新冠町議会 令和元年第4回定例会 2019年12月13日
ストレスのない避難所運営について
2019年12月13日、新冠町議会の一般質問で、伹野裕之議員が「ストレスのない避難所運営について」質問し、町長 鳴海修司が答弁しました。
- 質問者
- 伹野裕之 議員
- 答弁者
- 町長 鳴海修司
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 伹野裕之
5番伹野裕之です。議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いストレスのない避難所運営について質問いたします。東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらしたことしの台風 19 号。想定を超えた想定外の自然の猛威により、用意周到のはずの防災・減災対策はもろくも打ち砕かれ、なすすべもなく自然の脅威の前に屈してしまいました。想定外の被害などと報道されていますけれども、果たして想定外の被害だったのでしょうか。昨年の西日本豪雨など、近年の温暖化による異常気象が全国各地で見られ、想定外と言われる自然災害が発生し、防災・減災対策が対応し切れない状況が見られます。そもそも既に策定されている市町村の地域防災計画が年数の経過とともに策定時の想定が現時点での想定との差が生じ、現状において想定17されるべき想定に対応する計画ではなくなっているのではないでしょうか。このような現況のもと、当町においても地域防災計画の策定から年数が経過しているため、現在の自然災害に対応できる防災・減災計画とは言えないのかもしれません。今回の災害で政府は、自治体の要請を待たずに物資を送るプッシュ型支援で食飲料や段ボールベッド、毛布などを届けていますが避難所格差が露呈されました。避難所ごとに物資やスペースの質や量に大きな差が見られ、待遇の悪い場所に長期間滞在せざるを得ない被災者にはストレスになっています。原因は自治体ごとの準備の差と見られ、専門家は改善の重要性を求めています。内閣府は3年前に避難所運営ガイドラインを策定し、避難所の質の向上を求めていますが、自治体の姿勢によって差が出てきてます。避難所に身を寄せた被災者がストレスを感じることなく少しでも前向きになれるよう、環境改善に不断の努力を重ねる必要があります。ストレスのない避難所運営を図るために、次の4点を提案します。1点目は、避難所開設の訓練の実施です。当町においては、これまで防災避難訓練で避難所開設の訓練が行われていません。可能な限りスムーズな開設をするためにも町内すべての避難所において、避難所運営ガイドラインに基づき想定外を想定した支援物資の備蓄を進め、避難所開設の訓練を実施すべきと考えます。2点目は、避難所開設キットの配置です。名古屋市は、熊本大学の研究者が考案した避難所初動運営キットを独自に開発して、災害時の避難所の開設初期運営に必要な備品一式をまとめた避難所開設キットを各区役所に配置しています。これを用いて防災訓練や講習会などで準備を促しています。開設キットに入っているのは立入禁止、使用禁止などの案内標識一式や避難所の運営スタッフが着用するベスト、情報提示などに使うスケッチブック、軍手や懐中電灯などです。名古屋市のホームページでは開設キットの中身を確認したり、案内標識のデータをダウンロードできるようにしています。当町においても同様に、避難所開設キットを各避難所などに配置すべきと考えます。3点目は、国際赤十字のスフィア基準の採用です。日本では災害のたびに避難所の質の問題が浮上しています。特に、避難所生活が長期化すると過酷な避難所環境がストレスを生みます。避難所にいてもストレスなく過ごせる環境を整えなければなりません。その対応策として、国際赤十字などが紛争や災害を想定したスフィア基準が参考になるとしています。例えば、一人当たりの居住空間は最低 3.5 平方メートル、トイレは 20 人に1つ以上、男女比は1対3などの例示とともに、被災者の尊厳ある生活を守るための理念や考え方が示されています。町内の避難所はこのスフィア基準に対応できる想定がなされていないと推察します。可能の限りスフィア基準に対応した避難所運営を行うべきです。4点目は、ペット避難所の設置です。今回の水害では非難指示、避難勧告が発令されたにもかかわらず、ペットがいるために避難所への避難をためらい亡くなった方もいたと報告されています。過去の震災においても他の被災者に迷惑をかけまいとして避難所に入らず、車中生活で体調を壊した事例も多数報告されています。ペット同伴の被災者を想定し18た中で、ペットを持つ被災者のためにもペットとともに避難できるスペースを避難所に設けるべきと考えます。以上、4点についてお伺いいたします。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
伹野裕之議員からご質問の「ストレスのない避難所運営について」お答えいたします。まず、1点目の「避難所開設の訓練の実施」についてお答えします。全国各地で多発する大規模災害を踏まえ、本年各地域において開催した町政懇談会においても、避難所のあり方や避難訓練の在り方についてのご意見、ご提言の声が多く聞かれました。新冠町においては、年一回沿岸部の町民が参加する大津波に対する訓練が全体での訓練となっております。避難所運営については、本年職員が北海道地域防災マスター認定研修会においても、避難所運営の模擬訓練を実施した報告も受けており、その大切さを認識しているとこであります。新冠町では、沿岸部の避難所を中心に3日間程度をしのげる食糧備蓄をしておりますが、長期間の避難所運営への対応として、例えば停電時、断水時にライフラインが寸断された場合の避難所運営をどのようにするかなど、具体的な対応策を計画していないのが現状であります。ご質問にございます「避難所開設の訓練」につきましては、当町でまだ策定していない『避難所運営マニュアル』の整備を先行しなければならないと考えており、北海道が示している『北海道版避難所マニュアル』、内閣府が示している『避難所運営ガイドライン』、さらに小規模自治体が策定している避難所運営マニュアルを参考にし策定に取り組んだのち、避難所開設訓練に向け取り進めていきたいと考えておりますので、ご理解願います。次に、2点目の「「避難所開設キット」の配置」についてお答えします。避難所開設キットとは、避難所を開設する際の運営マニュアルや周辺のハザードマップなど実際に避難所を運営する際、行政職員が避難所に配置されるまでの間、自治会の方々でも避難所運営が早期にスムーズにできるように各種マニュアル、チェックリストなどを一つにまとめたキットであり、全国の避難所で導入され始めております。一つ目の答弁とも関連するのですが、具体的な避難所運営にかかるマニュアル整備が先行して必要であると考えておりますことと、避難所が設置される自治会との協力も必要なため、自治会と協議も取り進めていきたいと考えております。次に、3点目の「国際赤十字の「スフイア基準」の採用」についてお答えします。スフィア基準は、平成 28 年4月に内閣府が示した『避難所運営ガイドライン』の前段部分で紹介されたことでその存在が多く知られることとなったもので『人道憲章の枠組みに基づき、生命を守るための主要な分野における最低限満たされるべき基準』であり、わが国の『避難所の質の向上』を考えるとき、参考にすべき国際基準とうたわれております。具体的な基準としては議員のご提言のとおり、一人当たりの居住空間は最低 3.5 平方メートル、19トイレは 20 人に1基で、男性1に対し女性3の割合で設置すること、トイレと居住空間の距離などが示されており、避難所においてもいわゆる人間らしい生活を営める基準となっております。北海道に確認したところ、道内でスフィア基準を盛り込んだ避難所運営マニュアルについては確認されていないとのことでありました。新冠町の避難所のスペースや避難者数を考えると、特に発災直後においては基準を順守するのは非常に難しいと考えております。先日、丸森町へ派遣した職員が避難所である「まちづくりセンター」と「小学校体育館」を視察した際、『発災から日数が経過し、避難者が減少したにもかかわらず、各部屋においてスペースが基準どおり確保されているのかは疑問である』とのことでありました。また、『北海道が現地へ運搬したコンテナ型の仮設トイレがあり、清潔で快適なものでありましたが、到着したのは発災後 10 日を経過した後であった』との報告も受けており、繰り返しになりますが、町が現段階で基準どおり整備するのは厳しいとの印象を受けております。再三の答弁となりますが、避難所運営マニュアルの策定をする必要がありますので、財政負担も含めてスフィア基準の内容について改めて確認するとともに、できる限り基準に準じられるように考慮しておきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。最後に、4点目の「ペット避難所の設置」についてお答えします。ペットについては愛玩動物という位置づけから、今や家族の一員として人々が生活する上で欠くことのできない存在であることはペットを飼わない人にとっても理解されているものと考えております。昨今、発生した災害においても『ペットがいるから避難所へ行かない、行けない』といった事例は、少なからず報道されているのが現状となっております。環境省が策定した「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」によると過去の災害において、ペットが飼い主と離れ離れになる事例が多く発生し、その後の動物の保護活動は労力、時間を要することとなり、また、放浪動物による人への危害防止等の観点から、同行避難が必要であると示されております。また、同ガイドラインにおいて、飼い主が日頃から同行避難という意識を持ち、ペットの安全と健康を守るとともに、他の避難者への迷惑とならないよう努めなければならないと、飼い主の責務についても示されております。ご質問にあります『ペット避難所の設置』については、避難所に隣接した施設や避難所内のスペースの確保が現実的に難しいと考えておりますので、同行避難という方法が各避難所において可能かどうか確認しながら検討していきたいと考えておりますので、ご理解願いたいと存じます。
再質問 5番 伹野裕之
前向きな考えの答弁をいただいたと感じております。一点だけ、当町におきましては避難所運営マニュアルがないということですので、一刻を争うこととなりますのでできる限り可能な限り早く策定に向けて動いていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
再質問にお答えいたします。ご指摘のように避難所避難運営にはいくつもの検討事項や改善点があることは承知してございます。先に申し上げましたように、避難開設所の訓練につきましては、避難所運営マニュアルの整備を先行したいというふうに考えておりますので、これに向けて全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。
再々質問 5番 伹野裕之
ありません。