小樽市議会 平成18年第4回定例会 2006年12月13日
(1)駅前再々開発と歩道橋の撤去の方向性/(2)デュアル・モード・ビークル( D M V )の将来の活用について/(3)新市立病院のがん医療の充実について/(4)いじめ・不登校の問題の解決のあり方
2006年12月13日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「駅前再々開発と歩道橋の撤去の方向性」「デュアル・モード・ビークル( D M V )の将来の活用について」「新市立病院のがん医療の充実について」「いじめ・不登校の問題の解決のあり方」について質問し、市長 山田勝麿、教育長 菊譲、建設部長 嶋田和男が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、教育長 菊譲、建設部長 嶋田和男
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 山口保
一般質問を行います。最初に、3期目に向けた市長の抱負、政策とその展望についてお尋ねをいたします。私は、運河論争以来、歴史を生かしたまちづくりを主張してまいりました。本市再生のかぎは、水と緑と歴史の再生にあると考え続けてまいりました。水は水辺、すなわち運河、港であり、緑はすなわち都市内の街路樹や民地の緑などであり、歴史は言うまでもなく、明治、大正、昭和初期に蓄積された近代建築群であります。高度経済成長期以降、失われ続けてきたこの日本の国の都市の潤いを、私たちのまちは水と緑と歴史のまちづくりによって、日本の都市としてのふるさとであり続ける、このことが多くの人々の共感を生み、私たちのまちの再生・発展を約束してくれる、そう信じてこれまで微力を尽くしてきたつもりであります。私は市長2期目に当たるこの3年7か月、市議として多くの忌たんのない議論をさせていただきました。すべてを是とすることはできませんでしたけれども、多くの提案には御理解をいただき、また職員の皆さんも一市民ボランティアとして休日を返上されて、雪あかりの路をはじめ、妙見川の柳並木の復活整備など、日銀通りのプラタナスの落ち葉の清掃など御参加をいただきました。また、景観条例の特別景観形成地区の範囲の拡大による見直しや景観法による景観計画の策定への着手、近代化遺構としては全国屈指の旧国鉄手宮線幌内鉄道の取得とその整備の方向性を示されるなど、新谷前市政で見失いかけたこのまちの行くべき方向性を、歴史を生かしたまちづくりという王道にようやく引き戻していただいたと私は評価をしております。確かに財政はひっ迫し、健全化への道はいまだ予断を許さない状況ではありますが、本市の市民には未来を切り開く展望が必要であります。多くの市民は、この間、不安と失望を抱えております。その不安と失望を希望に導かれるべく、首長として未来に向けてしっかりと旗を押し立て、展望を示されるなら、私たち市民はこれまでにも増して協力を惜しまないでしょう。3期目の出馬に向けて、市長の抱負と決意をまずお伺いいたします。次に、駅前再々開発と歩道橋撤去の方向性についてお尋ねをいたします。懸案だった駅前第3ビル再開発計画の事業計画が公表されました。ホテルとマンション、一部商業施設となっております。ホテル棟は10階建て38メートル、マンション棟は17階60メートルと、特にマンション部分については、当初は22階程度の予定と聞いておりましたので、相当の議論の結果と想像され、その努力については評価されるべきものと考えております。私はこれに関連して、駅前歩道橋の撤去の必要性について景観への配慮などから、平成15年第3回定例会以来、何度か議論をさせていただきました。今計画では、ホテル棟が歩道橋に面しており、また2階部分から客室を予定されていることから、その撤去を前提と考えているかと思われますが、そう理解してよろしいのか、お尋ねをいたします。また、あわせて駅前交差点のスクランブル化は、駅周辺商業者や駅再開発ビル入居予定テナントの強い願いであるとお聞きしております。関係機関に対してその実現に向け、強く要望されるよう、重ねてお願いをしておきます。先日、北海道観光連盟の案内で、JR北海道苗穂工場で行われましたデュアル・モード・ビークルの試乗会に参加をさせていただきました。デュアル・モード・ビークルは、JR北海道がその総力を挙げて世界に先駆けて開発をされた技術で、鉄道と道路を一つの車両で同時に走行できる乗り物であります。皆さんもテレビのニュースなどで御承知かと思いますが、市販のマイクロバスを改造して、鉄路も走行できるよう、鉄輪を車体に組み込み、それを油圧で上げ下げして道路と鉄道の双方に対応できるというものであります。鉄道から道路へ、また道路から鉄道への乗換えも10ないし15秒と大変スムーズであります。車両価格も1台2,000万円ということで予定されております。また、年間保守費も55万円程度と見積もられており、全国各地からその活用に向けて問い合わせや視察が相次いでいるとのことであります。近く国際特許も申請されるということで、海外からも問い合わせがあるそうであります。来年の4月には道内釧網線浜小清水-藻琴駅間で試験的営業運行が予定されておりまして、鉄路11キロ、道路21キロメートルのこの路線の試験走行は、観光周遊型運行ということで、沿線住民の利用のみならず、観光客の利用も想定しているということで、私も大変注目をしているところであります。ただ、車体の重量が6.2トンということから、乗車定員が13名しか乗れませんので、今後18名ないし20名に増員できるよう、改良が必要とのことでありました。課題があるにせよ、本市でも旧手宮線と観光スポットの周遊など鉄路と道路とを組み合わせた新たな移動の手法として、研究の価値はあるかと思います。旧手宮線を含む手宮北運河かいわいが、次の交流観光の拠点として期待をされている今、将来の活用に向けての研究課題として取り上げていただくよう要望しますが、御所見をお聞かせください。次に、新市立病院のがん医療の充実についてお尋ねをいたします。新市立病院の医療の柱を、先ごろ脳神経外科、心臓血管及び循環器科、がん診療の三大疾病とされたことは評価をいたしたいと思います。そのうち、脳神経外科、心臓血管外科については、第二病院の特色としてこれまで評価をされてきており、さらなる充実を期待するものであります。しかし、がん医療について、放射線治療は一定の評価があるのは承知をしておりますが、外科治療、がん薬物療法による内科的治療の不足など、多くの課題があるのではないでしょうか。3人に1人ががんで死亡している近年、日本のがん医療は欧米に比べて極めて遅れていると言われており、その原因は外科、放射線科、抗がん剤に精通した「腫瘍内科医」の連携によるチーム医療の確立の遅れだと指摘されてまいりました。特に抗がん剤やその副作用を抑える薬などの組合せは、数百種類にも上るとされ、その知識を欠いた医師による治療で多くの患者が苦しみ、またそのせいで死に至る事例など医療事故が多発していると言われております。その現状からがん薬物療法専門医の育成が急務とされているところです。昨年11月、日本臨床腫瘍学会が他の学会に先駆けて、その育成を図るため専門医認定試験を行い、本年4月に全国で47名ががん薬物療法専門医と認定をされたそうであります。道内でも札医大1名、札幌斗南病院の医師1名の計2名が認定をされております。この資格取得に当たっては、2年以上の臨床腫瘍学会の会員であること、医師国家試験合格後2年の初期研修を終了した後、5年以上がん治療の臨床経験があること、また同学会が認定した研修施設で所定の研修を2年以上受けることなどや、さらに受験の際には過去5年間に行ったがん薬物療法30例の症例実績報告が求められるという大変ハードルの高いものとなっております。今後日本癌学会、日本がん治療学会、日本臨床腫瘍学会、また全がんセンター協議会などが協働でカリキュラムの作成、教育セミナーの実施など、本格的ながん治療認定医の認定制度の創設が検討中とのことであります。アメリカでは1万人いると言われるこの専門医の育成に向けて、日本でもようやく制度が発足しようとしております。今後、日本でも4,000人から5,000人の専門医の育成を目標として、また認定施設も全国で200か所を目標として掲げられております。新市立病院もがん治療を柱として定められた以上、このような高い技術を習得した専門医の育成、獲得をぜひとも目指していただきたい、そう念願しますが、その抱負をお伺いしておきます。次に、いじめ・不登校問題の解決のあり方について質問をいたします。学校現場でのいじめによる痛ましい自殺やそれに起因する不登校の問題など、一向に解決しない現状にようやく目が向けられ、議論が始まっております。国の教育再生会議でも、この問題に対して、先月29日、いじめ問題への緊急提言8項目を発表しております。加害者を別教室で指導したり、教員もそれを助長した場合、懲戒処分を適用するなど、現場では大変難しい対応を迫られることになると想像できます。いずれにしましても、この問題は学校現場だけで解決できる単純な問題ではなく、近視眼的な解決手法ではかえって問題が複雑化するのではないかと危ぐしております。教育現場では、学科の修得に主眼が置かれておりまして、人間としての教育まで手が回らないのが現状だとお聞きしております。家庭や社会にも他人を気遣い、ともに支え合うというような余裕がなくなってきている現状は、子供たちにも大きな影響を与えております。地域が学校とともに子供たちを見守り、支え合うことが重要との認識から、私はこの間、学習支援ボランティア制度の本市独自の取組への着手をお願いしてまいりました。主に退職された教員OBにボランティア登録を呼びかけ、お住まいの学区ごとに集まっていただき、どのようなお手伝いをしていただけるのか、一度制度設計も含めて相談されたらいかがかと思いますが、いかがですか。熱意を持って事に当たられれば、私は学習支援にとどまらず、人間教育も含めて広く自由に学校運営にも協力していただけるのではないかと思っております。これまでも申し上げておりますとおり、教室の後ろから生徒を見守り、学習支援をしていただくことはもとより、休み時間などにも生徒にまじって過ごしてもらうなどしていただければ、いじめの発見や防止にも大変役立つのではないかと考えます。私は文部科学省の学習支援員制度に先んじて、市独自で早急な制度化の検討の実現を再度ここで要望いたしますが、御所見をお伺いいたします。以上、5項目、お尋ねをいたしまして、再質問を留保し、私の質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。初めに、次期市長選に向けての抱負と決意ということでありますけれども、当面する最大の課題は多額の赤字を抱える本市財政の再建でありまして、次の4年間がまさに正念場であると考えております。また、病院の新築統合につきましても、就任以来の課題でありますし、中心市街地に活力を取り戻すための施策についても積極的に進めたいと考えております。そのほかにも、市政の課題は山積しておりますけれども、具体的な政策や公約につきましては、これから各界、各層の皆さんの御意見を伺いながら立案をしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、財政再建を進めながら、これらの課題に真正面から取り組み、着実にその成果が得られるよう、確固たる決意を持って引き続き市政を担ってまいりたいと考えております。中長期の市政運営につきましては、新しい総合計画を策定する中で、市民の皆さんとともに議論をし、小樽の将来像を描いてみたい、そのように考えております。本市には先人が築いた多くの歴史遺産が、戦禍や高度成長期の破壊を免れて残され、また市民のまちづくりへの思いも積み重ねた歴史の中で高いものがあると感じておりますし、小樽のまちと人々には大きな潜在能力が秘められていると思っております。厳しい財政状況で短期的に大きな投資はできませんが、このことを大切にして、市民の皆さんとともに知恵を出し合い、ともに汗をかいてまちに磨きをかける、この気持ちを常に心に抱いて、引き続き市政運営に当たってまいりたいと考えております。次に、小樽駅前歩道橋についてでありますが、この歩道橋につきましては、これまでに市民や来街者など多くの方々から、小樽駅からの眺望を阻害していることなどから、撤去についての要望がありました。市といたしましては、再開発準備会から具体的な計画が示されたことを受けまして、10月から11月にかけて関係町会や商店街の皆さんに歩道橋撤去についての意見をお聞きするため、意見交換会を開催したところであります。今後とも公安委員会や道路管理者である北海道など関係機関と協議しながら、撤去に向けて調整をしてまいりたいと考えております。次に、デュアル・モード・ビークルの将来の活用についてでありますけれども、デュアル・モード・ビークルは道路とレールの両方を自在に行き来して走行できる新しい乗り物としてはJR北海道が研究・開発を進めており、道内ばかりでなく全国的にも注目されていると承知しております。来年4月から試験的営業運行が始まり、新しい輸送システムとしての実用化に向け、車両や運行システムなどにおいて、さらに必要な改良が加えられるものと考えられますので、デュアル・モード・ビークルについて、今後とも情報収集をしてまいりたいと考えております。次に、がん診療についてでありますけれども、がん治療には外科手術、放射線治療、そして抗がん剤などの薬物療法へと発展してきており、またこれらを組み合わせた治療も行っております。また、近年は患者が定期的に放射線治療や抗がん剤の点滴を受ける外来治療が増加してきております。このような状況も踏まえて、また高齢者人口の占める割合が高い本市においては、高齢者にとって負担が大きい手術以外にも治療の選択肢を広げなければならないと考えております。そういった中で、現在、市立小樽病院では、後志地域で唯一放射線治療を行っておりますので、新病院においても中心的な役割を果たしていきたいと考えております。なお、がん治療の専門医はまだまだ少ない状況で、都道府県単位での配置が課題になっている現状でありますが、市立病院独自での確保は当面困難な面もありますので、配置されている医療機関等との連携をとり、治療効果を上げてまいりたいというふうに考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。各学校での教科の指導やいじめ防止のための学習支援ボランティアについてでありますが、現在、総合的な学習での講師や読み聞かせをはじめとして、中学校のクラブ活動のコーチなど、さまざまな形で地域の方々の協力を得ながら活動を行っております。また、地域子供教室推進事業におきましても、多くの地域の方々にボランティアとして活動に取り組んでいただいております。各教科などの学習支援ボランティアについては、人材を確保するなどの課題もありますが、地域全体で子供たちを支えていくことは大切なことであると受け止めております。現在、市教委では学習支援ボランティアにかかわるさまざまな課題について情報を収集している段階にありますので、国における動向や先進地での取組と課題などを参考にしながら、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
再質問 17番 山口保
再質問、1点だけです。駅前の歩道橋についてですけれども、今、都市計画決定に伴う縦覧をしていますね。計画そのものは先ほど私が申し上げたとおり、ホテル棟が前みたいに歩道橋の方に来るわけですね。1階がホテルのフロントになりますね。2階がもう部屋になるわけですから、それに歩道橋がくっつくというのは、もう当然その時点で歩道橋というのは撤去を前提にしているのではないかとお聞きしたのです。だから、基本的には今の計画どおりになれば、当然、歩道橋の撤去というのはなると思いますけれども、その点について、もう一回しっかりとしたお答えをいただきたいと思います。
答弁 建設部長 嶋田和男(建設部長は2009年3月まで)
山口議員の再質問にお答えをいたします。準備会の方では、歩道橋を撤去するという前提で全体構想をつくったのではなくて、あのエリアとしてどういう形で再開発をすれば活性化につながるという結果が、要するにホテル棟が中央通り側に寄って2階から居室ができるということでございますので、あくまでも検討結果の中で、そういう状況になったということで御理解をいただきたいと思います。(「議長、17番」と呼ぶ者あり)
再質問 17番 山口保
それはわかりますけれども、客室になっているわけですね。そこに歩道橋がくっつくようなことというのは、現実に考えられないわけです。だから、そういうことも議論されて、言ってみるなら、今縦覧されているものは、そもそも歩道橋がつくような形にはなっていないと思うのです。そこは認めていただきたいと思いますけれども。
答弁 建設部長 嶋田和男(建設部長は2009年3月まで)
今、計画が立案された中では、2階が居室になってございますので、歩道橋がとりつけられた状況にないことは事実でございます。