幕別町議会 平成16年第4回定例会 2004年12月14日
公共施設の計画的な維持補修・管理と地方財政について
2004年12月14日、幕別町議会の一般質問で、永井繁樹議員が「公共施設の計画的な維持補修・管理と地方財政について」質問し、町長 岡田和夫が答弁しました。
- 質問者
- 永井繁樹 議員
- 答弁者
- 町長 岡田和夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 永井繁樹
通告にしたがいまして、公共施設の計画的な維持補修・管理と地方財政についてお伺いをいたします。地方自治体の社会資本や公共施設などの多くが、景気浮揚策、ゴールドプランやふるさと創生などにみられる内需拡大政策や誘導的な財政政策によって整備されてきました。右肩上がりの経済成長に支えられ、地方交付税・国庫支出金などが増額され、諸施設の建設・整備は人口規模や財政規模などの地域特性にかかわりなく、ともすれば政治的な意図をもって、精力的に行われてきました。また、諸施設の建設・整備に際しては、住民ニーズよりも国庫支出金や交付税措置を得やすい国の意向に沿ったものが優先されてきた傾向がみられます。こうして整備されてきた多くの公共施設の維持補修・管理は各地方自治体に任されていますが、税収の落ち込みや地方交付税の減額などにより、今後は財政逼迫に陥りかねないのです。また、公共施設の老朽化も進んでいくことから、地方自治体の公共施設の維持楠修・管理が、重要な課題となる時期は間近に追っています。維持補修費は、道路橋梁、庁舎、小中学校、上下水道、公園、文化施設、福祉施設、スポーツ施設などに分類されますが、より詳細な分類のもとでの実証分析を行うことが課題であると私は考えます。将来必要となる維持補修費を的確に把握し、将来負担費用を計上し得るような財政システムを確立する必要があると考えます。そこでお伺いをいたします。維持補修費の現状についての整理はできているのでしょうか。できているのであれぱ、分類ごとにその内容についてお伺いをいたします。次に、将来の維持補修費を分析・把握できる推計の計画をどのように考えておられるのか。また、既に推計を終え維持補修費の予測値が算出されているものがあれば、その内容についてもお伺いをいたします。以上です。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
永井議員のご質問にお答えいたします。公共施設の計画的な維持補修・管理と地方財政についてのご質問であります。維持補修費は、施設の公用を維持するための経費であり、備品や部品などの修繕や建物本体にかかるもので、小さな修繕につきましては、予算上は 11 節需用費の中の修繕費に計上し、また、建物本体にかかるもので大きな修繕は、15 節工事請負費に計上し対応をいたしております。施設を管理する立場といたしましては、施設の状態を正確に把握し、その保全を適切に行わなければならないものと考え、施設の補修が適切に行わなければ、損耗を早め、その公用を損なう。または、一時的に多額の補修費あるいは工事費を要する結果となるものと認識し、対応いたしているところであります。ご質問の要旨にもありますように、公共施設の老朽化とともに、維持補修を要する箇所が現れ、その補修費用の調整に苦慮している現実もあります。ご質問の1点目、維持補修費の現状についての整理はできているのかというご質問でありますが、それぞれの施設を管理する現課におきまして、維持補修の必要な箇所等を把握し、小規模なものは新年度予算要求の段階で。また、大きな費用を要する補修は、総合計画の3カ年実施計画の中で計上し、年次計画をもって修繕工事を実施いたしております。維持補修費につきましては、平成 14 年度で総額4億 3,215 万円、平成 15 年で4億 6,095 万円、平成16 年度は、今のところ3億 2,178 万円となっております。これは、15 年度で施設的に分類し詳細に申し上げますと、道路関係、いわゆる土木費でありますが、3億 4,851 万円、これは主なものといたしましては、除雪も入ります。除雪を含む道路橋梁維持費に2億 9,183 万円、公園整備に 1,336 万円、公営住宅の維持関係に 4,332 万円となります。次に、庁舎関係。総務費でありますが、総額で 925 万円、内訳といたしましては、庁舎の修繕 411 万円、近隣センターの関係で 162 万円、防犯灯関係で 352 万円となっております。次に、小中学校関係。いわゆる教育費でありますが、小学校関係で 1,946 万円、中学校関係で 1,023万円、幼稚園関係に 76 万円、学校給食センター関係に 143 万円となっております。文化スポーツ施設関係では、社会教育施設関係に 1,189 万円、スポーツ施設関係に 506 万円、文化施設関係に 255 万円を要し、教育費全体では 5,138 万円となっております。また、福祉施設関係、民生費でありますが、総額で 528 万円。保育所や老人福祉センター、葬祭場に要した費用であります。次に、上水道あるいは下水道関係でありますが、総額で 2,328 万円で、上水道が 686 万円、簡易水道が 410 万円、下水道が 986 万円となっております。このほかに、農業施設関係で 2,325 万円となっております。ご質問の2点目、将来の維持補修費を分析・把握できる推計の計画をどのように考えているかとのご質問でありますが、具体的な将来推計や計画樹立というのはなかなか難しいものと思っております。しかしながら、それぞれの施設の利用状況や耐用年数等を参考に判断をさせて、現在、維持補修に当たっているところであります。いずれにいたしましても、施設を建設いたしますと、将来に大なり小なりの修繕費が発生するわけでありまして、大規模改修費も含め、将来を見越した財政運営に心掛けてまいりたいというふうに考えております。以上で、永井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 17番 永井繁樹
まず1点目の現状把握については、今、町長の答弁の中にありました総合計画3年程度の推計ができていると、推計というか見込みですね、できているという理解をします。2点目の、3年度というのは、俗に言う短期間の推計ということになりますね。把握推計ですね。ある自治体では、回帰分析という方式を使って、これは主に公共施設面積をベースとする推計方式の導入ですけれども、それは数年間もしくは多期間にわたる会計方式を取り入れている自治体がございます。今後、三位一体等合わせて市町村合併等も含めますと、当然この3カ年程度の現在のような方法だけでは、将来にわたる地域住民に対するこういった維持補修・管理にかかわっての情報提供としては非常に浅いものになるだろうと、私は考えますが、そういった中での、俗に言う回帰分析方式。それもある一定の短い期間もしくは多期間にわたる方式の導入を考えたことがあるのでしょうか。それとも検討したことがあるのか、お伺いをしたいと思います。それと、今、町長の答弁の中で、管理実態・推計実態というのはわかるのですけれども、将来にわたってこういった施設の維持管理を考えていくときに、どういう手法で将来いろいろな対策を考えていくとかということになると思うのですが、現況、競争原理とか権限移譲、そういったものに基づいての生活志向ですとか、住民に対する志向、顧客志向ですね。そういったものを求めて、民間経営の手法を取り入れる、俗に言う業績評価を求められている時代がきていると思います。そうした中で、現実に今行われている維持補修費の予算というのは、どちらかというと前年比を基準にした中で、増分主義というのですか、そういう方法でよくやられているのだと思うのですが、私たち住民からみますと、維持補修というのは、時には町民から見づらいものについては後回しになりがちだという傾向もあるはずです。そこで、地方自治体が保有している資産、そういったものを効率性・必要性を年頭において、計画的な維持補修・管理を行わなくてはいけないということで、総合計画に基づく数カ年の計画についてはわかるのですけれども、問題は、政府が先に示されました地方自治法の一部改正を行い、公共施設の管理運営については、現在の管理委託制度に変わって、指定管理制度を導入するということの一部改正を行っております。これは昨年の9月執行になっていると思いますけれども、これはいわゆる、今まで直営でやられていたものを、公共団体に限定していたものを、法人等の民間事業にも委託できるという制度でございます。こういった公共施設、こういったものはなぜ制度として出てきたのかと申しますと、町長もご存知だと思いますが、日本の経済のこの行き詰まった不況をどうやって打開していこうかというところで、民間、要するに企業にビジネスチャンスを提供して、規制緩和ですとか公務の市場開放をしようという一貫の制度だと思います。うちの町のとっても、この制度を無視しては、今後、公共事業の維持管理に対する方向というのは決められないと思うのですけれども、この指定者管理制度と、それと併せて地方独立法人制度ですね。それと、俗に言われる特区というのがございますが、こういったものを町長考え合わせまして、どのような公共施設における維持管理を将来考えておられるのか、ここでお伺いをしたいと思います。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
ちょっとご質問の趣旨が、最初、私は維持補修の計画ということだったものですから、建物の維持補修をどういうふうに計画をもって整理していくのかというふうに、今、捉えたのですけど、今のお話からいきますと、指定管理者制度だとか地方独立法人、あるいは特区、これらはそれぞれの地域にある施設を、民間あるいはいろんな独立法人等によって、どういうふうな管理をしていく、あるいは町はそういう方向に向かって制度を活用していくのかというような質問かと思うのですけれども、私どもとしては先般の指定者管理制度のときの答弁でもお話ありましたけども、今すぐ町の施設を指定管理者制度を使ってお願いするという考えは今のところもってはおりません。ただ、今、帯広市なんかも公募する段階で、保育所の関係なんかもやっておりますけども、これらの状況を見ながら、将来的にはこれは考えていかなければならない問題ではあろうというふうに思いますけども、今、その後の独立法人あるいは特区が、今の施設管理の特区がどのようなものか、残念ながら私もそこまではちょっと勉強に至っていないのですけれども、いずれにしても、民間活力を導入しながら、そして行政サービスを低下させない中で、地方の施設、公の施設がより有効に活用される。そのこと自体に我々は何ら物を申す、反対するあるいは逃げるものではないわけであります。しかるべき必要なものについては、当然、検討しながら、また、議会にもお諮りをしながら進めていかなければならないと思います。ただ、仮に指定管理者制度を使って施設を委託をする、お願いをしたとしても、その施設自体が町営のものである。公の施設である限りは、維持補修費というものは、これは付いてまわるわけでありますから、私どもはそれには対応していかなければ、当然ならないわけであります。そのために、残念ながら、今、永井議員が言われたように、将来的な計画はないわけでありますけども、本当に掴みの中で、来年このぐらいの予算、維持補修費が出るというようなことで、実施計画の中で組ませていただく。もちろん、維持補修費と言いながらも、突発的なものは出てまいるわけでありますから、それらは、修繕的なものは当然のことながら緊急の補正予算、あるいは大規模なものについては工事請負という中で対応していきたいというふうに思います。これは企業会計なんかでいきますと、施設ごとによって減耗というのですか、あるいは修繕にかかる引当金をもったりとか、そういった方法が企業会計の中ではとられるようでありますけども、一般会計の場合はあくまでも施設があって、その施設に、どこかに修繕の必要性が出てきたときに、それに向かって予算対応していくといるというのが現状でありますので、ひとつ将来的なことは、これから十分内部でも検討させていただきますけども、現状についてご理解をいただきたいというふうに思います。推計方法については、特に今の段階では実施いたしておりません。
質問 17番 永井繁樹
ちょっと入り方が悪かったかもしれません。実は、一番聞きたいのは、その推計方式がある中で、多期間にわたる回帰式というその方式がある中で、そういう公共施設の維持管理について、分析をした方がよろしいのではないですかという私の提案なのです。3カ年はわかりました。問題は、将来にわたって3カ年以上の分析をどうしてされないのですかということなのです。ですから、そうしていかないと、今のような前年度比較、もしくは3年程度の過去の実績から基づいたりしていく増分主義の予算編成では、やはりこれから抱える大きな公共施設、相当な面積あると思います。これは十分予算の中では補っていけないのではないだろうかと私は思います。ですから、先般の決算でも出ましたように、一つの建物直すのに、そこの部署だけの予算でなかなかできないと。ですから、そういったものが3カ年で実施していきますよというのはわかるのですが、それはあくまでも3カ年の範囲ですから。当然、自治体の今後の方針としては、もっと長いスパンで、一つの建物というのは何十年も続きますからね。そういった中で維持補修にかかわる全体の予算とういうものをきちっと把握していかなければ、我々議員としても、将来の見通しがたたないということを私はここで申し上げたいのです。それで、今、町長がそういう方法にはまだ至っていないし現状にはないというのであれば、ぜひ、先進地の事例を調べていただいて、回帰分析方式というのはございます。そういったもののデータを取り寄せて、できるだけ早い期間に、この推計を出していただきたい。そうすることが、今、住民が情報不足になっている、特にこの維持管理費というのは、本当に情報不足ですから、実際に町にある施設すべてにどれだけのお金が今後かかるかということはわからないわけです。私は、財政が厳しいのであれば、それをやはりきちっと推計して、住民に知らしめる必要があるだろうという意味でお伺いをしているわけで、別に今までやっていることを批判するつもりもございませんし、それに対しては評価をするところであります。ですから、他の自治体との比較の中でいけば、やられていない自治体はいっぱいございますが、やはりうちは先に手掛けて、将来的に予算の全体像の中で、各部署が困らないような維持管理補修費の予算構想というのを立ててはどうですかということです。まずそれが第1点。それと、指定管理者制度とかいろいろ言いましたのは、必ずこれを取り組むときには、こういった政府で決められた制度を導入しなければいけない。導入するときには必ずこれはメリット・デメリットありますけれども、経済的な、例えば、金銭的な負担が少なくなるとかという効率的な運営ができるとかというメリットがあるはずなのですよ。そしたら、こういう制度を必ず導入しなければ、今後の公共施設の管理維持というのはできないはずなのですね。これは必ず財政的にはメリットをもっていくという趣旨の制度ですから。そのために、私はお聞きをしているのです。ですから、関係がないということではなくて、必ずそういったものを噛み合わせていかなければいけないという意味なので、その点についてお伺いをしたい。そう思います。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
前段のお話ありましたように、一つの公共施設、建物あるいはいろんな施設が、将来的にどのように修繕あるいは改修、そういった計画、そしてそれにかかわる経費がどのぐらいかかるのかということを明らかにしていく。確かに言われればそういうことになるのだろうと思いますけど、今までやってきたのは、そういう計算はやってきていない。あくまでも現実的な対応といいますか、その場その場必要に応じて対応をしてきたというのが現実であります。先ほど言いましたように、企業会計なんかはいきますと、当然ながら減価償却を見ていくですとか、引当金をもって将来に備えるというようなことはやってきたわけでありますけども、その手法、先進地というお話もありましたので、私どもも内部の中でも十分検討させていただきたいというふうに思います。それから、指定管理者制度、私は全く否定するわけではありませんけども、今の段階ですぐその指定管理者制度によってどこかの施設をお願いするというようなことは考えていない。それと、お話ありました、もちろん指定管理者制度を使うことによるメリット・デメリットはあるのだろうと思いますけれども、今、言われたような施設管理あるいは営修繕、あるいは維持補修に関しての指定管理者制度との関わりというのは、やっぱり町には最終的な責任というのはあるのだろうというふうに思います。ただ、管理をお願いしていくことに対するメリットというのは、これは当然あるからこそこういう制度もできていくのだろうと思いますけども、これらについては、前段お話申し上げましたように、今すぐということではなくても、当然、今後、検討していかなければならない課題であることだけは間違いないというふうに思っておりますし、私どももそういった方向でこれからも進めてまいりたいというふうに思っております。