方からも申し上げなければと思って立ちました。民主党政権は、確かに、コンクリートから人へということで、予算の配分も、従来型ではだめですと、社会保障分野のニーズが多いから、そちらの方に何とか予算を回すように歳出の構造を変えていこうということです。しかし、地域にとって非常に重要な事業は、必要なわけです。ただ漫然と、これまでの前政権のように、私は、北海道の高規格幹線道路全線開通、それから新幹線を―(「393」と呼ぶ者あり)だから、私は国道393号は別ですということを言いたいわけ。わかりますか。だから、そういう必要な事業についてはやればいいのです。(発言する者あり)わかりますよ。だから、そういう認識を市長もぜひ共有していただきたいと思うわけです。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
道路は必要でないとは言っていませんので、重要な道路だと思っていますけれども、今の現実を見ますと、今日の新聞に出ていましたけれども、道路維持費が22パーセント削られているのです。ですから、国道の除雪基準も下げますと言っているのです。私も、北海道開発局、それから国土交通省北海道局に行って、それぞれの局長に、今年の冬は大変なことになりますよと言ってきているのです。やはり、冬の除雪は大変な問題ですから、今までは国道を基準にして市道もよくしましょうとやってきましたけれども、今度は逆になるのではないかと、市道を基準にして国道をやる、そういうふうになってしまう可能性があるので、道路の問題ばかりではなくて、トータルで公共事業費をきちんと維持してもらわなければ困るという話をしているのです。