壮瞥町議会 令和8年第1回定例会 2026年3月5日
小中学生の学力低下とGIGAスクール構想の検証について
2026年3月5日、壮瞥町議会の一般質問で、湯浅祥治議員が「小中学生の学力低下とGIGAスクール構想の検証について」質問し、教育長 柴田暦章、生涯学習課長 河野圭が答弁しました。
- 質問者
- 湯浅祥治 議員
- 答弁者
- 教育長 柴田暦章、生涯学習課長 河野圭
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 湯浅祥治
私のほうから町政に対する一般質問をさせていただきます。質問事項、小中学生の学力低下とGIGAスクール構想の検証について、質問要旨、本町においても次世代を担う子どもたちの学力向上は教育行政の最重要課題の一つです。将来の進学や就職の基盤となるのみならず地域社会を支える人材の育成に直結するものであり、住民の期待も大きいものと考えます。しかし、文部科学省が実施した 2024 年度の経年変化分析調査によれば小学校国語、算数、中学校国語、英語で平均スコアが大きく低下し、学力低下の傾向が顕著に確認されました。こうした全国的な傾向は、学習時間の減少やデジタル機器利用の増加、さらには家庭環境の格差とも関連していると指摘されています。加えて、全国で巨額の予算を投じて整備されたGIGAスクール構想による1人1台端末の導入が十分に学力向上に結びついていないばかりか、子どもたちにとって遊びの道具として消費され、学習習慣の減退を招いている可能性も否定できません。ICT環境の活用は不可欠である一方で、その効果と課題を冷静に検証しなければ教育政策の持続可能性を危うくするおそれがあります。そこで、以下の点について伺います。1、本町の小中学生における全国学力テストや独自調査の結果において直近数年間でどのような変化が見られるか、特に主要科目、国語、算数、数学、英語の平均スコア推移を示されたい。2、端末配備そのものが目的化し、学力向上につながる具体的戦略や効果検証が欠けていたのではないか。本町ではどのように検証しているのか。3、ICTを活用する一方で紙の教科書や基礎的な反復学習の重要性をどのように位置づけ、具体的にどのような指導方針を示しているか、よろしくお願いいたします。
答弁 教育長 柴田暦章
6番、湯浅議員のご質問にご答弁申し上げます。次代を担う子どもたちには、情報活用能力をはじめ言語能力や数学的思考力など、これからの時代を生きていく上で基礎となる資質、能力を確実に育成していく必要があります。そのため、ICTを基盤とした個別最適な学びと協働的な学びの質を向上させることを学力向上の柱としております。1点目の本町の小中学生における全国学力・学習状況調査における結果ですが、本調査は義務教育の機会均等とその水準の維持、向上の観点から全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることを目的として毎年4月に小学校6年生と中学校3年生を調査対象として実施しています。小学校の平均正答率の推移は、国語、算数ともに令和5年度、6年度と全国平均を大きく上回っておりましたが、令和7年度は算数は同程度、国語で約7ポイント全国平均を下回る結果となりました。中学校では、年度による変動が大きく、令和5年度と令和7年度において国語、数学ともに全国平均を大きく上回る成果を収めています。英語については、3年に1度の実施で令和8年度実施予定となっております。直近の令和5年度の結果は、全国平均を約 10 ポイント上回る良好な結果でありました。2点目のGIGAスクール構想による端末配備そのものが目的化し、学力向上につながる具体的戦略や効果検証が欠けていたのではないか、その検証方法についてはですが、端末は鉛筆やノートと同様に学習を支える文房具としての手段であると位置づけおります。1点目でお答えした全国学力・学習状況調査等において児童生徒の学力や学習状況を把握、分析するとともに、各学校の校内研修においてICTを用いた授業公開や研究、協議を重ね、どの場面でデジタルが最も有効に機能したかを教員間で具体的に検証し、指導技術の向上を図っております。3点目のICTを活用する一方で紙の教科書や基礎的な反復学習の重要性をどのように位置づけ、具体的にどのような指導方針を示しているかについてですが、情報を整理、共有する場面ではデジタルを活用し、自らの考えを深く練り上げ、整理、定着させる場面ではノートへの記述を重視するなど、学習の狙いに応じた適切な指導を行っております。最後になりますが、GIGAスクール構想により整備された1人1台端末はこれからの学びを支える基盤であり、大切なのは端末を使うこと自体ではなく、それによって何ができるようになるかです。ICTの強みを生かしつつ、これまでの教育実践で蓄積された書くことや話し合うことなどのよさを融合させ、確かな学力の育成を図っていきますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げ、ご答弁といたします。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
ご答弁ありがとうございました。そこで、早速ですが、再質問をさせていただきます。小学校では令和7年度の国語が全国平均を約7ポイント下がったとの答弁でございました。教育委員会としてこの結果を学力低下の兆候と認識しているのか、またそれとも一時的な変動と考えているのか、どのような根拠でそう判断しているのかを伺います。
答弁 生涯学習課長 河野圭
ご答弁申し上げます。全国学力・学習状況調査の状況でございますが、こちらは先ほどご答弁申し上げたとおり、その年によって浮き沈みといいますか、推移があるという答弁をしたと思いますが、教育委員会といたしましてはそういった学年によって、あるいは年代によって差が生じないよう適切に指導するよう各学校には指導しているところでございます。どうしても6年生ですとか中学3年生、本町においては少人数ということもあり、そういった部分で浮き沈みが多いというところがありますが、そういったことについては各学校でも学力向上に向けた取組をしているところでございますので、今後もそういった差がないよう指導していきたいというふうに考えております。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
一時的な浮き沈みがあるという話もありましたけれども、そこで国が公表しました 2024 年度の経年変化分析調査では全国調査と比較して全ての教科で平均スコアが低下するという結果が示されております。これは、同一問題による経年比較であり、全国的に学力低下の傾向が示唆される結果と受け止められております。教育委員会としてこの全国的な傾向をどのように認識されているのか、また本町の全国学力調査の結果については単なる全国平均との差ではなくて本町の学力水準そのものとしてどのように評価、分析されているのかを伺います。
答弁 生涯学習課長 河野圭
ご答弁申し上げます。本町の学力の分析というところでございます。先ほども実際のポイントでは申し上げませんでしたが、全国学力、学習調査で令和6年度の小学校の国語ですが、壮瞥町が 76.5 ポイント、全国で 67.7 ポイント、8.8 ポイントの差がございます。同じく小学校算数で令和6年度で壮瞥町が 75.4 ポイント、全国で 63.4 ポイント、12 ポイントと大きく全国の正答率を上回っていると、そういう結果でございますが、学力の全国との比較の分析というところでございますが、本町におきましてはこの学力、学習調査によって小学校、中学校ともその結果を受けて具体的に学力向上につながるような取組をしておりまして、両校とも学力向上プランというものを作成しておりまして、そんな中で小学校では具体的には確かな学力を身につけさせる時間や機会の工夫ですとか、効果的、効率的な指導体制の充実と実践的な授業改善、それとか中学校では学力向上のための組織的な校内研修体制づくりと、そういったことを行って校内的にもその学力調査の検証を行って学力向上につなげているということで、そういった分析結果を今後も続けていくということで指導をしていきたいと思っております。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
ご答弁ありがとうございました。我が町の点数、学力テストの結果については大体分かりますけれども、2024 年度の経年変化分析調査、これについて全国的にずっと下がっている状況がございますけれども、これについてはいかが認識されているのかをもう一度伺いたいと思います。
答弁 生涯学習課長 河野圭
経年変化分析調査の関係でございますが、全国的に下がっているということで、その調査結果について見ますと全国的に本調査のスコア分析の状況に関する変化につきましては中長期的に継続して分析する必要があるということがこの調査では分析されているようでございまして、全国的な結果につきましては本町におきましてもいろいろと今後も調査、分析する必要があるなというふうには思っております。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
ありがとうございました。また質問させていただきたいのですけれども、端末は文房具と同様の学習手段とのご説明でしたが、端末活用によって学力が向上したという具体的なデータや検証結果はあるのでしょうか。また、端末は多額の公費を投じて導入されたものです。そのコストに見合う成果があったと教育委員会として評価しているのか、どのような根拠に基づく評価なのかも伺いたいと思います。
答弁 教育長 柴田暦章
湯浅議員のご質問にご答弁いたします。端末が文房具と同じ考え方ということでして、学力が向上したかというような結果ですけれども、全国学力・学習状況調査の質問紙調査という項目の中に端末を使っているかどうかと、授業の中でです、そういう質問項目がございます。そして、使っている割合が高い児童生徒ほど学力の点数も高いというような全国的な調査結果がございますので、本町においても各学校が各授業の中で端末を利用している回数も多いことでございますので、全国平均を上回る調査結果が出ているものと考えております。以上です。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
端末利用されて結果が出ているというお話でございました。答弁では、整理や定着の場面ではノートへの記述を重視しているとのことです。では、計算や漢字など基礎的技能の定着について紙教材よる反復学習をどのようにどのような位置づけでやっているのか伺いたいと思います。
答弁 生涯学習課長 河野圭
ご答弁申し上げます。端末と紙、反復作業といいますか、そういった部分で思考や書き込みについては紙で行う、音声や検索などはデジタルで行うといったような紙とデジタル両方使うようなハイブリッドな活用を考えておりまして、児童生徒の発達段階踏まえながら適宜使用していくというふうに考えてございます。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
計算や漢字などについては端末を使ってやるということでよろしいのでしょうか、そういう考えでよろしいですか。分かりました。そこで、もう一点、また質問させていただきたいと思います。ICTと紙活用との使い分けについて、答弁では学習の狙いに応じて適切に指導しているとのご説明でした。では、その適切とはどのように評価しているのでしょうか。つまり何を根拠に適切な指導になっていると判断しているのか伺いたいと思います。加えて、その使い道、その使い分けそのものはどのような研究や検証に基づいて体系されているのかも伺いたいと思います。まだあるのですけれども、またその成果や知見を教育委員会として整理し、各学校に共有する仕組みはあるのかどうか、さらにこうしたICTと紙教材の使い分けに関する教育方針については保護者や地域にも分かる形で公開して透明性を確保することが重要ではないかと思いますが、教育委員会の見解を伺いたいと思います。
答弁 教育長 柴田暦章
ICTと紙との使い分けについてですけれども、学習の狙いに応じて使い分けているというふうにご答弁申し上げましたけれども、どの場面で効果的に端末を使えば子供たちが理解するのかというようなところについては、1時間ごとの授業の中で必ず狙いと、それからまとめがございます。そのまとめの中で、子どもたちがその1時間の狙いをきちんと理解をしているのかどうか、それを教師がきちんと見取って授業を構築していっておりますので、その1時間、1時間の時間を教師の見取りの中でしっかりと検証し、理解が不足しているところについては補足的な学習を行ったりをして子どもたちが確かな学力をつけるための判断をしているというようなところでございます。また、研究方法、検証方法につきましては、ご答弁のほうにも申し上げましたが、各学校で校内研修を行っていたり、また道教委のホームページの中にもICTの有効的な活用方法などの先進的な事例が紹介されておりますので、そういった先進事例を基にしながら学校の先生方が日々研さんを積んでいるところでございます。また、教育委員会としてこのICTの使い方についてのことについてでございますけれども、ICTの端末の使い方については各学校が保護者に対して、年度の初めですとか、学校だよりですとか、学級通信などを通じて使い方や、それからまた参観日等でも実際に使っているところを御覧いただけますので、そういった形でご理解を賜っているものと思っております。以上です。
議員の再質問 6番 湯浅祥治
ありがとうございます。いろいろと質問はしてきたのですけれども、最後の質問とさせていただきたいと思います。このような事例がございます。教育先進国と言われるスウェーデンやフィンランド、フィンランドはうちとも関わりもあるところでございますけれども、10 年以上にわたってデジタル優先教育が行われてきておりました。でも、その結果、学力の低下と集中力の欠如が深刻化して、タブレットを廃止して紙の教科書を復活させるという、そういう事例が出てきておりますけれども、衝撃的な内容かなと思って、デジタルを進めたのに紙に戻ってきたと、そういう話なのです。それで、今後、全国的に顕在化した小中学生の学力低下ですけれども、単に子どもの努力不足によるものではなくて教育政策そのものの在り方に起因する構造的な問題だと思います。GIGAスクール教育の機会均等を目的に掲げたにもかかわらずハード整備ばかりが先行して、学力向上という本来の目的には結びついてはいません。今後ICT端末を単に配付するのではなくて学びの質を高める実効的な活用に再設計する必要があります。そのためには、デジタル偏重ではなくて紙の学びの重要性も再確認することが必要です。最後にですけれども、GIGAスクール構想の理念を絵空事には終わらせず子どもたちの未来を支える確かな教育環境を築くために抜本的な検証と再設計が必要と考えますが、ご見解をお伺いして質問を終わりたいと思います。
答弁 教育長 柴田暦章
ただいまの湯浅議員のご質問にご答弁いたします。今後の端末の利活用につきましては、次期学習指導要領の改訂も今進んでいるところでございます。その中では、AIを使いこなす力、AIリテラシーを小学校の総合の授業の中で創設されたり、創設される情報の領域というのが今度出てくると検討されています。また、中学校の情報技術科でもそういったAIの利活用について学ぶ機会も増えてまいります。全ての教科等において探究的な学習課程に組み込んで授業における効果的な利活用を図っていこうというふうに考えておりますし、教育委員会といたしましてはAIを含む先端技術を教師の専門性と掛け合わせることで多様な子どもたちを誰一人取り残さない包摂的かつ質の高い教育環境の充実を図っていく所存です。様々な課題があることは承知しておりますので、その課題に真摯に向き合って検討して、よりよい子どもたちの教育環境の整備に努めてまいる所存でございます。ご答弁とさせていただきます。