幕別町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月10日
農福連携の推進について
2020年12月10日、幕別町議会の一般質問で、石川康弘議員が「農福連携の推進について」質問し、町長 飯田晴義、教育長 菅野勇次が答弁しました。
- 質問者
- 石川康弘 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、教育長 菅野勇次
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 石川康弘
通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。農福連携の推進についてでございます。近年、農業分野と福祉分野が連携した「農福連携」の取組が全国各地で盛んになっています。農業側からすると、農業従事者が減少あるいは高齢化する中、労働力として期待されています。また、障がい者への就労機会の提供により、農業を通じた社会貢献も期待できます。一方、福祉側からすると、障がいの程度や作業能力に応じた作業を用意することが可能になります。障がい者が自然に触れ合うことにより、情緒の安定や一般就労に向けての体力、精神面での訓練になると思われます。また、地域の人々と交流する機会が増え、障がい者の外交性も養われると考えられます。このことから農福連携は農業と福祉の双方の課題を解決できる有効な手段であると考えます。農業と障がい者が共に元気になれば、地域社会全体の活性化にもつながります。本町における農福連携の取組について以下の点を伺います。①農福連携の現状と課題は。②福祉サービス事業所の現状と課題は。③本町における農福連携の未来像は。以上であります。
答弁 町長 飯田晴義
石川議員のご質問にお答えいたします。「農福連携の推進について」であります。農福連携は、農業と福祉が連携し、障がいのある人の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに障がいのある人の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組であり、高齢化する農業現場での貴重な働き手の確保や障がいのある人の生活を向上させる取組としても期待されております。また、農福連携の取組は、平成 28 年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、障がいのある人が希望や能力、障がいの特性等に応じて最大限活躍できるよう環境整備の一環として、農福連携の推進が盛り込まれたことを契機に、省庁横断的な「農福連携等推進会議」や全国の農福連携に関わる団体を包括する「一般社団法人日本農福連携協会」が設立されるなど、ここ数年で全国的な広がりを見せております。本町におきましても「幕別町障がい者福祉計画」や「幕別町農業・農村振興計画 2018」において、労働力不足の農業分野と働く場を求める福祉分野の双方の課題を解決する手段として、農福連携に取り組んでいるところであります。ご質問の1点目、「農福連携の現状と課題は」と、2点目、「福祉サービス事業所の現状と課題は」については、関連がありますので、併せて答弁させていただきます。町内には障がい者の就労を支援する「就労継続支援 B 型事業所」が4か所あり、事業所では利用者の障がい特性に合わせて、施設内で名刺やパンフレットなどを作成するためのパソコン作業や図書の装備、製品の袋詰め、豆の選別、ポットの播種作業、ケーキの製造などのほか、施設外就労として、新聞チラシの配達、パンの出張販売、清掃・ベットメイキングなどの作業を行っているところでありますが、さらなる障がい者の社会参加や生活の向上を図るため、農業への参画が図られてきております。一方、高齢化の進展や規模拡大による労働力不足が特に顕著な農業分野では、福祉分野と労働力確保としてのマッチングが近年各地で行われており、本町としても、平成 30 年度から幕別町援農協力会の協力を得て、中札内高等養護学校幕別分校における就労体験の一つとして、「農業体験実習」を行っているところであります。また、本年度は、町内3か所の就労継続支援 B 型事業所において、事業所でポットの播種作業や小豆の豆より、農場での段ボールの組立やバレイショの袋詰めなど、障がい者の能力に応じた農作業を農業者等から請け負い、実施したところであります。これらの取組を通じての課題といたしましては、福祉事業所では、就労作業をサポートする職業指導員の不足、農業技術や農作業事故に対する不安のほか、農作業が天候に左右されるため、急な仕事に対応できないことや、通年で作業を確保することが難しいことから、就労者に対して安定した工賃が確保できないことなどが挙げられております。また、農業者においては、障がい者とのコミュニケーションの図り方と、これに起因する農作業事故への不安や就労環境の整備に要する費用面の不安、農閑期の作業確保、賃金単価の設定、スケジュール調整や安定した人手の確保に対する不安などが挙げられております。このように、仕事を行ってもらう農業者側と労働力を提供する福祉側双方で、それぞれ課題がありますことから、農福連携を安定的に行うためには、一定量の作業の確保を図るとともに、利用者一人ひとりの能力を的確に把握し、作業量に見合った労働力をマッチングする役割を担うコーディネーターの配置が必要であると考えております。ご質問の3点目、「本町における農福連携の未来像は」についてであります。農福連携の今後の取組といたしましては、さきに申し上げました課題や双方の理解促進を図るため、町自立支援協議会就労支援部会が主催し、障がいのある方の働く機会や場所の拡大について「まくべつ就労促進かふぇ」の中で話合いを行っているところであります。これまで、平成 30 年度から4回にわたって農福連携に関心のある農家や企業、福祉事務所の職員や利用者などが参加し、実際に障がい者を雇用し、取り組んでいる事例等の紹介や意見交換、情報交換を行う「場」として開催しており、今後とも相互理解を図るための場として継続的に実施してまいります。また、農福連携の活動をより広げていくためには、福祉事業所と農業関係者との橋渡しの役割を担うコーディネーターが必要でありますことから、平成 30 年度に福祉課に配置しました障がい者就労・発達支援コーディネーターが中心となり、畑作、野菜、酪農等の営農類型に応じた年間を通しての作業可能な業務内容と量の把握を行うとともに、これに見合った人員配置の検討を福祉事務所に対し要請するなど、まずは無理なく実現できるところから実施に移してまいりたいと考えております。これらのことにより、少しずつでありますが、農福連携が広がりを見せ、障がい者の雇用の安定化が図られ、障がい者の自立に向けた足がかりとなることが期待され、また農業側としても、労働者確保のみならず、農福連携により生産された農畜産物に対する JAS マーク認証等付加価値の向上等による収益向上につなげるなど、農福双方における将来的な可能性が期待されるものと考えます。以上で、石川議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 1番 石川康弘
それでは再質問させていただきます。大変丁寧な答弁をいただきまして、感謝申し上げているところでございます。この件に関しては、私も以前からいろいろと幾つかの事業所を訪問させていただいて、いろいろな場面で苦労されていること、これからの課題についていろいろと調べてきたところでございます。私の質問の中に障がい者というふうに申し上げましたけれども、実は障がい者だけではなくて、働きづらさや生きづらさを感じている者に対する取組、それから高齢者であったり、それから生活困窮者、ひきこもりの状態にある人たちの働きづらさを感じている人たちのことも含まれるのかなと思っております。また、それにプラスして、犯罪や非行をした者たちの立ち直りに向けた取組、これについても関係してくるのだということを私は学びました。この農福連携には、いろいろなパターンがあるということが分かったのです。大まかに4つです。福祉完結型、障害福祉サービス事業所が単独で農畜産業を行うパターン。それから直接就労型、これは農業経営体が単独で障がい者と雇用契約を直接締結したり、作業体験として障がい者を直接受け入れるパターン。それから連携型、これは農業経営体が外部の障害福祉サービス事業所と連携し、当該事業所の支援員による付添いの下、障がい者を受け入れるパターン。4つ目はグループ内連携型、農業経営体とグループ関係にある障害福祉サービス事業所等が連携し、当該事業所の支援による付添いの下、障がい者を受け入れるパターン。同様経営体が NPO 法人等及び障害福祉サービス事業所を立ち上げるケースが代表例として言われているということです。これは、北海道農政事務所が出している資料なのですけれども、今年度の今年の8月現在ですが、28 件ぐらいを事業所のパターンと取組をしている事業所の名前が公表されておりました。その中に帯広、新得、芽室が、この3つが入っていますけれども、有名なところでは、かなり古い話ですけれども、新得町の共働学舎新得農場、これが代表されると思うのですけれども、これはコミュニティー内における活動ということで、ちょっとグループ内連携にもなるのでしょうか。そういう形でやっておられるということなのです。それと芽室町の九神ファームめむろ、これもグループ内連携という形です。芽室は A 型事業所ということで、最低賃金を保障されているわけです。ところが B 型事業所は最低賃金を保障されない、その出来高によって報酬は支払われると。ですから月1万数千円ぐらいの金額と聞いております。それから先ほどの答弁もありましたけれども、非常に農業に関しては作業の形態だとか、それから天候だとか、いろいろなことで難しい面があるというお答えをいただきました。私もそれは感じていますし、そのとおりだと思うのですけれども、その中で、先ほど申し上げました形態、福祉完結型、これは自分の事業所で農地を取得してやられている方なのです。私も釧路とそれから札幌の事業所を見てまいりました。そのときに言われたのは、本当に自然の中で彼らが作業するに当たって、非常にいろいろな面で回復していくのが目に見えて分かると。だから農業は非常にいいのだよという話をよく聞かされました。十勝において、ではそれができるかというと、なかなか難しい面はあるのかと思うのです。以前い帯広市議会でもそういう質問をしたときに、返ってきたことは、いやいや、十勝の農業は大型経営だから、作業するに当たっては、障がい者は危なくてちょっと雇用は難しいという、そういう返答をいただいたということがございます。本町でも、今年、北広島の竹内農園さんが講演されていましたけれども、そこではできるだけ機械化をしないで、人の手で仕事ができるように工夫をしてやっているということで、彼らの仕事を増やすというか、そういうことでやられているというふうに聞きました。それが果たしてこの幕別町でできるかどうか、それはちょっと分かりませんけれども、何かそちらの方向に向いていったほうが当事者にとっては回復する上で非常にいいのかなというふうに思っています。それから人材不足のことも出ていました。それも実際に支援する事業所の職員の人たちも、一緒にやることによって、彼らも職員も一緒に農業について理解し、作業を理解することができると。そういうことではそのことについて広めていく、いわゆるコーチングできるような人たちが育っていく、そういう人材も確保されてくるのではないかと、そういう可能性もあるような気がするのです。そういった考えの上で、例えば JA との連携だとか、そういったことも含めまして、そういう農地が提供できるのか、そういったことも考えながらいく必要があるのかなというふうに考えておりますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
今、石川議員のほうから4つのパターン、類型についてご紹介がありましたけれども、私は一番うまくいくのは、福祉事業所が農地を持って、そこで農作業をやって、そこに従事してもらうというのが一番いいだろうと、スムーズに行くだろうというふうに思っております。ただ、それを幕別町に当てはめた場合、それがうまく行くのかどうか、農地が取得できるかという問題から始まりますけれども、そもそも農地は今不足している状態であります。これは牧草地は別ですけれども、こちらの旧幕別町区域においては、農地が出れば皆さん欲しがるという状況にありますので、まず農地の取得ということは難しいであろうということと、石川議員もおっしゃっていたように大型専業農家が多くて、手作業でやれる作業がほとんどないというのが実態でありますので、なかなか旧幕別町内において農福連携の、しかも事業所完結型といいますか、グループ完結型というか、そういったものはなかなか難しいなというふうに思っているところであります。ただ、都市近郊の野菜農家などでは、ひょっとすると可能性があるかもしれませんので、そこは各農家の意向、あるいは人手不足の状況、やってもらう作業の内容などを十分考えというか精査をしながら、うまくマッチングができるかどうかというのは、今後、詳細に調査する必要があるのかなというふうに思っています。
再質問 1番 石川康弘
私もそのとおりだと思います。この問題については、非常に難しいことがたくさんあるのかなと思うのです。町長がおっしゃったように、本当にこの十勝、幕別においては特に農地が足りなくて困っている農家さんもたくさんいらっしゃいます。それが現状だと思います。でも、私は社会貢献という意味では、一般企業もある程度の人数が雇用されていると、何%かの障がい者を雇用しなさいというようなことが国から言われているわけです。そういった意味からも、農業はそれに対しては関わりはないかもしれないけれども、社会貢献という意味では、そういったことも町からちょっと促して、JA とも協力しながら模索していく価値は僕はあるのではないかなというふうに感じています。1%でも可能性があるのであれば、これは町としてぜひ進めていただきたいなというふうに感じています。それから、農業というのは難しいという話は分かりましたけれども、農業というのは、昔、最近はあまり使いませんけれども、お百姓さんと言いましたけれども、百姓というのは要するに百の仕事があると。だからすごいのだという話をちょっと聞いたのですけれども、そういった意味から見て、当事者にとって何かを与えられてやるよりも、自分で模索しながら自分に合った仕事を見出していくという、それに対して我々が後押しをちょっとしてあげる、これが福祉なのだという話を私も最近言われて、はっとしたのですけれどもね。私はいつも何か仕事を見つけてそれを与えるという形でいるのです。その中では、それぞれの当事者の人たちの達成感といいますか、それが味わられているのかどうかというのはちょっと疑問に感じているのです。だから、何かを与えるのではなくて、創り出していく。それに対して当事者が関わって達成感を味わう。そしてそれを私たちが後押しをしていくと、そういう形が福祉というのはいいのだろうなというふうに、最近私も思っているところでございます。そういった意味からも、この農業、農福連携の完結型のやり方というのは、僕はすごく適しているのかなと思うのです。これは障がい者ばかりではなくて、私たち自身もやはりそういうことが言えるのかなというふうに感じています。町長は、いつもいろいろな場面で例えば保育者がいないとか誰がいないとか人材不足だということをよく言いますし、私たちもそう感じています。これってなぜなのだろうといつも私は考えるのですけれども、いろいろなことがあると思うのですけれども、私はこれは持論ですけれども、小さいときから達成感を味わう環境がちょっと薄れているのかなと、そのように感じているのです。これは家庭環境もそうですし、それから学校の教育関係もそうなのだと思うのですけれども、その辺のことを解決していかないと、これはずっといつまでたっても、人材が足りない人材が足りないということを言い続けなければいけないのかなというふうに感じています。その辺については教育長も含めて、もし思いがあればちょっと聞かせていただきたいと思いますが。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
人材ということでございますけれども、町長の答弁の中にもございましたけれども、中札内高等養護学校の分校の関係でございます。町としても協力会を組織しておりまして、農業実習の場を設定したところでございますけれども、そういった意味合いで、今後、若者が農業に就いていく、農業という職業に興味を持って就いていく、そういった橋渡しもしながら、人材育成に努めてまいりたいというふうに思います。
再質問 1番 石川康弘
幕別町には、今おっしゃられていたように養護学校の分校もあるわけですから、こういうことも含めて、ぜひご尽力いただきたいというふうに感じております。最近のを見ても、本州のほうでは、随分若者が農業に関心を持って実際に何人かで事業を行っていることも随分報道されています。ですから、可能性はたくさんあるのだろうなと思うのです。私たちがいつも人材が人材がと言うのですけれども、可能性がある限り、いろいろな分野で協力しながらやっていく必要があるのかなと思うのです。今回の農福連携も、昨年、推進ビジョンが首相官邸で会議が持たれたということですけれども、そこでは法務省、文科省、厚労省、農水省と、この4つの省が一緒になって、このことについて推奨しているわけです。そういった意味からも、この町においても農政部、教育委員会、それから福祉課、それから JA も含めて連携をして、いろいろな分野で可能性を探りながら、この件について推し進めていただきたいなというふうに思っております。最後に、農水省の職員が言ったことをちょっと読んで、それで終わりたいと思いますが。これは個人的な思いで書いているのですけれども、「この仕事をしていると、農福連携に取り組む人々の人への向き合い方がすばらしいと感じます。農福連携の現場には、障がいの有無に関わらず、その人の得意なことや働きやすさは何かと真摯に考える姿勢がある。それがある農業の現場は、人が育ち経営的にも成長しています。農福連携が、人が広がることで、障がいという言葉もなくなっていけばいいと思っています」ということです。私もこのこと、この話を読んだときに、非常に感銘を受けたわけです。本当に理想としては、本当にこの障がいという言葉がなくなるということが理想かなと思うのです。でも、私たちは難しいかもしれないけれども、それを目指して進んでいくということは、非常に大切になってくるのかなと思いますので、これからもぜひこのことについて大切に感じて、ぜひ推し進めていただきたいというふうに思っておりますので、ぜひこれからも町として推し進めていかれることを期待しながら、私の質問を終わりたいと思います。