釧路町議会 令和6年第4回定例会 2024年12月3日
学校現場でのICT教育の状況と課題について
2024年12月3日、釧路町議会の一般質問で、中家治子議員が「学校現場でのICT教育の状況と課題について」質問し、教育長 辻川尚志、教育支援課長 貴志淳一が答弁しました。
- 質問者
- 中家治子 議員
- 答弁者
- 教育長 辻川尚志、教育支援課長 貴志淳一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 中家治子
それでは、3件目にいきたいと思いますけれども、3件目は、学校現場でのICT教育の状況と課題についてということで、1つ目として、現在使われているタブレット端末を活用した授業の現状についてです。2点目は、今実際に授業が行われている状況現状から見えてくるデジタル化推進での評価・課題をどのように考えているか。3つ目が、今後の教育分野でのデジタル化の方向性についてお答えください。
答弁 教育長 辻川尚志
9番、中家議員の学校現場でのICT教育の状況と課題についての御質問の中の、1つ目、タブレット端末を活用しての授業の現状は、についてでございますが、各小中学校では各授業の必要な場面でタブレット端末を使って学習しており、デジタル教科書や学習支援アプリなどの機能のほか、各教室に配備している大型提示装置と組み合わせ日常的にタブレット端末を活用されております。次に、2つ目の御質問の現状から見えてくるデジタル化推進での評価と課題をどのように考えているかについてでございますが、令和元年度から令和2年度にかけて導入したタブレット端末の活用方法について、各小中学校で研究を重ね、デジタルの特性を最大限に発揮するために、従来の教具・教材との融和を図り、それぞれの特徴を生かした学習が各学校で展開されております。その結果、学びの個性化が図られることで、より丁寧で分かりやすい学習ができるようになったことと、個々の児童生徒の考えが簡単に共有できるため、多様な意見を尊重しつつ合意形成を図る活動が容易になったことと捉えております。課題としましては、引き続き児童生徒のICT機器の活用スキルと、情報活用能力を高めることと考えております。次に、3つ目の御質問の今後の教育分野でのデジタル化の方向性は、についてでございますが、急速に変化する時代を生きる子供たちが、様々な変化に柔軟に対応できる資質・能力の育成が重要であり、知識及び技能の習得のみならず児童生徒の思考、判断、表現や学習状況の他の児童生徒との共有、学びの振り返りを行うにはICTの活用は有効な手段と捉えております。ICTを活用すること自体が目的化してしまうことなく、教育効果を考えながら有効に活用することを念頭に、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと、協働的な学びの実現に向け、タブレット端末を中心とした学校教育のデジタル化を推進してまいります。以上でございます。
質問 9番 中家治子
まず、1点目ですけれども、必要な場面ということですけれども、教科でいうとどんな教科を中心にされているのか。例えば、こういう教科でこういう使い方をしているという何か具体的なことがあれば教えてください。
答弁 教育支援課長 貴志淳一(教育支援課長は2025年3月まで)
タブレット端末の授業での活用ですけれども単元、場面によって使わない場面もありますが、ほとんどの学習で使われております。小学校、中学校それぞれ9教科に加えて道徳、特別活動、総合的な学習の時間、そのほか児童会、生徒会活動ですとか、クラブ活動でも活用されております。デジタル教科書が入っている教科はそれを活用したり、教科書に今QRコードが付いていて、それを読み込んでインターネットに飛んでその教材を活用したりですとか、あとはカメラですね、写真とか動画を撮って、それをクラスで共有したりとかということでも活用されております。以上です。
質問 9番 中家治子
紙の教科書を主体のときは、例えば副教材なども紙ベースだったというふうに思うのですけれども、デジタル教科書になってから副教材についても変わったりしているのでしょうか。
答弁 教育支援課長 貴志淳一(教育支援課長は2025年3月まで)
デジタル教科書につきましては、学習者用につきましては今、2教科から3教科が入っておりまして、それ以外はまず今の従来型の紙の教科書で使っております。また、デジタル教科書が入っている教科につきましても、プリント等の副教材も活用しながらの学習をしてございます。
質問 9番 中家治子
デジタル教科書とタブレットの端末の活用もそうなのですけれども、例えば評価の基準ですとか、そういうことで変わることはないというふうに思うのですけれども、多分視点だとかが、先ほどの教育長の答弁でもありましたとおり、多分、評価の視点は少し変わるのかなという印象を受けたのですけれども、その点についてはいかがですか。
答弁 教育支援課長 貴志淳一(教育支援課長は2025年3月まで)
タブレット端末が入ったことで、児童生徒の学習の評価というところは大きく変わらないかなというふうに思います。ただ、学習支援アプリが入ることで、各児童生徒の考えですとか、学びの定着といったところは教師が把握できやすくなったのかなというふうに考えております。
質問 9番 中家治子
教師が把握しやすくなるというのは、例えば全体で手を挙げてというところでなかなか手を挙げられないような子が、そういうタブレットを使って自分の意見を言えたりというような場面が出てくるというような意味合いかなというふうに思いますが、もしそうだとすれば、それはすごくその子にとっても教師にとってもいいのかなというふうには思います。評価としてはそんなに大きく変わることはないということが分かりました。それで、2点目にデジタル化を推進していく上での評価と課題なのですけれども、紙ベースで例えばデジタル教科書あるいはタブレット端末を使った授業を主体でやっているというようなことだというふうに思うのですよね。そうではない場面もあるとはおっしゃったけれども、主体でやっているという、そういう中で例えば児童生徒がこういうふうに変わってきたという、学習に向かう姿勢だったとか、日常生活なども含めて、日常生活ではなく学校生活なども含めて変わってきた点があるのであれば、ちょっと教えていただきたいと思うのですが。
答弁 教育支援課長 貴志淳一(教育支援課長は2025年3月まで)
学習指導要領では知識・技能の習得というもののほかに、仲間と共同して学びを深めるといったような視点が非常に重要視されております。今までなかなか手が挙げづらいような子供の、性格上そういう場面があっても、タブレット端末があることで発言ですとか、考えというものを共有できるような仕組みができました。また、これまで学ぶ手だてというのが教師から一方的に聞くようなスタイルの授業が多かったのですけれども、これも変容してきておりまして、場面によっては児童生徒が自ら考えて学習をデザインするというような力も今求められておりまして、この点においてタブレット端末は大きい存在かなというふうにして考えております。
質問 9番 中家治子
3ともちょっと関わってくるというふうに思うので、途中ですけれども2と3ちょっと合わせての質問ということでよろしいでしょうか。
質問 9番 中家治子
ありがとうございます。これからの教育現場でのデジタル化がどういうふうになっていくのかということなのですけれども、例えば国の内閣府でAI戦略会議というのがあるのですけれども、教育分野でもAIを導入するというような考え方を持っているようなのですけれども、そういうことで一部試験的にいろいろやっているようなところもあるやに聞いているのですけれども、そういう状況をどう捉えているのか、あるいは国から何か指導等、通知等があるのかないのかというところについてお聞きしたいと思います。
答弁 教育支援課長 貴志淳一(教育支援課長は2025年3月まで)
生成AIの教育利用の考え方かなというふうにして考えております。昨年の7月に、文部科学省から初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインというものが配出されておりまして、これに基づきまして学校ではAIの活用というものを進めてございます。この中で、この生成AIの活用について教育の場面で適切ではないと考えられる例ですとか、活用が考えられる例というものが明示されております。活用が考えられる例としましては、やはりこの生成AIがどのような仕組みで動いているという理解ですとか、今後どのような学びに生かしていくかということで、使うことが目的ではなくて、これをどのようにこれから使って学びを深めていくかというような視点で活用されてございます。
質問 9番 中家治子
先ほどの方向性のところでは、教育長の答弁の中でICT教育、いろいろなタブレット端末も含めてですけれども、活用していくこと自体が目的化してしまうことなくということでは言われたのですけれども、今の生成AIも含めてどんどんそういう場面が増えてきていく中で、目的化することがないようにと言いながら目的化されつつあるのかなという、私自身はちょっと危惧を抱いている部分があるのですけれども、そういう状況を見ると、そもそも教育って何なのというところの原点に立ち返るような状況になってしまうのですけれども、この点について、まず教育長が現状どう捉えているかお聞きしたいと思います。
答弁 教育長 辻川尚志
デジタル化の方向性ということで、今、貴志課長のほうから生成AIについてのガイドラインの説明もありましたが、教育分野におけるこのデジタル化の進化って物すごいです。私が現場離れて6年目なのですけれども、もう実態が分からないぐらい進んでいるかなというようなですね。ただ、学校訪問して安心するのは、タブレットをのべつ幕なく使っているという場面はなく、必要に応じて使い分けているという場面があることにちょっと一安心しているところでもあります。それと、物すごい進化で変化しているデジタル化ですけれども、一つだけ変わらないものはそれを使っている子供たちは生身の人間だということで、人間そのものはデジタルではなく、アナログだというふうに捉えていますので、それを使う人間がそれに溺れてしまうと非常に本末転倒になってしまうなということは、私自身、注意深く見ているところであります。そういう意味では、やはり使う人間がどういう目的でこれを使うかということで、そこのところはしっかり指導する側が抑えながら活用していくということが、一番大事なのかなというふうに抑えているところであります。あと、人間としての強みということでいろいろな感情の部分だとか、いろいろな感性、同じ緑色を見たときでもその緑をどう思うかという感性は、やはり人間が持つ強みでもあるというふうに思っていますし、あと倫理観だとか、調整能力だとか、まだまだデジタルでは及ばないそういう力、そういうところを伸ばすような、そういうことを授業転換していく必要があるかなというふうに思っています。デジタルの登場によって、授業の進め方も変わりつつあるところではありますけれども、必ず子供たちが人間として関わっていく、そういう場面は絶対になくさないということで強く進めていきたいなというふうに考えているところでございます。
質問 9番 中家治子
私も今、教育長がお話をされたことに同感なのですけれども、ただ昨年のユネスコの報告書で2023年グローバル教育モニタリングレポートというのがあって、教育におけるテクノロジーという中身で、世界各国の教育DXの現状に対して警鐘を鳴らしているという状況もありますし、海外の動きでは学校では、例えばタブレット端末だったりしますけれども、家庭に帰ればパソコンだったり、スマホだったり、もちろんタブレットも含めてですけれども、そういう持ち運びが可能な情報機器があふれているというか、そういう状況、つまり学校だけではなく、学校では有効に活用しているけれども、自宅に帰ればまた同じような状況があるという中で健康被害ですとか、そういうようなことも出てきて、今世界でいうといわゆるモバイルデバイス、つまりスマホとかタブレットを持ち歩ける情報機器については、学校での使用を禁止するという動きがあります。早いところでは、2018年フランス、2023年フィンランド、イギリス、スウェーデン、スウェーデンについては「PISA」という国際学力調査で結構上位だったのですけれども、数学とか読解力など学力の急激な低下、それから健康の問題、依存症の問題などで、学校では禁止をするというような措置をとっています。海外でのそういう動きが、イコール日本でというふうにはならないかもしれないですけれども、早くから取り組んでいるところというのは、今そういう状況になっているということを、私自身も調べてちょっとびっくりしたのですけれども、その点についての所感みたいなのは教育長どうでしょうか。
答弁 教育長 辻川尚志
つい先日、オーストラリアでもSNS禁止というようなこともあって、そういういろいろなデジタルの機器が子供に及ぼす影響というものもいろいろ指摘されているところは承知しているところでございます。ある調査では高校生17歳の視力が、約70%の高校生が1.0以下だというような調査も報告されていますけれども、それが全てデジタルによるものかどうかはちょっと、真に十分考える必要があると思うのですけれども、今現在日本の教育の中では、そういう禁止という動きはまだ出ていません。学習指導要領にのっとって教育を進めるという観点では、現状のままで推進していくことになるかというふうに思いますが、先ほども申しましたが、使う側の人間が非常に使い方をどうするかということが非常に大事なところでありまして、これは個人的な私自身の考え方にもなるのですけれども、やはり黙っていても情報が入ってくる状況であるということで、まず子供たちには2つの力、ロジカルシンキング、情報を論理的に順序的に整理するという力、それからクリティカルシンキング、批判的な思考、入ってくる情報が全て本物なのかどうか疑ってかかると、まずはその真意をもう一度洗い直して2つの目線で情報を整理すると、そういう力が必要なのかなというふうに思っていますので、この辺のところもいろいろな授業を通して、身につけていきたいなというふうに考えております。これは禁止したら全て解決するかという問題ではありませんので、禁止、今していない状況ですから、こういう力を積極的につけながら、子供たち一人一人が判断できるような、そういう教育を展開していきたいなというふうに考えています。
質問 9番 中家治子
大変便利にコミュニケーションツールとしても、それからいろいろな検索ができるとか、瞬時にできるというようなことがあって、ツールとしては大変有能だというふうには思いますけれども、そこが中心になるというか、ツールがツールではなくなるというような状況は、教育の分野では大変心配されるし、そうあってほしくないなというふうに個人的には思っています。今、教育長はしっかりと問題点を抑えながら、やっぱり教育本来の在り方も含めて実践していきたいというお答えだったというふうに思いますので、そういう方向でぜひやっていただきたいというふうに思います。終わります。