新冠町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月12日
ヒグマ対策について
2025年9月12日、新冠町議会の一般質問で、武田修一議員が「ヒグマ対策について」質問し、町長 山本政嗣、教育長 下川徳久が答弁しました。
- 質問者
- 武田修一 議員
- 答弁者
- 町長 山本政嗣、教育長 下川徳久
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 武田修一
はい。それでは、「ヒグマ対策」について早速質問に入らさせていただきます。最近、全道各地でヒグマの出没や食害が相次ぎ、また、人命に関わる重大な事例も発生しています。町内においても様々な場所で目撃されており、これまでどおりの対応ではうまく立ち行かなくなってきているのではないかと大変危惧しているところであります。日々命がけでヒグマ対策にあたっているハンターの皆さんはじめ、関係する方々には改めて心から感謝申し上げます。また、担当する町職員の皆さんも大変御苦労さまです。ヒグマは移動距離も大きく、どこに潜んでいるのか分からないなど難しい問題も少なくありませんが、だからこそ、町民のより安全安心な暮らしのために、災害級の対策が急務であると考えますが、現状はいかがか、御所見を伺います。
答弁 町長 山本政嗣
武田議員から御質問頂きました「ヒグマ対策」についてお答えを申し上げます。近年、ヒグマの出没や、それに伴う食害が増加をいたしまして、さらに市街地における人身被害の発生など、人の軋轢が深刻化していることを踏まえ、国は昨年4月、鳥獣保護管理法におけるクマ類の位置づけを「保護動物」から「管理動物」へ変更する改正を行いまして、同法に基づいて、北海道は、第2期北海道ヒグマ管理計画を昨年12月に改定をしております。改定のポイントは、人との住み分けを図るゾーニング管理や個体数管理、モニタリング専門人材の育成などが盛り込まれているところであります。ヒグマ個体数につきましては、前段の伹野議員への御答弁で申し上げましたけれども、371991年に対して2023年実績でそれぞれ約2倍に増加をしておりますし、新冠町内での出没状況でも増加傾向があるわけでございます。また、農作物の被害におきましては、デントコーン畑をモニタリングしておりますけれども、令和4年から令和6年のこの3年間において、年間平均で3350万円程度の被害を確認しており、これらの増加も懸念材料の一つとして捉えているところであります。また、議員御指摘のとおり、農村部の家庭菜園における食害、判官館森林公園、新冠温泉付近など、人の日常生活圏域への出没が増加傾向にありまして、人との軋轢が増加することによる人身被害を防ぐ仕組みの構築が急務であるとの認識のもと、関係機関との連携、調整など準備を鋭意取り進めているところでもございます。御質問にもございましたとおり、ヒグマの移動距離や潜んでいる場所の予測がつかない中でも、対応が必要なわけでございますが、人との軋轢との低減に向けた方策の一つとして、国と北海道はヒグマとの空間的な住み分けを図るゾーニング計画の策定を推奨しております。国、北海道の見解においては、市街地、市街地周辺、農耕地と森林などのクマの生息地の地域区分を設定をする、いわゆるゾーニングをする。クマの生息域と人の日常生活域を隔てるための緩衝帯を整備する。そして、放任果樹等の誘引物の管理、移動ルートとなる河川の生息環境管理などを講ずることが有効な手段であるとされていることでありますけれども、当町は、市街地付近にも農耕地や森林が混在しておりまして、ゾーンの設定や考え方について、現在、北海道ヒグマ対策室及び大学のヒグマ研究者へ照会中でございますけれども、それらの作業を進め、当町のヒグマゾーニング計画を策定し、運用を進めてまいる考えでございます。また、先行して取り組んでおります草刈りについて御説明申し上げますが、出没が頻発している旧朝日小学校グラウンド横、町有防風林内の草刈りを昨年から実施をいたしました。クマの背丈が隠れるくらいの草が生い茂っていた防風林内の見通しが図られたことで、草刈り以降は、当該事例は確認されておらず、草刈りは一定の効果が見られたところでありますが、一方で、数百メートル離れた箇所を横断する目撃情報も新たに発生をしており、クマ対策は一進一退であることを肝に銘じながら、今後も取り進める所存でございます。また、市街地等、人の日常生活圏域における出没に関する対応につきましては、緊急銃猟についての答弁のとおりでございますけれども、その対応時においては、議員御指摘のとおり全町職員及び北海道や警察署、猟友会等関係機関による災害級の対応が必要になるものと考えているところでありますし、出没を未然に防ぐ方策の一つとして、日高南部森林管理署と定期的に開催しております林政連絡会議の場におきましても、人の日常生活圏域に隣接する国有林内での防除対策の実施について、強く申し入れを行ったところでもございます。それらを踏まえまして、町では、本年4月の組織改革におきまして産業課内に鳥獣被害38対策推進室を設置いたしまして、これまでの産業課林務係2名での対応から、産業課職員7名での対応とし、夜間休日を含め対応が可能な体制を整備し、クマ出没時の対応の迅速化を図っているところでございます。また、市街地等におけますクマ出没時には、対策室を中心に役場内情報の共有や住民周知、避難に関わる役割分担などのマニュアルを作成し、対応を強化しているところでもございます。いずれにいたしましても、クマの行動を予測することは困難でありますが、鳥獣被害対策推進室を中心に地元猟友会、警察署などとの連携を強化しながら、クマ対応に努めてまいりたいと存じますので、御理解を頂きたいと存じます。なお、本定例会におきましては、クマ出没現場にて対応する職員の安全確保のための必要備品や、住民周知看板等の購入に係る補正予算を計上いたしております。よろしくお願いを申し上げまして、答弁とさせていただきます。
再質問 10番 武田修一
はい。1点目。ただいま答弁にありました、ゾーニング管理につきましても新たな問題も発生しているということでしたけれども、やはりこれが現在の1番効果的でないのかなというふうに思いますので、改めて確認の質問させていただきますけれども、いわゆる緩衝帯づくりのための草刈りについて、国も助成に向けて動き始めたということで、死角の多い藪の仮払いなど関係機関、あるいは町民と幅広く慎重に協議しながら、やれるところから地道に少しずつ進めていかなくてはいけないというふうに思うところですけれども、新冠町においてもその方向で進めると理解してよろしいのでしょうか。改めて伺います。もう1点。人の生活圏への侵入が相次いでいる、今後いつどこで出くわすか分からない、こういったようにヒグマの怖さを知っているつもりでも、本当の恐ろしさは体験した人にしか分かりません。そこで、ベテランハンターの方に協力を頂いて、様々な経験から得たヒグマの特性、習性、行動パターン等の知見を町民が聞ける機会を設けて、かつその様子を後世のために映像あるいは紙に貴重な記録として残し、伝承できる形にしておくというのも必要なことではないかなと考えますが、いかがかお伺いいたします。
答弁 町長 山本政嗣
再質問にお答えをいたします。まず、ゾーニングによります草刈りの徹底といいましょうか、これを積極的に進めるべきということであります。いずれにいたしましても、当町の場合、先ほど申し上げましたように、しっかりとしたゾーニング、グレーなところが多いわけでありますから、ゾーニング計画を策定した中において、専門家の意見もお伺いしながら優先順位、やって効果があるところ、あまり効果39がないところということも、しっかり専門家の意見も聞きながら、必要な箇所については積極的に草刈りを実施するという考え方で、基本的には取り進めてまいりたいなというふうに思います。それから、クマに関する知見、それを学習して、伝承していく機会の創設いうことでの御質問でありましたけれども、やはりクマの行動や習性について知った上で、しっかりと身を守ることを考えていくということについては必要だと思います。議員御指摘のように、それを熟知されている方々というのは猟友会の皆さんであったり、あるいは学識経験を持つ研究者の皆さんであったり、環境省の自然保護官もそうなのかもしれません。そういった方々にヒグマに対する知識、防衛技術というものをお話頂き、あるいは我々がそれを広めていくということは、これから必要な視点であると思います。あわせて、日常生活を送る中において、ヒグマの誘引物となるごみ出しのルールの徹底でありますとか、そういった今まではあまり気にしてこなかったことであっても、そこは行政の役割として、周知徹底を図っていくお願いをするということに関しても大いに取り組んでまいりたいと思いますが、全般的にクマの対策というものはしっかりと検討しながら講じてまいりたいと考えておりますので、御理解を頂きたいと思います。
再々質問 10番 武田修一
はい。下川教育長にもお伺いいたします。学校などの教育現場においても、ヒグマについて学ぶ機会を設けて、知識として身につけておけるようにすることも必要でないかなというふうには考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
答弁 教育長 下川徳久
お答えいたします。6月における当町のクマ出没が多かったことを受け、6月18日に開催いたしました校長会議にて、クマ出没時の対応について児童、生徒並びに職員会において共有することを新冠小学校、新冠中学校両校長に指示いたしております。また、北海道教育委員会は、8月18日付けで、これまでの学校における危機管理の手引の追録という形で、ヒグマの出没について通知を発出しております。その通知文の中に、学級活動やホームルーム活動などで、児童、生徒に対する安全指導やヒグマに遭遇しないための行動に関する指導を行うとありますことから、教育現場において、ハンターを講師として迎え、話を聞き、ヒグマに関する知識を深めることは、ヒグマ被害を未然に防ぐ上で効果的なことと捉え、実現の可能性を図ってまいります。今後も北海道、新冠町、学校現場がヒグマ遭遇の危険性を共通認識し、児童、生徒の安全を確保していきたいと考えております。答弁は以上です。