上富良野町議会 令和4年第2回定例会 2022年6月22日
町の少子化対策に関して
2022年6月22日、上富良野町議会の一般質問で、小林啓太議員が「町の少子化対策に関して」質問し、町長 斉藤繁が答弁しました。
- 質問者
- 小林啓太 議員
- 答弁者
- 町長 斉藤繁
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 小林啓太
私は、さきに通告していた1項目6点に関して、町長の所信をお伺いいたします。1番、町の少子化対策に関して。上富良野の総合戦略において、少子化が進んだ原因は多岐にわたるが、安心して子どもを産み育てられる環境づくりは最も優先して取り組むべき課題の一つであるということが明記されています。一方で、上富良野町の合計特殊出生率は現状の一途をたどり、20年前の2002年は148人いた出生数も、令和2年度には59人と大きく減少しています。少子化が進んでいる原因の一つとして、不妊に悩む夫婦が増加しているという現状があると考えます。厚生労働省の発表によると、実際に不妊の検査や治療を受け たことがある 夫婦は全体の 18.2%、夫婦全体の約5.5組に一組の割合に上ると言われています。また、体外受精等の生殖補助医療を受けて出産に至る出生児の割合も増加傾向にあり、こちらも厚生労働省の発表では、2008年には、全出生児の2%だった割合は、2019年には全体の7%まで増加し、全出生児の約14人に1人が生殖補助医療の力を借りて誕生しているという事実があります。14人に1人というのは、まさに私たち議員が14名いますので、まさに14人いれば、そのうちの1人が生殖補助医療を受けて誕生している現状があるというようなイメージかと思います。これらの社会的背景を鑑み、国は本年4月より、一般不妊治療(タイミング療法や人工授精)と特定― 27 ―不妊治療(体外受精)などの保険適用をスタートさせました。これまでの間、北海道においては保険が適用されず、特に医療費が高額になってしまっていた特定不妊治療に関しては、一部制限はあったものの、治療費に対して助成が行われ、それでも補い切れない分は、各市町村が独自の支援体制で治療に取り組む夫婦をサポートしていた実態がありました。一方、上富良野町では、これまで不妊治療に対して、自治体としての独自の支援はなく、上川管内19町村のうち16町村が独自の助成を行っていた中でも沈黙を保ってきました。私は最も優先して取り組むべき課題の一つである安心して子どもを産める環境づくりをする上で、出産を望んでいるが、子どもを授かりづらい夫婦に対して、町としてサポートしていくことが上富良野町の繁栄には必要であると考えています。そこで、以下6点に関して質問し、町長の所信をお伺いいたします。1、少子化は、子育て世代の課題と考えるか、それとも全世代に関わる問題と考えているか。2、上富良野町における不妊治療に取り組む夫婦の実態に関して、町としてどの程度の情報を把握しているのか。3、これまで不妊治療支援に関して、政策として検討を行ってきた経緯はあるのか。4、不妊治療に対して、今後、町独自の助成を含む支援等を行っていく方向性はあるのか。5、ふるさと納税の使途目的に、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに係る事業を加えることは可能か。また、検討を行っていく方向性はあるか。6、厚生労働省の調査によると、不妊治療と仕事の両立ができず、19%(女性の場合は23%)が離職に至っているというデータがあります。上富良野町職員が不妊治療に取り組む際は、どのような制度を利用して、働きながら不妊治療に取り組むことが可能か。また、今後、制度改善に向けて取り組んでいく考えはあるのか。以上、1項目6点につき、町長の考えをお伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の町の少子化対策に関する6点の御質問にお答えさせていただきます。まず、1点目の少子化問題は、子育て世帯、または全世代に関わる課題かと考えるかという御質問ですが、少子化は、日本においては、1970年代半ばから合計特殊出生率は2.0を割り込み、少子化現象が続いており、2020年には1.33と、急速に少子化が進んでおり、社会問題の一つになっております。本町においても合計特殊出生率1.62であり、出生数も令和2年度からは60人を割り込み、少子化が進んでいる現状であります。少子化の原因については、結婚や出産に対する個人の価値観の多様化や女性の社会進出により、未婚化・晩婚化、仕事と育児の両立の負担などによる出生力の低下などが大きな原因と捉えております。少子化は、少子高齢化による労働力の供給の減少に加え、現役世代の負担の増加、消費、購買の低下など、経済社会に大きな影響を及ぼすことから、全世代に係る課題と考えております。次に、2点目の不妊治療に取り組む夫婦の実態の把握についてでありますが、北海道が助成する特定不妊治療費助成事業の町内の件数を富良野保健所に照会して把握するにとどまっているところであります。富良野保健所や町に対しましては、住民からの不妊治療等に関する相談や問合せはほとんどない状況にあり、町として、不妊治療に取り組む夫婦の実態把握は難しい状況であります。次に、3点目の不妊治療支援を政策として検討した経緯についてでありますが、令和4年3月31日まで、不妊治療は医療保険が適用されていませんでしたので、高額な治療費で夫婦の経済的負担が大きいという課題は認識しておりましたが、不妊治療支援については実施できていない現状であります。これまでは、国においては、経済的負担の軽減として、平成16年度に不妊治療の助成が開始され、年々助成内容が拡充されておりましたので、町に対して、夫婦が自ら選択し、助成を希望され、相談を受けた場合は、北海道の制度を十分に説明し、活用していただいたという経緯があります。次に、4点目の今後、町独自で不妊治療の助成を含む支援等についてでありますが、不妊治療に関しましては、国において少子化に対処し、令和4年4月から全世代型社会保障改革として、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、医療保険の適用になりましたことから、子どもを望みながら経済的な問題を理由に不妊治療を諦めていた方にとって大きな支えになったところであります。このたびの医療保険適用により、治療費の自己負担は3割生じることになりますが、治療費が高額となった場合は、高額療養費制度の利用により、上限額を超えれば高額医療費の支給対象となること。さらに、医療費控除の申請も可能になりましたので、保険適用外であったときと比較して、夫婦の負担が― 28 ―大きく軽減されることになりました。町といたしましては、高額な治療費負担を生じていた不妊治療も他の疾病と同様に医療保険の適用になりましたので、現時点では、町独自の支援策は考えておりません。しかし、子どもを望み治療を続けても、治療による出産率は1 2.9%と高 くはなく、治 療に伴う様々な心身の負担や、子どもがいないことに対する不快な言動、子なしハラスメントに悩みを抱えるなど、気軽にオープンにできない非常にデリケートな問題であります。相談を希望された場合には、少しでも精神的負担が軽減できるように努めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。次に、5点目のふるさと納税の使途目的に、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに係る事業を加えることに関する御質問でございますが、ふるさと納税については、ふるさと応援モニター事業として、寄附の申し込みに当たり、十勝岳魅力再発見事業、ラベンダーのまちづくり事業、高齢者福祉推進事業、児童・生徒の教育振興事業、自衛隊との共存共栄のまちづくりの五つの分野と、使途を指定せず、町に委ねるものと、寄附者の意向により指定していただいており、意向に基づき、積み立てた各基金からそれぞれ歳出事業に繰入れを行っています。出産、子育てについては、使途目的を町に委ねられた寄附から、地域福祉基金に積立て、該当する事業に繰り出していることから、ポータルサイト上に出産、子育てに係る寄附の選択肢を増やしていくことができるのか、サイトの運営管理等を委託している事業者とも協議をしてまいりたいと考えています。併せて、ポータルサイトの五つの分野がタイムリーなものとなるように協議してまいりたいと考えていますので、御理解をいただきたいと存じます。次に、6点目の町職員が不妊治療に取り組む際の制度に関する御質問でありますが、人事院は、令和3年の人事院勧告において、不妊治療のための休暇の新設について示し、これに伴い、人事院規則について所要の改正を行い、令和4年1月1日より施行しているところであります。町といたしましても、人事院勧告を参酌した中で、不妊治療を受けやすい職場環境の整備は社会全体の要請であり、公務においても不妊治療と仕事の両立を支援する必要性は高いと考えられることから、上富良野町職員の勤務時間・休暇等に関する条例、施行規則の一部を改正し、職員が不妊治療に係る通院等のため勤務しないことが相当であると認められるときの特別休暇を加え、令和4年4月1日より施行しているところでありますので、御理解を賜りたいと存じます。
再質問 11番 小林啓太
それでは、まず、1点目の質問に関して再質問させていただきたいと思います。1点目は、少子化は子育て世代の課題と捉えるか、それとも全世代に関わる問題と考えているかという質問です。町の少子化対策は、全世代に関わる課題であるという答弁をいただき、この点に関しては町長と同じ思い、共通認識を持つことができたのかなと思います。また、先ほど来から上富良野高校の振興策であったり、存続にかける町長の思いなどを聞くにおいても、これは決して今生まれてくる子どもたちだけの問題ではなく、これからのこの町の在り方に大きな影響を及ぼしていく問題なのかなということを、聞きながら考えておりました。そこで、町長としても、上富良野で生まれ育ってくれる新生児が増えるということに関しては、大切なことであると、こちらも共通認識を持っていただけているのかどうかをお伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えしたいと思います。上富良野町においても新生児が増えていくことは望んでおります。合計特殊出生率が1.62、これは非常に高くて、海外の北欧並みなのです、実は。フィンランドとかノルウェーは1.4とか1.5で、むしろ上富良野より低いので、上富良野は産みやすいといいますか、少子化が進んでいる日本の中でも非常に新生児が多い町だと思っています。昔から比べたら減っているのですが、総体的には1.6と高くても、昔から比べて相当減っていますので、これは、先ほども答弁で述べさせていただきましたとおり、子どもが少なくなると地域経済等にも影響が出てきますので、これは地域全体の問題として、子どもが今より多く、合計特殊出生率も上がるように、何らかの子育て施策等はいろいろ考えていきたいと思っております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
今の御答弁で、町長は、現状の上富良野の合計特殊出生率でも非常に満足されている数字であるとお考えだというふうに理解しました。個人的には、もしかしたら、近隣の市町村― 29 ―と比べれば、自衛隊関係の方がたくさんいらっしゃったりするので、人口の構成比なでも大きな影響があるのかなと考えております。ただ、先ほどの町長の御答弁の中で、少子化の進行は、夫婦の出生力の低下などが大きな原因と捉えているということでした。では、上富良野町では、出生力の低下という課題に対して、現状、具体的にどのような対策を講じて、出生力の向上を目指しているのか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えしたいと思います。出生力の低下というのは、一番大きな要因は、晩婚化とか結婚を望まなかった、早い時期に結婚を望まない、個の価値観の多様性といいますか、そういうものが大きく影響している部分がありまして、これはなかなか町の力だけでは解決できない問題かなと思っております。そのほかに、出生力の低下というのは、経済的な問題であれば、これも町としては、直接個人の所得を保障したりすることはなかなか難しいのですが、やはり子育てにおける、小さいお子さんは特に手がかかりますので、そういうことのサポートは、子育て事業を通じて最大限の努力を今後も払っていかなければならないのかなと考えております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
ただいまの答弁では、具体的に出生力の向上という題名目において何をしているのかというのは少し分かりづらかったのですが、ただ、恐縮ながら町長のお気持ちを代弁すると、いろいろ価値観の多様化であったり、行政としてなかなか手が届かないようなところの原因で出生力が低下してしまっていることに対して、何をしていいのか分からないというような状態なのかなというお気持ちかと思うのですが、その辺のお考えをお聞かせ願えればと思います。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えしたいと思います。大きく言えばそうなのです。晩婚化となると、当然その間、合計特殊出生率の数字に影響してきますし、個人の選択ですので、昔のように何歳になったら結婚適齢ということすら、ハラスメントと言われがちですので、個人の価値観の中に行政が踏み込んでいくのは本当に至難の業なのかなと、難しいなと。ただ、PRといいますか、子どもが少なくなったら、少子高齢化になったら将来大変だと、間接的なPRなんかを政府もしているのかと思っていますし、結果から申し上げますと、直接的にああせ、こうせというのは、なかなか難しい問題なのだろうと思っております。
再質問 11番 小林啓太
町長、御安心ください。そんな悩める町長に私が一筋の光を指すような質問を御用意してきたので楽しみにしていただければと思います。それでは、2番目の質問に移らせていただきます。上富良野町における不妊治療に取り組む夫婦の実態に関して、町としてどの程度の情報を把握しているのかという質問ですが、町に対し相談や問合せがほとんどないよう状況で、実態把握も難しいとの答弁でしたが、少子化対策に向けて、出生力の向上を目指す町としては、子どもを授かりたいと思っているはいるが授かりづらい状況にある方々がどのような支援を必要としているかなど、総合的な実態の把握が必要であると私は考えますが、相談者がいないということは、支援等を必要としている人がいないという認識であられるのか、町長の考えをお伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。相談がないからニーズがないと、全くゼロということはないと思います。ただ、見た目だけといいますか、夫婦2人で暮らしていて、しばらく子どもがいない状態で5年、6年と暮らしている状況だけを見て、子どもが授からないのかなとか、そういう判断もできませんし、ひょっとするとその夫婦が夫婦2人の生活を望んでいるだけかもしれません。先ほど述べたように、価値観の多様化という問題があって、夫婦2人暮らしの人を不妊で悩んでいると断定とか、推定することもできず、どちらかというと受け身といいますか、相談待ちの状況であります。以上です。
再質問 11番 小林啓太
町長がおっしゃるように、この点は、直接的なヒアリングでの現状把握はかなり困難を極める作業なのかなと私も思っております。さきの御答弁の中で、保健所に照会して町内の実態を把握するにとどまりとありましたが、何かそこでデータに関して、実態把握につながるような情報― 30 ―があったのか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。保健所からもらったデータは、当然個人情報なんかは入っていなくて、実人数と延べ人数と助成額ぐらいの情報でして、特にこれが相談業務につながったとか、そういう活用はなかなかしづらい。大ざっぱな傾向といいますか、そういうものを把握するぐらいのデータにとどまっております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
ただいま町長が手にされているデータは、僕が保健所のほうに確認したときに、保健所のほうで照会してくれたデータを町のほうにも共有するというふうに言われていたので、恐らく同じデータをお持ちなのかなと思っておりますので、それをベースにお伺いしたいと思います。上富良野町の御在住の方で、令和3年度に不妊治療を受けられた方は、実数で12名いらっしゃったとお伺いしております。この12名という数字に関しても、町長は多いとお考えになるか、少ないとお考えになるか、町長の考えをお伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。このぐらいはいるだろうなと、12というのが少ないかなと、逆にもうちょっといるかなと思いました。私も55年生きていまして、私の友達なんかもかなり多く不妊治療を受けておられた方、個人的に友達の中にいますので、私の知らない人まで含めると、結構いるのではないかというふうに推測していましたので、特に12という数字を見て驚いたりした、そういう数字ではありませんでした。
再質問 11番 小林啓太
私もこれが本当に実数値かどうかというのは、確実なことは言えないと思っていますし、担当の所管でお話をしていたときにも、かなりこれはデリケートな問題でもあるので、周りに人に知られたくないという理由から、助成すらも受けない方もいらっしゃるのではないかというお話を伺って、そうなのかもしれないというふうに考えた次第であります。ただ、令和3年度は実数では12人であったというのが、保健所のデータによると、令和2年度は実数は3人で、延べ人数は5人というふうに伺いました。なぜ令和2年度から令和3年度にかけてこれだけ人数が増えたかというのに関し、令和3年度は所得制限が撤廃され、助成回数も生涯で通算6回までだったのが、1子ごと6回までに変更されたということが背景として大きいだろうということを保健所の御担当の方から伺いました。ですので、これは支援が届きやすくなると不妊治療に取り組む方が増え、また、取り組む回数さえも増えるという、まさに少子化に対して、出生率が上がる可能性が非常に高い施策になるのではないかなと考えますが、その点に関して町長の考えをお伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。議員おっしゃるとおり、令和2年と3年を比べまして、費用の部分、所得制限が撤廃されたりして、これは大きなファクターであって、自己負担が軽減されると、実人数、延べ人数等も当然ある程度までは増えていくのだろうと、容易に想像はつきます。以上です。
再質問 11番 小林啓太
もう少し踏み込んで、上富良野の実態、実際に不妊治療を受けられている方が、どれぐらいの費用をこれまで負担されてきたのかというのを何とかして調べられないかと模索・検討していたところ、近隣の富良野市においては、既に市独自で助成を行っていた背景もあり、不妊治療を受けられている方々が実際にどれぐらいの費用を負担されたかという、かなり詳細なデータを持ち合わせているということが、富良野市の議員の方の御協力で教えていただくことができました。令和3年度において、実人数で14名の、延べ件数で29件、これは上富良野が実人数12人に対して延べ人数が27人ということで、かなり近しい数字であると理解しております。また、北海道からの助成金額においても、富良野市はトータルで約681万円が道から助成されており、これは1人当たり約48万円を受け取っている計算になります。これは、上富良野が昨年度、約578万円を12名で受け取っていたのと比較すると、こちらも上富良野は1人当たり約48万円受け取っているということで、かなり富良野の数字というのを参考に上富良野の姿を導き出すことができるのかなと考えますが、先ほどのアンケートの経緯もあったので、その数字を参考して議論することが問題ないか、町長に先にお伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
富良野市の数字がどういう― 31 ―数字なのか分かりません。先ほどおっしゃったとおり、申請した人の数だけで、実人数はもっと多いのではないかということもあるので、この数字が正しいものかどうかというのは、私はちょっと判断できませんけれども、質問を続けてもらっても今のところは支障ありません。どうぞ続けてください。
再質問 11番 小林啓太
あくまで参考にということで、富良野市の数字等を参酌したいと思います。もう少し踏み込んで、富良野市に助成の実態をお伺いすると、富良野市に関しては、平成28年に経済的な負担軽減を目的に、他の自治体等を調べつつ、助成をスタートさせたということです。子ども・子育て計画にのっとった支援の内容は、採卵を含む不妊治療に対しては上限15万円。こちらは、北海道から最大30万円当たっていたものです。あとは、採卵を含まない不妊治療に関しては5万円を上限に助成を行っていたということで、保健医療課で担当されていて、そちらで、申請に来られた方等のデータを基に、詳細なデータを持ち合わせているということでした。令和3年度には、約14名の、延べ件数29件に対して、約278万円を富良野市としては助成をしているというふうに聞きました。この金額は、1人当たり約20万円を富良野市から助成として受け取っている数字になります。これをベースに考えると、上富良野町に住んでいて、不妊治療に取り組まれると夫婦と、富良野に住んでいて、不妊治療に取り組まれる夫婦の間で、既に自己負担額が年間で20万円ぐらい違うという実態が浮き彫りになっておりますが、上富良野に住んでいると20万円自己負担が多いということは、余計に不妊治療に取り組む方々に対して負担が大きいのかなと思いますが、その負担に関しては、町長はどのようにお考えになるか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。令和3年度については負担が大きかったということです。令和4年からはどうなるか、富良野の方向性も、15万円の補助がどうなるかというのは、まだ情報は入ってきていませんが、過去は、小林議員が言うように、上富に住んでいる人のほうが、補助がない分、負担が多かったというのは間違いないのではないかと、上富は補助がありませんでしたので、そう思います。今後については、富良野市の状況も分かりませんので、今後も上富と富良野に差があるのかというのは何とも、こうだということは明言はできないと思います。
再質問 11番 小林啓太
この数字に関しては、後ほど少し参考にさせていただくのですが、一旦、次の質問に関する再質問に移らせていただきたいと思います。これまで不妊治療に関して、政策として検討を行ってきた経緯はあるのかという質問ですが、今の町長の御答弁の内容からも、これまでは治療費が高額で、夫婦の経済的負担が大きいということは認識していたが、もし相談を受けた場合は、あくまで北海道が実施してきた助成制度を説明するにとどまり、町独自の支援が必要との政策検討は行ってこなかったという理解でよろしかったでしょうか。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。答弁で述べさせてもらったとおり、今まではそのような経緯になっております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
こちらもしつこいようですが、これまでは、当町で不妊治療に取り組む夫婦と、あとは、そのように独自の助成をしている町村に住む夫婦の間では、実際、経済的な負担に大きな差があったという御認識も持たれてはいたということでよろしいでしょうか。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。他の市町村、独自の助成制度を持っている市町村とは、上富はありませんでしたので、負担の差といいますか、金額の差といいますか、自己負担の差はあったでしょう、そう思います。
再質問 11番 小林啓太
それでは、町長の認識も確認できたところで、四つ目の質問に関する再質問に移りたいと思います。四つ目の、不妊治療に対して、まさにこれからの話です。今後、町独自の助成を含む支援等を行っていく方向性があるのかという私の質問に対してですが、こちらに関しては、町長は、経済的な負担は、一旦、保険適用により解消されたが、精神的な負担等に関しては、相談を受けた場合は、負担を軽減できるように努めるというふうに答えたという理解でよろしいでしょうか。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。― 32 ―答弁のとおりです。
再質問 11番 小林啓太
それでは、実際に保険が適用されたことによって、本当に経済的な負担は軽減されたのかということに関してちょっと検証してみたいと思いました。それで、先ほど来から使わせていただいている富良野市に詳細なデータがありますので、その数字を参考にさせていただきました。富良野市は、昨年、令和3年度には、実数で14名の方が不妊治療に取り組まれていた中で、総額で約1,122万円を治療費として負担されていたというふうに伺いました。この1,122万円というものを3割負担で考えると336万円になります。336万円に対して、昨年度の富良野市だったら278万円を助成しているので、最終的な14名の自己負担額としては、トータルで58万円になり、これは14人で割り返すと、1人当たり平均、1年間で約4万円という数字になります。これは保険適用がされる前の数字とほぼ同じ数字になっております。一方で、富良野市の数字に、大体85%掛けた数字が上富良野とほぼイコールになる数字と捉えておりますので、総額で富良野市が1,122万円を負担したのに対して、恐らく上富良野では、12名で掛けた総額が大体953万円という数字になります。その3割は286万円となり、こちらは自己負担額が1人当たり年間23万円という数字が導き出されます。つまり、保険が適用される前と後で、実際に負担している金額が、上富良野町は富良野市より約20万円高いという現状はほぼ変わっていない数字と捉えることができると思います。その事実に関して、町長はどのようにお考えになるのか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。細かい高額医療のはね返りとか、いろいろ計算すると、もっと違うのかなと思いますが、富良野が令和3年から引き続いて独自の助成をするのであれば、当然差は発生するのかと思っております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
まさにその点の問題が僕も気になっておりまして、富良野市がこのまま続けるのであれば、ほぼイーブンでいきますが、逆に支援の手を止めれば自己負担は増額となるということだったので、どうするおつもりですかということを以前お伺いしたときに、まだ対策は考えなければならないということを1か月前にはおっしゃっていました。そこで、同様に上川管内の近隣の市町村に関してヒアリングをしたところ、急いで決めなければならないことなので、5月末までには決めたいと思うということを美瑛町の担当の方がおっしゃっており、先日、私もホームページで確認したところ、美瑛町では、採卵を伴う治療に関しては15万円、伴わない胚移植のみには7万5,000円、一般不妊治療に関しては年間5万円という、保険が適用される前とほぼイコールの助成を行っておりました。東川町においては、第1子のみ全額助成をする。ただし、所得制限があるというような内容であり、おおむねこれまで助成されていた自治体に関しては、支援の手を止めることなく、ほぼイーブンの内容で助成をしていくのかなというふうに考えております。そこで、近隣の町村は、保険適用後も引き続き絶え間ない支援を続け、ほぼ同額の金額の助成を決定してきているが、それでも町長は、不妊治療に対して、保険が適用されたことで、経済的な負担の権限という課題に終止符が打たれたとお考えになっているかどうか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。経済的問題には終止符が打たれたと思っております。明らかに高額な不妊治療を保険適用で3割負担できるようになりましたので、これは経済的な問題としては、全て問題が解決したとは言いませんが、一定程度のピリオドというか、解決策としては示されてきたのかなと思っております。ただ、小林議員がおっしゃるとおり、先ほども小林議員の数字、上富が1人当たり23万円、ほかの市町村だと、富良野がそのまま続けると4万円とか、20万円ぐらいの差があるのではないかという御指摘ですが、要するに他の市町村と比べてどうなのかという視点は、それがメインではなくて、まず、23万円という負担が、各市町村に支援がある、なしを無視して、23万円という自己負担が経済的な負担としてどうなのかと、昔と比べて格段に負担は減ったと思います。保険適用になって、23万円、ひょっとすると高額医療でもっと減額されるかと思います。これは個人の年収によりますが、相当割合としては、不妊治療にかける経費としてはかなり軽減されて、そういう意味で経済的な問題は解決されたと認識しております。個々の町によって違うのは、それぞれ政策、子育― 33 ―ての何に力を入れるのかということの、政策の色を出す部分ですので、その結果が数十万円違うというのは、これはやむを得ない。全国統一するわけにはいきませんので、大きく見るポイントとしては、この23万円というのが、年収から比べて許容できる範囲なのかというのが非常に重要なことだと思っております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
ただいまの町長の考えをお伺いして、総体的に見れば確かに上川管内においても、上富良野町は不妊治療に取り組む夫婦に対して余りフレンドリーであるとは言いづらい状況ではありますが、その他の様々な政策等を含めれば、決して悪くない町ですということを町長は言いたいのかなと思いながら聞いていました。ただ、先ほどからお話ししている、例えば自己負担額が近隣の市町村と比べて、23万円というのが高いのか安いのかというのは、もちろん個人の年収にもよりますし、一概にどちらということはできないと思います。ただ、人によっては金額がネックで、子どもを望んでいるが諦めてしまうことであったりとか、再度不妊治療にチャレンジしたいけれども、諦めてしまうことなどもあると思います。その辺は、主観で結構ですので、町長はこの金額が個人の意思決定に影響がある金額であるとお考えになるか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。不妊治療に関しては、非常に今、経済負担ばかりに注目が集まりがちなのですが、それ以外のことが非常に当事者してはしんどいという声はよく耳にします。例えば当事者の身体的な負担とか精神的な負担、時間的負担、そういった山積みされた経済以外の問題が置き去りにされていると、まさに負担が幾らだったか、そういうことばかりが全てのように語られていますが、実は不妊治療は、そういう女性、男性も含めて、必ず成功する、成功率は低いので、男性も含めて、精神的な負担、経済以上にひょっとしたら厳しいのかもしれません。そういうものをトータルで考えて、不妊治療のことを語らないと、どうしても隣の町と比べてとか、そういうふうになってしまいますので、私は、町としては23万円は、もちろん低所得の方であれば高額療養でほとんどは返ってきますし、高所得の人は確定申告に使えます。そういう経済的なこともありますけれども、それ以外に精神的なケアとか相談業務といいますか、そういうことのほうが、今まで置き去りにされがちなところにもっと力を入れるべきなのだろうと。私の経験上も、先ほど言いましたが、周りにいっぱい知り合いがいますので、そういうところが政策として欠落しないように注意していきたいなという思いが強いです。以上です。
再質問 11番 小林啓太
町長としては、経済的な負担より精神的な負担を軽減できるようなことで、上富良野はその責務を果たしてきたいということだったかと思いますが、先ほど町長もおっしゃられていたように、とてもこれは繊細な話題であり、相談する側にとってもいろいろなリスクが伴ってくることでもあります。なので、僕としては、行政の役割としては、そこの精神的な負担に介在するよりも、経済的な負担を軽減してあげられることのほうが、相談者の方の直接的な利益につながるのではないかなと考えております。また、経済的な負担というのが精神的な負担に大きくつながるようなことだと考えておりますが、では、経済的な負担が精神的な負担になっているという相談を受けた場合、どのように御対応されるのか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えしたいと思います。経済的な負担が精神的な負担、仮定の話にケースを当てはめて答えるのはなかなか難しいのですが、私は、経済的負担が一切解決されたといいますか、もっと精神的な負担、時間的負担というのは、5番目の質問にもありますが、休みとか、そういう問題だと思いますが、経済的な負担は、突き詰めて話すと、23万円がどうなのかというと、それは安いほうが、所得の多い人も低い人も、絶対数値が下がれば、経済的負担は下がるのは当然なのですが、総体的に、23万円がどうなのかという議論をしないと、許容される水準なのかという論議をしないと、ただの値段の話になってしまって、当然、子育てですから、少子化対策は不妊治療だけではありません。町としては、不妊治療以外にも、子どもを産んだ方が育てるために、いろいろなところに政策として予算を投入していますので、それらを一つのものとして、個別のものを比べても収拾がつかなくなるといいますか、トータルで上富良野の子育て政策を見ていただきたいというのが私の言わんとするところです。― 34 ―以上です。
再質問 11番 小林啓太
町長もお金お金と言われて嫌気が差してきたのかなと思いますので、この点に関しては、そろそろこの辺でと思うのですが、私が一貫してお話ししていたのは、町長も前段の話で、正直何に手を出していいか分からないという、具体的な方策がなかなか見えてこない中で、そもそも子どもを授かりたいと思っている方に、もっと安心して産めますという手を差し伸べるという至極具体的な提案をしていると僕自身も思っておりますし、むしろ町長も、ほかのいろいろな施策がある中で、ボトムアップしてこられた中でも、なかなか何をしていいか分からないということだったかと思うので、ぜひこの点に関しては、近隣の市町村のデータ等も引き続き参考にしながら、上富良野町民が背負っている自己負担額が高いのか安いのかというところに対して、町長御自身の答えを出されて、この後、政策に反映されていくかどうかを御検討いただければと思っております。6番目の質問に移らせていただきます。こちらは、まさにお金を支援するかどうかだけの問題ではなく、上富良野町職員が不妊治療に取り組む際は、どのような制度を受けられるかという質問になりますが、この質問をする私の気持ちとしては、大切な上富良野町職員が不妊治療と仕事の両立で、離職してしまうということがあってほしくないという思いから、また、仕事との両立で苦労し、本当は出産を望んでいるのに出産を諦めてしまうということがあってほしくないという思いがあります。この点に関しては、町長も同じお考えか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたしたいと思います。おっしゃるとおり、不妊治療のために職を辞したり、必要以上に時間を取るのに苦労したり、そういう不利益がないように、職場の制度は、特別休暇ということで設計されておりますので、上富良野町の職場としては、不妊治療を職場の環境で諦めたり、職場の環境でできなかったり、そういうことは今のところないのではないかと考えております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
今回、一旦、人事院勧告を参照して、制度を本年度より施行しているとの御回答でした。ただ、さきに御答弁いただいたように、現状、とてもデリケートな問題であると捉えている方も少なくなく、制度を整えただけでうまく機能するとも考えていません。今回、一般質問するに当たって、関係所管に様々なヒアリングをしている中でも、この制度が既に施行されているということを上司に当たる課長職の方々も余り把握されていなかったように見受けられました。今後どのようにこの制度を周知徹底し、制度を使いやすい職場づくりを行っていくべきとお考えになるか、お伺いいたします。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えいたします。大変申し訳ござませんが、できたばかりの制度で、周知が徹底していない部分もあったと思いますが、今後は、管理職のみならず全職員に対して、できるだけ積極的に、こういうものがあるということは周知していきたいと思います。ただ、小林議員もおっしゃるとおり、非常にデリケートな問題で、本人が特別休暇を申請しないで、普通の有休で申請してきたりすることも考えていますし、それを、特別休暇なのだからと、根掘り葉掘り聞くわけにもいきませんので、なかなか難しい問題なのですが、不妊治療に対する偏見みたいなものが昔からあったのか、負い目みたいなものがあったのか、科学的根拠のないようなものを払拭するような努力も我々必要なのだろうと。職場内外問わず、一般社会においても、不合理な偏見を根絶するというのも一つ大切なことなのだろうと思っております。以上です。
再質問 11番 小林啓太
この点に関しては、当然デリケートな話題ではあるのですが、この制度を受ける側の皆様が余り過度に、デリケートな問題であると意識し過ぎることによって、当事者が逆に言いづらくなるということもあるかと思いますので、その辺の距離感とかを大事に、ぜひ部下の方々を大切にしていただければと思いますので、この場で皆さんにお願い申し上げたいと思います。では、最後に総括して、今後、上富良野の少子化対策として、不妊治療に対してのサポートを強化していくかどうかの質問をさせていただきたいと考えておりますが、少しだけ、私ごとにはなりますが、今回この質問をしようと思った経緯について説明させてください。今回、不妊治療というテーマに関心を持ったのは、まさに僕たち夫婦が不妊治療を受けた当事者であったからです。治療を通して、容赦のない高額な医療費の請求におののき、また、失敗を繰り返す中― 35 ―で、不安や焦り、悲しみ。また、妻は、採卵前には10日間も連続して富良野や旭川の病院に通いながら、注射を受けなくてはならないなど、仕事と両立することの難しさなど多くの壁に直面しました。そんな中で、何度ももう諦めようかとか、子どもがいない生活も幸せだよねというお話もしてきました。そんな中、旭川にある病院の診療室において、看護師の方が不妊治療で受けられる助成についても詳しく説明してくださいました。その際に、近隣の市町村で助成制度を行っている自治体の一覧を見せてくれたのですが、その紙の端っこのほうに赤ペンで、上富良野はなしと書いてありました。その紙を見て、もし同じく不妊に悩む上富良野町民の方がこの紙を見たとき、どのような気持ちになるかを想像すると何とも言えない気持ちになりました。もちろん病院側に悪意はなく、恐らくよく聞かれるから、便宜上、そう書かざるを得なかったのかと推測します。私は、上富良野の町民が、この町に住んでいてよかったと感じるのは、このような状況に直面した際に、自分の町の行政がしっかりとサポートしてくれていると感じたときなのではないかと思います。そこで、斉藤町長に再度お伺いします。今後、不妊に悩む夫婦に対する経済的なサポートを可能な限り早急に行っていくお考えがあるか、町長の所信をお伺いし、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
答弁 町長 斉藤繁
11番小林議員の御質問にお答えしたいと思います。金銭的なサポート、助成制度は、令和4年度から保険適用になったことで、現在のところ町独自の制度は考えておりません。ただ、先ほど申し上げたように、私どもの担当職員、力不足かもしれませんが、関係機関とも協力し合って、精神的なサポート、肉体的なサポートは、もちろん不妊治療を受けたい人が来てくれないと、なかなか相談にもならないのですが、来てくれるように、少しでも力になれるように、経済的な23万円か4万円かという話より、不妊治療を継続していくかどうか、不妊治療をもう一度やってみよう、続けていこうという決断をするに当たっては、金銭的なサポートももちろんそうなのですが、精神的、肉体的なサポートもそろっていないと、決して幸せになれないと、町も治療されている御夫婦も、そう思っておりますので、できる限りといいますか、相手に委ねられている部分もありますが、もしそういう方が来られたのであれば、できる限りサポート、そして、もっと高度なサポートが必要な場合がございましたら、関連の相談施設の御紹介とか、そういうサポートも続けたいと思っております。以上です。