小樽市議会 平成21年第4回定例会 2009年12月8日
(1)政権交代/(2)定住自立圏構想/(3)地域医療の拠点としての市立病院/(4)貧困率と雇用対策/(5)たばこの健康被害とたばこ税/(6)男女共同参画社会基本条例の制定について
2009年12月8日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「政権交代」「定住自立圏構想」「地域医療の拠点としての市立病院」「貧困率と雇用対策」「たばこの健康被害とたばこ税」「男女共同参画社会基本条例の制定について」について質問し、市長 山田勝麿、病院局長 並木昭義が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、病院局長 並木昭義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
平成 21 年第4回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。例年でありますと、来年度の予算編成に向けて多忙をきわめている時期に、政府の行政刷新会議の作業グループによる事業仕分けによって、11 月 27 日まで無駄を洗い出す作業が行われてきました。その影響で、新年度の予算が確定するまでなおう余曲折も予想されていることから、編成作業に携わる担当職員、理事者の皆様にも大変な苦労をおかけすることになると思います。この間、行政刷新会議が事業の廃止、予算計上の見送り、予算の削減など、これまで聖域とされてきた一般会計、特別会計をトータルした 207 兆円の見直しに着手し、各省庁の予算に切り込む厳しい判定に対して、これまで国民が全く知らない税金の無駄遣いがこんなにあったことを明らかにしたことは、政権交代の成果だと評価される一方で、官僚主導から政治主導の予算編成は理解したとしても、陳情も受け付けず、地方の声が生かされていない、仕分け対象の事業に地方交付税が含まれていることは問題だとの指摘もあります。最終的な判断は官邸が行うことになりますが、民主党は地域主権を政策の柱に選挙に勝利していることを踏まえ、私たちも市議会与党の責任として、小泉内閣時代の三位一体改革のてつを踏まないという立場を明確にして、地方交付税は国の財源ではなく、地方の財源であるということを基本に、これからの議会活動を行っていきたいと決意しております。政権交代は実現したものの、国は膨大な借金を抱え、国の金庫は空、税収は必要額の半分以下という状態で新年度の予算を組まなければならないという現実は、倒産企業の再建より厳しい初の試みと言えます。それだけに、市長の政策にも少なからず影響が及ぶことがあるかもしれませんが、小樽市の発展のために各会派の皆さんにも御理解、御協力をいただき、市政を支えていきたいと考えているところでございます。政権交代に伴って、政府・民主党に対する要望、陳情について、大変な御批判もいただきましたが、基本的に政官癒着の排除と利益誘導型政治からの脱却、分権型陳情で霞が関もうでを一掃すること、国の行政刷新と地方行革に寄与すること、透明性・公平性を確保する陳情処理の4項目を目的に、分権型陳情への改革を進めることとしております。今後の自治体や各種団体やNPOなどからの要望、陳情につきましては、各都道府県連が窓口となり、総支部、国会議員と地方議員が内容を精査し、本部へ送付されることになります。族議員が力を発揮し、官僚のさじ加減で予算が左右されることはなく、国と地方の関係は上下関係から対等に変わります。60 年近く続いてきた自民党政権から国は大きく変わり始め、私たち地方議会も意識の改革が求められるところでございます。そこで、民主党政権発足後の市長の御感想をまずお聞かせください。次に、定住自立圏構想についてお伺いいたします。私は、第2回定例会の一般質問で、総務省が取りまとめた定住自立圏構想について質問し、これまで進められてきた市町村合併と違い、それぞれの地域の特性や産業や経済構造を補完し、行政や生活関連サービスの協力によって地域力を創造する、この構想は人口減少が急速に進む小樽と後志にとって極めて重要な構想であり、大都市から地方への人の流れを創出するプランに賛意を示し、市長の御見解を求めたところであります。その後、北しりべし廃棄物処理広域連合の実績や北後志各町村との信頼関係の醸成、そして市長をはじめ各首長の決断によって、北海道でその先陣を切って中心市宣言に至ったことは高く評価されることであり、これまでの御苦労に心から敬意を表するものであります。その後も、道内はもとより、全国的にも中心市宣言が広がりを見せており、地域の人口減少や経済の格差など、地域が抱える悩みがいかに深刻であり、同じ悩みを抱える地域が連帯する大切さを訴えるきっかけになったと思います。しかし、政権交代による補正予算の見直しが行われ、総務省の定住自立圏等民間投資促進交付金は、当初予算 550 億円が 81.8 パーセント減の 100 億円に圧縮され、交付対象も地域医療関連で圏域全体への波及効果が大きいと認定された事業に限定され、予算が大幅に減額される中で小樽市が選ばれたことは、大変に意義のあることと思います。そこで、交付対象となった事業の内容と交付額について、御説明をいただきたいと思います。定住自立圏構想は、地域が自立するための施策であり、政権交代によって変化が生じるものではないと確信しておりますけれども、しかし定住自立圏構想は、いかなる条件の変化があろうとも、圏域の未来のために、今、取り組むべき施策であります。中心市宣言をした小樽市として立ち止まることはできないと思います。推進要綱を改めて確認いたしますと、平成 17 年以降、人口は急速に減少し始めており、地方圏では30 年で 1,178 万人、三大都市圏でも 530 万人の減少があるとされております。道内ではこの予測を上回るペースで人口減少が続くとも言われており、とりわけ小樽市は札幌圏の中でも江別市や北広島市、恵庭市などと比較しても大幅な減少が予測され、対策は緊急の主要な課題であります。とりわけ年少人口の定着施策を急がなければなりません。以前にも紹介いたしました地域の特性を生かしたフードフェスティバルなどの先進的な取組は、若い世代の新たな雇用の場をつくる大きな可能性が期待されるものですが、北海道経済連合会が提案いたしました食のクラスター構想は、小樽市が取り組む定住自立圏構想に大変よくマッチする提案であると思います。北海道は食料の生産基地と言われ、この間、生産された農水産物のほとんどが原材料として本州各地に出荷され、本州で加工され付加価値がつけられ、再び道内に戻ってくるということが長年続いてきております。小樽市は、中心都市としての大規模商業、娯楽機能、中核的な医療機能、各種生活関連サービス機能など、生活に必要な都市機能に一定の集積が評価される一方で、歴史と伝統ある食品加工業については北後志の食材を活用した商品の開発やPRも不足しているように思われます。食のクラスター構想では、道内の農水産物を加工し、付加価値を高めて出荷すれば、新たな雇用が大きく期待され、流通や販売、バイオ産業の分野まで広げると、経済効果は北海道の開発予算を上回る1兆円以上になると試算されております。市内で行われている食品展示会を見ますと、ホテルなどで利用される業務用食材や高級食材とされる分野でも、北海道の農水産物が原材料としての評価はされているものの、その多くが関西や関東で加工されているとのことであります。メーカーのお話では、やはり輸入食材は安全性に対するリスクが高く、道産品の信頼は高いものがあります。体制さえ整えば、可能な限り生産地に近いところで加工すれば、品質管理や輸送コストなどメリットは大きいと認めております。北後志の農産物の生産地と隣接する小樽市は、地域資源を生かしたこうした分野でまだ多くの可能性があり、新たな産業の企業支援や企業誘致によって、若年人口の定着に欠かせない雇用の場も確保されると考えます。市長は定住自立圏構想を進めるに当たって、どのような展望と戦略をお持ちになっておられるのか、お伺いをいたします。次に、地域医療の拠点としての市立病院についてお伺いをいたします。定住自立圏等民間投資促進交付金では、地域医療関連で、圏域全体の波及効果が大きいと認定されました。そうした意味でも、市立病院の地域医療の拠点病院としての使命と責任は、さらに大きくなったと考えます。市立病院の統合新築問題は、市民合意に加えて、圏域全体の問題として結論を急ぐ必要があると思われます。これまで建設費の問題から始まり、病院の廃止論まで、それぞれの勝手な場外論争に振り回され、量徳小学校の跡地利用を断念し、築港地区での統合新築案には議会でも承認をされながら、また量徳小学校に戻るような動きは、一般市民にとっても、関係機関にとっても非常にわかりづらいもので、また今後の対立や障害にならないのか、懸念をされるところでございます。そこで市長にお伺いをいたしますが、民主党政権は、地域医療は命にかかわる予算として充実させる方針と言われております。市長は政権交代と新市立病院の建設計画への影響をどう受け止めておられますか。また、量徳小学校のPTAが行っている病院問題についてのアンケートの内容と集計結果については、どのように認識をされておりますか。また、どのように反映をさせるつもりですか。再度PTAなど地域との話合いが行われる予定になっていると聞いていますが、どのようなタイミングになれば市長が出席し、判断を示されるか、お示しをお願いいたします。市立病院の統合新築計画は、私が知るわずかな時間の限りにおいても、公立病院改革ガイドラインや改革プランなど、たび重なる政府方針の変更の対応に翻ろうされ、その都度、計画の先送りや見直しを余儀なくされてきたと思います。しかし、地域医療の重要性は高まる一方ですが、医師不足の深刻化などによって、地域医療は各地で崩壊の危機を迎えております。小樽市はこれまで病院数や医師の数には恵まれた地域とされてきましたが、市内の公的な3病院も今や潜在的な医師不足があると言われ、市立病院も含めた地域医療の拠点としての役割に不安はないのか、大変心配されるところであります。並木病院局長には、こうした小樽市の地域医療の現状を踏まえて、新市立病院建設の必要性、市立病院の果たす役割の重要性、医師確保に向けた決意をお伺いしたいと思います。次に、貧困率と雇用対策についてお伺いいたします。厚生労働省は、11 月 13 日、日本のひとり親世帯の相対的貧困率が 54.3 パーセントに達するとの調査結果を発表いたしました。母子・父子家庭の半数以上が貧困状態に置かれていることになります。10 月20 日に発表された国民全体の相対的貧困率は 15.7 パーセントで、これも大変ショッキングなデータの公表でありました。相対的貧困率とは、国民の可処分所得を低い順に並べ、真ん中の人の可処分所得の半額に満たない人の割合と規定されております。貧困率の算出方法については、さまざまな算出基準があるとされておりますが、OECDの集計が最も標準的であるとして、これに基づき算出、公表されたと伺っております。日本は、かつての貧困率調査で北欧諸国並みの水準で、一億総中流と言われた時代がありましたが、相対的貧困率の上昇は 1980 年代から高齢化や単身世帯の増加によって始まり、1990 年代から勤労者層の格差が拡大し、とりわけ非正規労働者の賃金が低く、格差拡大の主要因となっております。我が国の相対的貧困率 15.7 パーセントは、OECD加盟 30 か国中 27 位、ひとり親世帯の相対的貧困率 54.3 パーセントは、30 か国中で最悪であります。問題は、こうしたデータの蓄積があったにもかかわらず、厚生労働省は政権交代まで公表せずに、世界に恥じるこのゆゆしき事態を放置してきたことにあります。それでも 1998 年の 63.1 パーセントより 8.8 ポイント、2004 年の 58.7 パーセントから 4.4 ポイント改善していると公表されています。しかし、労働者全体の賃金が低下し続けているために、相対的貧困率が改善しているとは言えないとする説が最も説得力があります。実態はもっと厳しいといったマスコミの解説もあります。我が国の貧困率を解決するためには、ひとり親世帯が抱える厳しい課題を解決する必要がありますが、中でも母子家庭の母親の雇用形態は、パート労働の割合が 43.6 パーセントと高く、父子家庭の父親は 72.2 パーセントの常勤雇用と比べて極めて対照的であり、ひとり親世帯では残業や出張など働き方に制約もあることから、解決が難しいという現実もあります。鳩山政権は、12 月から生活保護の母子加算の復活をはじめ、新年度から高校授業料の実質無料化、子ども手当の半額実施を目指していますが、なおも幅広い視野での対策が求められております。そこで、市長にお伺いいたします。小樽市における市民全体の相対的貧困率を、世帯数とパーセントでお示しください。また、今、政府が取り組んでいるこうした対策について、どのような感想を持たれておられますか、お聞かせください。次に、雇用対策についてお伺いいたします。貧困問題の解決のためには、雇用の場と賃金問題を解決することが急がれます。しかし、雇用情勢はさらに厳しい状況が続いており、失業者は 12 か月連続して増加しております。昨年暮れに大量の派遣労働者が解雇され、年越し派遣村が出現し、大きな社会問題となりましたが、現在はその時点よりさらに90 万人の失業者が増加していると言われております。このまま推移すれば、過去最悪の 385 万人に達すると想定され、生活保護世帯が急増する懸念も指摘されております。雇用問題の解決は政府のみならず、自治体も企業もあらゆる団体も努力が求められているところでありますが、小樽市では、高卒者の就職内定率が低迷している対策として、来春、小樽市新規高等学校卒業者雇用奨励制度を実施すると伺っており、大変評価されるものだと思います。その制度内容と事業規模について説明してください。次に、私は、本年の第2回定例会の一般質問で、前政権による追加経済対策に疑問を呈しながらも、介護職員の処遇改善に取り組む事業者の支援策について質問をいたしました。介護報酬改定により処遇改善が進んだのか、その調査結果についてお伺いをいたします。また、道において、10 月から実施される処遇改善交付金は事業者の募集が行われ、交付金の支払は年内がめどになると御答弁をいただいておりますが、小樽市内事業者の申請状況をお伺いいたします。私は、これまで再三にわたり介護職員の待遇改善の問題を取り上げてきましたが、それは有効求人倍率が 0.3 パーセント台で低迷する中で、依然として社会福祉関連の有効求人倍率は 1.3 倍を超えており、この分野ではまだ労働力が不足している状態が続いております。その原因は待遇の悪さにあることは、以前から指摘してきたとおりであります。今、介護士などの職業訓練には、就業支援手当の制度が創設されたことによって、東京などでは少し改善の兆しが見られるとのことでありますけれども、4月から実施された介護報酬の3パーセント引上げで、2万円程度の賃金改善が見込まれるとされていましたが、今日まで改善がされたという情報は皆無と言ってよいのではないかと思っております。このたびの処遇改善交付金申請は賃金改善が前提とされていることから、それでもなお改善がされないということになれば、多額の対策費はどこにどう使われているのか、調査する必要があると思われますが、市長の判断をお伺いいたします。次に、たばこの健康被害とたばこ税についてお伺いいたします。私は、先般の決算特別委員会におきまして、特定健康診査、いわゆるメタボ健診についての受診の実績や経費について質問する中で、生活習慣病の予防は医療費削減の効果が大きく、健康維持が期待できる重要な施策であるとされながらも、複合的な要素とされる喫煙習慣に対する対策はなぜ後手に回っているのかと質問した経過があります。最近になって政府は、国民の健康を守る観点から、政府税制調査会に対し、たばこの値上げを諮問していることを明らかにいたしました。これまでの政権では、税収確保と業界保護の観点から、小幅な値上げを続けてきたと言われています。地方自治体にとって、不安定ながらたばこ税は貴重な財源でありますが、近年のたばこ離れは確実に進み、現在の喫煙率は 22 パーセント、5年間で6ポイント減ったと言われております。しかし、男性の喫煙率は依然として 37 パーセントと、先進国ではトップクラスの水準となっております。我が国が批准している世界保健機関のたばこ規制に関する枠組み条約では、価格の引上げや、公共の場や飲食店を禁煙とする実効性ある国内法の整備が求められております。たばこ事業法は税の目的として、たばこ産業の発展と財源の確保を規定した時代遅れなものであり、現状には全くそぐわないものと言わざるを得ません。国民の健康を守る観点に立つとすれば、地方税を含む税のあり方を根本的に変える必要があると思います。その後、いろいろ調べてみますと、喫煙による医療費等の社会的な損失の研究や国際的な比較は、意外なほど諸説が入り乱れておりますが、市立医療センターには大変重要な内容のポスターが掲示されております。紹介しますと、直接喫煙による疾患などの医療費は1兆 2,936 億円、受動喫煙や関連疾患など労働力や社会的な損失は5兆 8,510 億円とされています。医療費等の社会的な損失が7兆 1,446 億円に対し、たばこの税収は1兆 9,000 億円で、税収の実に 3.6 倍以上ということになります。厚生労働省が 1997 年に医療経済研究機関に依頼し、喫煙による社会的な損失の試算を行い、病気による医療費や死亡による損失、将来所得などの合計は年間4兆円になると報告されております。この医療費の算出方法は、喫煙関連の病気として、がんや脳卒中、心臓病などの8疾患を対象として、喫煙者と非喫煙者の集団を比較したデータベースに、喫煙が原因で病気にかかったと見られる割合から、たばこに起因する医療費を求め、その合計は1兆 2,240 億円で、国民医療費の総額に占める割合は 5.03 パーセントであったと言われています。この試算は市立医療センターのポスターの内容よりかなり控えめな数字となっておりますが、国立がんセンター研究所は、この試算は最低限の損失を計算したもので、受動喫煙による病気や死亡を加算すれば、実際の社会的な損失はさらに多くなるとコメントしております。我が国の喫煙率は、先進国の中でも依然として高く、たばこ税などの経済メリットをいかに受容したとしても、その損失ははかり知れないものがあります。医療費の破たんという重大な事態に直面している我が国としては、例えば喫煙率を半分にするだけでも、医療費の削減という視点で非常に重要な政策であると判断されます。にもかかわらず、今日まで健康のために禁煙しようという取組は極めて限定されてきたと思われます。その原因は、国や地方にとってたばこ税は貴重な財源であり、特に自主財源に乏しい地方自治体にとっては、地方に配分される比率が高いことから、地方自治体から取り上げにくい課題であったというふうに考えられます。我が国では高価なし好品とされてきたたばこは、諸外国と比べて、価格も税額も極めて低いことはあまり知られておりません。日本のたばこ価格が平均 300 円であるのと比較すると、イギリスは 1,187 円から 794 円、ノルウェー948 円、アメリカは 830 円から 504 円、フランス 775 円、ドイツ 644 円、アイルランド 559 円とされ、価格、税率ともに我が国は先進国の中でも極めて低いことが明らかになっています。最近、単純にたばこの値上げによって税収を確保するといった報道が目につきますが、これでは愛煙家から、取りやすいところから安易に取る大衆増税といった批判や、日本たばこ産業や葉たばこ農家、小売店の業界からも批判を受けることになると思います。たばこの健康被害から国民を守るためには、葉たばこの耕作農家への転作奨励や補助金、小売店対策についても値上げ分のほんの数パーセント配分することによって可能であります。日本たばこ産業は既に食品産業への転換を進めており、残される問題は、たばこ税に対応する地方の自主財源をいかに確保すべきかにあると思います。市長は、たばこによる健康被害と医療費の関係について、どのような認識をされているのか、お聞かせください。たばこ税の引上げによる地方税への影響についてどのように分析をされておられますか。また、どのような施策が望ましいと考えておられるのか、所見をお伺いいたします。次に、男女平等参画事業についてお伺いいたします。男女共同参画社会基本法が制定され、10 年が経過いたしました。小樽市におきましても、同法第 14条第3項に基づき基本計画を策定し、男女共同参画社会の形成に努めてきたと承知しております。担当する課の職員や理事者の皆さんの努力やこの間の取組は率直に評価するものでありますが、この 10 年間の社会情勢は法の精神に基づく改善が図られたとは言いがたく、経済・雇用情勢の悪化に伴い、むしろ後退しているのではないかと思われるほど、法を取り巻く社会情勢は悪化の一途をたどってきたと思います。この間、優良企業のイメージが高い大手企業が、能力や技術や資格に関係なく、女性であるがために昇進の差別を受けたことについて訴えを起こした女性に、会社側が全面的に敗訴したケースや、景気の悪化が続く中で、非正規労働者の男女間の格差比率が拡大したり、最低賃金の水準で働いている労働者の男女間の格差比率も拡大しています。男女雇用機会均等法が制定されているにもかかわらず、女性の採用はパート労働に限定される傾向がますます強まっているという指摘や、扶養認定制度こそが男女差別の根源になっているとする意見もあります。日本国憲法は個人の尊重と法の下の平等をうたっていますが、最近の世相はその憲法すら無視されているのではないかと言わざるを得ません。事実、性犯罪の増加、女性に対する暴力、セクシュアルハラスメントや差別的な取扱いの人権侵害、性別による固定的な役割分担の制度や慣行が依然として存在していることは、だれもが認めざるを得ないのが現状であります。配偶者の暴力から逃れるために、身を隠しての生活を余儀なくされている女性の存在も、今度の定額給付金の支給時の相談で初めてその実態を知らされ、驚きました。小樽市では、こうした事例はどの程度把握されていますか。市長はこうした現状をどう受け止め、男女平等参画事業をどう評価されておりますか。私は、男女共同参画社会基本法が平成 11 年6月に制定されて以来、道内の市町村における男女平等参画に関する取組について調べてみましたが、その結果、平成 20 年4月1日現在で計画を策定しているのは 34 市町、条例を制定しているのは 13 市町、計画の策定と条例を制定しているのは札幌市、恵庭市、函館市、倶知安町などとなっています。小樽市も法の精神に基づき事業を推進してきたと理解しておりますが、これまで申し上げたとおり、男女共同参画を取り巻く厳しい情勢を踏まえた男女平等参画社会の実現を目指す条例を制定し、市、市民、事業者及び教育機関などで取り組めるしっかりとした理念を示すべきときだと考えます。市長の見解をお伺いいたします。最後に、人間の尊厳にかかわる問題として、市民の良心に訴える条例制定は、アピール効果と市民の規範意識の高揚には大いに貢献するものと確信しております。市長の一日も早い決断を求めるものであります。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
林下議員の御質問にお答えいたします。初めに、民主党政権発足後の感想についてでありますけれども、民主党政権が発足して約3か月がたち、この間、旧政権で実施された補正予算の執行の見直しや新年度予算の概算要求に対する事業仕分けなど、マニフェストの実行へ向けて財源を確保しようという作業が行われてきました。これらの作業は、結果から見るとまだまだ賛否両論もあり、行政の継続性という観点からしても、少々首をかしげる面もありますが、予算の一本一本を評価し、それをガラス張りの状況で公開しながら実施したことは初めての試みであり、評価に値するものと思っております。これから与党として初めて行う新年度の予算編成に加え、急激な円高による金融対策や景気・雇用対策など、喫緊の課題が山積みしておりますので、国民が真に望む政策を見極めながらこの局面を乗り越え、国民の期待にこたえていただきたいと思っております。次に、本市における定住自立圏等民間投資促進交付金事業の内容と交付額でありますけれども、本事業については、政権交代に伴う補正予算の執行見直し作業の一つとして、550 億円から 100 億円へと予算計上額が縮減され、それに伴って交付対象事業や交付率についても圧縮となったところであります。本市において認められた事業の内容は、周産期の患者環境の充実を図るための病室等の増改築及び消化器とがん等の診療分野の迅速な診断とより質の高い治療を行うための医療機器の購入に対し、1,010万円の内定があったところであります。次に、定住自立圏構想の推進に当たっての展望と戦略でありますけれども、圏域の住民が安心して暮らすためには、経済や雇用、医療、教育などの機能を維持していく必要がありますし、市と町又は村といった行政の枠を超えた生活圏としての連携や協力が欠かせないところであります。そのためには、人口減少などによって利用数が減少している都市機能を、周辺町村の住民にも利用していただく、あるいは新しい行政需要を連携して行う、またお互いの強みである地域の資源を活用し、新たな地元特産品の開発や広域観光ルートの開拓により、雇用創出や産業振興に結びつくことができればと期待しているところであります。いずれにいたしましても、現在、定住自立圏形成協定の締結に向けて、本市と周辺各町村との間で具体的な取組内容について、どのような役割分担の下でどのような連携が可能であるかなどについて議論を重ねているところであります。次に、市立病院に関しての御質問でありますけれども、初めに政権交代による新市立病院建設計画への影響でありますけれども、まず、前政権の補正予算で計上された地域医療再生臨時特例交付金が、新政権により一部執行停止となりましたことは、同交付金の採択に向けて取り組んできておりましたので、残念なことと思っております。また、今後といたしましては、新政権の政策が、本市の病院事業と一般会計の財政運営にどう影響するかということであり、病院経営に大きく影響する診療報酬改定と一般会計の財源を左右する税制改正や地方交付税などの地方財政対策が、当面の大きな課題と認識しております。新政権は地域主権を基本方針に掲げ、民主党政策集INDEX2009 においても、地域医療を守る医療機関を維持することを明示しておりますので、期待をしているところでありますけれども、具体的には来年度の予算編成の結果がどうなるのか、注視しているところであります。次に、量徳小学校のPTAが行ったアンケートについてでありますけれども、PTAからは、このアンケートはこれまで行った説明会に来られなかった保護者の方々の意見を聞くために行ったものと聞いております。市といたしましては、丁寧な説明に努めるという基本姿勢から、回答を求められた項目につきましても、庁内で協議を重ねて回答したところでありますが、地域の方々の学校への思いなど強く感じましたし、それらの中でも早い時期の病院建設を望む声もあると感じたところであります。この回答書は量徳小学校の保護者の方々にも配布されておりますので、目を通していただいたものと思っておりますが、アンケートを見ましても、地域の方々にはいろいろな御意見がありますので、私が直接出向いてお話をお伺いする機会を設けていきたいと思っております。次に、相対的貧困率についての御質問でありますけれども、国が国民生活基礎調査を基に、我が国の相対的貧困率を算出したものでありますが、市町村単位のデータはありませんので、御了解願いたいと思います。次に、政府の取組についてでありますけれども、新政権がマニフェストに掲げた生活保護の母子加算の復活や子育て支援策については、その実行に向けた努力がされていると思いますが、地方への新たな財政負担が生じないよう、配慮をしていただきたいと考えております。次に、小樽市新規高等学校卒業者雇用奨励金事業についてでありますが、制度の概要としましては、平成 22 年3月に道内の高等学校を卒業し、市内に住民登録を有する人を6か月以上雇用している事業所に対し、1人につき 20 万円を交付するものであります。対象となる事業所は、市内に本社・本店がある事業所又は本社・本店の所在地が市外であっても、企業全体の従業員が 100 人以下の事業所、雇用保険適用事業所であり、市税の滞納がないことなどを要件としております。また、事業予算につきましては、新規高卒者 100 人分 2,000 万円を来年度の当初予算に計上を予定しており、市といたしましては、市内にある事業所がこの制度を活用し、一人でも多くの新規高卒者を採用していただくことを期待しているところであります。次に、介護職員の処遇改善でありますけれども、まず本年4月の介護報酬の3パーセント引上げによる処遇改善の調査結果につきましては、厚生労働省が 10 月1日に全国の介護保険事業所を対象に、抽出で調査を実施し、来年3月に結果の概要を公表することとなっております。この調査では、職員個人ごとの賃金や一時金について、本年9月と前年同期の状況を比較することとなっておりますので、その結果が公表されますと、処遇改善など、どの程度進んだのか判明するものと考えております。次に、道が 10 月から実施する処遇改善交付金の、小樽市内の介護保険事業者の申請状況につきましては、11 月末現在、159 対象事業所のうち 111 事業所が申請を行い、申請率は 70 パーセントで、全国平均の 72 パーセントに近い申請が行われております。次に、このたびの介護職員処遇改善交付金の使い道でありますが、知事の承認を得た処遇改善計画に基づき賃金改善を行うものでありまして、交付金を介護職員の賃金改善以外の費用に充てることや、賃金改善を行う一方で賞与をカットすることなどは禁止されておりますので、処遇改善計画に沿った賃金改善が実行されるものと考えております。次に、たばこ被害とたばこ税についての御質問でありますけれども、まず、たばこによる健康被害と医療費の関係についてでありますが、たばこが健康に及ぼす影響については、長い研究の歴史があり、今日ではがんや循環器疾患、呼吸器疾患などさまざまな疾患にかかるリスクが高まることや、喫煙者の周囲にいる方の健康にも悪影響を与えることが指摘されております。また、これらのたばこを原因とする健康被害によって医療費がどの程度増加するかは、研究者により試算が異なっておりますが、がんや循環器疾患などは高額な治療費がかかることから、医療費全体への影響は大きいものと認識しております。次に、たばこ税の引上げによる地方財政への影響でありますけれども、国と地方のたばこ税の税収はここ数年、減少傾向にあるものの、総額では2兆円を維持し、本市におきましても平成 20 年度決算では9億 6,200 万円の収入があるなど、重要な一般財源となっておりますが、ここ数年を見ますと、税率の引上げが行われた 15 年度、18 年度はいったんは税収が増加するものの、その後は減少傾向を見せております。現在、政府の税制調査会では、たばこ税の税率を引き上げる場合のその目的、喫煙者や葉たばこ農家、たばこ小売店等への影響、喫煙数量や税収への影響などを論点にして検討が進められていると承知しておりまして、最終的にはそれらに配慮した政策としてまとめられることと思いますが、いずれにいたしましても国のたばこ税はその 25 パーセントが地方交付税の原資となり、また地方たばこ税は偏在性の少ない、地方にとって貴重な財源でありますので、たばこ税の税率の見直しの際には、現状の厳しい地方財政の状況などを踏まえ、地方の一般財源総額が確保されるよう、措置をしていただきたいと考えております。次に、男女平等参画についての御質問でありますが、初めに配偶者からの暴力被害の実態把握についてでありますが、市では男女平等参画課の女性相談室や子育て支援課の母子相談などで相談を受け、実態把握に努めるとともに、その実情に応じた支援を行っておりまして、平成 20 年度においては、女性相談室では 23 件、母子相談では 20 件の相談を受けたところであります。また、小樽警察署や地域包括支援センターなどにおいても相談窓口が開設されておりますが、それぞれの機関で受けた個別の事例については、個人情報保護の観点から把握はしておりません。なお、今後、各機関で受けた相談件数や事例の内容等については、個人情報保護に抵触しない範囲で把握に努めてまいりたいと考えております。次に、男女平等参画事業の評価でありますけれども、市では男女平等参画基本計画を策定し、この計画に基づき各種施策を展開しているところでありますが、いまだに配偶者からの暴力や人権侵害は後を絶たず、被害に苦しむ女性が散見されますので、今後においても男女平等参画の実現に向け、さまざまな事業を推進していく必要があるものと考えております。次に、男女平等参画条例の制定でありますけれども、国が制定した男女共同参画社会基本法を受けまして、平成 15 年3月に小樽市男女平等参画基本計画を策定いたしました。この計画は市民や民間団体、企業などと相互に連携し、行政の幅広い分野にわたる施策を総合的かつ計画的に推進していくことを目的として作成されたものであり、計画が策定された現時点においては、条例制定の目的は既に具体化されたものと受け止めております。なお、市民への意識啓発につきましては、現在、パネル展の開催や情報誌「ぱるねっと」の発行などによって行っているところでありますが、今後ともさまざまな機会を通して市民周知に努めてまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 並木昭義(病院局長は2025年3月まで)
林下議員の御質問にお答えいたします。地域医療の現状を踏まえ、市立病院についてですが、私はこの4月に就任して以来、小樽市内はもとより札幌手稲、後志管内の医療関係者、そして大学の各診療科の教授を回って御意見を伺ってまいりました。それぞれの方々から伺った御意見に共通していましたことは、小樽では2次医療にきちんと対応してほしいということでありました。議員の御指摘のように、後志管内の主な病院では、医師不足により休診や休床を余儀なくされており、小樽や場合によっては札幌まで通う患者がおり、地域医療が崩壊の危機に直面している実態が少なからず見受けられます。本年6月の北海道医師会の地域医療の現状についてのアンケート調査で、後志地区の医療状況が 100パーセント悪化しているとの結果が報告されております。そのような中で、市立病院には、専門的で高度な医療の提供ができる体制をしっかりとつくってほしい、新病院開設の時期、場所、規模などを早急に検討し、示すことで、地域医療を支える基盤を固めてほしいとの意見が寄せられたところであります。確かに地域医療を取り巻く環境は厳しいものがありますが、私といたしましては、小樽、さらには後志地区において地域住民の命と健康を守るには、両市立病院の存在は不可欠であり、かつ中核になっていかなければならないという思いを強くしております。そのため早期に両病院を統合するというビジョンを示し、具体的な再スタートを切ることによって、医師の確保を図って地域に不足する医療体制を整え、地域医療を支える市立病院としていくことが、私に課せられた使命であると考えております。(「議長、16 番」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 林下孤芳
市立病院の関係について、1点だけ再質問させていただきたいと思います。私が質問した趣旨は、前政権のとき、審議会が答申した方向というのは、地域医療やその医療現場の実情を無視した、要はただ医療費を削減するための施策の一環として、公立病院のあり方が方向づけられてきたように考えております。築港地区での新病院建設中断の経過を考えますと、やはり公立病院改革ガイドラインなどの政府の方針の変更があったことが、大きなその要因であったというふうに考えているところであります。したがいまして、地域から病院をなくしてドクターヘリを飛ばすことのみが、効率的な病院運営だというふうには私は到底考えられないわけでありまして、起債も借金でありますから少ないのにこしたことはありませんけれども、やはり新政権が発足したという現実を踏まえて、国へ制度の見直しについての働きかけ、あるいは政策的な支援という観点で、もう一度取組を考えられないかというふうに考えているところであります。そしてまた、量徳小学校のPTAのアンケートの関係で言いますと、私どもにアンケートの結果が机上に届いたのはつい二、三日前の状況で、私自身もまだまだ勉強不足でありますけれども、やはり市民合意ということにはなかなか厳しい状況だなというふうに私は印象を受けました。そうした意味で、市長がこのアンケートの分析をされていくうちに、また市長の判断が遅れるのではないかという私は余分な心配をしておりまして、その点について市長のお考えをお聞きしたいと思っているところでございます。それから、男女共同参画社会基本法の関係につきましては、やはり市長は現実の姿は厳しいということは認めつつも、この計画が確実に実行されているので条例の制定の必要はないというふうな御見解をいただきましたけれども、現実になかなか厳しい情勢を考えれば、やはり人間の尊厳にかかわる問題として、一日も早い条例の制定が必要ではないかという立場で再質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
病院問題のお話でございますけれども、初めに新政権になって病院の問題について、新政権はどう対応されるのかということでございますけれども、具体的にはまだ示されたものはありませんけれども、マニフェスト等で一応、地域医療を守る、医療機関を維持するというふうに言っておりますので、どういった具体的なものが出てくるのか、我々としては期待しておりますし、また機会があればこういった問題についても、我々としての要望を伝えていきたいというふうに思います。それから、アンケートの関係ですけれども、先ほども申し上げましたけれども、地域の人にとっては思いというものがいろいろあるように思われますので、これは私が直接出向いていろいろな意見を聞いていきたい。その中で最終的にはどうするか、判断をする一つの材料として御意見を聞いていきたいというふうに思っております。それから、男女共同参画社会基本法の関係で、条例の制定のお話ですけれども、条例はどちらかというと精神規定といいますか、そんなことになるのだろうと思いますので、現在ある基本計画をしっかり実施をしていくという中で、いろいろな啓発運動が展開されると思いますので、具体的な事業の中でやっていきたい。条例の問題も確かにありますけれども、それはそれとして別途どんな形か、また庁内でいろいろと検討はしていきたいというふうに思います。