訓子府町議会 平成22年第3回定例会 2010年9月15日
教科書のデジタル化の考えについて
2010年9月15日、訓子府町議会の一般質問で、小林一甫議員が「教科書のデジタル化の考えについて」質問し、教育長 山田日出夫が答弁しました。
- 質問者
- 小林一甫 議員
- 答弁者
- 教育長 山田日出夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 小林一甫
教科書のデジタル化の対応についてということで、2015年から教科書がデジタル化されると聞いておりますが、具体的にはどのような中身なのか。また、対応は十分なのかお伺いをいたしたい。
答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)
「教科書のデジタル化の考えについて」お尋ねをいただきましたのでお答えをしたいと思います。昨年末に、原口総務大臣が2015年までに電子教科書を小中学校に配備する「ICT維新ビジョン」を公表したこともありまして、関係業界ではかなり積極的な取り組みが進んでいるように聞いております。この電子教科書は、動画で視覚的に学んだり、ネットワーク機能を使った出題や採点で、個別の習熟度を瞬時に把握して対応するなど「次世代教科書」として学習指導に生かしたいとの文部科学省の狙いがございます。現在でも電子黒板を活用しての英語等の授業が進められておりますが、簡単に言えばその活用の幅をさらに広げたもので、それぞれ子どもたちが小型の端末機を操作しながら授業を受けるような形になるものとご理解いただければと思います。この電子教科書・教材の普及は、官民挙げての一大プロジェクトになるものと考えられているところですが、学校現場の理解やICT(情報通信技術)を活用した授業の教員育成など、準備や整備等を含め、今後5年間で整備することは無理があるのではと推測しているところでございます。いずれにしましても、時代の流れや世界の流れからしても電子教科書は近い将来導入されるものと考えておりますが、子どもたちの健全な成長を阻害することがないよう、さまざまな問題や課題等を検証していくことが必要であり、今後とも国の動きを注視してまいりたいと考えております。以上「教科書のデジタル化の対応について」お答え申し上げましたので、ご理解をお願い申し上げます。
質問 5番 小林一甫
ただいま、教科書のデジタル化について、ご答弁をいただきました。何点かお伺いをさせていただきます。まず、1点目につきましては、教育長として、教科書のデジタル化は本当に必要と思っておられるのか。2点目につきましては、私は、ゆとり教育の二の舞になるのではないかと考えております。そのような恐れはないのか。また、これは、ゆとり教育の中と言いますか、それを若干、別の観点から申し上げたいと思います。ある自治体で「よのなか科」というようなものが設立され、子どもたちの教育へ非常に役立っているというようなことも聞いております。その中身について知っておればお伺いをいたしたい。それからこれは、非常に大切なことだと思いますが、国からの押し付けが100%正しいというような意味合いは、たぶんないと思いますが、上からの押し付けでなく、本町の教育委員会を中心として、採用のためと言いますか、取り入れる時には、論議を重ねて、慎重を期していただきたいと考えております。そのことについて、お伺いをいたしたいと思います。
答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)
3点にわたりお尋ねがあったかと思います。1点目に、デジタル教科書化への教育長としての認識、必要性について、お尋ねがあったかと思います。なぜ、今、このデジタル化が出てきたかと私なりに考えますと国際的に日本の子どもたちの学力の低下が非常に心配されていることが背景にあると思います。ゆとり教育が長く続き、今、ゆとり教育の見直しから新学習指導要領の制定、一連の流れは、やや学力重視に振り子が揺れていると思っております。ただ、学習指導要領でも子どもたちの最終目的は、生きる力を育むことといわれております。生きる力をやさしく考えてみますと社会の中で役立つ人、個人の人生目標に向かって、自分の人生を生き抜く力を育むことではないかと理解しております。そうしますと学力ばかりに教育が着目されては困るのではないかと私は思っておりまして、このデジタル教科書は、確かに良い面もありますが、総じて言えることは、知識や情報処理の分野で効果的とは思いますが、反面、心の育みや人間性や集団学習の面で、少しやはり心配の面があると思います。むしろ、授業でのパソコンへの依存度が高まる心配や、知識、テストなどに、どうしてもスタンスが移っていく心配がありますので、国が今目指そうとしていることではありますが、現場、現場、それぞれの教育委員会において、今、どのようなことが一番求められているのかを十分慎重に検討しながら、このデジタル化だけではありませんが、すべてにわたって今後も対応していかなければならないと思っております。それと「よのなか科」の話がありました。私は詳しく存じ上げませんが、先ほどお答えしたように、子どもが立派な1人の大人として成長していく過程を重視した政策の一環、その辺に着目した行政のあり方ではないかと考えております。それと3つ目に、国の押し付けと表現がされましたが、国の政策すべてをそれぞれの教育委員会、町の教育現場において、そのまま踏 襲とうしゅうするのかとのご心配も含めてのご質問だったと思います。1つ目の答弁でも関連しますが、それぞれの教育委員会は、町に住む皆さんにとって、どのような勉強、学習、教育が必要かということを十分に検討をして、町民の皆さんの考えやニーズも十分お聞きする中で、自前のといいますか、もちろん国や道の政策とも関連しますが、自分の町にふさわしい方向性を追求するものだと思います。従いまして、このデジタル教科書、私先ほど言いましたように、良い面もありますが、いろいろちょっと心配の面もございますので、この政策も含めて十分に我々も勉強させていただきますし、町民の皆様も含めて、ご意見、お知恵を借りながら、自分たちの町にふさわしい教育に向かって仕事をしていきたいと考えております。
質問 5番 小林一甫
ただいま、3点にわたって考え方を述べていただきましたが、まず心配するのは、ゆとりの教育の部分で、また同じようなことが繰り返されるのではないかというような感じを持っております。やはりデジタル化でありますので、例えば、問題が出てもボタンを押せば答えがすぐ出てくるような、たぶんそのような仕組みになるであろうというような感じをしておりますので、そこが一番の心配するところであります。ゆとりのある教育で土曜日が休みになったことで、子どもたちは勉強ではなくて、家にこもりっきりでゲームをやっている子どもたちが多数いるというような報告もございましたので、その延長の中で、問題も本当にきちんと理解しない中で、答えを求めるようなことが起きていくのではないのか。そのような老婆心ながら心配するものですから、このデジタル化の採用につきましては、本当に慎重にしていただきたいと考えているところであります。もう少し時間がありますので、お伺いをしたいと思いますが、先ほどの「よのなか科」は、これは個人的な名前を言ってしまうと少しこの部分や、この場面では問題あるのかと思いますので、大阪のほうの知事のもとで、今の子どもたちの教育について、果たしてどうなのかということで、大学の先生に聞いたことであります。その中身につきましては、今のゆとり教育が果たして、子どもたちのためになってきたのかというようなことを論議されたみたいですが、結果的には、そのようには、なっていなかった。そうしたら、どうするのが一番いいのかというようなことでやはり、子どもたちが自由に友達同士で1つの課題を論議しながら、自分たちの意見を述べ合い、そこからやはり本当の自分に合ったような部分を取り入れるような形を率先して取り上げた学校もあり、その学校は非常にやはり子どもたちの学力といいますか、心のケア、心のケアだけではなくて、先ほど、教育長が申し上げておりました子どもたちの心の育みのようなものが十分に子どもたちの間で育ったというようなことも事例としてありますので、もしも、機会があれば、そのようなところもやはり教育委員会の中で論議をしていただきたいと思うところであります。最後になりますが、来年度のことも教育長にお伺いするのは、たぶん筋違いだと思いますが、町長にお聞きした部分もございまして、来年度に向けての教育委員会の考え方といいますか、何に取り組んでいこうとするのか、最後に少しでいいですのでお伺いをいたしたい。
答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)
デジタル化のことについて、前段触れられておりました。確かにイメージとしては、子どもたちが小さな端末を持って教科書の代わりに、先生は教壇に少し大きめの画面を持ち、これは、LANでつながっている訳です。そして、一例ですが、先生が問題を出す、そうすると子どもたちが回答すると即座に先生の画面には、クラスの全員の答えが映し出され、たぶん職員室にあるサーバーという大きなコンピュータに結果が集計され、統計のようなことも瞬時にされるところまで、私はイメージしているのですが、そのような形だと思います。それは、非常に効率的ですし、先生は子どもたちの理解度、習熟度を即座に判断し、わからない子どもにはサポートし、わかる子どもには、また次のステップへとそのような整理をするという点では非常に効率的ですが、一方では、子どもたちが口頭で答えを言って、その答えについて、回りの子どもたちが反応を示し、ひやかしも、がやがやも含めて、皆で1つのことを考えたり、コミュニケーションをとったり、発表能力をつけたりなど、いろいろなことからみると果たして、今伝えられているデジタル教科書は万能ではないという認識を持っているということであります。しかも道具がないと教科書を開けられない。家庭に帰ったら、パソコンがないと教科書が開けられないのです。いろいろな課題があります。そのことを社会的、全国的に実現するととんでもない予算がかかり、大変なことになると思います。そのような心配も含め、良い面と悪い面をよく見極め、今後もよく検討し、我々も勉強を深めていかなければならないことを改めて話していきたいと思います。それと来年度の教育目標ということであります。新学習指導要領が、いよいよ本格的に開始される年度にもなってまいります。これは先ほども言いましたように、子どもに生きる本当の力をつけてもらいたいと考えられているところでもあります。学習指導要領の完全実施に向けて遺漏い ろ うのないように、まずは、そこに重点を置くべきだと思います。それと昨日、新しい教育委員のご同意をいただきました。町長が提案をされた意図は、十分、議員にもご理解をいただいたと思いますし、広く、男女半分半分いる世の中でありますから、女性、そして普通のお母さんの意見を教育委員会の中に視点を取り入れ、広く町民の皆さんの声を反映する教育委員会であるべきと思いますし、それをまずベースに今後とも開かれた教育委員会、開かれた学校、開かれた社会教育を目指してまいりたいと思います。雑駁ざっぱくですが、まだ、お話したいことはたくさんありますが、特に、重要と思われる部分に絞ってお話させていただきました。よろしくお願いします。
質問 5番 小林一甫
これで一般質問を終わらせていただきます。