小樽市議会 平成22年第2回定例会 2010年6月8日
(1)今後の財政運営の展望/(2)観光/(3)NPO税制の改正と市民と行政の協働のあり方について/(4)新病院について/(5)国のひもつき補助金の一括交付金化と今後の自治のあり方/(6)小中学校統廃合後の跡利用の検討について
2010年6月8日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「今後の財政運営の展望」「観光」「NPO税制の改正と市民と行政の協働のあり方について」「新病院について」「国のひもつき補助金の一括交付金化と今後の自治のあり方」「小中学校統廃合後の跡利用の検討について」について質問し、市長 山田勝麿、病院局長 並木昭義が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、病院局長 並木昭義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 山口保
民主党・市民連合を代表して質問いたします。まず、本市の財政運営についてであります。さきの臨時会において、平成21年度の決算見込みについて報告がありました。単年度収支で約5億300万円の黒字となり、昨年度までの累積赤字6億5,900万円をほぼ解消できるラインまで到達し、いまだ1億5,600万円の収支不足が残るものの、ほぼ財政健全化の見通しが立ちつつあるのかと安堵をいたしております。平成11年に新谷前市政を引き継がれてから約11年、市の貯金に当たる財政調整基金はゼロ、減債基金も31億円余り、借金である市債残高は全会計で1,424億円と最悪の財政でスタートをされ、任期中はほぼ財政再建に終始せざるを得なかった市長の御苦労に対し、敬意を表するものであります。また、この間、市職員の皆さんも、職員数の削減や賃金の削減で市財政健全化に協力されたことに対し、同様に敬意を表するものであります。この間、職員の給与費削減による平成11年から平成20年までの財政効果は、実に182億5,300万円に上っております。市民所得は依然として減少し続けており、この間、市民税所得区分別所得金額で見ますと、平成11年度の1,802億8,473万円から、平成21年度は1,364億2,339万円と、11年間で24.3パーセントも減少しておりますし、給与所得だけで見ますと、平成11年度の1,560億4,000万円から、21年度は1,119億3,910万円と、28.3パーセントもの減少であります。国の三位一体改革の名の下に、平成16年度以降、地方交付税が大幅に削減され、自治体の財政運営は窮地に立たされてまいりました。また、地域の経済構造の急激な変化で所得を失い続けております。20年度以降、地方再生対策費が創設され、また、政権の交代も相まって、地方交付税が若干増額され、また、平成18年度以降、国の税制改正による市民税の増などで、ようやく一息ついているというのが現状ではないでしょうか。今後も地域の経済環境の急激な好転は見込めず、厳しい財政運営が続くと考えますが、市長の今後の財政運営の考え方について、まずお伺いをいたします。また、この間の市内経済の動向を見てみますと、人口は平成11年の15万3,550人から、平成21年は13万5,168人と、約12パーセントの減少、全産業を合わせた事業所数は、平成11年の7,722か所、平成18は年6,577か所、8年間で約15パーセントの減少をしております。従業者数では、平成11年の6万2,451人から5万4,316人と約13パーセントの減少となっており、一方が11年間でもう一方が8年間の減少率で、単純な比較はできませんが、残念ながら、産業の縮小の速度が顕著だと言わざるを得ません。特に、卸・小売業の縮小は顕著で、卸売業は平成11年の565事業所に対して、平成19年は414事業所で、約27パーセントの減少です。小売業は、平成11年の1,946か所に対して、平成19年は1,502か所と、約23パーセントの減少となっております。この間、従業員が50人から99人の小売事業所は、平成11年の16か所から、平成19年は18か所と増加をしており、本社を市外に置く大手小売業者の進出により、市内小売業者の衰退が見てとれると思います。また、卸・小売業の販売額の推移を見ますと、小売業では平成11年の1,856億1,000万円に対して、平成19年は1,410億3,000万円で、9年間で約24パーセントの減少、卸売業では、平成11年の2,031億円に対し、平成19年は1,519億3,000万円で、同様に約25パーセント減少しております。人口減少比に比べて、はるかに落ち込みが激しくなっているわけであります。私は、従来から、本市の統計の中でも、製造品出荷額のうち食品の出荷額の推移に注目をしておりますが、それは、本市の製造品出荷額の約4割を占めていること、また、本市の主要産業である観光にリンクして成長していくべき産業と考えるからであります。平成11年の製造品出荷額は、約1,882億円で、平成19年は1,621億円と14パーセントの減少となっております。このうち、食料品の出荷額は、平成11年は761億5,000万円、平成19年は697億円で、8.5パーセントの減少となっておりますが、平成15年以降、多少の増減はありますが、直近の平成20年では700億円を超えており、平成13年度以降、しばらくぶりの700億円台を回復いたしております。私は、市内経済の35パーセントを支える観光のさらなる産業化が本市経済の再生のかぎだと申し上げてまいりました。観光に支えられた本市のブランド力を生かした産業や産品の発掘、育成に力を尽くしていただきたいと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。本市観光を取り巻く状況については、総体的なブランド力の低下が心配をされております。本市経済のメーンエンジンである観光も、本年3月にまとめられました観光客動態調査によれば、観光客の滞在時間の減少傾向や平均消費金額の減少が報告されております。特に、日帰り客の消費金額は、前回調査の1万6,683円に対して1万956円で、約35パーセントの減少、宿泊客も、前回調査3万3,090円に対し2万9,384円となっており、約12パーセントの減少となっております。また、年間観光消費額も、前回の1,319億円対して839億円となっており、36.4パーセントも減少しているわけでございます。先日公表されました観光入込客数は、海水浴客を入れても11年ぶりに700万人を割り込む結果となりました。中国人観光客の宿泊は、前年の2倍を超す5,500人となったことがわずかな希望であります。中国人観光客につきましては、中国政府が、これまで、年収約350万円以上の富裕層に限定をしておりました個人観光ビザの発給要件を、本年7月1日から大幅に緩和して、クレジットカード会社の発行するゴールドカードを所有するなどの条件はあるものの、年収約85万円の層にまで拡大することを決定しており、対象世帯は、先ほど千葉議員も指摘しておりましたけれども、これまでの10倍の1,600万世帯になると言われております。日本国内で中国人が行きたい観光地の1位は東京、2位は北海道との報告もあります。本年5月、北海道中央バスが、JR札幌駅を起点に小樽運河や小樽天狗山などを周遊する定期観光バスに、英語、中国語、韓国語の3か国語の音声案内を入れた多言語案内システムを新たに導入し、中国人を中心にした外国人観光客に対応するそうであります。このように、民間での取組がなされることが基本と考えますが、行政としての支援のあり方や取組についてお知らせください。次に、平成18年に策定された観光基本計画に基づいて発足をしました観光プロジェクト推進会議が活動を開始されて以降、堺町に対するさまざまな働きかけや、祝津にしん祭りや、市漁協との連携による小樽産しゃこ祭りの創設など、新たなイベントを生み出され、海のまち小樽にふさわしい新たなブランドの創出に努力をされておられることに敬意を表したいと思います。また、本年夏には、堺町のメルヘン交差点広場を中心に、一帯を通交止めにして大規模な野外コンサートを計画されていると聞いており、やや陰りの見え始めている堺町の観光にインパクトを与えるものと期待をするものであります。その観光プロジェクト推進会議も、第1期の作業を終えられ、本年6月末より組織が改組され、再開されると伺っております。課題をどのように考えておられますか、また、どのような組織で取組をなされますか、お伺いいたします。私は、本市のブランド力を生かした新たな施策が、本市の総体的なブランド力の低下を食いとめ、向上させていくものと考えてまいりました。イベントの創出と継続は一時的な効果を生むとはいえ、持続する副次的効果を生み出す努力がなければ一過性で終わってしまうと考えております。先ほど触れさせていただきました観光客動態調査では、観光客の購入された土産品で過去2回の調査でトップだったガラス製品は、菓子類にその座を譲り第2位となりました。ガラスのまち小樽のブランドの低下が心配されているところであります。今から27年前の小樽活性化委員会の報告書に書かれているように、さまざまなガラス工芸の技術の習得ができる国内初のグラスアートスクールの創設や、国内外のガラス工芸品を集めたグラスアート美術館の併設との提言が、当時、北海道がその財源の担保を申し出ていたにもかかわらず実現できなかったことか悔やまれてならないわけであります。とはいえ、昨年夏に始められました旧国鉄手宮線を会場とした小樽がらす市には江別市の陶器市を超える規模に育っていただきたいと願うばかりであります。市内のガラス工房も、若手工芸家の育成に力を注いでいらっしゃいます。私は、そうした民間の努力に何か行政の支援方法はないかと考えあぐねてまいりました。海外の著明な工房の作家を招聘してのデザインや技術の講習とまでは申しませんけれども、東京芸術大学などとの交流や研修などはできるのではないでしょうか。小樽を代表するブランドであるガラス工芸の復興は、観光都市小樽にとって不可欠ではないでしょうか。また、水産加工品などの新たな商品の開発や既存商品のパッケージデザインの評価や見直しなど、新たなブランド化に向け、流通業界のバイヤーと業界との定期的な意見交換会やプロの商品デザイナーやアドバイザーを招聘した研究会など、業界への支援の方法は考えられないでしょうか。思いつくままに述べさせていただきましたが、こうした施策の具体化の議論こそ、次の観光推進プロジェクト会議で進めていただきたいと切に願うものであります。御所見をお伺いいたします。おたる移住・交流推進事業研究会も、平成20年7月の発足以来、専門部会を設けられ活発な議論が続けられているとお聞きしております。本市への移住相談は、平成17年度から平成21年度までの5年間で計213件、そのうち、移住者は33世帯74人と報告をされております。研究会が立ち上げられて以降、平成20年度には8世帯15人が移住をされ、平成21年度は5世帯9人とのことであります。それ以前と比較して、残念ながら増加につながっていないのが現状であります。一方で、市まちづくり推進課では、本市の空き家の調査をし、空き家バンクを立ち上げ、ネット上で公開しております。本市に対する移住や二地域居住などのニーズがないのでしょうか。私は、訴求の方法にインパクトが不足していると考えております。すべての空き家を写真つきでネット上に公開するには無理があることは承知をいたしております。例えば、山手地区で10軒程度、まちなかで5軒程度など、1か月ごとに、順次、物件を写真などで公開できないでしょうか。私は、過去の議会で、何度か、本市の高台にある空き家などを、ファンド形式で全国から資金を集めて、集まり次第、別荘用に改築をして販売し、一定の手数料を差し引いてファンド出資者に配当するなど、社会的ビジネスとして可能ではないかと申し上げてまいりました。問題は、そのビジネスモデルをだれが企画し、また、だれがそれをハンドリングするかということで議論がとまってしまい、民間事業者は、興味は持つわけでございますが、訴求力に自信が持てないため、ちゅうちょするわけであります。行政の信用力を背景に、例えば、NPOが社会的事業として行い、本市のホームページにリンクをして立ち上げればインパクトのある事業になると思うわけであります。そして、今、日本のNPO制度がようやく変わろうとしております。本年4月8日、まちづくりや福祉などで活躍するNPO法人に対する寄附金に対し大幅な税制優遇措置を認める報告を行っております。寄附金額の50パーセントを所得税から税額控除する仕組みを2011年度から導入するとしております。50パーセントの税額控除は、現在の政党や政治団体への控除率の30パーセントを上回るもので、これが実現されれば、ほとんど財政基盤が担保されてこなかったNPOが法人として組織化され、プロの集団として自立し、行政と市民との協働が、名ばかりではなく、実現していくものと期待をするものであります。官か民しかなかったこの日本の社会に、ようやく市民セクターが育ち始め、欧米のように福祉や雇用やまちづくりなど、多様な非営利の分野にNPOが活躍する社会が実現できる日を待ち望んできた者として感慨深い思いであります。ちなみに、2001年のデータでございますが、アメリカでは、有給のNPOの従事者は1,250万人、全労働者数に占めるNPO従事者の割合は9.5パーセントにも上るとの報告もあります。GDPの約7パーセントを占める社会の重要な担い手になっているとのことであります。私は、先ほど来述べてまいりました幾つかの本市のブランド力を生かした施策は、いずれこうしたNPOが窓口となり、行政との協働作業によって実現し得るものと考えております。こうした社会の変化を俯瞰しながら、私は、ぜひ、先ほど挙げました委員会でも議論を進めていただきたいと思います。私は、また、課題によっては、部局の垣根を越え、庁内挙げてプロジェクトとして議論を進めさせていただきたいと思いますが、市長の御所見をお聞かせください。次に、新市立病院についてお伺いいたします。紆余曲折を経てようやく建設のめどが立つところまできたことに安堵いたしております。診療の三つの柱として、がん診療、脳・神経疾患診療、心・血管診療が挙げられております。脳と心疾患については医療センターで実績があり、多くの市民の信頼を得ているものと信じております。がん診療については、これは市内の病院全般に対してですが、信頼できるとの確証を持てないでおります。事実、本市のがん死亡率は全道で最悪との報道が6月3日にされたばかりであります。がんの検診率の低さが最大の要因との推測であります。私は、ごく初期のがんの発見につながると言われるPET-CTの導入を新病院で検討されるべきではないかと考えております。PET-CTによる検診は、高価で一般には受診しづらいとの難点は承知しておりますが、最近では、機器の価格も下がり、検診も受けやすくなっているとのお話も伺っております。先日、NHKニュースで、帯広市の北斗病院がPET-CTを中心にしたがん検診と宿泊をセットにしたメディカル・ツーリズムに平成15年から取り組まれ、これまでに延べ1,200人、主に道外の大都市圏のツアー客を受け入れたとの報道がありました。そのうち、4人に1人がリピーターだそうであります。この病院は、PET-CTを3台も導入しており、検診専門のセンターを病院内に設置、約3時間の検診時間をくつろいで受けられるようなさまざまな工夫がなされているそうであります。宿泊と検診とセットで約15万円前後と、首都圏の検診費用より格安だとの報告がありました。また、このほど、中国からのパーソナルツアー客の受入れの具体化に向けて検討を始められ、年内にも事業化を実現されるとのことでありました。PET-CTのような最新機器の導入は、費用の面で課題は残りますが、新たな医師確保にも有効ではないかとも考えております。どのように御議論、御検討をされているのか、お伺いいたします。余談ですが、先般、私の友人が小樽病院で腎臓がんの手術を受けられ、医師の丁寧な説明や看護師の気遣いなどに大変感謝をし、小樽病院は変わった、よくなったと申しておりましたことを報告申し上げておきます。さて、一昨年の第4回定例会の一般質問や予算特別委員会でも議論をさせていただきました国のひもつき補助金の一括交付金について、政府の地域主権戦略会議において、5月24日、その実現に向けた考え方がまとめられ、一括交付金のあり方について役所の所管を超えた省庁横断型とし、自治体が使い方を自己決定できる財源とすること、また、国土交通省などが公共事業の予算配分などを決める箇所づけは廃止するなどとされております。いわゆるひもつき補助金とは、国がその使途を決めて配る補助金で、2010年度地方向け補助金の総額は主な10府省で609本、約21兆円であり、事業ごとに各省への交付申請や事業実績の報告などが義務づけられて、手続が煩雑で使い勝手が悪いと指摘されていたものであります。私も、この補助金改革だけで1兆5,652億円のコスト削減効果が見込まれ、地方公共団体向け補助金のうち7兆8,261億円については廃止、廃止後には地方公共団体に一括交付金として移譲すべきとの提言をなされた自治体の元首長や現役の県や市の職員、党派を超えた地方議会議員や、大学シンクタンクで構成をされましたNPO法人の研究報告を例示いたし、議論をさせていたところであります。いずれにしましても、このように地域主権の方向に税財源の移転も含めて変わっていくものと私は確信しておりますが、地域の政治を担う私ども地方議会も、政策の遂行を担う自治体も、みずからの政策立案能力が今以上に問われることは自明であります。全国市長会などでも御議論はされていると伺っておりますが、国と地方との役割を新たにどう振り分け、自治体にとってどの分野の事業を担うことが合理的なのか、検討をされ、積極的にこの議論に参加されるべきと考えますが、市長の御所見をお聞かせください。先日、私ども民主党・市民連合の政務調査として、東京都の学校再編に伴う小中学校跡利用の事例の調査を目的に品川区と渋谷区に行ってまいりました。特に品川区は、老人介護と保育施設の充実が課題となっているとのことで、中学校跡施設を改装し、特別養護老人ホームとして整備をしたり、小学校跡施設を高齢者優良賃貸住宅に改装、整備するなど、地域にとって大変歓迎される転用例として興味深くお話を伺ってまいりました。本市でも、小中学校の生徒数の減少などから大規模な再編、統合が計画され、今まさに地区別懇談会が開催されて、地域の方々との統廃合に向けての話合いがなされているさなかでありますが、今後、15年間で小中学校合わせて20校の廃校が計画されており、今後、これらの跡利用は、行政にとっても、また、これら地域の方々にとっても大変重要な課題になると考えております。東京都品川区では、西大井の隣接する小中学校を小中一貫校として再編されるに当たり、廃校となる小学校の跡利用について、地域住民の皆さんとの話合いの末、昭和38年築、鉄筋コンクリート3階建て、校舎床面積4,745平方メートルの改修整備の計画が立てられました。1階部分の約半分をゼロ歳児から5歳児まで預かる保育所型認定こども園に、また、同じく1階に地域介護予防拠点としてデイケアセンターと地域交流活動の拠点としてシルバーセンターを設置され、そして、2階と3階はすべて定員40名程度の高齢者優良賃貸住宅とすることを決定し、平成19年度運営設計事業者を公募型プロポーザル方式で鳥取県に本部を置く社会福祉法人こうほうえんが選定されました。認可保育所と介護予防拠点、高齢者向け優良賃貸住宅については区と社会福祉法人による共同の整備事業とされ、耐震工事を含む事業費約10億円のうち、国と東京都で3分の1、社会福祉法人が2億円、残りを品川区が負担されて整備が行われたとのことであります。また、土地、建物は区の所有とし、社会福祉法人には20年間の無償貸与とされ、運営は同法人に10年の契約で委託をされているとのことでありました。開設は昨年の3月とのことであります。特に、2階、3階に開設された高齢者優良賃貸住宅42戸は、部屋の広さが3タイプあり、最も小さなタイプの家賃は8万円と設定されておりますが、国土交通省からの家賃補助は2万5,000円程度あり、また、区の単独助成で5万円が出されており、家賃はほぼかからないとのことです。しかし、基本サービス費や共益費で6万円、食費は、自炊される方は別として、1日1,700円、ほかに光熱費や電話代や介護サービスの1割負担などで、幅はありますが、約14万円から20万円の利用者負担となるそうであります。入居申し込みは150件程度あり、定員の3倍以上だったと聞いてまいりました。現在の入居者の平均年齢は85歳、平均介護度は2.6で、4分の3が女性であり、最高齢者は102歳とのことでありました。渋谷区でも廃校跡利用の施設を見てまいりました。こちらも同様に、鉄筋コンクリート3階建てで築年度も規模もほぼ同様でしたが、こちらは区で改修を行い、区が管理する施設として2階、3階は地域のコミュニティセンターとして改修されて、1階には介護予防拠点を整備、これは株式会社ニチイ学館に指定管理者として業務委託をされていると聞きました。改修費用は、耐震補強は行われず、4億5,000万円、年間運営予算は21年度で5,400万円とのことでありました。他に、直接見ることはできませんでしたが、品川区では約19億円の改修費で鉄筋コンクリート4階建て、築28年の中学校を区の施設として、定員81名の特別養護老人ホーム、定員19名のショートステイ、定員18名の認知症高齢者グループホームに改修する計画をされており、平成23年度開設を目指して工事に着手されているそうであります。東京都の手厚い補助と財源に余裕のある区の事業ではありますが、大変興味深く拝見させていただきました。本市ならではの跡利用の手法も多々あると思いますが、これらの事例も含め、23年度からスタートする本市の小中学校の統廃合による廃校後の跡利用に向けて早急に研究、検討をお願いいたし、市長のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。初めに、今後の財政運営についてでありますけれども、一般会計における累積赤字の解消は、財政健全化計画を上回るペースで順調に進んでいるところでありますけれども、本年度、当初予算においても、収支均衡を図るため、引き続き他会計や特定目的基金からの借入金、職員給与費等の削減継続などで財源を捻出したところであり、本市の財政は事実的にはいまだ財政再建の途上にあるものと認識しております。そのような中にあって、本市の今後の財政運営を左右するのは、何と申しましても地方交付税の動向であります。ここ3年連続で地方交付税総額が増額されてきていることは一定の評価をいたしますけれども、来年度の地方交付税額は相当厳しくなるとの情報もありますので、今後とも、全国市長会とも連携をし、これまでの地方の努力が無に帰することのないよう、国に対し強く地方交付税額の復元・増額の継続と法定率の引上げを求めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、現実問題として、現状の景気動向などから当面は市税の増と地方交付税額の増額に大きな期待はできないものと考えておりますので、今後の財政運営に当たりましても、これまでの健全化の取組を緩めることなく財源の確保に努め、一方で、国や北海道などの施策とも呼応して、定住自立圏を構成する近隣町村などとも連携しながら、本市経済の活性化と雇用の改善に向け最大限の努力をしてまいりたいと考えております。次に、観光について何点か御質問がございましたが、まず、本市のブランド力を生かした取組についてでありますが、本市は、高い知名度と新鮮な水産物など恵まれた地域資源を有しており、これらを生かした地場産品の開発や販路の拡大を進めてきたところであります。特に、ニシンやシャコなど地元特産品である水産物の普及・拡大を目指した地域イベントが昨年、一昨年からそれぞれ開催され、観光と一体となった取組として育ってきております。また、ガラス産業の振興を図るとともに、ガラスのまち小樽を全国にPRすることを目的に、昨年、初めて小樽がらす市を開催いたしまして、悪天候にもかかわらず、市内外から約2万人にも及ぶ来場者がありました。このほか、地場産品の普及・振興を図るため、小樽ブランド普及事業として市内の企業が製造し、全国、全道規模の品評会や展示会などで受賞したものをお墨つきの小樽ブランドとして市のホームページに掲載し、広く紹介を行っているところであります。今後とも、観光協会などの関係団体と十分に連携を図るとともに、小樽独自の地域資源を強みとして生かし、各種産業施策を着実に実施することにより、ブランド力の向上に努めてまいりたいと考えております。次に、中国人観光客誘致に向けた行政の支援でありますけれども、小樽市観光基本計画の中で行政が果たすべき役割としては、市民、観光事業者、観光関連団体、経済界との協働の下、観光振興施策を推進することとしておりまして、これまでも、これらの主体が自主的に取り組む観光事業への支援に努めてきております。近年、全国の観光地においては、軒並み国内観光客の減少が見られており、本市の観光入込客数も減少傾向に歯どめがかからない状況が続いておりますが、そうした中でも中国人観光客の宿泊客数は顕著な伸びを示しており、今後ますます増加が期待される中国人観光客をターゲットに据えた戦略的な取組を官民一体となって進めていくことが極めて重要なことと認識しております。とりわけ、本市の取組といたしましては、5月に上海市のゴルフ協会関係者をお招きし、本市でのゴルフツアーの商品造成を働きかけたほか、来る9月の上海万博における北海道の日では、後志管内の町村と共同で参加し、本市の観光PRを積極的に展開する予定であります。また、市内におきましても、中国の文化や習慣を理解する勉強会や語学研修会の開催をはじめ、観光案内所にそれぞれ中国語、英語の話せる職員2名を配置するなど、中国人観光客誘致に向けた受入れ態勢の整備に努めているところであります。次に、第2期観光プロジェクト推進会議に向けての組織についてでありますけれども、本市の観光の現状は、その多くが宿泊を伴わない、いわゆる日帰り通過型観光であることから、経済波及効果が大きく期待される宿泊滞在型観光への移行が長年の懸案であり、大きな課題になっております。このため、第2期の推進会議は、引き続き、この課題解決を目標に据えながら、宿泊滞在型観光への移行過程である時間消費型観光を積極的に推進するため、第1期のメンバーを中心に新たな人材を加えて構成してまいりたいと考えております。次に、第2期観光プロジェクト推進会議の役割でありますが、この会議は、観光基本計画に基づく施策を推進するため、具体的なメニューの検討などを目的に設置したものであります。御提言のありました取組は、これまでも本市の産業振興施策として実施してきたもの、あるいは、今後検討すべきものと受け止めておりますが、推進会議の担うべき役割は、引き続き時間消費型観光の実現に向けた具体的な施策の提言を行っていただくことであると考えております。次に、NPO税制の改正と市民と行政の協働のあり方についてでありますが、NPO法人への寄附に対する新たな優遇措置の導入については、政府の「新しい公共」の実現の一環として検討されており、平成23年度税制改正に盛り込まれる予定と聞いております。この「新しい公共」とは、国民、企業、政府が一定のルールとそれぞれの役割を持って支え合いと活気のある社会をつくるため協働するもので、その中でもNPO法人は社会の多様性を担う上で重要と位置づけられております。市といたしましては、これまでも市内に存在するNPO法人などと連携の事例はありますけれども、「新しい公共」は文字どおり新しい協働の仕組みでありますので、今後、どのように協働を図っていくことがまちづくりにとって効果的かどうか、調査・研究してまいりたいと考えております。次に、国のひもつき補助金の一括交付金化と今後の自治のあり方でありますけれども、ひもつき補助金の一括交付金化の目的は、地方の自由裁量を拡大し、実質的な地方の自主財源に転換するものであり、地域がみずからの判断と責任において地域の諸課題に取り組む真の分権型社会の実現のために必要不可欠なものであると認識しております。今後、法制化される国と地方の協議の場において、交付金の総額や統合対象とする補助金など、制度のかなめとなる部分の具体的な制度設計や国と地方との役割について協議されることになっており、その際には、市といたしましても、市長会などを通じて制度設計などに関する地方の意見が反映されるよう要請してまいりたいと考えております。最後に、学校再編後の学校跡地の利用についてでありますけれども、現在、5月から教育委員会が実施している地区別懇談会に企画政策室の担当者を出席させ、跡利用に関する御意見、御要望などを参加者の方からお聞きしております。学校の跡利用については、まずは全国各地の活用事例などの研究を現在進めており、今後とも、地域の要望をお聞きしながら、早期に実現できるものか、財政的に時間を要するものか、市で利用するのか、民間に利用してもらうのかなどの検討を行い、市民や地域の皆さんにとって有効に活用されるよう取組を進めてまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 並木昭義(病院局長は2025年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。新病院でのPET-CTの導入についての検討状況ですが、PET-CTは、代謝や血流などの生理学的、生化学的な機能を捉える陽電子放射断層撮影装置、これをPETと言いますけれども、これと、体内の構造物の形状や病変の位置などの形態を正確に把握するコンピュータ断層診断装置(CT)を一体化した複合型の検査装置で、がんをはじめとした腫瘍検査、脳及び心臓の機能検査にすぐれた特性を持っております。新病院は、地域がん診療連携拠点病院を目指し、健康管理部門も充実したいと考えていることから、PET-CTの導入は有用であると考えておりますが、一方で、小樽後志圏域での需要がどのぐらいあるか、導入コストを回収できるのかなど検討すべき課題も多いことから、現段階では時間をかけて多角的な検討が必要であるとの判断をしているところであります。今後、基本設計を行っていく中で、同機器の価格動向や設置場所に係る費用も含めて、具体的な検討をした上、判断をしてまいりたいと考えております。