小樽市議会 平成20年第2回定例会 2008年6月18日
(1)後期高齢者医療制度について/(2)地方分権改革と税財源問題について/(3)介護保険制度問題について/(4)泊原子力発電所のプルサーマル発電について
2008年6月18日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「後期高齢者医療制度について」「地方分権改革と税財源問題について」「介護保険制度問題について」「泊原子力発電所のプルサーマル発電について」について質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
初めに、このたびの岩手・宮城内陸地震で犠牲になられた方々のごめい福と被災された方々に対するお見舞い、そして一日も早い復興を心から祈念申し上げまして、一般質問に入りたいと思います。まず、後期高齢者医療制度問題についてお伺いいたします。後期高齢者医療制度がスタートして以来、市役所の窓口には、市民の苦情や問い合わせが殺到し、大変な混乱が生じてきました。私どものところにも、市民の皆さんから大変厳しい御指摘や早く何とかしてほしいというせっぱ詰まった声が多く寄せられています。年金から、初めて保険料の引き落としがあった4月15日以降は、問い合わせなどの電話が鳴りやまず、担当部署だけでは対応しきれないほどであったと聞いているところであります。そこで、4月以降、市民からの抗議や問い合わせはどの程度の件数となったのか、またこうした市民の声を市長としてどのように分析され、受け止めておられるのか、お伺いいたします。私は、今回の後期高齢者医療制度を巡って全国的に大きな混乱と不信を生じさせた最大の責任は、後期高齢者医療制度を国会で強行採決してから2年以上の期間があったにもかかわらず、国民に対し十分な説明をしてこなかった厚生労働省をはじめとする政府にあると考えております。福田総理大臣は、4月22日のテレビのインタビューで、後期高齢者医療制度について納得のいかない人は、市町村の窓口で納得いくまで聞いていただきたいと発言をし、まるで今回の混乱の責任が市町村にあるかのような発言をしております。私は、こうした地方への責任転嫁は、決して許されるものではないと考えております。市長は、後期高齢者医療制度に関する政府の説明責任について、どのようにお考えか、お伺いいたします。一方、制度の運用については、市として責任のある対応が求められるところでありますが、残念なことに、前回の介護保険料の徴収ミスに続き、今回の後期高齢者医療制度についても同じようなミスが生じ、マスコミにも大きく取り上げられたところであります。この制度は、昨年秋に北海道後期高齢者医療広域連合議会に対し制度の骨格が示されてから限られた時間で準備が行われたものであり、担当部署も連日深夜作業でぎりぎりのスタートを切ったものと理解をしております。こうした突貫作業を強いられた責任は、本来は国にあるとはいえ、市民の安全・安心や市役所の仕事に対する市民の信頼に直結する問題だけにミスは許されるものではありません。そこで、お伺いしますが、市長はこのたびのこの原因をどう分析され、再発防止について、どのような対策を講じるのか、明らかにしていただきたいと思っています。全国的に、市町村の窓口が大混乱をしているさなかに、厚生労働省は保険料の全国調査を4日間で行うよう指示し、1か月半も過ぎた6月4日になって、やっとその集計結果を発表したところであります。この調査によりますと、約70パーセントの方の保険料が下がったという内容でしたが、極めてし意的な内容であるとの報道もされているところであります。そこでお伺いいたしますが、小樽市においては、この調査はどのような形で行われ、その調査結果はどのようなものであったのか、明らかにしていただきたいと思います。後期高齢者医療制度の保険料は、厚生労働省の試算ですら、7年後には4割増と試算しております。民主党の試算では、平成25年度で保険料は2.2倍、年金受給額の34.4パーセントに達すると推定しております。一方で、政府は国の社会保障費を毎年2,200億円削減する方針を堅持しております。このまま負担と給付の議論に正面から取り組むことなく、小手先の対応を続け、しわ寄せを高齢者や地方に転嫁していけば、高齢者も保険料の負担に耐えられなくなりますし、市も財政負担に耐えられず、後期高齢者医療制度は破たんすることが明白だと思います。福田総理大臣は、圧倒的に多くの国民がこの制度を維持すべきと答えているとコメントしておりますが、全国的に見ても高齢化が進み、まして財政の厳しい小樽の市民も同様に考えているのか、極めて疑問であります。以上の観点から、市長は国に対し後期高齢者医療制度の廃止を訴えるべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。後期高齢者医療制度問題でも、国は国の財政再建を優先するだけで、地方には全く配慮がなされず、ただ膨大な作業と責任を地方に押しつけ、その財源の面倒は十分に見ない上に、先の見通しも立てられないという構図が明らかになったわけであります。一方、4月のガソリン税などの暫定税率失効問題のときには、政府は地方に迷惑をかけないようにと、わずか1か月で暫定税率を復活させました。今年度に起こったこの二つの問題だけを見ても、国は都合のいいときだけ地方の財源問題を持ち出すのみで、真剣に地方の税財政問題に向き合っているとは思えません。そこで、次に地方分権改革と財源問題についてお伺いいたします。今日の小樽市財政の危機的状況は、平成16年度の地方交付税の大幅削減で決定的になったと考えています。この地方交付税の大幅削減は、小泉内閣の三位一体の改革、すなわち国庫補助金を削減するかわりに、地方税を充実させ、地方交付税を削減するという改革の一環で進められたものと理解しております。三位一体改革は、国が使い道に口を出す国庫補助金や負担金を廃止する一方で、地方がみずからの判断で使えるお金を増やすという理念から進められたはずであります。小樽市をはじめ、地方の財政の現状は果たしてそうであったのか、大変に疑問の残るところであります。そこで、三位一体改革が本格的に始まる前の平成15年度と比較し、小樽市の地方交付税はどの程度減少したのか、また国庫補助負担金はどの程度削減されたのか、さらに市民税はどの程度増収となったのか、お伺いします。また、この改革によって、小樽市がみずからの判断と裁量で事業を行えるようになった結果、市民サービスが向上したと言えるような事例があるのか、お伺いいたします。今まさに次の地方分権改革が幕を開けようとしているときに、国の方針に無批判につき従っていくことは、市民生活に責任を持つ市長として避けなければならないと思います。私は、今回の暫定税率問題や第1次分権勧告に対する全国の首長の反応に、非常に危機感を感じております。いわゆる改革派と言われる知事や市長ですら、さきの三位一体改革で飲まされた煮え湯を忘れたかのように、政府与党の説明を繰り返し、道路整備の重要性や中身の伴わない地方分権改革の重要性を説いているからであります。立派なスローガンも大切でありますが、財源の保障の伴わない改革についていけば、もっと熱い煮え湯を飲まされることになるのではないでしょうか。市長は、さきの三位一体改革がもたらした小樽市への影響をどのようにとらえ、今後の分権改革論にどのようなスタンスで臨もうとしているのか、お伺いいたします。次に、財政危機が長期化するに従い、市では各種見直しを進めており、市役所内部では、給与の独自削減や退職者の不補充などの取組を進めております。こうした取組は、緊急避難的なものとして、やむを得ない面があるとしても、このような状態を長く続けることは、組織の高齢化を招き、活力を失う一方、数少ない担当者に膨大な作業が集中し、ミスも生じやすくなります。職員のモチベーションの低下が心配されるところでありますが、市長の見解をお伺いいたします。次に、小樽市の介護保険制度の現状と対策についてお伺いいたします。私は、昨年の第4回定例会の代表質問で、介護保険制度について、コムスンの不正受給事件で発生した混乱の経過を踏まえ、介護サービスに対する行政のかかわり方について質問をいたしましたが、その後も介護保険制度は、さまざまな問題が指摘され、果たしてこの制度はこのまま維持していけるのかといった意見が最近特に多く見受けられるようになってきました。制度の持続の可能性が危ぶまれる問題の一つとして、介護士の不足問題があります。最近の報道によれば、介護の現場で働く労働者は、低賃金によって毎年2割以上の人たちが退職し、養成機関の大学や専門学校も軒並み定員割れが続いていると言われています。しかも、利用者の重度化率が高まり、仕事が増え続ける傾向にもかかわらず、年収が140万円程度で働いている人が多く、最低賃金すら保障されずに働く労働者も少なくないと報じられています。人手不足はますます深刻になっているため、介護保険制度はあっても、サービスは受けられない事態が起きる可能性が指摘されています。私もそうした実態を少しでも把握したいと思い、先日、小樽市保健所が開催した勉強会にも参加してきました。残念ながら、労働の実態や賃金の実態について、直接お話を聞くことはできませんでした。しかしながら、会場には勉強中の方や若い人たちが多く参加されており、大変心強く感じる一方で、この若い人たちが介護の仕事にやりがいと誇りを持って働いてもらうためには、行政が仕事の価値にふさわしい待遇を保障すべきであると強く思ったところであります。東京都の千代田区では、こうした現状を受け、介護労働者の賃金を補助する仕組みを導入したと聞いておりますが、こうした取組ができるのも一部の裕福な自治体に限られております。一方、政府は、介護労働者の不足を補うために、外国からの介護士の受入れを決定し、まもなくその第一陣が従事することになっておりますが、何よりまず待遇の改善が必要なことは言うまでもありません。そこで、介護労働者の労働条件に関し、現在、小樽市の介護現場で働いている労働者の賃金実態や労働時間について、小樽市はどのように把握をされているのか、また時間外手当の支給など権利保障問題で問題になっている事例はないのか、お答えください。また、事業所ごとにサービスを提供するために必要な人員の基準が満たされているのか、お答えください。私は、公的な介護保険制度の下で働く労働者の賃金制度については、公的な保障を国に要望していくことが必要だと考えますが、市長の見解はいかがでしょうか。次に、泊原子力発電所のプルサーマル発電計画について質問いたします。北海道電力は、2010年から泊原発でプルサーマル発電の計画を表明し、5月30日から地元4町村と札幌で「プルサーマル地元説明会」が開催され、地元からさまざまな意見が出されているとお聞きしております。プルトニウムの利用計画は、1995年12月の高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故により大きな停滞を余儀なくされ、計画上では、関西電力や東京電力が先行し、既に10基以上稼働しているはずでしたが、現時点で稼働に向けた手続が実質的に進んでいるのは北海道の泊原発であり、このまま推移すると、泊原発が日本で初めての実用化されるプルサーマル発電所になる可能性があります。政府がプルサーマル計画を国際公約として推進するのは、原発の運転により増え続けるプルトニウムの平和利用策を確立しなければ、IAEAに対し軍事転用の可能性を否定できないためであると思われます。そうしたいわば国策上の理由からプルサーマル計画を推進するのであれば、地元に対する説明は、経済産業省や原子力安全・保安院をはじめとする政府が責任を持って行うべきと考えますが、「プルサーマル地元説明会」の対応を見る限り、残念ながらそのようなことにはなっておりません。プルサーマル計画については、推進派の学者や慎重派の学者も含めて、制御棒の効きが難しいこと、原子炉容器に負担がかかること、MOX燃料は割高になり電力コストは上昇すること、プルサーマルによるウランの節約効果は極めて少ないこと、万が一、事故が発生した場合の放射能汚染域は、通常原発の2倍の距離と4倍の面積に広がると試算されていることなどでは、それぞれが一致しているようであります。こうした学説が正しければ、半径60キロ圏内も防災対策が必要な地域となり、小樽市も防災対策が必要な地域に含まれる可能性もあるわけですが、こうした地元対策に必要な財源である国の電源立地地域対策交付金は、地元4町村にしか交付されない仕組みになっております。プルサーマルの受入れに際し、地元4町村が60億円もの財源が保障されるのに対し、風評被害も含めて、市民生活の安全が脅かされる可能性のある小樽市には何の財源も説明もないというのであれば、納得できません。プルサーマルは、システムの安全性は確立したとしても、最近の災害では、新潟県の中越地震やこのたびの岩手・宮城内陸地震の例を見るまでもなく想定をはるかに超えた規模で発生しています。青森県の大間原発の影響を受ける懸念がある道南地方でも同様の議論があるところでありますが、国の対応はあくまで紋切り型であります。泊原子力発電所のプルサーマル計画は、単に北海道の電力の安定供給の問題ではなく、日本の原子力政策の将来を占う国策でもあると思います。市長は、地元4町村以外の後志管内の首長とも連携して、国に対して説明を求める必要があると思いますが、いかがでしょうか。以上、再質問を留保し、終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
林下議員の御質問にお答えいたします。最初に、後期高齢者医療制度についての御質問でありますけれども、初めに、市民からの問い合わせ状況等についてでありますけれども、制度がスタートしました4月1日から30日までに、延べ2,737件、1日平均170件、5月に入り1日平均50件ほどとなりまして、現在は落ち着いております。主な問い合わせの内容といたしましては、制度の内容に関するもの278件、保険料に関するもの2,057件、その他、制度の周知、広報の不足に対する苦情などが402件となっております。これらのことから考えますと、テレビや新聞、ポスター、リーフレット、また市としましても、広報おたるや出前講座などさまざまな手段を用いてPRに努めてまいりましたが、これまではどちらかというと印刷物が大半でありまして、映像などの効果的なPRが不足したため、高齢者の方々に保険料や制度の内容が十分浸透しきれなかったものと考えております。次に、この制度に関する政府の説明責任でありますが、基本的には、制度の仕組みは国において周知されるものと考えております。このような事態になっていることは、国の説明責任が高齢者の方々にとってわかりやすい説明とはなっていなかったのではないかと考えております。特に、被保険者の一番の関心事であった保険料の把握については、各後期高齢者医療広域連合や市町村の違いから限界はあったものの、当初の国の説明と最近の調査では逆の結果が出るなど、説明責任が十分に果たされているとは考えにくく、残念な結果であると考えております。次に、保険料の算定ミスの原因についてでありますけれども、今回のミスにつきましては、市民税の所得情報には、一時所得と総合長期譲渡所得の金額とその2分の1の金額の2種類のデータがありまして、誤って2分の1のデータを広域連合に提供したため、広域連合ではそれをさらに2分の1としたことから発生したものであります。このような事故の発生を防止するためには、データを取り扱う情報システム課において、利用項目や入力の結果などを複数でチェックすることや原課においてもいろいろなパターンを抜き出し、処理結果が正しいかどうかをチェックするなど、双方で連携補完する体制を講じることが必要でありまして、改めて関係職員に周知したところであります。次に、保険料の全国調査についてでありますけれども、国が全市町村を対象に、75歳以上の世帯について、単身世帯、夫婦世帯、子供夫婦との同居世帯など四つの形態と、収入については、単身世帯で年金収入が79万円、夫婦世帯で夫の年金収入が79万円など、それぞれ三つの区分、全体として12のパターンで後期高齢者医療制度の保険料と平成19年度の国民健康保険料を比較したものであります。小樽市の結果では、単身世帯では、収入の3区分で後期高齢者医療制度の保険料が1,600円、1万8,100円、7万1,200円とそれぞれ低くなりました。夫婦世帯では、収入区分で、夫の年金収入79万円の場合は後期高齢者医療制度の保険料が高くなっておりますが、夫の年金収入が201万円及び400万円の二つの区分の場合は低くなっております。また子供夫婦との同居世帯では、収入の3区分で後期高齢者医療制度の保険料が1万8,700円、5,000円、3万800円とそれぞれ高くなっております。次に、後期高齢者医療制度についての考えということでありますけれども、この制度は、これまでの老人保健制度の問題点を解決するため、長年にわたりまして多くの関係者が議論を積み重ねた上で、高齢者の方々が将来にわたって安心して医療を受けられる制度として創設されたものであります。しかし、残念なことに、4月1日に制度がスタートしてから制度の説明不足に端を発し、さまざまな問題点や課題が指摘されてきております。これらの制度に対する不信、不満、問題点等につきましては、まず国においてしっかりと対応し、高齢者の方々の声に耳を傾けながら、信頼を回復し、制度の円滑な運営と定着を図るべきと考えております。次に、地方分権改革と税財源問題に関して、まず三位一体改革による地方交付税等の減少でありますけれども、改革が始まる前の平成15年度と平成18年度を比較いたしますと、地方交付税改革では、臨時財政対策債を含めまして約22億3,400万円の減、国庫補助負担金改革では約11億7,600万円の減、税源移譲分としては、約10億100万円の増となっております。また、この三位一体改革による市民サービスの向上ということにつきましては、所得税から個人住民税へ3兆円規模の税源移譲が行われたとはいえ、児童扶養手当に関する国庫負担金の一般財源化のように、地方の裁量の拡大につながらないものも多く、特に地方交付税が大きく削減された影響が大きく、むしろこの改革によって事務事業や受益者負担等の大幅な見直しに踏み込まざるを得なかったと考えております。次に、三位一体改革の影響と今後の分権改革議論に対する市のスタンスでありますが、国庫補助負担金の廃止、縮減、国からの地方への税源移譲、地方交付税の一体的な見直しといった三位一体改革の中で、とりわけ地方交付税については、ただいま申し上げましたとおり、その総額が大幅に削減され、小樽市が直面する危機的な財政状況の大きな要因となっております。このような状況を受けまして、過日開催されました全国市長会総会におきまして、地方の自立につながる行政面での分権改革と住民自治を可能とする地方税財政制度の構築を断行すべきとの強い決議がなされたところであり、市といたしましても、市長会と歩調を合わせながら、第2期地方分権改革の推進をはじめ、特に地方交付税の増額など、地方税財源の充実・強化などについて強く訴えてまいりたいと考えております。次に、給与の独自削減や退職者不補充などの取組が長期化することによる弊害でありますが、財政再建は小樽市にとって最大の課題でありまして、これまでも全庁を挙げて取組を進めてまいりました。平成20年度の予算編成に当たりましては、何としても収支均衡予算を編成する必要があることから、職員の皆さんの理解と協力をいただきながら、期末勤勉手当の独自削減等を実施いたしました。こうした状況が長期化することにより、職員のモチベーションの低下なども懸念されますので、できる限り早い時期に財政再建が達成できるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。なお、昨年8月に策定しました小樽市人材育成基本方針の中に定めました職場研修推進マニュアルに沿って、本年度から職員のスキルアップやモチベーションの向上などが図られるよう、全庁的に各部ごとの多様な職場研修を実施しているところであります。次に、介護保険制度についての御質問でありますけれども、初めに当市の介護労働者の賃金実態や労働時間についてでありますが、介護事業所を対象とした調査を行っておりませんが、平成19年度の小樽市労働実態調査で見ますと、基本給では、医療福祉分野で20万6,626円であり、調査全体の平均賃金21万6,724円に対し95.3パーセントと産業別11区分中9番目と低い状況にあります。また、1日の平均労働時間は、調査全体の平均7時間43分に対し、7時間36分とほぼ平均並みであり、時間外は週6時間程度で11区分中最低となっております。なお、時間外手当の支給など、権利補償等の問題については、これまで特に相談を受けたことはありません。次に、人員基準の充足でありますけれども、市が指定権限のある地域密着型サービス事業所であるグループホームを例にとりますと、ユニットごとの人員基準は、日中では利用者3人に対し、常勤の介護従事者1人以上、夜間・深夜では夜勤職員1人以上をそれぞれ配置することとなっております。地域密着型サービス事業所の人員基準については、市が実地指導で検査をしており、基準は満たされております。なお、北海道が指定権限のある訪問介護や通所介護などの事業所においても、後志支庁が本市と同様に指導しており、人員基準は満たされているものと考えております。次に、賃金制度への国の公的な保障の要望でありますけれども、利用者に安定したサービスが提供されるためには、優秀な介護労働者が事業所に定着する環境が整えられることが重要であると考えております。さきの第1回定例会において、議会としても「緊急に介護労働者の待遇改善を求める意見書」を可決していただいておりますが、待遇改善については、介護報酬の改定等を含めた国レベルでの対応が必要になるものと考えております。また、これまでも全国市長会としても、国に対し、介護サービスの基盤整備に対する十分な財政措置について要望しておりますが、今回はさらにサービスの質の向上及び適切な人材確保をするための適切な報酬を設定することを重点項目として、要望しているところであります。最後に、泊原発のプルサーマル計画でありますけれども、4月18日に北海道電力から北海道及び地元4町村に対し、安全協定に基づく事前協議の申入れがあり、現在、有識者検討会議でプルサーマル計画の安全性について科学的かつ専門的な見地から検討を行っている段階と聞いております。したがいまして、国に対する要望などにつきましては、有識者検討会議の検討状況を慎重に見極めて対応してまいりたいと考えております。(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 林下孤芳
再質問をいたします。ただいま、市長のほうから、後期高齢者医療制度については将来にわたって安心できる制度だということで御答弁がありましたけれども、年金制度もそうであったように、100年間安心の制度だと言いながら、3年もたたないうちにぼろぼろになっている。現在、後期高齢者医療制度についても制度がスタートをする前から、既に手直しが始まって、現在もさらに2か月もたった時点で手直しをしていると、こういう状況であります。したがって、やはり国民の間に、市民の間に、いろいろな不安がさらに高まっているのではないかというような考え方があるわけでありますけれども、ぜひその制度自体の今後の展望も含めて、市長は北海道後期高齢者医療広域連合議会の議員でもあるという立場を踏まえて、ぜひ御答弁をお願いしたいと思います。また、プルサーマルの関係につきましても、実は小樽市に対する具体的な説明はいまだ行われていないということでありまして、国そのものも関係するのは4町村あるいは北海道ということで、全く我々は蚊帳の外におかれているという状況にあると思います。そこで、通常型の原発とプルサーマルの違いについて、市長の認識を改めてお伺いいたしたいと思いますし、学説の評価についてもどのような認識をされているのか、再々質問はいたしませんから、ぜひ厚生労働省のような答弁ではなくて、今日はナイター議会ということで、たくさんの市民の皆さんも傍聴に来られておりますので、ぜひ市長の思いの丈を語っていただきたいということで、お願いいたします。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
後期高齢者医療制度の問題ですけれども、いろいろな議論があるわけでございまして、一つはやはり医療費です。現在の国民医療費は33兆円と言われています。これが毎年1兆円ずつ増えていっているという状況の中で、65歳以上の医療費がその全体の半分を占めているのです。その中で、33兆円の半分に当たる16兆5,000億円をだれが負担していくのかということが問題だと思っております。したがって、そういう問題をどう解決していくかということからスタートをしまして、かれこれ相当長い年数をかけて、国のほうで議論をしてまいりました。その結果、出てきたのが今回の制度でありまして、全国市長会としては、私もそうだと思いますけれども、今の制度の枠組みを何とか維持しながら改善できるものは改善してほしいというのが全体の意見でありまして、私もそういう方向でやるべきだと。すべて大賛成とは言いませんけれども、改善すべきものは改善するということで進めてほしいというふうに思います。仮に、これをもし廃止をして、そしてまたもとに戻すということになると、ばく大な経費もかかりますし、また新たな混乱も生じるだろうというふうにも思いますので、この辺はやはり慎重に対応していただきたいというふうに思っております。それから、原子力発電所の問題で大変申しわけないのですけれども、プルサーマルと通常の原発にどういう違いがあるかと言われても、私もそれほど勉強をしていませんので詳しくはわかりません。したがいまして、現在、先ほど申し上げました有識者の検討会議の中で検討されているわけですから、私がああだこうだと言っても始まらないと思いますし、特に北海道電力との懇談の中では、やはりクリーンな電力を確保するためには、原発は必要だというふうに言われていますし、今、環境問題が非常に重要になってきていますから、そういう面ではまた安全性が確保されたのであれば、原発も必要ではないのかという感じもしますし、非常に難しい。そしてまた、今の原料高と言いますか、CO2 を発生させる油、それから石炭、こういった発電の原料もまたこれでいいのかという、そういった問題もありまして非常に難しい問題だと思います。これから将来にわたって、電力をどう確保していくかということは、世界的な課題でないのかというふうに思っていますし、それをどう解決していくのか、十分各国で議論していただきたいというふうに思っております。