みんなの議会

幕別町議会 平成17年第1回定例会 2005年3月9日

学力低下とゆとり教育について

2005年3月9日、幕別町議会の一般質問で、永井繁樹議員が「学力低下とゆとり教育について」質問し、教育長 沢田治夫が答弁しました。

質問者
永井繁樹 議員
答弁者
教育長 沢田治夫

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 17番 永井繁樹

それでは、通告のとおり、学力低下とゆとり教育について質問をいたします。完全学校週五日制のもと、各学校が「特色ある教育」を展開し、新学習指導要領は子どもたちに基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び、自ら考える力などの『生きる力』を育むことをねらいとしています。さらに変化の激しいこれからの社会を生きる子どもたちには、「確かな学力」、「豊かな人間性」、「健康と体力」の三つの要素からなる力を育むことが必要です。完全学校週五日制は、子どもの生活にゆとりができ、親子のふれあいが親密になったなど良い面もあるでしょうが、これを、総合的に判断を下したら、果たしてどれだけの効果があるのかに対しては疑問を感じるところであります。まず、学力低下について、お伺いをいたします。現在の学習指導要領では、教育内容がかなり削減されていますが、子どもたちの学力が低下していないか。また学力面での多くの課題に対する現状をどのように分析されているのかを伺います。また、学力向上対策としての土曜日の使い方についての方策もお伺いするものです。次に、ゆとり教育について、お伺いをいたします。「学習指導要領」の一部改正は、以下4点であります。このことは各学校で創意工夫を生かした取り組みが一層進み、わかる授業が行われることにより、子どもたちの確かな学力を育むことを期待するものであります。一つ、学校で学習指導要領に示している内容を確実な定着を図るための指導を行った上で、子どもの実態に応じて、必要に応じ、学習指導要領に示されていない内容を指導することができる性格をより明確化すること。一つ、「総合的な学習の時間」の活動をそれぞれの教科と関連付け、学校ごとに目標や内容を示す全体計画を作成すること。習熟度別指導や補充・発展学習を取り入れた指導など、「個に応じた指導」を柔軟かつ多様に導入すること。一つ、各学校で指導に必要な時間をきちんと確保すること。以上、4点にかかわる町内における各学校での具体的な方策と現在までの成果について、お伺いをいたします。さらに、教員の質の向上対策について、お伺いをいたします。一つ、中教審の教員養成部会での検討内容について。一つ、免許更新制の検討及び方向性について。一つ、教員の査定評価について。一つ、教員という生活の中に市民としての生活権の確保はできているのでしょうか。一つ、教員は書類提出の多すぎが多忙の原因ではないでしょうか。一つ、やる気のある先生をさらに認める環境はあるのでしょうか。一つ、教員の他業界との交流が不足しているのではないでしょうか。一つ、教員採用の実情に間題はないでしょうか。最後に、学校長のマネジメント力の向上対策について、お伺いをいたします。

答弁 教育長 沢田治夫(教育長は2005年9月まで)

永井議員のご質問にお答えをさせていただきます。はじめに、学力低下についての現状認識と対応策についてでありますが、平成 14 年4月に完全学校週五日制のもと、子どもたちにゆとりの中で「生きる力」を育むことを基本的なねらいとする新学習指導要領が実施されてから3年を経過しようとしております。新しい学習指導要領においては、個に応じた指導の充実に努めることにより、基礎基本の確実な定着を図り、自ら学び、自ら考える力など「生きる力」の育成を目指しております。これまでの学習指導要領の変遷を振り返って見ると、70 年当時の学習指導要領が知識偏重との批判を受け、80 年代に「ゆとり教育」への転換を図り、その後、ほぼ 10 年ごとに指導要領の見直しが行われ、今回の新学習指導要領は「ゆとり教育」の完成を目指したものと言われていることなどから、幕別町教育委員会といたしましては、新学習指導要領の改訂がどのような社会的背景のもとで、あるいはどのような子どもたちの状況を踏まえて改訂されてきたかなどを確認し、学校現場と協議のもとに、保護者の方々の理解を得るために学校だよりや教育懇談の場などで説明責任を果たすとともに、評価制度等による改善策を図るなど共有化を図ってきたところであります。しかしながら、その一方で授業時数が年間 70 時間減少し、さらに教科内容が3割削減された新学習指導要領に対して、いわゆる学力低下を懸念する声が当初からあるのも確かであります。こうした学力低下を憂える声に対し、幕別町 13 校では真摯に受け止めながらも、「教える教育から、学ぶ学校へ」の体質改善を目指し、新学習指導要領を最低基準として、個に応じた指導方法を工夫した「わかる授業」の推進、基礎基本の徹底、総合的な学習の時間などにおける、主体的な問題解決に取り組む学習の充実を図り、「確かな学力」の定着に向けて教員は日々努力されているところであります。そうした中、中山文部科学大臣が昨年末に発表された OECD いわゆる経済協力開発機構と、IEA 国際教育到達度評価学会による、二つの国際学力調査の結果、日本の子どもの学力が低下しているとして、これまでの「ゆとり教育」路線を転換する方針を打ち出し、中央教育審議会の総会の席上で学習指導要領全体の見直しなど、今後の審議について要請したと報道をされました。この方針に対しまして、教育現場に最も近い末端の教育委員会といたしましては、学力低下の原因を十分に検証しないままの路線転換はあまりにも拙速と言わざるを得ないとの思いでもあります。したがいまして、今必要なことは学習指導要領の安易な見直しでなく、どのような学力が求められているかをもう一度問い直すことであり、現場からは、先行きに対する不安の声が聞かれるところであります。そこで基礎学力の低下が心配される幕別町の現状はどうかというお尋ねでありますけども、子どもの学力につきましては独自の学力テストを行っておりませんので、具体的に数字でお示しすることをできないことをご理解賜りたいと思います。しかしながら、道教委で平成 17 年ですから今ですけども、もうすでに終わっておりますけども「独自の学力調査」これを行いながら、北海道全体の学習の状況を把握し、その結果に基づき、学習指導の改善・充実を図る考えであるということも、ご理解を賜りたいと思います。次に、土曜補習についてであります。確かに、国際学力調査を契機に、学力が大きな課題になっていますが、土曜補習についての現実的な問題として何点か申し上げたいと思いますけども、一つには、学校週五日制を定めている学校教育法施行規則の休業日の規定から、簡単に6日制は復活をできないこともありますし、二つ目には、一般的な学力向上を目指すのか、あるいは受験を意識した指導にするのか、さらには個別学習、習熟度別学習を徹底するためかなど、多様な目的が考えられますので、その点をどうするかということもあります。三つ目には、教員の多忙化が言われている今、それとの関係をどうするか。四つ目には、受験を目的とし、教科を限定するのか、それとも全教科を対象にするのか。五つ目には、本来の教育課程との関係はどうするのか。特に指導者が異なる場合とか、学習者が一部である場合など、混乱することが想定されるわけでありますけども、その場合にどうするかという問題もあります。六つ目には、全生徒を対象とするのか、希望者だけにするのか。そして七つ目には、評価にどう連動させるか。最後に、土曜日、受験を意識して塾に行っている児童・生徒が多いわけでありますけども、これとの関係をどう考えるべきかなどさまざまな課題、問題を抱えていることから、今後、論理的に整理をし、その上で教職員に対し、また保護者や地域住民に対し、総合的な具体策を提示しながら、実現の有無について検討することが必要であるとの考えは持っております。同時に「学力とは何か」これを明確に示すことも必要でないかと考えていますので、今後、学校現場はもとより多くの方々のご意見を参考にしながら、研究をしてまいりたいと思っております。次に、ゆとり教育の具体的な方策についてであります。先ほども申し上げましたが、新学習指導要領が改訂され3年目を終えようとする今日、町内各学校の教育課程編成届は「生きる力」を、確かな学力と、自ら課題を見つけ解決する能力と押さえ、力強い教育活動を推進するため、地域の実情や子どもたち一人ひとりに合った授業の工夫を重ねることを念頭にこれまで実践しているところであります。中でも、導入された「総合的な学習の時間」に対し、学校現場では教科書も指導方法もない中、それこそ前倒しの期間である平成 12 年度から手探りでつくり上げ、これまで実施し、学校、家庭、地域の連携が定着してきた経過があります。しかしながら、このほど文部科学省は中教審に対し、総合的な学習の時間の見直しも含め、諮問を付したところであります。私どもはこうした動きに対し、総合学習の時間を減らすにしても、本来、総合学習の成果がどこまで上がり、どのような問題点があるのか、きちんと検証がないまま、いきなり見直しに踏み込むことは、現場の教員のやる気を削ぎ混乱を招くものだと考えております。そうしたことを踏まえたうえで、各学校においての具体的な取り組みを申し上げますと、確かな学力の定着や学力低下への不安を払拭するため、基礎基本を「学習指導要領」に示されている目標や内容と押えた中で、評価基準を作成し、個に応じたきめ細かな授業づくりに努力をしております。また、確かな学力を支える基礎学力を「読み・書き・計算」などの必須の基礎的知識技能とし、それらを児童・生徒が確実に修得するよう「繰り返し学習」や「ドリル学習」をはじめ、毎朝 10 分間を「朝の読書」「計算の時間」「漢字の時間」といった創意工夫を凝らした実践に取り組んでいるところであります。また、その一方で、体験活動を重視した「総合的な学習の時間」においては、「画一から創意工夫へ」を合言葉に全体計画を作成し、学校の自主性・自律性のもと、特色ある教育活動を実践するなど、子どもの課題解決能力の育成に努力していただいていることもあり、教育委員会としてはその支援策の一つとして、生きる力を育む創意あふれる教育活動支援事業や、教育連携支援事業、ゆとりいきいきパートナー事業、個に応じた英語教育支援事業の予算化を図るなど、側面から支援しているところであります。いずれにいたしましても、各学校はさまざまな課題やあい路を克服し、学習指導要領の大綱化、弾力化の趣旨を最大限に活かし、子どもたちの発達段階に配慮しながら「生きる力」を育むため、創意に富む教育活動の実践に努めていることは大いに私は評価できるものと考えております。次に、教員の資質向上対策についてであります。教員は、絶えず学び続ける姿勢を保ちながら、教員としての力量や人間性、感性などを磨いていくことが大切であると考えております。こうした考えのもと、任命権者である道教委としては、初任者研修や 10 年研修などの経験年数に応じた基本研修や道立教育研究所や理科教育センターなどにおいて行う専門研修のほか、教員を民間企業や社会福祉施設など、学校以外の施設に派遣する課題研修などライフステージに即した体系的な研修を実施してきております。こうした施策の延長上で、文部科学省は昨年 10 月に中教審に対し、一つには、教員養成における専門大学院のあり方について、二つめには、教員免許制度の改革、とりわけ教員免許更新制の導入について諮問され、現在議論されていると聞いております。また、教員の評価制度の導入につきましては、全国的には一部都府県には見受けられますけども、道教委では国の委託を受けて平成 15 年度から 17 年度の今年の3カ年まで、「教員の評価に係る調査研究」を行っているところであります。なお、教員の生活権、多忙化に問題はないかということにつきましては、昨年7月、校長、教頭、教職員を対象に町教委独自のアンケート調査を実施しております。その結果、帰宅のために学校を出る時間は6時台が3割、7時台が2割、8時台以降が1割というように、全体の6割が6時以降となっております。時間外の主なものは、調査等の事務業務もありますけども、なんといっても多いのは教材研究、授業準備、採点業務、成績評価、学校行事、職員会議以外の会議に加えて、少年団活動、部活動といった業務外業務いわゆるボランティア活動に当たるなど、その多忙さが浮き彫りになったところであります。このため、教育委員会では校長、教頭、教職員の代表と意見交換をし、平成 17 年度からは毎月 19 日を学校教育、家庭教育、地域教育をする、いわゆる幕別教育の日とし、この日を中心に各学校では「教職員ノー残業デー」としてもらい、教職員にも家庭に帰ってもらうこととし、併せて、事務事業の見直しをすることとしたわけであります。また、教職員提案制度を新たに導入し、教職員からの意見を聞くなど意識の高まりと意欲の向上、開かれた教育委員会も目指してまいります。最後に、教員採用に問題はないかということですけども、道教委では教員の採用に当たっては、優秀な教員を確保するため、「教科等の指導法」や「生徒指導」に対する理解度などに重点を置いた選考となるよう改善策をしているところであります。次に、校長のマネジメント向上対策についてであります。まずは教育理念を思い切って語ってほしいと、私どもは思っております。具体的には、子ども達を6年後にはこういうふうに成長させて中学校に送る、というように、それぞれの校長が理念をはっきりさせた実践を行っていってほしいという願いをもっております。そのために現職校長が身につけるべき力量は、次の3点に絞られると思っております。第1は、不測の事態に備えた危機管理と児童・生徒の健康・安全管理にかかわる管理的力量が必要だと思います。二つ目には、「管理職としての自覚と使命感」や「教育に関する理念や価値観」など、職務を根底で支える見識・資質であります。3点目は、「明確な将来像、いわゆるビジョンの提示、あるいは「4~5年先の中期的な計画」「教職員への説明と理解」など、学校の将来を見通した教育目標を設定して教育計画を立案し、教職員に提示する力量だと考えております。特に、第1の点は近年特に高い関心を集める理由は申すまでもありませんけども、第2、第3は「学校の自律性」、学校の自律性の根幹を支える校長の力量だと理解をしておりますが、おかげさまで幕別13 校の校長は、こうした力量、理念のもとに学校経営に当たっていただいていることを、今、私の方から申し上げたいというふうに考えております。以上で、永井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。

質問 17番 永井繁樹

それでは、質問させていただきます。ご答弁をいただきました沢田教育長におかれましては、平成11年ですか、現在の教育長に就任されて以来、平成12年度から平成16年度まで、私も第3次幕別町生涯学習中期計画というのを、今回改めてまた確認させていただきましたが、その中の事業の推移を見ましても、今回のまた教育執行方針の中身につきましても、教育長や教育委員長をはじめとする教育委員会の教育に対する取り組みというのが非常に明確に伺い知ることができています。ただいまの答弁におかれましても、正直申し上げて、非常に丁寧な答弁をいただきました関係上、再質問がなかなかしづらいという、一抹の私の質問に対する寂しさを感じているところでございますが、そこはご理解をいただいて、多少聞き漏している点もありますけれども、確認の意味を含まして、いくつかの質問をさせていただきたいと思います。まず、学力低下の現状分析についてでありますが、答弁の中で、道教委の17年度の独自の学力調査というのは実施済みであって、後はその結果を待つということの内容は理解をいたしましたが、世間一般で言われているところの学力傾向というのですか、それを見ますと成績そのものは日本のレベルというのは非常にトップクラスにあるのだそうですが、学力面の大きな課題の中に、判断力や表現力が非常に身に付いていないという現状、それと学習意欲が低下していっているという現状、それと帰宅してからの学習習慣が身に付いていないという現状ですね。それと、さらには自然体験、社会体験、生活体験等が不足して、人や物とかかわる力が低下しているという、こういった主な課題が浮かび上がっておりますが、教育長の答弁からはそういったものにかかわっての分析、評価がされておりませんので、現況、幕別町においては、全国的にこういった傾向があるものに対して、幕別町ではどういう状況になっているのか、お伺いをしたいと思います。それと、土曜日の使い方についてでございますが、答弁の中の状況は非常にわかりやすくて、現状、いろんな問題があるのだなということで理解をするところでありますが、一部、都市部においてはやはりこの土曜日にいわゆる補修塾のようなものを、現実に開催をいたしまして、学習指導をしている例もあるようです。私が心配するのは、そういった都市部でどんどんやっている状況と、いろんな状況の中で、今、教育長が答弁されたような現況にあるこういう地方のあり方。そうしたことが続いていけば、当然学力の差が全国的に見ていくと広がっていくのではないかという不安ですね。そういったこともあります。また、家庭の不安等も考えていきますと、対応が遅くなれば、やはり一方では塾通いのエスカレートという減少も出ていますから、その点の危惧もあります。それらについての考え方もお伺いをしたいと思います。それから、ゆとり教育についてでございますが、特にここでは総合学習における事業をやっていく上で、特に総合学習というのは世の中で生きる技術や力を養うことが目的とされておりますので、その中にあって、特に外部の人の導入についてですとか、地域サポート体制について、またはテーマを多様化していくことについて、こういったものが今度の授業展開の中で強く求められていくと思いますが、それらについての教育長の考えをお伺いします。それから、一番問題になるのが、今回、私の質問の中で、次の教員の資質向上対策と学校長のマネジメント力の向上対策になっていきますが、やはりどういう施策をやっていくについても、それを受けて、実際に現場にタッチしていかれる人そのものの質というのが、最終的には今後の幕別町の教育を左右していくのだろうと、私はそう考えております。そこで、お伺いしますが、限られた事業の中での新学指導要領が狙う効果的な指導を行うためには、やはり教育長も述べられておりました教員側のさらなる工夫というのが、当然問題になってきます。教員間の中では、こういった不安感が私はあるのではないかと推測するのですが、生徒自身にどんどんゆとりが出てくる分、現況、教員はますます忙しくなっているのが現実です。やる気のある教師でばかりではないという、要するにやる気のある教師以外の方もいるという意味ですが、そういったことも含めて、学校間の格差や生徒の学力の格差もある程度開いていくのではないかという不安があります。そこで、今後の教師の力量がますます問われるということになってくるとは思うのですが、多様な指導方法を身につける必要がもちろんありますが、教師を支援する姿勢、これを教育委員会としては、私は強く今後打ち出していく必要があると思いますが、これらについて、さらにお考えがあれば伺いたいと思います。それと、併せまして学校長のマネジメント力の向上対策についてでございますが、教育長が言われるように、現況、この関係者に至っては非常に努力をされているのだろうなと、私も思うところでございますが、その中で、私が一番申し上げたいのは、学校の自主性や自立性が発揮されるためには、以前から話が出ています学校長の裁量権、これの拡大が求められていますし、今までの議会の中でもこれらについては触れられていると思います。従来ですと、教育委員会の支持や、言葉良くないですが命令というのがありますが、これらを後退させて、学校の自立を後押ししていく、いわゆる支援や助言の機能、こういったものを今まで以上に一層強める必要が、私はあると考えますし、おそらく教育長もそういう考えだろうと思います。また、校長の裁量権拡大ということになりますと、もちろん学校経営から、多分これは地域教育経営という形に感覚を変えていかなければやっていけないのだと思うのですが、それ以外にも教育者としての学校長は文化的なリーダーシップというものが併せて必要になってくるだろうと、そう考えます。子どもたちを豊かな育つ場所に、そういった環境を用意するということから考えるのであれば、学校の教育責任というのは大きくなってくるわけですが、これらについての教育長のさらなる考えがありましたらお伺いをしたいと思います。

答弁 教育長 沢田治夫(教育長は2005年9月まで)

最初に、学力の低下の問題でありますけども、このことからお話をしたいと思います。よく学力というのはなんぞやという形から捉えて、よくお話をされるわけですけども、何を学力ととらえるか、あるいは子どもに身に付けさせたい学力とは何なのか。こんなことで学者と現場の教員、あるいは保護者の間でも相当違いがある。そんなふうに私どもは考えております。例えば、学力低下というものを、受験学力としての知識を指して語られることもありますし、これに対しまして、これからの難しい時代、これを生き抜くために、思考力だとか判断力、あるいは興味・関心、こういったものをしっかりと教えるべきでないか。そんなふうに言われていますけども、幕別町は、先ほどもお話ししましたけども、これらいずれもやっぱり両方ともバランスのとれた教育が大事なのだろうと、そんなふうにたって、学校現場と協議をしながら、これまでも進めてまいりました。基礎基本の確実な定着、これをまず学校では大事なものだろうと、そんなふうに押えながら、子どもたち一人ひとりに確実な定着を図って、その上で確かな学力をつける。そういった努力をしているということであります。いろいろと、今、新聞紙上で騒がれておりますように、今、質問にもありましたように、日本の子どもの学力は本当に低下しているかというと、これはそうではないというふうに、文部科学省はきちんとそのことをわかっているのですね。ただ、一部の読解力、今回、読み解く力が8位から12位まで下がった。これは大変だという形の中で、見出しがそこで学力低下と言ってしまっただけであって、実際には、数学・科学のレベルなど、こういったものは何も下がっているわけではありませんし、問題を解く力、これもそれなりの位置にある。全体的には、レベル的にはいいところにあります。ただ、今、ご指摘もありましたように、授業を受ける姿勢は良いのだけれど、学ぶ意欲だとか学習習慣、これに課題があるのだろうと言われておりますので、幕別町はやっぱりこれからはわかる授業、楽しい授業に意を用いながら、これは学校だけではできないことも、家庭でもやっていこうと、そんなふうにお願いをしていこうという形で、毎月19日をひとつのきっかけづくり、家庭教育の日、地域教育の日、学校教育の日、いわゆる幕別教育の日にしながらいくという、子どもをみんなで育てようという育児の日、その日を中心にしながらやっていきたいというふうに考えております。それから、土曜日のことにつきましては、これはまったく先ほど何点かお話したとおり、いろんな課題がありまして、実際、今、都会や何かでもやっている、ほとんど都会は塾でありますけども、それ以外にやっているのは、教員が、学校の先生がやっているというのは高校だとか私立はやっていますけども、一般の公立の小中学校ではなかなかそういう形でできないというのが現状であります。やらないで、逆に地域の人たちの力を借りた、いわゆる土曜寺小屋だとかそういったものをやっているということでありますから、こういったものは、私どもの町でも、やっぱり地域の人材力を使えばできないこともないだろうという形の中で、いろんな団体の人たち、特にしらかば大学の人たちには、あの人たちは大学生でありますから、一部土曜日あたりは、大学生は子どもを教えれば一番いいのではないかなという形も考えていますので、地域の寺子屋的なものを、いろんな形でやっていただければと、そんなことも考えながらいますけども、これは相手があることでありますので、なかなか一遍にはいかないわけでありますけども、ぜひともそういった体制づくりを地域の中でつくりたいな、そんな思いは持っております。それから、総合的な学習の時間、これはいろいろありますけども、本当に学校の先生は良くやっていると思っております。まさに教科書がないわけでありますから、その中からいろんな形の中で、先生の専門というのはなかなかいろんなものがあるかといったら、なかなかそうではないわけでありますけども、例えば、農業、いわゆる食農教育にいたっては、へき地の方では、やっぱりその地域にいる農業者、やはりプロでありますから、こういう人たちを人材活用しながら、子どもたちに教えたり、そのほか、町の中でもいろんな形の中で、そういった総合的な学習の時間に工夫をしております。私は総合の学習というのは、こんなふうに言っていいのかどうかわかりませんけども、捉え方としては、おいしく食べてバランスある豊かな栄養が需要される料理づくりに向けて、教員が腕をふるう場所なのだろうと。ですから、教員が腕をふるうにはそれだけではできないから、地域の人たちと一緒に手を組んでやりましょう。こんなものをやっぱり総合的な学習の時間なのだろうというふうにありまして、いずれにしても子どもたちそれぞれ伸びる力持っているわけですから、それを助けるのが最高の教育であって、それを押さえつけるのが最悪の教育だと、そんなふうに思っておりますので、ぜひとも最悪にならないように、みんな最高の教育、これを幕別町13校の先生方それぞれ、後ろの問題に、マネジメントに入りますけども、校長・教頭も同じように、そちらの方に向かっているのだと。先生を褒めていて本当なのかといいますけど、これは本当でありますから、私今まで嘘をついたことありませんので、本当に私どもの教員は一生懸命やっているのだと、そんなふうにご理解をいただければというふうに考えております。それからマネジメントでありますけども、これはおっしゃられたとおり、そのとおりであります。いずれにしても、校長というのはやっぱり優れた指導者として、あるいは学校経営にあたっては、私は構図を練って行動を起こす、そして決断する、そのためにはやっぱり何といっても教育に関する情熱、これを持つことが大事なのだろうというふうに思っております。よく校長会や何か、教頭会がいう言葉は、こういったマネジメントにはこういう言葉がありますよと言います。夢なきものは理想なし、理想なきものは信念なし、信念なきものは計画なし、計画なきものは実行なし、実行なきものは成果なし、成果なきものは幸せなし。これは仕事を100倍する、いわゆるリーブルの言葉からでありますけども、これをもって当てっていただければ、すべてうまくいくのでないかな。これが答えになっているかどうかわかりませんけども、その校長のマネジメントに対する思いということで、答弁等をさせていただければと思います。

質問 17番 永井繁樹

学力低下とゆとり教育の幕別町における現状、そして、今、出されております問題点につきましては、私も含め、ここにおられる議員の皆さんもおおむね理解をされたのかなと思います。また、今後の方策についても、いろいろな事業が展開されるという裏付けからいっても、その方向性が見えてきているのだろうと思います。私は思うに、子どもは社会の宝であり国の宝であります。これは教育委員会側も学校現場側も同じ気持ちだと思います。日本の将来を担う子どもたちのこれからの教育は、地方分権という中で、教育も当然分権時代を迎えていくと思います。変化の厳しいこれらの社会を生きる子どもたちは、今まで言われております生きる力と確かな学力、これを育むことが一番の大切なことであろうと。これ以上の質問は、次回の成果が出るころに、また、機会を得たいと思います。今後の教育委員会と学校現場のきめ細かな政策に対して、強く期待をしつつ、質問を終わります。

出典:幕別町議会 平成17年第1回定例会 2005年3月9日 議事録 PDF(57ページ) 間違いを知らせる