みんなの議会

訓子府町議会 平成22年第1回定例会 2010年3月11日

教育委員会の役割と課題

2010年3月11日、訓子府町議会の一般質問で、上原豊茂議員が「教育委員会の役割と課題」について質問し、教育長 山田日出夫が答弁しました。

質問者
上原豊茂 議員
答弁者
教育長 山田日出夫

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 9番 上原豊茂

2点目は、教育委員会の役割と課題についてであります。国の政権交代は、教育行政にもさまざまな波紋を起こしております。このような状況の中で教育委員会制度の確認をしながら教育行政の今後について、現場の先生も含め、国民的議論が必要と感じているところであります。日本の教育委員会制度は、第二次世界大戦後、米国に倣ならって導入され、地方自治法で教育行政の執行機関として設置が義務付けされております。その目指すところは、第1に政治的中立性の確保、第2に教育の継続性、安定性の確保とされております。教育行政には、数十年先の地域や日本を担う子どもたちの健やかな成長や歴史を背負った人々の充実感にも配慮した対応が求められていると思います。当町の教育委員会も学校の現場での課題とされていたことに一定の方向を示唆したところであります。これらも教育委員会の持つ使命に沿って民主的な過程を経て取り組んだものと思います。先に述べたように、さまざまな点について、社会的議論が起きている中で、当町の教育委員会がその役割をどのように果たしていくのか。また、教育委員会の将来像について、どのような議論がされているのかについて、教育長の考えを伺いたい。1点目は、教育委員会の持つ政治的中立性の確保・教育の継続性、安定性の確保について、どのように考えているのか。2点目は、教育行政は、より民主的な執行が求められると思いますが、現状の課題について。3点目は、教育委員会の将来像をどのように描いているのか。この3点について、伺いたいと思います。

答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)

教育委員会の役割と課題について3点にわたりご質問をいただきましたのでお答えをしたいと思います。まず、1点目の「教育委員会の政治的中立性の確保、教育の継続性、安定性」についてお答えいたします。議員がおっしゃられるとおり、教育委員会は教育の中立性、継続性、安定性を確保するため、一般行政から独立性の強い行政委員会の一つとして、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命する住民から選ばれた委員によって運営されております。教育行政の理念は「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に「教育基本法の趣旨にのっとり、国との適切な役割分担及び相互協力の下、公正かつ適正におこなわなければならない」と明記されております。つまり、我が国は、民主的法治国家でありますから、法令遵守に基づき公正、適正な教育行政を推進することが、すなわち「教育の中立性、継続性、安定性」につながるとあらためて認識をいたし、引き続き、努力してまいりたいと思います。次に2点目の「教育行政の民主的執行」についてお答えします。民主的執行の基本でもある教育委員会の体制や地方分権については、先ほど述べた「地方教育行政組織運営法改正」の大きな焦点でありました。中でも「教育委員の基本理念と重責自覚の明記」をはじめ「教育委員会活動点検評価の実施と議会報告」、「委員への保護者選任の義務化」、「指導主事配置の努力義務化」など数々の改正が行われたところです。あらためて委員全員が職務の重要性・中立性を肝に銘じ、教育行政の民主的運営のために慎重審議及び住民に対する説明責任の徹底等に努めているところでございます。また、学校教育でいえば「改正教育基本法」に根拠がある「新学習指導要領」に沿った教育を粛々と推進することが、民意を反映した民主的で中立的な教育行政につながると確信をしているものでございます。最後にお尋ねのありました「教育委員会の将来像」についてお答えいたします。教育委員会制度が、戦後、アメリカの制度に準じる形で導入され形式的との批判も含めて不要論が一部にあることを承知しております。歴史的経過はともかく、教育が政治や時の為政者い せ い し ゃに左右されないよう中立を保ち安定的に継続的に推進されるため、関連諸法が整備され、その崇高な使命に向かって努力することが教育委員会のあるべき姿だと認識しております。今回の教育3法の大改正によりあらためて教育委員会の重要性が再確認されたものと考えております。その責務としては、繰り返しになるかもしれませんが、委員会審議に父母の意見を取り入れ、活動内容を議会報告や自主的な広報等を通じて説明責任を果す。教育委員の研修などによるスキルアップを図り重責を担っていく体制を強化し、住民視点を大切にすることだと思います。今後におきましても、法令の趣旨にのっとり「開かれた教育行政」のさらなる推進に委員、職員共に努力してまいりますので、議員におかれかしても、ご指導、ご支援をお願い申し上げたいと思います。

再質問 9番 上原豊茂

何点か再質問をさせていただきたいと思います。ただいま、教育長の見解をお聞かせいただきました。教育長も申しておりましたが、さまざまな状況の中で、この教育行政についての見解が述べられているのが実態と思っておりますし、私もここに資料を持っておりますが、多種多様な論表が示されております。そのような中で福井秀夫氏の論表の中に「もう教育委員会の政治的中立性は失敗している」との表現もあります。これが正しいのかどうかという問題でなく、そのような見方をしているということであります。教育の継続性、安定性の確保は、法令による広域性が最も効果的とも述べられております。教育に対して、極めて知識がない私でありますから、あまり深い議論ができないと思いますが、専門家がさまざまな議論を起こしている中で、私は今、当町の教育委員会の中で、当然行われているのかもしれませんが、このような課題に対し、それぞれの見解を議論の中に持ち出されているのかどうか。そのような議論の場があるのかどうかということをお聞きしたいと思いますし、また、中井浩一氏は、国民的議論を提唱している。今こそ国民的な議論が必要なのだと上意下達の仕組みから脱皮するためにも、そのような体制づくりが必要と主張しておりました。これらについて、教育長で何か考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。

答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)

お答えします。教育委員会の役割、あるべき姿については、日本国中、昔からいろいろな議論が行われてきていることは、もちろん承知しております。先ほどもお答えしましたが、教育委員会の役割は、国民の代表でつくられた最高機関の国会で法律が決められ、その法律に基づいて諸法令が定められ、その基本に沿って、粛々と政治的な思惑を挟まず、行政を推進することが議員の言われている中立性、継続性、安定性の確保につながるものだと思っております。いろいろなご意見、学者の先生方は、いろいろな研究をされていますから、ご自身の主張もいろいろされております。それは、もちろん我々も参考にしますし、国会議員の先生方も参考にされる中で、国会で審議され、法治国家が形成されているものだと考えております。それと委員会の運営のあり方で十分な審議がされているか。委員個々の知見を披露されながら審議されているかとの趣旨の質問だったと思います。私は非常に自負していることがあります。私どもの教育委員は5人おりますが、私はともかく、4人の委員の皆さんは実に教育に対する情熱、知見をお持ちだと思います。委員会のたびに時間がいつも正直に言うとオーバーしておりまして、非常に関心もさせられておりますし、自分も勉強をさせられているところであります。従いまして、事務局の事務方が用意した議案をしゃんしゃんと通るような委員会ではないことを申し上げておきたいと思います。その点では、事務方の責任者としては、いつも、時には冷や汗をかかされたり、不勉強を痛感する場面も多々ございます。非常にうちの委員さんは優れていると自身を持ち、その審議内容も含めてお伝えをしておきたいと思います。それともう1点、国民的議論の必要性を唱える論表があるとご紹介がありましたが、先ほども言いましたように法治国家の要は国会であります。国会議員であります。有権者が選んだ国会議員が政党政治の基で、内閣制の基で国の 礎いしずえとなる法令を定めておりますので、それを中心に国の行政から地方の行政まで教育行政も含めて、粛々と推し進められることが肝要かと考えております。

再質問 9番 上原豊茂

今、教育長からお答えがありましたそのことについては、本来ですと時間があればもう少し踏み込んだ主張のやりとりをしたいと思いますが、残念なことにその時間がないようですので、次の教育行政執行の現状課題の件に入ります。今回の教育行政執行方針の中で卒業式、入学式における教職員へ職務命令を出し、き然とした指導を徹底するとの表現があります。私も総務文教委員会委員として、何度か入学式、卒業式等に出席させていただきました。式における事象じしょうについては、いろいろな見方があると思いますし、私もいろいろな思いを持ち、目にしたこともあります。私は、それの善し悪しについて議論するつもりはありません。1つは、前段で申し上げましたように教育行政の中では、教育長も言われていたように民主国家でありますから、いかに民主的にいろいろな事象に対し対処していくことが問われてくると思うわけであります。まず1つは、今回の1つの方向性を示唆したことのプロセスに十分な現場との議論があったのか1つ懸念されるところであります。前段でも申し上げましたように、とかく上意下達のシステムにのっていくことを目にしますし、耳にするところであります。そのようなことでなくして、前段で申し上げましたように、民主的議論の中で1つの方向を切り開いていくことが求められてくると思いますし、これらについて、現場の先生、保護者、子どもたちの思いも含め、話し合うことが最も教育現場にふさわしい手段と思うわけであります。私は、そのような経過を経て、話し合いによる、さまざまな解決策を指示することこそが子どもの将来の生きる力になると感じるところですが、この辺について、教育長の考えがあればお聞かせをいただきたい。

答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)

お答えします。この議論を避けと言いますか。議論というよりは、この手法に至るプロセスのお尋ねだったと思います。まず、民主的に行われたのか。話し合いを基本とするステップのことについての重要性をご示唆されたと思います。今回は、いろいろな理由はありますが、非常に学習指導要領というものが、教育基本法を基に定められました。改めて、新しい中で式典における国旗、国歌の適正な取り扱いが初めて明記されたのです。それに基づいて粛々と仕事としてやっていただきたい。仕事とは、子ども、児童生徒に国旗、国歌と向かい合って学び、国際感覚もそうですし、式典の儀礼、作法もそうですし、社会規範も含めて学んでいただく。学んでいただくためには先生に教えていただくということであります。残念ながら長い間、一部の先生方は、内心を仕事より優先させて、なかなかやっていただけなかったという背景がございます。それで今回、必要ということで、この仕事を進めるにあたって、何点かポイントを考えました。その1点は、直接、先生方とお会いし話し合いや教職員個々の心に訴えることが1つであります。手紙を出したり、いろいろなことをさせていただきました。それと校長に丸投げをしないで、教育委員会が主体的に対応することが2点目。それと3つ目は、教育委員会議での徹底審議。これは先ほど言いましたが、非常に時間を割いて審議をさせていただきました。それと保護者、地域住民の考え方をなるべく把握する。PTAへのアンケートや説明会を何度か開かせてもらい、考え方を聞かせていただいた。それと町民と保護者の皆さんに説明責任を果すことであります。従前、なかなかこの問題は、タブー視されている面もありまして、なかなか見えづらかったことがありました。それは教育委員会が、仕事をする以上、行政の仕事の内容を住民の皆さんに知ってもらいたい説明をする責任があるというような、このようないくつかの観点で行いました。従いまして、話し合いで決着がつくものではないというのは、お互いにわかっているのです。つかないのです。ただ、プロセスにおいては、十分、先生方の話を聞くことも含め、十分プロセスでは配慮したつもりです。

再質問 9番 上原豊茂

それでは、3番目の関係であります。この件については、教育長が説明責任のことに言及しておりました。私はさまざまな教育長の発言も含め、将来的には教育委員会の会議内容の公開性に取り組むべきではないのかと思うわけであります。それについて、どのような考えを持っているかを聞いて、私の質問を閉じたいと思います。

答弁 教育長 山田日出夫(教育長は2012年9月まで)

教育委員会の活動内容につきましては、教育三法の改正に伴い、議会に活動内容を自己評価し、報告をすることが改めて開始されました。このことの充実を図ってまいることが1つ。それともう1つは、教育委員会議は秘密会議ではございません。議事録も含め、いつでも閲覧に供しておりますので、それの十分な活用等も含め、今後、お互いに、住民も我々行政と議会も含め、十分話し合い、検討していくことが大切だと考えております。

再質問 9番 上原豊茂

一般質問を閉じたいと思います。

出典:訓子府町議会 平成22年第1回定例会 2010年3月11日 議事録 PDF(10ページ) 間違いを知らせる