小樽市議会 平成20年第2回定例会 2008年6月17日
(1)観光の現状と観光客動態調査について/(2)観光の三つの課題について/(3)税の滞納と多重債務相談について/(4)地区計画と市街地の高度規制について
2008年6月17日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「観光の現状と観光客動態調査について」「観光の三つの課題について」「税の滞納と多重債務相談について」「地区計画と市街地の高度規制について」について質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 山口保
民主党・市民連合を代表して質問いたします。40分程度の質問をさせていただきますが、今回も4項目八つの質問しかありませんので、丁寧な御答弁をお願いします。平成19年度本市観光客の入り込み数が発表されました。前年度比3.8パーセント減の740万5,800人と、このところ横ばいで推移してきた入り込み数も3年ぶりの減少であります。ここ数年の旭山動物園の人気沸騰以来、旅行日程に旭山動物園が組み込まれ、小樽での滞在時間が平成16年度本市観光客動態調査で示されました平均滞在時間の4.8時間から半分程度にまで減少しているのではないかと言われております。いずれにしましても、今年度5年ぶりに観光客の動態調査が行われると伺っておりますので、注視をいたしているところであります。昨年2月にまとめられました「はまなす財団」によります北海道の体験型観光活性化に向けたシニアマーケットニーズ調査を読ませていただきました。この調査は、関東圏1都3県、関西圏の大阪府、兵庫県の団塊の世代を含む50代から60歳代のシニア層を対象に平成18年から19年初めにかけ、北海道観光に関するアンケート調査を実施、分析し、まとめられたものであります。これによりますと、旅行形態では、団体旅行が48パーセント、フリープランによるグループや家族旅行などのパーソナルツアーが55パーセントと、パーソナルツアーが高い傾向となっており、また旅行の同行者は、男性は配偶者と来られる場合が50パーセントを超え、女性は子供、友人と来られる場合が50パーセントを占めております。旅行日数では2泊3日が57パーセント、3泊4日が28パーセントで、全体の85パーセントとなっており、交通費、宿泊代、食事、土産代を含めた旅行費用は、2泊3日の場合、5万円未満が32パーセント、7万円未満が33パーセントと全体の65パーセントを占めております。平均で6万5,000円であります。また、3泊4日の場合は、11万円未満が25パーセント、9万円未満が22パーセント、7万円未満が19パーセントの順になっており、平均で8万2,000円となっております。平成16年に示された本市観光客動態調査での日帰り観光客の消費金額は1万6,000円、宿泊客の消費金額は3万5,000円とされておりました。「はまなす財団」の調査対象のシニア層は一般に消費額が高い層と言われております。その層の方々が2泊3日で平均消費額が、交通費も含めて6万5,000円とされていることを考えると、平成16年度で示された本市の調査が実態を反映されたものであったのか、不安を覚えます。今回は、市の独自調査ということで、経済波及効果などは算出されないとのことでありますが、どのような内容の調査となりますか、お示しください。先ほどの「はまなす財団」の調査では、北海道旅行に対する感想、意見、要望などの書き込み欄がありました。小樽に関する記述は、残念ながら大変少なくなっており、旭山動物園や富良野、礼文、利尻の記述が多く見られました。また、今後行ってみたい場所も聞かれておりますけれども、やはり旭山動物園がトップに挙げられ、小樽は函館に次いで8番目に挙げられております。人気に陰りが見えるのが大変に気がかりであります。私は、かねがね、本市観光の質的向上が急務と申し上げてまいりました。この課題解決のためには、これまで主に三つの施策の重要性について話を申し上げてまいりました。一つ目は、地場産品の開発であります。申し上げるまでもなく、地場調達率の増加は、市内経済の底上げに寄与するばかりではなく、産品のよしあしは観光のイメージを決定づける大きな要素の一つでもあります。平成18年度の市内製造品出荷額は1,549億3,668万円、平成17年度の1,600億2,273万円に比べて3.2パーセントの減少となっております。出荷額の43.7パーセントを占める食品の出荷額も2.7パーセントの落ち込みであります。また、今年度の調査でも対象となっているものと思いますが、平成12年度から4年ごとに出されていた市内観光産品の地場調達率は、平成12年度の65パーセントから平成16年度には49.3パーセントへと減少しており、平成20年度の状況がどう推移しているのか注目をしているところであります。いずれにしましても、魅力ある地場産品の掘り起こしや開発は、本市観光のブランドイメージを決定づける大きな要素ではないでしょうか。本年4月に発足しました新観光協会の商品開発委員会でもさまざまな論議が始められました。また、広報ホームページ委員会では、市外・道外に向けて、地場産品を掘り起こし、ネット通販を試みるやに伺っております。将来的には、国のさまざまな交付金を申請して、クレジットカード決済が可能なサイトに向上をさせ本格運用し、本市のブランド力を生かした地場産品の販売につなげていきたいと抱負を語っておられます。市内商業の卸小売販売額は、平成9年の4,077億9,000万円から統計で直近の平成16年3,199億円と22パーセントも減少していることから考えますと、地域ぐるみで外に向かって販売を強化することが、ますます重要になっているのではないでしょうか。いずれにしましても、官民連携が不可欠であります。新観光協会の各事業推進委員会との連携や地場産品の開発、地場調達率の向上などについて、産業政策の立場からの御所見をお聞かせください。また、産業港湾部産業振興課では、旧国鉄手宮線跡地でのガラス市の実現に向けて頑張っていらっしゃることは承知をいたしております。小樽のガラスのみならず、道内各地の工房のガラス製品や明治、大正、昭和の歴史を感じさせてくれる骨とうガラスの販売などをあわせて企画されれば、多くのファンでにぎわう催しに育っていくものと期待するものです。私は、潮まつりなどに合わせて開催されるのであれば、潮まつりも新たな魅力を獲得でき、相乗効果で認知度も高められるのではないかと考えます。このことについて、御報告いただけるのであれば、お聞かせください。二つ目は、新たな時間消費型観光を生み出すための新たなソフトの開発と提供であります。昨年8月に発足しました観光プロジェクト推進会議も時間消費型観光への転換を目指され、議論が進んでいると伺っております。また、今6月11日に設立準備委員会が立ち上げられ、7月には正式に研究会が開催される運びと伺っておりますおたる移住・交流推進事業研究会でも季節移住や定住前の生活体験などの長期滞在型モデルの研究や受入れシステムの構築をテーマとされているとお聞きいたしております。これまでの体験メニューは、主にツアー観光に対応した一、二時間の短時間の体験に終始をしていた感があります。滞在をしていただきながら、ガラスや陶芸やさまざまな工芸技術の習得体験、船釣りやシーカヤック、セーリングなど海を生かしたメニュー、山歩きや野鳥、野草の自然観察、山菜の収穫と料理体験、漁業協同組合、市場などと提携をした料理体験、またゴルフやパークゴルフなど、さまざまなメニューが考えられます。宿泊とどうつないで商品化できるかが、かぎとなるのは言うまでもありません。私は既存のホテルや旅館、民宿などとの連携はもちろん重要だと考えますが、市内で増え続けている空き家や空き室の利用ができれば大変インパクトのある施策になると考えております。今後の移住・交流推進事業の進め方、またお考えについてお示しをいただきたいと思います。昨年の第3回定例会の代表質問で、私は市内各所には海やまち並みが一望でき、大変眺望にすぐれているにもかかわらず、冬場などの生活の困難さから移り住まわれたなどにより空き家となり、借り手もなく、また売却もままならず放置されている空き家が増加していることに触れさせていただきました。また、これをファンド形式で資金を集め改築をして、大都市のシニア層向けの2地域居住の商品として販売できるのではないか、そのビジネスモデルの構築を業界と行政が連携をして研究する時期に来ているのではないかと申し上げました。私は、空き家・空き室の利用は、滞在型旅行商品の開発にも移住や2地域居住などの施策にも欠かせない要素だと考えております。市内の空き家の状況は、現在、詳しくは把握されていないとお聞きいたしております。町会や民生委員の方々に協力を求めれば、把握は難しくはないと思いますし、例えば空き家探偵団などと称してボランティアなどを募り、デジカメで空き家やその周辺環境などを記録していただき、また感想や意見なども書きとめていただいて、リスト・ファイル化できるのではないかと考えております。この際、その調査・把握に着手されるよう要望いたしますが、御所見をお聞かせください。三つ目は、新たな観光拠点の開発整備の必要性についてであります。これまでもたびたび述べさせていただきましたように、海から山にせり上がる本市の地形を生かした天狗山や手宮公園などからの眺望や夜景などの自然景観、北運河や倉庫群など先人たちが築いてこられたまち並み景観、港や旧手宮鉄道施設、旧国鉄手宮線など、数々の近代化遺産など、他の都市が持ち得ない数々の自然資源や歴史資源がいまだ磨かれていないままとなっております。中でも、旧国鉄手宮線につきましては、一昨年、中央通から旧手宮鉄道施設までの1万6,800平方メートルにつきましては、市がJRから取得をして以降、沿線も含めた再生について、さまざまな場面で活発な議論がなされていることは承知をしております。本年5月にまとめられました小樽市中心市街地活性化基本計画の中でも、運河周辺などに集中している観光客を中心商店街へ回遊させる重要な要素として、旧国鉄手宮線を位置づけ、「旧国鉄手宮線等の地域資源については活用方策の検討が必要であり、その価値や保全の意義を広く市民に伝え、保存・活用の実効性を高めることが必要であるほか、景観保全を考慮した新たな建物の建設誘導が求められる」と書かれ、旧国鉄手宮線活用検討事業として位置づけをされております。新たな交流観光拠点の開発として、まず旧国鉄手宮線とその沿線の再生から着手をしていくのだという意気込みが感じられ、私は大変評価するものであります。本年2月から、旧国鉄手宮線活用懇話会が発足され、活発な議論がなされていることは承知をいたしております。また、小樽観光協会でもまちづくり委員会を中心に同様の議論がなされており、将来の沿線再生のプランづくりに向けて、沖縄県や三重県熊野市などで、地域資源の再生やまちづくりに実績があり、国の交付金などを活用してさまざまな計画の提案や周辺事業の立案をされているコンサルタント会社を招き、協力関係を築こうとされております。沿線の再生・開発には、どうしてもプロの協力が不可欠であり、今後、手宮線懇話会でも議論が深化する過程で基礎的なプランが必要になると考えられます。今後、ぜひ観光協会と建設部まちづくり推進室などとの連携・協力が不可欠と考えますが、御所見をお聞かせください。以上、本市観光の質的向上に向けた三つの課題について、申し述べさせていただきました。観光都市宣言をされ、時間消費型観光を旗印に、本市第2期の新たな観光の出発点として、平成20年の本年が後年に評価をいただけるよう力を尽くされることを期待するものであります。次に、市税の滞納と多重債務解消の問題について、質問いたします。私は、昨年9月の予算特別委員会において、本市での多重債務の相談体制について、鹿児島県奄美市の市民生活係長が多くの多重債務者を救い、税の滞納や給食費や保育料の滞納などの解決に結びつけられた事例を挙げて、質問をさせていただきました。今日は、ヤミ金融業者を巡る訴訟と多重債務にかかわる過払い金返還を巡り、自治体が税の徴収を目的に消費者金融会社に過払い金の返還を求めた取立訴訟について、画期的な判決が出たことが6月11日付の朝日新聞の記事で取り上げられておりましたので、再度対策の強化を求め、質問をさせていただきます。ヤミ金については、平成15年、ヤミ金融対策法ができまして以来、罰則が強化されておりますが、今回の判決は、これまでの借り手がヤミ金に支払った総額から元金分を差し引いた金額しか損害を認めなかった2審の高松高裁の判決を破棄し、著しく高い金利で違法な貸付けをした業者からは、金利だけではなく元金も含めて借り手が支払った金額を損害として取り戻すことができるとの判断を最高裁が示し、高松高裁に差し戻したものであります。もう一つの判決は、兵庫県芦屋市の男性が、大手消費者金融プロミスに法定金利を超える利息、すなわち利息制限法では、元本が10万円未満の場合は年20パーセントを上限と定め、元本が10万円以上100万円未満の場合は年18パーセント、元本が100万円を超える場合は年15パーセントを上限と定めております。また、貸金業者はいわゆるグレーゾーン金利が見直された後も、それ以前の取引については、今でも引き続き出資法上限の29.2パーセントで貸付けを続けているのが実態でありますが、この法定金利を超えて返済をされた過払い金を巡り、市税を滞納している本人にかわり市が返還を求めた訴訟で、男性の過払い金31万円を市に支払うよう命じる判断が西宮簡易裁判所で出されたものであります。神奈川県や静岡市など、少なくとも30以上の自治体が同様の手法で返還を求めており、判断が注目されていたものであります。本市経済は、長年の疲弊に苦しみ、課税ベースの市民所得では、平成9年度の1,900億6,528万円が、平成18年度には1,522億3,490万円となっており、10年で2割も減少しております。この間の人口減少は1割でございます。一方、個人市民税の滞納者は、徴税の努力もあり、平成14年度の3億9,476万円から、平成18年度3億5,000万円に減少しておりますが、依然として1万件を超える滞納件数であります。固定資産税、都市計画税の滞納は年々増加しており、平成14年度の16億1,702万円が平成18年度には27億498万円に増加しております。この中には、OBCの推定17億円の滞納分が含まれておりますから、それを差し引きますと約10億円であり、件数では8,753件となっております。一方、国民健康保険料の滞納状況を見ますと、平成14年度3,747件3億6,695万円が、平成18年度3,172件2億6,523万円に減少しておりますが、滞納世帯割合が9.52パーセントと、楽観を許さない状況が続いております。ほかにも、市立病院での滞納や保育料や給食費の滞納など、財政健全化に向けて苦悩し続けている本市にとって、この滞納の問題の改善は、早急に解決すべき重要課題でもあります。本年3月の北海道新聞には、倶知安町に3年間法律事務所を開かれ、多重債務問題に取り組まれて、この問題を解決され、過払い利息6億円を取り戻された宮原弁護士の事例が紹介されておりました。借金の取立てに20年も苦しまれた60代の女性は、相談前はつらくて自殺も考えられたそうでありますが、過払い金を1,000万円以上も取り戻すことができたと書かれてありました。また、昨年4月の札幌高裁では、過払い金を架空請求と認定させ、消費者金融業者に対して慰謝料や弁護士費用も払わせるという異例の判決をこの宮原弁護士は勝ち取っておられます。相談者は月に40人を超え、3年間の総数は1,000件を超えたそうであります。私は、本市にも多重債務を抱え、だれにも相談ができず、今でも悩んでおられる多くの方がいらっしゃるのではないかと心配をしております。本市も相談窓口を設け、本庁での弁護士による無料相談や消費者センターによる消費者相談、週3回の札幌弁護士会による無料相談、週2回の司法書士会による無料相談など大変充実した相談体制がとられているものと確信をしておりましたが、その確信が揺らぐ事例に直面をいたしましたので、ここに報告をさせていただきたいと思います。本年3月末、私のところに1人の老婦人が訪ねてこられまして、多重債務に長年苦しんでおり、相談に乗ってほしいとのことでありました。お話をお聞きしますと、生活苦のため4社の消費者金融から20年以上にわたって借入れと返済を繰り返し、滞るたびに電話や訪問での取立てにおびえてきたとのことでありました。私は、これまでの取引明細をできる限り探し出して、すべて持ってきていただくように申し上げ、2日後に、それらを年次別に整理したものを持参して、まず窓口である生活環境部生活安全課に本人に同伴をして相談に伺ってまいりました。多重債務の相談に出向いた旨を告げますと、相談は向かいの消費者センターに行ってほしいとのことでありました。消費者センターでは、2人の相談員の方が間仕切りで仕切られたコーナーのいすに座っておられまして、1人は相談の電話に出ておられ、私たちはもう1人の相談員の前に座って相談に来たことを告げました。相談員の方は、すぐに書類を出されて、老婦人に名前と生年月日、住所や借入先、消費者金融会社名とか、取引開始年月日などを書き込むように指示をされました。その間、何のためにその書類が必要なのかの説明もなく、老婦人が書類に書き込まれるのに四苦八苦されているのを見ても、聞き取りをしながらかわりに書き込みをされるなどということはありませんでした。私は、その間、黙って観察をしておりましたが、見かねまして、ここに相談に来ているのは、大変切羽詰まって大変な決断をされていらっしゃっていること、多重債務は場合によっては債務が解消できるということ、また長期にわたる取引があれば、過払い利息が取り戻せる場合があることなど、丁寧に説明をして、安心していただいて、聞き取りをすべきではないかと注意をさせていただきました。結局、書類は私が作成することにいたしまして、無料法律相談窓口の連絡先などが書かれているパンフレットをいただいて帰ってまいりました。翌週、高雄ビルにあります札幌弁護士会の無料法律相談、これは30分無料でございますが、老婦人と同伴をして行ってまいりました。弁護士は、書類を見るなり、この件については私が受任をしますから、安心してほしい。弁護士費用も先方から取り戻せると思いますので、心配は要らない。また、今日から取立てや取立ての電話が来ることもありませんから、安心してほしい。また、もし来たとしても、今後は弁護士にお任せしていますと言ってくださいとの指示をされました。そして、即刻、介入通知を貸金業者4社に送付すること、また貸金業者にこれまでの取引経過を開示するよう求めること、開示を渋る業者に対しては裁判で開示を求めることなど、解決までに早くても二、三か月かかることなどを説明され、老婦人にはできるだけ古い記録を探し出してほしい旨、話されました。この間約30分、老婦人はとても安どをされまして、何度も頭を下げていらっしゃいました。現在、4社のうち1社については、来月には解決できるだろうとの連絡をいただいているところであります。長々と一つの事例を申し述べさせていただきましたが、消費者センターに後ほどお伺いをいたし、お話を聞いてまいりましたところ、なかなか1人ずつ丁寧に対応するのが難しい状況だとおっしゃっておりました。相談員が5名しかおられず、1日2名体制で週2日勤務、10年のベテランが2名、3年が1名、2年が1名、新人が1名。研修は受けてはいるが、相談内容が多重債務ばかりではなく多岐にわたり、すべてに対応できるまでには年数がかかること。また、週2日勤務といっても書類の整理などもあり大変で、報酬も1日5,000円程度とほぼボランティアに近く、長く続かないとのことでありました。弁護士に直接電話でつないだり同伴するなど、とてもできる状況ではないと話されておりました。この項の初めに話をしました鹿児島県奄美市の市民生活係長は、朝日新聞の取材に対して、「丁寧に話を聞き、弁護士や司法書士に確実につなぐことだ。多重債務者にとって、法律の専門家は、費用の面などで敷居が高い。私は相談者の目の前で弁護士らに電話をして、相談の日時まで決めている。国が制度をつくっても、最初に相談を受ける市町村できちんと話を聞かないと、実効性があるものにならない。また、いい解決を積み重ねていけば、相談を受けた人が周囲の困った人を連れてくる」と語っておられます。市で直接窓口を設けることは、できないでしょうか。又は、納税課の職員が滞納者宅に伺うとき、消費者金融からの借金の有無をお尋ねすることはできないでしょうか。兵庫県芦屋市の事例で、市民税25万円を滞納していた50代の自営業者が、市の窓口に相談をされて、借金はありませんかと聞かれ、消費者金融5社に借金があることを打ち明け、市が消費者金融に過払い金の存在を確認、弁護士につなぎ、過払い金は1社だけだったそうでありますが、他の借金も整理いたしまして、滞納税と弁護士の費用を払っても150万円が残ったと、昨年12月6日の朝日新聞に紹介されておりました。税の滞納に対して、多重債務者を掘り起こし、解決につなげようとする自治体の取組が増えております。愛知県一宮市でも、昨年11月から常設の多重債務相談室を設置しまして、平日午前中に市職員が受け付け、弁護士につなぐという取組を始められたそうであります。私は、本市のように、生活安全課がありながら、相談は消費者センターにつなぐだけでは、何の解決にもならないと考えます。多重債務相談については、生活安全課に1人を配置して専門的な研修を受けていただき、納税担当課には滞納者から多重債務を抱えている人を掘り起こしていただく。倶知安町で1人の弁護士が3年で6億円もの過払い金を取り戻した例から、本市では数倍の過払い金が埋もれていると考えるのは、私一人だけではないと思います。本人も返済や取立てから解放され、滞納の解決にもつながる。冷え込んでいる市内消費にも少しはつながるのではないかとさえ考えるところであります。今後の取組についての御所見をお示しください。最後に、地区計画といわゆる旧市街地の高度規制について、質問いたします。市内富岡の日銀所有地の売却問題は、一昨年来、地域住民の間で関心が高まり、日銀との間で話し合われてきました。日銀の旧支店長宅や社宅、テニスコートなどは、当初、地域住民の意思を無視した売却はしないとのことで少し安心をしておりましたが、いよいよ来年3月までに地区計画を申請しなければ、日銀は用地測量や一般競争入札手続を開始するとのことであります。この地区は、第1種中高層住居専用地域となっており、高層マンションが建てられる可能性も高く、地域住民の多くは景観や日照への影響など心配をされております。現在、建物の高さを制限できる地区計画の策定に向けて話合いが行われているとのことでありますが、地区計画の策定には日銀所有地も含め、その用地の3倍の地積内に住まわれる借地、借家人を含む住民や所有者の3分の2の同意が必要と伺っております。この地区計画についての市のお考えについて、まずお伺いをいたしておきます。本市でも近年、15階45メートルを超える高層マンションが林立し、運河に隣接する地区では、多くの住民が景観を阻害するものとして早急な規制を求められ、平成18年12月に本市景観条例の特別景観形成地区の範囲拡大により高さの制限が課せられたのは、記憶に新しいところであります。高層マンションの問題につきましては、これまで何度か問題提起をさせていただきました。私は、住宅地については、高層マンションの建設は慎重であるべきと申し上げております。それは、遠い将来でありますけれども、50年後には確実に建替えの時期が来るからであります。かつて、昭和30年代に建てられた中低層の集合住宅でさえ、今日建替えの必要性に迫られ、区分所有権による権利者の合意が得られず、住民がくしの歯が抜けるように次々と退去し、廃きょ化する例があるからであります。建替えに成功した事例を見ますと、いまだ容積率に余裕があり、上に新たに戸数を積み増して販売し、住民権利者の建替えにかかわる負担を軽減できた場合に限られております。本市住宅地に建てられている高層マンションは、おおむね容積率いっぱいに建てられており、これ以上を積み増しての建替えは不可能に近く、また解体には2億円とか3億円の費用を要すると言われていることから、建替えはままならず、50年後とはいえ、廃きょ化が心配されることは言うまでもありません。近年の東京都国立市の景観訴訟以降、昨年9月には京都市が全域を対象に高さ制限に踏みきられ、道内でも札幌市が全市的な高度規制に踏みきられたことは、記憶に新しいところであります。私はこの際、本市でも手宮から若竹町までのいわゆる旧市街地全域で高度規制の検討に入られるよう求めますが、御所見をお聞かせください。以上、私の質問を終えさせていただきます。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。まず、観光の現状などについての御質問でありますけれども、今年度5年ぶりに実施しております観光動態調査は、小樽市を訪れる観光客の行動特性などを把握し、今後の観光施策推進のための基礎資料とすることを目的としております。調査内容につきましては、旅行の目的や訪れた観光施設、さらには宿泊日数や滞在時間のほか、本市での消費金額など、前回調査と比較するための必要な項目をほぼ網羅しており、この間の観光客の動態変化を把握できる内容となっております。なお、調査に当たりましては、従前同様、地元ホテルにアンケートの配布・回収の協力をお願いしているとともに、初の試みとして、小樽おもてなしボランティアの会の皆さんに聞き取り調査をお願いしているところであります。次に、観光の三つの課題ということの御質問でありますけれども、まず地場産品の開発でありますが、小樽市は高い知名度と新鮮な水産物など恵まれた地域資源を有しており、これらを生かした地場産品の開発や販路の拡大を進めることは、産業振興やまちのイメージアップにつながるもので、有効な産業施策の一つと考えております。特に、地域資源を積極的に活用することは、地域ブランドとしての付加価値を高めるとともに、資源などの域内循環を促し、地場調達率の向上にも寄与するなど、経済的な効果が期待できるものであります。また、個々の企業の取組に加えて、官民が相互に有する情報やネットワークを活用しながら、商品開発や販売戦略を練っていくことは、小樽の持つブランド力を生かす上で重要と考えております。市といたしましては、今後とも観光協会や物産協会など関係団体と十分連携を図りながら、地域資源を活用した地場産品の開発と小樽のブランド力を生かした販路拡大に努めてまいりたいと考えております。次に、ガラス市についての御質問でありますけれども、ガラス市の開催につきましては、昨年、市内のガラス業界の組織化などが話し合われた懇談会で、東京のガラス製品を販売・展示している「すみだガラス市」に倣った事業を小樽で実施できないかとの提案があったものであります。市といたしましても、市内には多くのガラス工房や工場があり、ガラス市の開催は、ガラスのまち小樽のPRや地産地消の推進につながるものと考えております。事業内容につきましては、今後、市も含めた関係者の間で話し合われるものと思われ、実施時期につきましてもその中で決定されていくものと考えております。次に、時間消費型・滞在型観光についてでありますけれども、まず今後の移住・交流推進事業についてでありますが、現在、市内の事業者の方々に参加をいただく中で、移住や長期滞在などの受入れ態勢に関する調査研究や実験事業を行うための組織として、おたる移住・交流推進事業研究会を立ち上げる準備を進めており、7月中には設立総会を開催する予定となっております。研究会では、2地域居住やお試し滞在などの実証実験をメーンの事業としており、これらの中長期滞在は、観光産業や住宅産業を初めとする幅広い分野にさまざまなニーズが生まれる可能性があり、地場産業の活性化や新たな移住ビジネスの創出が期待できるものと考えております。また、そのためには、小樽を訪れる方々のニーズに的確に対応するとともに、中長期滞在に適応した多彩なメニューを用意する必要がありますが、研究会としては、こうしたニーズに対応し、受入れ態勢のすそ野拡大を図るため、今後、市内の企業に広く長期滞在メニューの提案を呼びかけ、データベースを構築する中で、独自のホームページにより、これらの情報発信を行ってまいりたいと考えております。そのほかにも、このデータベースの組合せによるお試しツアーのモデル的な取組や移住PRパンフレットの作成、ビジネス講演会の実施などを考えており、これらの事業を推進する中で事業化の可能性を探ってまいりたいと考えております。次に、空き家の状況調査でありますけれども、居住人口の減少や核家族化、また本市特有の地形的な状況から空き家が発生しております。これまでにも、空き家対策庁内連絡会議を設け、庁内各部で持っている空き家情報を収集するなど、種々検討してきております。空き家の活用は、定住人口の確保や地域コミュニティの維持、また既存ストックの有効活用にもつながることから、今後とも庁内各部局と情報を共有し、連携を図りながら空き家情報を把握し、その活用を検討してまいりたいと考えております。次に、旧国鉄手宮線とその沿線の活用に向けての小樽観光協会との連携ということでありますが、議員も御承知のとおり、今後、市が策定する旧手宮線の活用計画素案の参考とするため、懇話会を設置して今まで2回ほど開催をし、今後の活用策について各委員からいろいろな御提案をいただいております。小樽観光協会との連携ということでありますけれども、観光協会から御推薦をいただいた委員もおりまして、御意見をいただいておりますが、小樽観光協会として、特に御意見があるということであれば、伺った上で懇話会にお示しをしてまいりたいと考えております。次に、税などの滞納と多重債務の相談についての御質問でありますけれども、まず国におきましては、昨年4月、多重債務問題改善プログラムを策定し、関係省庁が十分連携の上、国、自治体及び関係団体が一体となって多重債務者対策を実行していくこととしております。小樽市におきましては、北海道消費者協会などが実施する改善プログラムに基づく研修を受けた相談員を消費者センターに配置をし相談に応じているほか、相談内容によっては弁護士会や司法書士会などが開設する法律相談への紹介・誘導を行うといった相談体制をとっております。また、北海道財務局においては、今年度から多重債務相談の常設窓口を設置するとともに、財務局小樽出張所においても、年3回延べ6日間の特別相談窓口を開設する予定でありますので、多重債務相談の窓口がより一層充実するものと考えております。なお、市税等の滞納整理との関係でありますが、これまでも滞納交渉の中で多重債務者と判明することがあり、この場合には、消費者センター等への相談を勧めているところであります。市といたしましては、今後とも相談体制の充実、関係機関や庁内部局の連携強化を図るとともに、相談者が抱える事情を踏まえながら、よりよい解決方法が見つかるよう対応してまいりたいと考えております。次に、富岡の日銀所有地周辺の地区計画でありますが、地区計画は土地・建物などの私権の制限強化となることも含め、建物の建て方など、地域の特性に応じたきめ細かなまちづくりのルールを定めるものであり、地区の方々が身近な生活空間について主体的に話し合い、合意形成が得られていくことが大切なことと考えております。この日銀所有地周辺地区においても、地区計画に関する検討が始まっておりまして、市といたしましては、これまでも地区の方々に地区計画などに関する資料の提供や説明を行ってきているところであります。今後ともこうした協力を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。次に、旧市街地全域の高度規制についてでありますが、小樽市においては、地域懇談会、市民アンケートなどによる市民意見を反映しながら、平成15年度に都市計画マスタープランを策定し、9地域に分けた地域ごとのまちづくりの目標や基本的な方針などを示しております。この中で、土地利用に関しては、地域ごとに、例えば住居系土地利用について、低層住宅ゾーン、中高層住宅ゾーン、一般住宅ゾーンと区分するなど、本市の地形的特性や土地利用の経緯、実態などを考慮しながら、調和のとれた土地利用を進めることとしております。こうした中で、旧市街地の全域にわたる高度地区といった高度規制については、広範囲に私権の制限強化がなされるものであることから、全市的な土地利用の動向やニーズなどを見極めていく必要があり、慎重な対応が必要と考えております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
再質問 18番 山口保
多重債務の問題については、大変不満ですけれども、この場での再質問は遠慮させていただいて、予算特別委員会で詳しくやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。