小樽市議会 平成20年第4回定例会 2008年12月9日
(1)小樽市立病院改革プランと医療制度改革について/(2)定額給付金について/(3)介護保険制度の現状と対策について/(4)公契約条例の制定について/(5)小樽市の公共交通政策とふれあいパスについて
2008年12月9日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「小樽市立病院改革プランと医療制度改革について」「定額給付金について」「介護保険制度の現状と対策について」「公契約条例の制定について」「小樽市の公共交通政策とふれあいパスについて」について質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
平成20年第4回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。医療制度改革は、イギリスのサッチャー政権時に医療費の抑制のために導入され、医師が海外に流出するなど大混乱が生じ、イギリスの医療は大きく立ち遅れ、いまだその影響が残っていると言われています。アメリカのニクソン政権でも、健康保険制度を解体し、民間主導の保険制度にしたことにより、世界一高い医療費を負担しているにもかかわらず、医療が国民に行き届かず、かけ離れたものになっております。こうした問題のある医療制度が、アメリカの要求によって橋本内閣の時代に日本に導入され、小泉政権に引き継がれ、改革の名の下に断行されたものであります。アメリカの要求する最終目標は、日本の皆保険制度を解体し、アメリカ資本の医療保険の導入にあると言われております。小泉政権時代に進められた医療制度改革は、医療費を抑制するための医師の削減と診療報酬の引下げを強行した結果が、今、全国規模での医師不足と地域医療崩壊の原因であると指摘されております。また、平成16年度から実施された初期臨床研修医制度も、医師不足を決定的にしたものと言われています。このように、地域医療を取り巻く環境は厳しさを増し、深刻なものになっておりますが、小樽市はこれまで医師の数や病院、診療施設、ベッド数など、人口平均の数値では比較的恵まれてきただけに、市民の地域医療に対する危機感が乏しい面も多く、市立病院の新築統合問題が注目されている割には、地域医療の崩壊が深刻に受け止められていないと思われます。地域医療の崩壊に直面し、政治問題化して政府はやっと医師を年間700名増員する計画を打ち出しましたが、専門医は実質的な効果が期待できるのは10年から15年後と指摘しております。北海道の保健福祉部が今年9月に取りまとめた「北海道の地域医療の現状と道の取組み」を見ますと、道内の医師数は人口10万人当たりで全国平均を2.2名上回っているものの、札幌圏に全道の医師の約半数が集中し、地域偏在が著しいとされています。全道21ブロック中14地域が全道平均の70パーセント以下しか医師が確保できず、恵まれている小樽市を含めても後志は193.7人となっており、全道平均の70パーセント以下の水準となっております。特に、道内の公立病院のうち、7割近くの病院が医療法で定める医師の標準数を満たすことができず、1割強の病院は医師の充足率が70パーセント以下で、診療報酬が減額となり、公立病院の経営を圧迫し、存続の危機を迎えている実態があります。北海道医療対策協議会は、医師の派遣システムの連絡調整と地域医療を担う医師養成の方策、自治体病院の広域化の検討などの推進、そして対策を検討中と言われていますが、医師不足の解決に向けた医師の要請数を確保することや、医師の地域偏在や診療科目の偏在などは、解決策が見い出せず、国に対する要望が活動の中心になっています。緊急を要する医師の確保対策は、道外医師への招へいや医師版の移住促進事業など、非常にユニークな取組が継続的に予算を計上して行われ、その成果が期待されているところでございますけれども、広い北海道の地域医療を確保することは極めて難しいと言われております。市立小樽病院は、全国に先駆けて開設したオープン病棟が、今の地域医療の連携体制の確立に貢献しているとして、高い評価と注目を集める一方で、再編・ネットワーク化を先取りする形で民間病院への医師の移籍が行われるなど、平成13年度と比べ、市立小樽病院の医師の数は11名も減少となり、第二病院も3名減少しています。当然のことながら、外来、入院患者の数も約40パーセント余りの減少となり、診療科目も医師不足のため、小児科の入院や産科、呼吸器内科の休診を余儀なくされてきました。このたび作成された小樽市立病院改革プランは、平成19年12月24日に総務省の公立病院改革ガイドラインに従って策定されたものと理解をしておりますが、ガイドラインは第一に公立病院の改革の必要性として、公立病院は地域に必要な医療のうち、採算性の面から民間の医療機関による提供が困難な医療を提供することと規定し、第1として例えば過疎地、救急などの不採算部門、高度・先進医療の提供、医師派遣拠点機能など地域において真に必要な公立病院の持続可能な経営を目指し、経営を効率化すること、第2に一般会計からの所定の繰出し後、経常黒字が達成される水準を目途とすること、第3に改革プランの実施状況の点検、評価、公表、プランの実施状況をチェックする委員会を設置し、評価の客観性を確保すること、第4に財政支援措置等となっています。これは抜粋で省略をされていますが、総務省の改革ガイドラインは、公立病院の役割は地域に必要な医療のうち、採算面から民間医療機関による提供が困難な医療を担うことを求める一方で、徹底した経営の効率化を推進し、経営黒字を達成することを求めていることが大きな特徴となっています。私は、このガイドラインは実態からかけ離れた大変矛盾した内容であるとこれまでも指摘をしてきましたが、市長はこのガイドラインの矛盾をどう受け止め、この市立病院改革プランにはその点をどう位置づけられたのか、御説明いただきたいと思います。また、この改革ガイドラインは、今日の医師不足の深刻化と地域偏在など、地域医療の崩壊という現実に対する視点が極めてぜい弱であると指摘せざるを得ません。今後さらに医師不足が深刻化することを考慮すれば、小樽市立病院改革プランの計画どおりに医師を確保することは極めて困難であると考えられます。地域の再編・ネットワーク化などによって解決は可能と判断されているのか、市長の御見解をお伺いしたいと思います。最近、市立小樽病院の呼吸器内科の休診をはじめとし、小児科や産科の休診が行われてきましたが、これらの診療科目は厚生労働省が最も医師不足が深刻なものとして、また訴訟リスクや医師の長時間労働など、厳しい労働環境を踏まえた医師の増員対策などの取組を急いでいると言われています。全国的に緊急診療のたらい回しなどが起きており、国民の不安の声も広がっております。小樽市立病院は後志の拠点病院としての役割も担っており、休診となっている診療科こそがこのガイドラインが示す公立病院が担うべきものと受け止められますが、改革プランにはどう位置づけられているのか、御説明いただきたいと思います。医師不足が今後ますます厳しくなってくる中で、改革プランでも計画した医業収益を確保するためにも、医師の確保は重要な条件でもあります。来年4月から全部適用が導入され、医師1人の退職や増員によって改革プランの成否に影響するだけに、病院事業管理者の手腕に大きな期待が寄せられるのは当然ですが、病院事業管理者に期待するだけで、これからの医師不足の解決にはならないと考えます。市長も市議会も市民も挙げて医師不足に対するバックアップ体制が必要だと思います。広島県では、今年2月、「“みんなで守ろう広島県の医療”緊急アピール」を発表し、県、医師会、大学などが一体となって地域医療を守る取組を始めました。医局が果たしてきた医師の偏在調整機能、臨床研修病院制度を復活されることなどの提言を厚生労働省へ行ったほか、最近では東京で「ふるさとドクターカムバック」という大デモンストレーションを行い、全国的に注目を集めております。島根県益田市の取組は、全国市議会だよりにも紹介されておりますが、市議会に医療問題検討委員会を設置し、救急医療を守るための対策と提言を取りまとめ、休日や夜間に軽傷者が安易に救急外来に駆け込むいわゆるコンビニ受診の抑制を市民に訴え、協力を求めるなど、時間外診療の増加を抑え、医師の過酷な労働を軽減させ、市民全体で医師確保に理解を示し、協力しようと取り組んでいます。こうした取組も地域医療を守るために非常に大切な取組であると思います。札幌市でも、夜間の産科のテレフォン相談をはじめ、医師の夜間診療の軽減と患者の安心にもつながる取組として大きな成果を上げ、評価されています。私たちも小樽市立病院改革プランを機に、医師を確保し、地域の医療を守るための取組が必要と考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。次に、定額給付金について市長の御見解をお伺いいたします。与党が追加の経済対策で実施するとしている定額給付金の取扱いについて、総務省が11月28日に都道府県や政令市の担当者を集めた支給説明会が行われたと聞いております。小樽市にもファクスで説明書類が届けられているとお伺いしておりますが、まずその内容について質問をいたします。政府は当初、所得制限は設けないと発表し、世論のばらまき批判でさんざん迷走したあげく、今回の説明では所得制限は設けないとの統一見解が示される一方で、市町村は1,800万円を下限に所得制限をできる。また、辞退を呼びかけることは可能とされたと報道されています。これは責任を自治体に丸投げしたと批判を受けた考えとどこがどう違っているのか、非常に理解できないところであります。市長は総務省の見解が示される前から所得制限はしないと表明されていたようですが、統一見解が示された以降、今日においても考え方に変化はなく、所得制限はしないと理解してよいのか、お答えください。次に、給付金の基準日は1月1日から2月1日で検討中と報道されていますが、これがどちらに決定されるかで、対象から外れる方も出てくると考えられます。また、基準日がいまだ決定されないことから、転居した場合などのチェックや取扱いがどちらになるのか、大変大きな問題だと思います。ダブりや支給が受けられないといった混乱が生じる心配があるのではないかとの指摘もあります。自治体の準備期間も短く、大変な作業量が予想される中で、そうした対策は考えておられるのか、また支給申請ができる期間も3か月又は6か月と言われています。これらの問題も対処が可能ですか。また、給付申請書が市民に確実に届くことが前提となりますが、これまでの経験から、郵便局からあて先不明で返却された場合に、調査に大変な時間を要したケースもあったと伺っております。期間内に混乱なく給付を終えるために、どのくらいの準備期間が必要だとお考えですか。また、市民の多くが現金支給を希望する場合、支払の窓口に相当な現金をストックする必要が生じてくると思いますが、事件・事故に対する警備などの対策は検討されていますか。既に給付金の振り込め詐欺などの事件が発生していると報道されています。老人世帯などへの周知や啓もう活動など事前の対策が必要と思われますが、計画はなされているのですか、お伺いいたします。私が今質問いたしました事柄は、本来は国政の場で地方の意見を聞き、準備に十分な時間をかけ、給付基準や仕組みづくりを入念に行い、何より市民に対する説明責任を直接負う自治体の理解を得てから進めるべきと考えますが、市長はどう判断されていますか。麻生首相は、経済対策はスピードが求められる、中小企業が年末を乗り越えられるかが大切だとの主張をしてきましたが、いまだに法案すら国会に提出されず、中小企業の年末対策も失業対策も不十分なまま、定額給付金も年度内に支給されるのか不安視されています。あまりにも未確定の要素が多すぎると思われますが、市長はどういった感想をお持ちですか。次に、経済効果について道内の世論調査でも、180市町村の60パーセントが経済効果に疑問を示し、30パーセントは経済効果はないと回答しています。市長は、小樽市の経済効果をどう判断されていますか。定額給付金に伴う事務作業の経費の増加などについても、多くの自治体が不安と不満を訴えております。いち早く準備室を立ち上げた小樽市は、経費の増加を幾ら見積もっていますか。また、この経費の増加分は国からどのような形でどの程度保障されるのか、お伺いいたします。定額給付金は政府与党が景気対策として大々的に打ち上げ、国民の間にもいつ支給されるのかとの期待も広がっていると思いますが、自治体の声も聞かず、景気対策としては準備不足による失速もあって、多くの自治体から地域の中小企業対策や、より深刻化している雇用対策など、自治体が取り組む対策に対する支援のほうがはるかに地方の活力につながるとの声が報じられています。2兆円もの税金を無駄にばらまくより、地方自治体に対する支援策のほうがまだまだ有意義な景気対策になると私も思います。市長は政府に対して地方の声を聞き、仕切り直しを訴えることはできませんか、お答えください。次に、小樽市の介護保険制度の現状と対策についてお伺いします。私は、昨年の第4回定例会の代表質問や第3回定例会の一般質問でも、介護サービスに対する行政のかかわり方について質問をいたしました。その後も介護の現場で働く労働者の退職は増加傾向が続いております。介護保険で本当にサービスが受けられるのか、制度はこのままで維持していくことができるのかといった声が多くの方々から指摘をされています。私は、この間の議会を通じ、小樽市の介護労働者の賃金や労働条件の調査を求めると同時に、国に対して待遇改善を求めるように訴えてまいりました。その後、政府は、本年10月になって来年度から介護報酬を3パーセント引き上げることを決定しました。政府の発表によると、介護職員の賃金を月額で約2万円引き上げる額に相当すると言われています。介護労働者の全国の平均賃金は16万5,800円と言われていますことから、月額18万円台になると報じられています。道内の賃金は、この全国平均より6,000円ほど低いとされております。まずは、この3パーセントの介護報酬の引上げが労働者の賃金に正しく反映されているのか、行政としてしっかりチェックする必要があります。第3回定例会の時点では、従業員の約3割近い人たちが退職していると指摘しましたが、最近の新聞報道では、年間で退職者は4割にも達すると報道されています。別のアンケート調査では、「人手不足で忙しすぎる」43パーセント、「賃金が安い」38パーセント、やりがいがないという理由で実に7割の介護労働者が「仕事をやめたい」と回答しています。私たちの想像を超え、事態が極めて深刻化していると判断をされます。小樽市として改めて事業所ごとの介護職員の数と業務量に整合性があるのか、基準を満たしているのか、介護報酬の改定が適正に賃金に反映しているのかなどの調査をする必要があると思いますが、市長の御見解をお伺いします。今回、政府が決定した介護報酬の引上げに必要な原資は、二千数百億円とされておりますが、半分は公費で残りは40歳以上の保険料で負担されることになると報じられております。介護労働者は長時間労働で大変重労働であり、しかも利用者の重度化により仕事は確実に増加すると言われております。今回の報酬改定でも一般労働者の平均月収を10万円も下回っております。公的な介護保険制度の下で働く労働者の賃金制度は、さらなる公的な保障と待遇改善が必要だと思います。介護職員の退職と介護職員になり手がいないという悪循環が続けば、介護保険制度は破たんしてしまいます。制度を維持していくためにも、さらなる介護報酬のアップを国の責任として公費で実施すべきと思いますが、市長の御見解をお伺いしたいと思います。また、家庭内介護について、北海道が集計した調査によりますと、家庭内での高齢者に対する虐待が増加傾向にあるとの結果が報告されています。介護を担う家族の精神的、肉体的負担が大きく、虐待の原因となるケースが多いとされております。背景には、社会構造の変化によって介護の負担が特定の人だけに限定され、悩みやストレスを相談したり発散する場もなく、家庭における介護者が孤立を深めるという悪循環が指摘されています。そうした深刻な問題を抱える家庭介護をしている人を、行政や近隣の住民が協力して支え合える仕組みをつくり、高齢者虐待という悲劇的な問題を解決する必要があります。2006年に高齢者虐待防止法が施行され、小樽市にも相談窓口が設置されていますが、これまでの相談実績と対処方について、プライバシーに抵触しない範囲でお答えをお願いしたいと思います。また、厚生労働省は自治体に対し、民生委員や町会、社会福祉協議会で構成する虐待の兆候を早期に発見するネットワークづくりを進めていると承知しておりますが、小樽市としての取組について報告いただきたいと思います。次に、公契約条例の制定についてお伺いします。日本経済はいざなぎ景気を超えて、過去最長を記録したと言われていますが、アメリカのサブプライムローンの破たんをきっかけに、日本経済も急速に後退局面に入りました。これまで大都市の景気回復に取り残された地方経済は、一度も好転することなく、さらに厳しい経営環境に置かれることとなります。小樽経済の低迷も、これまで企業倒産が過去の記録を更新するほど深刻化し、大量の失業者も生みだしております。既に輸出産業を中心に雇用調整と言われる非正規雇用者の大量解雇が始まり、新規採用者の内定取消しも表面化しています。道内の雇用情勢も、今後、急速に悪化するものと思われます。日本の雇用が流動化した原因は、1996年に日本政府に対するアメリカ政府の要望に基づく労働者派遣法の改正をきっかけに、日本の終身雇用が崩壊し、雇用形態が大きく変化し、大量の非正規社員が生ずることとなりました。そのために、2000年と比較して、労働分配率は5兆円から3.5兆円に大きく低下する一方、株主に対する配当は2.5兆円から5兆円と倍増し、経営者、役員の給与は3倍になっています。一方で、ワーキングプアと言われる働く貧困層が拡大し続けています。雇用形態や家庭の所得格差によって、既に子供の教育にまで格差が拡大しているという調査もあります。こうした事態を何とか食いとめ、貧困層の固定化を解消しなければ、日本の社会全体が悪い方向に向かっていく懸念があります。これは政治の責任であることは明らかですが、地方自治体でもできることから取り組む必要があると思います。世界一の格差社会であるアメリカでも、最近、格差を解消するため、さまざまな取組が始まっていると言われています。連邦最低賃金を10年ぶりに3年間で大幅に引き上げ、中小企業の経営負担を軽減する減税もあわせて実施、州政府も連邦最低賃金を上回る州別最低賃金制度を定める州が数多くなってきていると言われています。地方自治体も条例による最低賃金を決定したり、地方自治体と取引する企業を対象に、一定の契約金額を超えた場合に、雇用労働者が4人家族で生活できる賃金の支払を求める条例を定め、生活賃金運動は既に100を超える自治体で決議されていると言われています。一方、我が国の自治体においては、これまでの業務委託に加え、公の施設の指定管理者制度の導入が図られ、今後ともさまざまな分野で民間への業務の拡大が予想されますが、コスト削減の中で労働者の賃金低下が危ぐされるとともに、業務量の減少による解雇や最低賃金レベルで入札しても仕事がとれず、半数以上の従業員が解雇されるといった深刻な事態も全国から聞かされております。小樽市においても、既に業務委託や指定管理者制度の導入が図られておりますが、厳しい財政を背景とするコスト削減により、雇用や賃金に悪影響が及んでいないか、大変心配しているところです。自治体の発注がワーキングプアをつくり出す原因に絶対になってはならないと思いますが、市長の御見解をお聞かせください。また、小樽市では業務委託や指定管理者の決定に際し、事業者に対して従業員の給与体系や社会保障などの有無、最低賃金などについてチェックされているのか、お答えください。小樽市が発注する業務委託などについて、労働者の賃金や労働条件が適正に確保されることを目的とする公契約条例の必要性を訴える議論が市議会であったと承知しておりますが、公契約条例の制定について市長も検討されてきたと思いますが、一方で条例の制定には難しい問題もあると伺っているところであります。公契約条例を制定する上でどのような問題と課題があるのか、お答え願います。また、公契約条例制定に向けての市長の御見解もお伺いしたいと思います。小樽市の公共交通政策とふれあいパスについてお伺いします。私は一貫して、小樽市の公共交通政策のあり方としてのコミュニティバスの運行やデマンドバスの運行を政策的に推進すべきと訴えてきました。高齢化が進む山と坂のまちの小樽市にとって、マイカーに頼らない移動手段を確保することは、高齢化対策や環境対策ばかりでなく、地域の経済対策にも極めて有効であり、国の支援制度を活用した民間バス会社に支援と協力をし、全国のモデルになるような公共交通の確立をしたいと考えます。しかし、バスやハイタクの運輸業界は、規制緩和と自由競争によって企業としての体力を失い、燃料の高騰が追い打ちをかける形となって、経営努力も限界に達しております。こうした時代にこそ、小樽市としての公共交通政策によって利用者の新たなニーズにこたえるシステムとして国土交通省が提唱し、支援策が利用できる取組を今こそ急ぐべきと考えますが、市長の御見解はいかがですか。札幌市内の定期路線バスの赤字による撤退問題は、市民生活への影響があまりにも大きく、全国的に大変な注目をされました。路線バスは、少子高齢化などの悪条件が重なって、利用者の減少が続き、赤字経営となっております。札幌市も迷走が続いたものの、公的な負担の見直しを検討することで、決着が図られましたが、小樽市内の路線バスも条件に大きな差はありません。したがって、北海道中央バスといえども、路線バスに対する公的な支援が必要となる可能性があると思います。そこでお伺いしますが、小樽市の市民サービスとして実施しているふれあいパスは、現在、北海道中央バス、JR北海道バス、ニセコバスなどの協力によって、70歳以上を対象に、これまで200円の運賃の半額は利用者負担、小樽市は半額の60パーセント、残りの40パーセントを各バス会社の負担で実施されてきたと承知しております。本年5月から暫定運賃が解除され、市内線の運賃は210円に改定されておりますが、現在値上げ分は業者のみの負担となっております。各社とも厳しい経営環境の中で負担に苦しんでいると思いますが、小樽市の政策として実施しているふれあいパスの負担のあり方については、小樽市としても早急に検討すべき課題であったと思います。これまでバス会社との協議などの経過がありましたら、お知らせください。これまで小樽市は、路線バス網は全道一充実し、鉄道の利便性も高く、大変恵まれた環境にありましたが、公共交通機関の経営は少子高齢化や経済の低迷がさらに進めば経営が悪化し、路線の削減などが起きることも予想される一方で、市民の要望はまだまだ多様であります。小樽市として、これまでの公共交通政策は事業者任せと言えるほど、かかわりが手薄の分野であったと思われます。市民生活には欠かすことのできない大きな影響がある公共交通政策のあり方について、公的負担のあり方、利用者負担のあり方、国の政策などを通じた支援策など、検討すべき課題は多くあります。ふれあいパスの関係は今後の予算にも影響することもありますので、負担のあり方などを早急に取りまとめ、小樽市の政策として明らかにする必要があると思います。市長の御見解をお伺いします。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
林下議員の御質問にお答えをいたします。初めに、小樽市立病院改革プランについての御質問でありますけれども、まず公立病院改革ガイドラインについてでありますが、ガイドラインでは公立病院に経営の効率化と不採算医療の提供を含む地域医療の確保の両立という大変難しい課題が与えられたと感じております。本市の市立病院のみならず、全国の公立病院は、長年にわたり地域医療の中核を担う役割を果たしてまいりましたが、御指摘のような厳しい経営環境の下で経営状態が悪化しており、医師不足や診療報酬の引下げが続く中で、経営健全化をなし遂げることは容易なことではありません。公立病院の経営改善には、国による医療政策や地方交付税など地域医療を守るための施策の充実が必要と考えますが、自治体病院もみずから懸命の努力をしなければならないと考えております。そのため、本市の改革プランにおいては、経営の効率化を進めた上で、一般会計からの繰入金の見直しも行い、病院収支の改善と不良債務の解消を図ることとしたものであります。次に、医師確保と再編・ネットワーク化についてでありますが、改革プランにおきましては、まず今年度途中で退職した医師の補充を予定しておりまして、これにつきましては、現在、選択肢を広げるなど、さまざまな形で確保に努めているところであります。また、件数として見込んでおりませんが、糖尿病など、市内に不足している専門医についても、公立病院として確保に努めることとしておりますが、容易に確保できる状況でないと思っております。こういった状況は他の医療機関も同様でありますので、今後はそれぞれの医療機関で個別に確保するというより、再編・ネットワーク化を行いながら、地域において必要な医師を確保するといった視点での取組に努めることにより、市民に必要な医療を確保していくことが重要と考えております。次に、公立病院は医師不足となっている診療科こそ担うべきという御指摘でありますけれども、市立病院は他の医療機関で担うことが困難な医療を補完することが基本的な役割と考えておりまして、改革プランにおいてもそのようにうたっております。そのため、市内に不足している呼吸器疾患、糖尿病、リウマチ、血液疾患などの専門医の確保に鋭意努めているところでありますが、これまでの医師確保の交渉の中で、医師不足は極めて深刻な状況にあるという現実も確かなことでありますので、先ほども申し上げましたが、再編・ネットワーク化を進めながら、市民に必要な医療を確保してまいりたいと考えております。なお、周産期医療につきましては、現在、地域周産期医療センターに認定されております協会病院にその役割を担っていただいておりまして、市といたしましても、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。次に、市民を挙げての医師確保の取組でありますけれども、各医療機関が直面している状況として、医師の退職後、補充がない場合に、残った医師の負担が増大することにより、連鎖的に退職が起こるということがありまして、地域としてこれ以上医師を減らさないための取組が必要であると考えております。地域によって事情が異なりますので、その取組はさまざまでありますが、まず再編・ネットワーク化協議会の中間報告にもありますように、各医療機関の医療内容や病院と診療所の医療連携状況、救急医療の現状など、市民にわかりやすくお知らせをして理解を深めていただくことが重要でありますので、関係機関の協力も得ながら取り組んでまいりたいと考えております。次に、定額給付金についての御質問でありますが、まず所得制限についてでありますが、全国市長会の会長は、所得による給付制限の実施にはさまざまな問題点があり、制度的にも実務的にも非常に困難であることから、本制度には適用しないこととすべきであるというコメントを出していますが、私といたしましても、実務的に膨大な作業量が想定されますので、所得制限は難しいものと考えております。次に、基準日が決まらないことによる混乱や支給申請期間内に処理が可能かどうかという御質問でありますが、現時点ではこの事業の詳細な内容が確定していないため、事務処理等について明確な回答ができる状況にはありません。12月1日付で総務部に定額給付金事業準備室を設置いたしましたので、今後、事務処理等も含めて、遺漏のないよう慎重な対応に努めてまいりたいと考えております。次に、混乱なく給付を終えるまでに必要な期間でありますが、現在示されている事務概要では、市民が申請する期間が3か月以内又は6か月以内で検討されております。これらの申請を受けて、市が申請書の確認作業から支給手続までの所要の事務処理を行い、給付金を支給するわけでありますが、詳細が決定していないため、はっきりした期間を示せる状況にはございません。次に、現金支給に伴う窓口での現金保管にかかわる警備体制というお話でありますけれども、現金支給は事務の混乱を避けるため、口座振り込みと支給時期をずらすことなどが検討されておりますが、具体的にはまだ決まっておりません。仮に警備が必要な状況が想定される場合には、関係機関などとも協議をして適切に対応してまいりたいと考えております。次に、振り込め詐欺などの犯罪対策でありますが、これにつきましては、小樽市だけの問題ではなく、全国的に対策が検討されております。既に法務省のホームページでは犯罪防止広報記事が掲載されておりますし、警察庁からは自治体と連携して広報・啓発活動を実施するよう、通達が発せられておりますので、事業の実施に当たりましては、広報おたるなどを通じて広報活動が必要なものと考えております。次に、定額給付金の制度等についての感想でありますが、現在、総務省が事務概要について地方公共団体の意見を聞きながら制度の詳細を整理している段階であると聞いております。今のところ未確定の部分もありますが、実施に向けては、窓口が混乱しないよう問題点等を整理して、国でしっかりとした制度設計を行っていただきたいものと考えております。次に、小樽市での経済効果でありますけれども、約21億円の給付金が相当程度消費に回ることになれば、疲弊している地域経済が少しでも上向く契機となるものと思っております。次に、事業に必要な経費の見込みと国からの補助でありますが、まだ事業の具体的な内容が確定しておりませんので、市の業務内容について経費の見込みを算定するまでには至っておりません。また、支給に係る事務費につきましては、事務概要では地域振興券の場合と同様に、人件費の本俸や備品購入費などを除く全額を国が補助することとされております。次に、政府への制度自体の見直し要請ということでありますけれども、総務省では今回の給付金の目的は、あくまでも生活支援、あわせて地域の経済対策と位置づけていると説明しておりますので、今後示される予定の実施要綱等に沿って事業を進めてまいりたいと考えております。次に、介護保険制度の現状と対策という御質問でありますけれども、初めに3パーセントの介護報酬の引上げに伴う介護従事者の賃金・労働条件等の調査についてでありますが、国におきましては、引き上げる介護報酬が介護職員の待遇改善につながるよう、手厚い人員配置をした事業所への報酬加算や給与水準の公表を促すなどの方策を検討していると聞いておりますので、この推移を見ながら、必要があれば市内の事業所に対し、調査を実施してみたいと考えております。また、業務量と介護職員数の整合性については、既に介護事業所の人員基準が定められておりまして、小樽市や北海道における実地指導の中で検査をしておりますが、人員基準は満たされているものと考えております。次に、介護報酬のさらなる引上げについてというお話でありますけれども、介護保険制度を維持していく上で、優秀な介護職員の確保は重要なことでありますが、今回の介護報酬の引上げもまだ未実施でありますので、まずはその引上げ後の推移を重視してまいりたいと考えております。次に、高齢者虐待の相談実績等でありますが、相談窓口は法施行時の平成18年度に介護保険課に開設をし、その後、19年1月、市内3か所の地域包括支援センターにも拡大をしております。相談件数としましては、18年度24件、19年度31件、そして20年度は現在まで12件となっております。また、対処方法としては、窓口に相談があった場合は、速やかに実態を把握し、取扱いを検討後、緊急性がある場合には医療機関や施設への一時保護を行うとともに、関係機関と連携の上、施設入所や成年後見制度の利用など、必要な支援を行っているところであります。次に、高齢者虐待を早期に発見するネットワークについてでありますけれども、高齢者虐待の対応には、各関係機関の協力が重要であることから、既に民生委員、町会や社会福祉協議会など、14の機関から成る小樽市高齢者虐待防止ネットワークを設置し、第1回目の会議を11月27日に開催したところであります。今後はこのネットワークを通じて、関係機関がお互いに連携をし、高齢者虐待の予防、早期発見や適切な支援につながるよう活用してまいりたいと考えております。次に、公契約条例の制定についての御質問でありますけれども、まず本市のコスト削減の取組が事業発注先の雇用や賃金に影響を及ぼしていないかという御指摘でありますけれども、業務委託や指定管理者導入に当たりましては、これまでも3年から5年の契約の継続を基本に、雇用の安定にも配慮しているほか、業務委託経費や指定管理経費につきましても、見積書や事業計画書などを基に必要額を把握し、適正な経費の算出に努めております。また、現下の厳しい財政状況の中で、コスト削減の観点からこれらの業務経費の削減にも努めておりますが、見直しに当たりましては、業務内容の変更を主眼に進めており、今後とも必要な経費については、適正に積算した上で発注してまいりたいと考えております。次に、市が業務を委託する場合や指定管理者を決定する際に、事業者の給与体系や社会保障、最低賃金などをチェックしているかという御質問でありますが、これらは労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令により規定されておりまして、小樽市にはその調査権限がないことや、また労働条件については労働者と使用者との自主的な取決めによるものとされていることから、委託先を決定するに当たって、小樽市がその事業者の労働条件等について調査をするということはありません。次に、公契約条例制定に向けての考え方ですが、1946年6月にILOにおいて採択された条約第94号では、公の機関を一方の契約当事者とする契約、いわゆる公契約においては、団体協約又は国内の法令などによって定められたものよりも有利な労働条件の条項を、その契約の中に入れることなどを規定しております。しかし、我が国におきましては、労働条件については労働基準法や最低賃金法など関係法令を整備し、賃金等の労働条件については個々の労使当事者間で自主的に取り決められており、政府がこれに介入することは適当ではないとして、現時点でこの条約第94号を批准しておりません。労働界を中心に公契約制度について議論があることは承知しておりますが、自治体において公契約条例を制定するとした場合に、これら法律との整合性が図られるのかといった問題もありまして、条例制定に当たっては、関係法令の整備が前提になるものと考えております。次に、公共交通政策とふれあいパスについての御質問でありますが、まず公共交通の確保に向けた取組でありますが、現在の市内の路線バス網は他の市町村に比べて比較的充実しておりまして、恵まれた環境にあると考えております。しかしながら、バス運行事業者にとっては、近年、運輸業界の規制緩和に加えまして、バス利用客の減少などにより、経営状況は厳しいものがあると伺っております。市といたしましては、公共交通機関、とりわけ路線バス運行体制の維持については、市民生活に直結する重要な問題と認識しておりますので、今後とも利用客の増加に向けた市民へのアピールなど、できる限りの支援協力を行ってまいりたいと考えております。最後に、ふれあいパスについての御質問でありますけれども、運賃改定によりまして、バス事業者からは改定された210円の運賃を基にした負担額の変更を早期に実施するよう求められましたが、負担額を変更するには相応の準備期間が必要であり、市の事業としても年度途中での変更は難しいことを説明し、今年度は平成21年3月31日まではふれあいパスの利用者負担を100円のままで利用できるよう、バス事業者の御協力を得ているところであります。来年度のふれあいパス事業につきましては、料金改定の増額分については、利用者に負担いただきたいと考えておりまして、平成21年4月1日から利用者負担を1乗車につき110円として事業を実施したいと考えております。(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 林下孤芳
再質問させていただきます。今、公共交通の関係で市長から御答弁をいただきましたけれども、問題はやはり事業者の負担がずっと続いているということと、この事業者負担を今度は利用者負担とすることを来年度から考えているということで、やはり札幌市の例を見ても、赤字が続けば経営者も株主の代表権訴訟とか、そういったリスクがあって、いつまでも赤字経営となり、その負担が無造作に続くということに関していえば、企業側も非常に敏感になっているというふうに思います。そうしますと、ある日突然、路線が削減をされるとか、あるいは減便をされるとか、いろいろなことが起きますと、市民生活に重大な影響を及ぼすという観点で質問をいたしました。そうした意味で、今後の小樽市の公共交通政策として、多様なニーズにこたえるということも含めて、お答えを願いたかったのですけれども、その点について、ただ10円の負担を利用者にお願いするというだけではやはり不十分ではないかというふうに考えたものですから、その点について御答弁をいただきたいと思います。あと、定額給付金の関係については、全国知事会とか、全国市長会とか、町村会といったいろいろなレベルでの意見というのは新聞で報じられておりますから、理解をしておりますけれども、小樽市長としてこの政策判断についての考え方を再度お伺いしたいと思います。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
バス路線の問題だとは思いますけれども、札幌でいろいろな問題があって大分報道されまして、そのときにバス会社の社長が小樽に見えまして、私のところに来まして、札幌でいろいろと問題になっているけれども、小樽についてはあのような事態は起こしませんので、御心配は要りませんというふうにおっしゃっていましたので、心配ないというふうには思っていますけれども、いずれにしても、バス会社としても企業ですから、いつまでも赤字経営にできませんので、それは一定程度利用者に負担を願う場合もありますし、我々行政側としてもいろいろな面で支援をしていくという体制をとっていきたいというふうに思っております。それから、定額給付金の話ですけれども、2兆円をどう使うかという話ですから、いろいろな考え方があると思います。今回の定額給付金という使い方もあるだろうし、また別な使い方、昨日は学校の耐震化に使ったらいいのではないかという話もありまして、いろいろありますので、これは一概にどちらとは言えませんけれども、先ほど申しましたとおり、小樽には21億円の金が落ちるわけですから、これが有効に使われれば経済効果もあるというふうには思っております。