小樽市議会 平成16年第4回定例会 2004年12月9日
(1)市財政ひっ迫と三位一体改革の動向について/(2)都市展望と市民議論の必要性(地域再生中長期的視点の議論)/(3)観光基本計画/(4)経済活性化会議/(5)新景観法と市景観条例(市景観条例の見直しについて)/(6)まちづくり基本法の制定(まちづくり基金の創設について)
2004年12月9日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「市財政ひっ迫と三位一体改革の動向について」「都市展望と市民議論の必要性(地域再生中長期的視点の議論)」「観光基本計画」「経済活性化会議」「新景観法と市景観条例(市景観条例の見直しについて)」「まちづくり基本法の制定(まちづくり基金の創設について)」について質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 山口保
私が最後になりましたので、簡略に議論を行います。時間も押してまいりましたので、今回だけは再質問をしませんので、理事者の方々には誠実なお答えをいただきますようにお願い申し上げます。なお、幾つかの点につきましては、経済常任委員会等、他の委員会で議論を深めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。まず、先月26日、政府与党が決定しました、いわゆる三位一体の改革案についてであります。そもそも三位一体改革は、中央集権から地方分権への質的転換と財政再建を同時に目指すものと言われてきました。自治体に財源や権限を移譲し、みずからの責任と判断で財政運営を任せ、そのことによって財政の効率化を図り、財政再建を目指すというものであったはずであります。これまで無駄の多かった補助金を削減し、特に地方に裁量の余地の大きな公共事業分野での税源移譲が不可欠であったはずであります。しかし、今回の決定は、義務教育の国庫負担金など、地方の裁量の余地のない分野が大半を占め、生活保護や児童扶養手当などにも手をつける道筋を示したものになりました。国はみずからのリストラに一切手をつけず、地方ばかりにリストラを迫るものと言わざるをえません。そして、さらなる地方交付税の削減を求めようとしております。国の財政運営失敗のツケを地方に肩がわりをさせる意図しか見えない今回の決定は、断じて認められないものであります。このような理不尽な今回の決定について、市長はどのように評価をされているのか、見解を伺います。こんな状況の中、本市財政は瀬戸際まで追い詰められております。今定例会にも市の公共施設使用料の改平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録定が提案されており、その財政効果は軽微なものにとどまると推測されます。今後どのような財政運営をされるのか、他の議員の方も聞いておられましたけれども、その見通しをお聞かせください。また 今月1日の市立病院調査特別委員会では 基本構想で示された事業費253億円を 床面積などの縮小、 、 、で69億円を圧縮し 構想の見直しを検討されていると聞いております その結果 総事業費が194億円に圧縮、 。 、されたとしても、大半は起債でやりくりすることになります。また、一般会計での負担も、今後30年で、概算で72億円と聞いております。さらに、新病院の経営が計画どおりにいかなければ、当然これまでのように一般会計からの繰入れも想定されております。議会ではここ数年、特別委員会を中心に真しな議論がなされていることは承知しておりますけれども、市民の中に入ってお話を聞いておりますと、運営主体や場所の選定など、さまざまな議論の余地が残っているように感じられてなりません。財政再建のめどが立っていない中、いま一度この問題を市民議論に付して、時間をかけて練り直すお考えをお持ちではないのか、お尋ねをしておきます。私は昨年春に市議初当選以来、地域再生の中長期的な視点に立ち、未熟ながら、さまざまな提案や議論をさせていただいてきたつもりであります。それは、財政難の中、様々な市民サービスのカットや、職員の給与カットなど、市民、行政が痛みを分かち合う、こういうときこそ将来に向けての、少しでも明るい展望を議論し、切り開かねばならないと考えるからであります。歴史的景観の保全はもちろん、景観を阻害し、バ、 、 、リアフリーの精神に逆行する歩道橋の撤去や 街路樹のせん定の見直し 住宅街の細街路の歩車共存化など環境対応型の都市整備の必要性を訴え続けてまいりました。これらは市財政にとって軽微な負担ででき、市民からは時代のニーズに合った大きな都市政策の転換として歓迎されるものと信じております。これは国が美しい国づくり政策大綱をまとめ上げ、新たな都市整備の入り口に立った今こそ、真っ先に本市が取りかかるべきものと考えます。全国各地で自然や都市景観の保全や再生の取組がなされ、競うようにそれを観光へと生かそうとしている中、かつて高度経済成長から立ち遅れ、いわゆる都市の近代化に遅れた分だけ歴史的景観が残り、その保全・再生に取り組み、一大観光都市へと変ぼうを遂げた、一周遅れのトップランナーと評された私たちのまちだからこそ、先べんをつけるべきと考えます。これは中長期というより、短期的な課題と考えますが、市長のご所見をお伺いいたします。私は、さきに本市観光が曲がり角に来ていると申し上げてきました。入込み数に比べて物が売れなくなってきたと、堺町の業者の方々からお聞きしております。そして、観光で訪れる方々からは、何度も来ているし、買いたいもの、目新しいものは何もない、また空港でも買えるから、また値段も変わらないと、そういうお話をいただきます。観光とはその国の光を観るという意味だと教えられたことがあります。その土地の風土や文化に触れられる、そうした出会いが観光の本質ではないかと考えさせられました。私は長年全国の北海道物産展に出展をしておりますが、帯広を中心とした十勝地方からは、次々と新しい店が出展されるのを見てきました。そして、本年、十勝ブランド認証委員会が、これは財団法人でございますけれども、原材料や製造工場が十勝であること、味覚や安全性を審査して新たなブランドを確立しようと努力されていると聞き、なるほどと合点がいった思いをしました。農業や漁業の1次産業と第2次の加工、それから3次の販売と地域の中で連携し合い、地域特産を生み出していく、そうした取組の重要性を、十勝の例を挙げて、本年の第2回定例会の経済常任委員会でも話を申し上げております。後志第1次産業圏と本市の第2次産業、観光関連の3次産業との連携は必須の課題であります。この観光の質的転換の問題について、中長期的な展望と取組が必要だと考えます。ご所見を伺っておきます。平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録また、この間の観光のありようは、おおむね堺町や運河南側の一部を中心としたツアー観光対応型ではなかったのかという思いがあります。近年の観光はパーソナルへと変化していることは、平成9年の観光誘致促進協議会調査研究部会の報告でも指摘をされているところであります。また、本年10月に北海道経済部や日本政策投資銀行北海道支店がまとめた報告書では、首都圏に住む50代、60代の22パーセントが、北海道に5回以上訪れたリピーターだと報告しております。ツアー観光をおみやげ観光だとするなら、パーソナルやリピーターに対応する観光は交流型観光だと、私は考えてきました。最近の水天宮を場所的な中心とした花園銀座街、花園飲食街が連携した取組は、堺町から寿司屋通、花銀と、コミュニティ道路の整備をきっかけに少し展望が開けてきたのかなと感じております。於古発川の水辺空間の再生の議論も、一部から提起されております。私は、さきの第2回定例会の代表質問で、旧国鉄手宮線と交通記念館の再生について、若干の提案と問題提起をさせていただきました。市長の答えは、財政ひっ迫の折、市単独では難しい事業だとのことでありました。私もその点では同じ考えを持っております。しかし、構想だけでも必要ではないでしょうか。交通記念館の宿泊施設への転換、再生は、交流型観光の拠点として不可欠だと考えますし、旧手宮線やその沿線のまち並み再生は、電車なき廃線のトランジットモールとして大きな可能性を持つものと考えます。また、前回も述べさせていただきましたように、色内大通り、北運河へと海に向かう広がりや、手宮かいわい人情商店街の再生など、新たな交流型観光の拠点として無限の可能性を秘めております。市長は北運河の観光拠点化への期待を再三述べられておりますけれども、いまだに道遠しの感があります。この際、交通記念館、旧手宮線、北運河の面的な新たな観光拠点化のための構想を、一度まとめるつもりはありませんか。民間に働きかけるにしても、プレゼンテーションできる材料が必要であります。市長のご所見を伺います。次に、観光基本計画について伺います。本計画の策定の意図は何にあったのか、改めてお伺いをいたします。策定委員会の発足から1年半、その議論経過について、ここでお話しいただける内容でけっこうでございますので、ご説明をいただけたらと思います。聞くところによりますと、この秋を迎えてようやく共通の認識ができて、議論の出発点に立てた、これからが本当の議論になるとのことであります。観光誘致促進協議会からも事業推進委員の数名が出席されておりまして、平成9年度にまとめられた調査報告書にかかわられた方も参画されております。当然、活発な議論が期待されていたはずであります。私は、長く観光について考えられてこられ、議論もされてきた委員の方々と、他分野から委員を要請され、参加された方々との認識にギャップがあることは当然と考えておりました。当初から観光関連資料や、それまでの誘致協の議論や調査報告、そしてその後の具体的取組など、事前に各委員にレクチャーをされてから始められていれば、もう少し早く本質の議論に入れたのではなかったかと少し残念に思っております。また、誘致協でも、最近ようやく報告がなされました。今後は誘致協とも連携し、より密度の高い議論がなされるように要望をいたしておきます。また、3月の期限まであと3か月でございます。それまでにまとめるつもりなのかどうかも、あわせてお伺いをしておきます。次に、地域経済活性化会議についてであります。本年5月に報告をされた提言書を基に、香港マーケットリサーチ事業、地場産品ホームページ作成事業、ホスピタリティ啓発事業、地場産品評価基準調査事業、アンテナショップ展開事業と五つの事業が提起をされ、そのうち香港マーケットリサーチ事業は、先般香港そごうにて地場産品のPRや販売など無事終えられたことは報告をいただいております。また、アンテナショ平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録ップ展開事業は、銀座松坂屋の都合により、やむなく断念をされた旨報告をいただきました。私は、当初の、 、 、 、議論の提案項目にある 例えば地場に特化した製造業の育成 地域間連携による産業振興 地産地消の推進産業文化及び遺産の保存・継承など、観光をキーワードとして議論されてきた経緯を考えますと、そのような重要な観点がどうして取り上げられなかったのかと、残念に思っております。今後、具体化が求められている地場産品評価基準調査事業も、すし店を鮮度や接客などで評価、認定して、認証ステッカーを発行するとなっております。これは基準審査会をつくって認定することとなっておりますけれども、客観的な調査や評価をどう担保されるのか、また、鮮度や接客などという極めて安易な基準では無意味になりはしないかなど、先ほど例を挙げさせていただいた財団法人十勝ブランド認証委員会の姿勢とはあまりにも落差を感じております。そもそも本市の観光が入込み数に比べて経済波及効果がいまだ小さく、地域の第2次産業と観光とをリンクさせ、地場産品の開発や再生によって経済波及効果の増大を図る、このことこそが市財政再建に資する議論ではないでしょうか。現にある地場産品の紹介は、全国のデパートの物産展などに多くの業者が出展することで、もう既に行われてきておりますし、ホスピタリティの啓発やガイドの養成などは、観光振興室や観光協会などで曲がりなりにも実施されているところであります。私は、産業振興と観光がリンクされて議論されるべき絶好の機会に、先ほど来、るる申し述べさせていただいたような本質的な議論は抜け落ちたまま終わってしまうのではないかと危ぐするものであります。今後どのように進めていかれるのか、お尋ねをしておきます。次に、市景観条例の見直しについてお尋ねいたします。本市景観条例は昭和58年にスタートして、平成4年に全面改定され、今日の「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」として定着をしてまいりました。改定後12年を経過した今、さまざまな状況の変化に直面をしております。特に本条例では特別景観形成地区の範囲が狭く、そこに隣接する重要な地区に次々と高層マンションが建てられ、近年地価の下落が著しく、その傾向が顕著になりつつあること、最近話題となった旧板谷邸のある水天宮などの重要な眺望景観地域などは、新所有者の理解で何とか景観を守れそうな空気となっておりますけれども、一たびマンションなどの高層建築が計画されても規制や指導が及びがたいこと、中央地区を挟んで南北の色内通りなど、旧国鉄手宮線から海側の重要な地域が地区指定から外れていることなど、本条例にはまた強制力がなく、指導・助言にとどまっていることなどの多くの課題が浮き彫りになっております。本年12月より一部施行されます国の新景観法は、地域内で建物を建築する場合、届出制とし、配慮すべき景観の基準は各自治体が定めることとしております。違反者に対しては市町村長が変更を命じることができ、罰則を設けられることになっております。私はこの際、本条例の見直しに着手されるよう要望いたします。市長のご所見をお伺いいたします。言うまでもなく、本条例のこのような見直しは、当該地区住民の広く市民の議論や理解と協力なしには実現は困難と理解しております。本市は幸いなことに、応援団とも言うべき都市計画や建築史、まちづくりの多くの有識者を道内、道外を問わずに持っております。私はこれを機に、これらの人々に働きかけ、本市に集まっていただいて、多くの市民や行政も交えた議論の場をぜひ設けられるよう、お願いをしておきます。あわせて見解をお示しください。私はまた、財政の担保なしに新たな景観行政や景観の保全は困難だと考えています。本市は財政難の折から、指定や登録の歴史的建造物などへの助成を、本年から決められた額の10分の6への減額を余儀なくされております。財政に余力がないのであります。本市が景観行政から後退すれば、せっかく成長してきた観光平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録に水を差し、衰退の道に転落することをじゅうぶん勘案しても、なお苦渋の決断をされたのだと理解はしているつもりでございます。私は、さきの第2回定例会で、長野県泰阜村の住民参加型ふるさと思いやり基金の話をさせていただきました。具体的には「日本一の福祉・健康のまちづくり」や「森林整備・環境保全」などのテーマごとに、一口5,000円程度の寄付を募集しております 政策メニューを示し 都市で暮らす同村の出身者のみならず 同。 、 、村が掲げる政策に共感する都市住民からの寄付を受けようというものであります。最近、後志管内ニセコ町が同様の試みを始めるとお聞きしております。本市もぜひ導入の検討をされるべきと申し上げました。歴史的環境保全でいえば、大分県臼杵市が、昭和60年には条例によって歴史環境保存基金を設立しております。これは市の積立金と民間からの寄付金でスタートしたと聞いております。自治体が条例で設立した場合、寄付金控除の対象となるなど、寄付が集まりやすい利点があります。私は、このような試みが何の準備や条件整備もなく成功するとは思っておりません。私は、本市に求められている都市像をはっきりと外に向かって示すこと、先ほど来、るる申し述べさせていただきました環境対応型の都市整備への決意、歴史的景観の保全・再生や地域循環型経済の確立への熱意など、まちづくり基本法ともいうべき確固たる住民憲章を外に向、 。かって本市が示すことができたときに このような試みは必ず成功することができるものと信じております市長のご所見をお伺いいたします。以上、私の質問を終わらせていただきます (拍手)。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
山口議員のご質問にお答えいたします。初めに、政府・与党の示した三位一体改革の全体像についてでありますけれども、評価ということでございますが、率直に言いまして、全体像が見えたとか評価できるとは言いがたいと感じております。その理由としましては、多くの課題が先送りされるとともに、平成19年度以降の将来像が不透明であり、地方にとって不安要素を残している点であります。焦点であった義務教育費は地方案に配慮し、一定の方向性が見えますが、あくまで暫定措置で、来年秋の中央教育審議会の結論を待たなければなりません。また、地方案では削減対象としなかった生活保護費、児童扶養手当負担金の削減について、平成17年度中に検討を行い、18年度に実施されるとされましたが、これらは格差なく国による統一的措置が望まれる項目でありますので、制度自体の抜本的な見直しがなされない以上、削減されるべきではないと考えております。また、最も注目しておりました地方交付税については、平成17、18年度の2か年間は大幅な削減は避けられましたが、削減の方向性に変わりはなく、今後の動向を注視していく必要があります。税源移譲につきましては、所得税から個人住民税への移譲が明記されましたが その額は2兆4,000億円程度にとどまっており ふじゅうぶんな感、 、じがあります。いずれにいたしましても、平成17年度の具体的姿は年末の国の予算編成を待たなければならず、今後の情報収集と内容の分析が必要でありますので、今のところは不確定要素が多く、見通しを立てられる状況にはありません。次に、今後の財政運営でありますが、これまでにお示ししております財政健全化の取組や行政改革の取組について、緩めることなく着実に実施していくのは当然でありますが、厳しさを増した現下の財政状況を考平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録えますと、さらなる取組を前倒しして実行する必要がありますので、行政と市民の役割分担やさらなる組織・機構の改革など、速度を速めて進める必要があると思っております。しかし、現行の制度の中で、扶助費や医療費、公債費の負担などにより硬直した本市財政の建て直しのためには、制度の見直し、財源保障の充実などについて、他の地方団体とも連携して、国や関係機関に強く働きかけてまりたいと考えております。いずれにいたしましても、厳しい財政環境の中で不断に努力を続け、市政運営に当たっていく所存でございます。次に、新市立病院の建設でありますけれども、二つの市立病院は施設の老朽化、狭あい化が著しいことから、市民の皆さんの新病院建設への要望も強く、また、二つに分かれていることによる非効率を解消するためにも、市立病院の統合新築は急務と考えております。市立病院基本構想策定までには、市民や関係団体の代表による市立病院新築検討懇話会からの提言を受け、また、両病院の医師による新市立病院構想検討会議から報告書が出されております。また、これらの提言や報告書を踏まえ、新病院の医療機能と医療の提供体制などについて検討を重ね、新病院のあるべき姿として、平成14年4月に新病院建設整備方針を策定しております。基本構想は、これらの検討結果をはじめ、一般市民などを対象にしたアンケート調査などを基礎として策定に至ったものであります。しかし、新市立病院の建設は小樽市にとって多大な財政負担となることから、このたび基本構想の精査・検討を行い、総事業費の縮減を行ったものであります。建設実現に向けては、今後、病院事業会計の収支予測について、財政健全化計画にどのような影響を及ぼすかなど見極めるとともに、国や北海道との協議を進め、一定の見通しを立ててまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、市立病院を統合新築し、病院機能の充実と効率的な医療体制の整備を図るため、さまざまなご意見もありますが、それらを踏まえて新しい病院を一日でも早く実現してまいりたいと考えております。次に、環境に対応したまちづくりでありますけれども、少子高齢化の進展や行政における財政のひっ迫など、まちづくりを取り巻く環境は大きく変化してきており、これらの課題に対応して、魅力ある小樽を築き上げていくことが重要な課題と認識しております。大きな財政負担を伴う政策については現状では難しい面もありますが、市民と連携した施策や民間活力の導入など、短期的に実施すべき施策も多くあると考えており、市民要望を受ける中で知恵を出し合い、環境に配慮したまちづくりに努めてまいりたいと思っております。次に、観光の質的転換でありますが、先般の観光入込客数の結果を見ても、北海道観光、特に小樽観光にも厳しい風が吹き始めたと認識しております。現在、地域経済活性化会議や観光基本計画策定委員会などの中で、小樽観光の底上げに向け、精力的な検討・協議が進められておりますが、ご質問にありました後志1次産業圏と本市の2次産業、さらには観光関連の3次産業との連携は重要な課題であり、広域観光躍進のキーポイントになると考えております。先日、香港マーケットリサーチ事業を終えまして、その後はアンケート調査結果の集計・分析を行い、売れ筋商品の開拓、既存商品の改良や新たな商品の開発などを図ることにしております。また、昨年5月に小樽市の呼びかけで発足しました後志の自治体や商工会議所等の職員が参加する自治体連携・産業振興事業検討会議におきましても、物産展の共同開催の検討や民間企業間の連携推進をはじめ、各種情報交換等を行っており、今後とも後志地域との交流・連携を進めてまいりたいと考えております。次に、交通記念館、旧手宮線、北運河の面的な新たな観光拠点化の構想づくりでありますが、この周辺地域は往時の小樽をしのばせる歴史的景観や文化財などを有しており、今後、本市全体のまちづくりの視点か平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録らも、この景観の保全や観光拠点としての魅力の向上を図る必要があると考えております。現在、国におい、 、 、ても 観光の視点から多くの議論がなされているところでありまして 今後それらの情報収集に努めながら国、北海道、地域の方々との連携を図り、住んでいる市民はもちろん訪れる人にとっても魅力のある地域となるよう、三位一体で知恵を出し合いながら、ビジョンづくりをしてまいりたいと考えております。次に、観光基本計画でありますけれども、本計画策定の意図でありますが、商工港湾都市として発展してきた本市は、近年、全国的にも有数の観光都市に成長を遂げ、これに伴い観光産業は、本市経済において基幹的産業の一つに位置づけられるまでに至っております。観光は、厳しさが続く地域経済の底上げのためにもすそ野が広く即効性のある産業分野であり、また、本市のこれからのまちづくりにおいても重要な要素であることから、現時点において、これら観光を取り巻く状況を総合的に把握し、将来を見据えた観光ビジョンを策定する必要があると判断し、基本計画を策定することといたしました。次に、策定委員会における議論経過でありますが、昨年11月に発足以来、7回の会議を開催したほか、本年5月には、策定委員会の下にワーキンググループであります検討部会が発足し、13回にわたり会議が開催され、それぞれ検討が重ねられてまいりました。これまで策定委員会において、まず小樽観光の現状と課題についての共通認識を持ちながら、委員会の進め方や本計画の基本理念について話合いがなされ、現在、これを基に基本方針についての検討が続けられております。次に、策定の時期でありますけれども、当初の予定は、策定委員会における協議の集約を今年度中に行うこととしておりましたが、委員会から、時期にこだわることなく検討を進めたいとの要望がありました。市といたしましても、委員の皆さんの熱意がじゅうぶんに盛り込まれた観光基本計画となることを望んでおりますので、策定委員会の意向を尊重しながら、来年度の早い時期での策定をめどに、今後の作業を進めてまいりたいと考えております。次に、地域経済活性化会議でありますが、昨年6月に発足後、地場産業振興、人材育成や地域間連携などの観点から議論を重ね、即効性があり、かつ経済波及効果が最も期待できる分野として、観光をキーワードに具体的な事業を検討することとなり、現在、三つのワーキンググループで各事業を企画・実践しているところであります。今後の進め方でありますが、当面、香港マーケットリサーチ事業において、香港で実施したアンケート調査結果を基に、売れ筋商品の開拓、既存商品の改良や新たな商品の開発を目指し、次年度の開催へつなげるよう取り組んでおります。また、地場産品評価基準調査事業においては、評価基準検討委員会を設置して、適正な評価基準項目の確定や研修会の開催をはじめ、審査機関や運営主体などを協議する予定となっております。現在、地域経済活性化会議の中では、すそ野の広い産業分野である観光をキーワードとして事業展開されておりますが、今後いっそうの経済波及効果の拡大を目指して、ご提案にあります製造業の育成や地域間連携による産業振興など、そういった観点からの事業の実践も重要なものと考えておりますので、ご提言の趣旨は地域経済活性化会議にお伝えしてまいりたいと思います。次に、景観条例の見直しでありますけれども、本市では、平成4年に「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」を施行しておりますが、規制に強制力を持っておりません。国は、景観計画区域や景観地区等における良好な景観の形成のための罰則規定が盛り込まれた景観法が、一部を除いて今年12月中旬に施行することになっております。本市では、景観条例の見直しや景観法の適用について検討を始めたところでございます。平成 16年第 4回定 例 会 本 会議 録次に、景観形成に係る議論でございますけれども、現行条例の制定に当たりましては、多くの市民の参加を得て、多くの議論を行い、制定したものであります。本条例が制定後12年を経過していることから、条例の検証を行うとともに、まち並み保全の規制の在り方などについて検討するため、景観審議会の中にワーキンググループを立ち上げたところであり、今後とも市民、産・学・官などから広くご意見をいただいてまいりたいと考えております。次に、まちづくり基本法の制定でありますけれども、本市は市制施行以前から、さまざまな面で全国各地の多くの人々に支えられてまいりました。この間に刻まれ、あるいはまたはぐくまれた歴史や文化、培われた産業などは今も数多く残されており、これがまちの個性や魅力となっております。これらの地域特性を市民のみならず全国の小樽ファンとともに守り育てていくためには、新たな住民参加型自治の確立という観点でのまちづくり寄付条例の制定は、まちづくり政策に内外の多くの人々の思いや心が反映され、具現化される有効な手段であると考えております。その意味からも、これまで以上に情報の共有に努め、市民の皆さんが積極的にまちづくりに参加する気運の醸成を図りながら、既に条例を制定された自治体の取組の研究や制定後の推移など情報収集に努め、まちづくり基本条例や寄付制度の制定について検討していきたいと考えております。