広尾町議会 令和6年第3回定例会 2024年9月5日
全国的に急速に進行する人口減少社会への対応について
2024年9月5日、広尾町議会の一般質問で、松田健司議員が「全国的に急速に進行する人口減少社会への対応について」質問し、町長 田中が答弁しました。
- 質問者
- 松田健司 議員
- 答弁者
- 町長 田中
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 6番 松田健司
私は、全国的に急速に進行する人口減少社会への対応について質問をいたします。人口減少社会とは、少子化や高齢化の進行により、経済と社会保障を支える労働の中核的な担い手である15歳以上65歳未満の生産年齢人口が減少し、次いで総人口までが将来的に減少を続ける社会を意味し、今や日本では多数の自治体で加速度的に進行している状況にあります。国立社会保障・人口問題研究所のデータでは、25年後に日本の人口は現在よりも2,500万人減り、高齢化率も40%にまで達する予想になっており、広尾町を含む過疎地域では、さらに状況が悪化することが指摘されています。令和2年に改訂された広尾町人口ビジョンによる本町の人口推移では、約10年後の2035年度には総人口が4,510人、高齢化率が45%に達するシミュレーションが示されているところですが、2022年に内閣官房デジタル田園都市国家構想内の調査によれば、人口が4,000人以下となり、うち65歳以上が45%を超えると、その自治体は生産年齢人口を増やすことがほぼ不可能になるとの情報公開をはじめ、今年の4月に民間組織の人口戦略会議により出されたレポートでは、子どもを産める世代が一定割合より下回ると、人口が一気に減少して自治体経営が破綻する可能性があり、2020年から2050年までに20歳から39歳の若年女性の人口が50%以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」と定義され、道内では117の自治体が該当し、その中に本町の名も挙げられており、若年女性の減少率は61.5%で、基準ラインを大きく上回るデータが提示されています。自治体の消滅とは取りも直さず自治体経営の破綻を意味し、公共施設、インフラの老築化への対応や、ライフラインの確保、地域コミュニティの維持など、重要な行政サービスの提供が著しく低下することが予想されるところですが、このような信憑性のあるデータに基づき明確に示された厳しい現実を今どのように捉え、どのように対応し、実行するのかが、将来的に広尾町を自治体として存続させるための極めて重要な判断になると認識します。これらのことに対する考えと今後の対応や課題について、町長に伺います。
答弁 町長 田中
松田議員の一般質問にお答えをいたします。人口減少社会への対応についてであります。松田議員からもありましたように、本年4月に民間組織が発表した「人口減少が加速することで将来的に消滅の可能性のある自治体」に本町も該当し、社会減対策が極めて必要との見解が示されたところであります。人口減少は、本町が喫緊に取り組むべき最重要課題であると認識しております。昨年12月に「国立社会保障・人口問題研究所」が発表した本町の2050年の将来推計人口は3,158人であり、人口ビジョンにおける2050年の推計人口3,265人とほぼ同様の数字となっております。広尾町は特に14歳以下の人口が6割減、人口移動が続くとした場合の20歳から39歳の女性の減少率も約6割という推計となっており、若年女性の町外流出を食い止め、出生数の改善を図ることが重要だと認識しております。広尾町人口ビジョンにおいても、社会減が人口減少に与える影響が大きいとして、移住・定住につながる施策や町からの人口流出を防ぐための施策により「社会減」を緩やかにして、あわせて、子育て支援策の充実などにより出生数の増加を図ることをポイントとして捉えております。人口減少がこのままのペースで進んだ場合、町の規模が縮小し、社会保障やインフラの維持が困難となります。また、担い手不足による産業の縮小や医療・介護・保育など生活関連サービスの低下、地域コミュニティの機能も失われていくなど、多方面に大きな影響が出ることが想定をされています。人口減少対策のため、令和5年度に策定した「第3期総合戦略」の基本施策である「産業の育成と、若者の雇用の場となる企業の育成や誘致」「人口流出を抑制し、外から人を呼び込む移住・定住の促進」「町ぐるみで行う子育て支援」「地域の個性を生かした魅力あふれる地域づくり」に基づき、デジタル技術の活用など社会の変化に対応した施策を着実に実施していくことが必要であると考えております。また、公共施設の集約など町のコンパクト化についても、今後の施策を実施していく上で考慮を重ねていく必要があると思われます。令和8年度から、第6次まちづくり推進総合計画の後期5年間がスタートいたします。人口減少は避けられない現実であることを受け止め、必要に応じて計画の見直しについても検討してまいりたいと考えているところであります。以上、答弁とさせていただきます。
質問 6番 松田健司
ただいまいただきました答弁では、国立社会保障・人口問題研究所が発表したとおりに人口減少が推移すれば、本町における社会保障やインフラの維持が困難になり、担い手不足による産業のさらなる縮小や、生活関連の行政サービスの低下、地域コミュニティの機能喪失が想定されるとありました。町長の公約でも、人口減少社会の早急な対応に力を入れることが示されているところでありますが、しかしながら、このことに対する危機感があまり伝わっていない、伝わってこない現状もあると感じております。私の認識では、社人研が発表する本町における過去の人口推移や、本町以外の自治体での人口推移を鑑みますと、おおむね予想どおりに人口が推移しており、これまでと同じような努力や施策を講じても、将来推計どおりの人口になる確率が高いと考えますが、自治体の消滅ということに対する危機感等について、いま一度町長の見解を伺いたいと思います。
答弁 町長 田中
先ほど申し上げたとおり、社人研の予想どおりの、今、人口ビジョンの推計をしているわけでありますけれども、そういった予測どおりの流れになってきているというのが大変残念なことでありますけれども、事実としてそういう状況にあるということを認識しているところであります。その上で、今後この人口減少問題をどう捉えて対策を打っていくのかというところが重要になってくるわけでありますけれども、今お話ししたように自然減あるいは社会減の影響をどういった形で減らしていくかというところに力点を置きながら、施策の展開を進めていきたいなというふうに考えております。具体的には、今年度当選して以降、政策予算の中で子どもたちの健全な育成も含めた、家庭の経済的な支援も含めた中で、保育所の児童の保育料の無償化について実施をさせていただきました。また、小学校、中学校の給食費あるいは修学旅行費の補助についても、無償化も含めて実施をさせていただいたわけでありますけれども、お金をかけたこういう施策に加えて、やっぱりそれだけでは不十分なわけでありまして、別な形での人口減少をどうやって抑えていくかという部分、当然移住・定住ということも必要でありますので、その移住の部分についての施策の展開あるいは広尾の町から、子どもたちについては、高校の問題もありましたけれども、一度やっぱり社会に出て広尾以外の町を見てみたいという子どもたちのそういう思いも当然あるわけですから、子どもたちが外に出ていった後に、また広尾に戻ってきたい、戻ってくるという、そういう流れをつくるということも重要なことだというふうに思っております。そういったことで、認識としては、この人口問題、大変危機的な状況にあるというところで、今後についても、そういった施策を打ちながら進めていかなければならないことだというふうに認識をしております。
質問 6番 松田健司
今お話しされたような、新しい体制になって様々な子ども施策を打ち出していただけていることに感謝しているところではありますが、全ての施策は、恐らくどういった分脈の中でそこに当てはめていくかによって効果が決まってくると認識しています。そういった意味においては、こういった危機的状況、危機的意識を我々だけではなく、町民の方たちにもしっかりと共有認識として持っていただくことがベースとして必要になってくるのだと思います。そのようなことを、これからあらゆる場面でアナウンスして、伝えていっていただきたいと思うのですが、それとは別にどこかの時点で、今お話にあったように、様々な施策が実を結び、社会減が止まり、移住者が増え、自治体の消滅を回避できる未来を私も強く望んでいますが、反面、人口減という大きな社会の流れにあらがうことは、やはり一筋縄ではいかないことも周知の事実であると認識しております。したがって、将来にわたり広尾町を存続させるためには、人口の増加策だけに特化せず、もちろんそれは大事な柱として残しつつ、もう一方では人口の減少を前提としたまちづくりも必要になってくると考えております。例えば、10年後に想定されている広尾町の人口が6,000人から4,000人規模の人口になっても、町民が心配なく暮らせるような町の姿を、そのときの財政規模が職員数などから逆算する形で、しっかりとその姿を青写真に描いて、それに沿った形でのまちづくりを移住・定住促進事業と同時に進めていくことも必要と考えますが、そういった考えについて町長の考えを伺いたいと思います。
答弁 町長 田中
行政、施設の部分もそうですけれども、公共施設についても今、人口が一番多かった昭和40年代の人口規模に応じた、例えば集会所ですとか、そういったものが現存しているわけであります。そういった部分についても、今後、行政改革の中で、どういった形で統合していくのか、廃止をしていくのかという議論も必要だというふうに思いますし、先ほど申し上げた、コンパクトシティというような大上段に構えるのではなくて、やっぱり町民の皆さんが生活をしやすいような中でまちづくりをしていくということも重要なことだというふうに思っています。広尾町、大変面積が広いわけでありまして、本当に山間部に暮らしている方もいますし、海岸部に暮らしている方もいらっしゃいます。そういう中で、やっぱり高齢になってくると足の確保が難しいということで、そういった場合に、広尾町内に公営住宅も今空き家としてあるわけでありますから、そういったところに積極的に移住していただくようなことも必要だというふうに思いますし、やっぱり、今、議員がおっしゃられたような10年後を見据えたまちづくりというのを、これから考えていかなければならないなというふうに思っているところであります。
質問 6番 松田健司
10年後を見据えてこれからやっていただけるというお話でありましたが、私が先ほど申し上げましたのは、その際には10年後の町の姿をしっかりと今の時点でできる限りシミュレーションして、解像度を上げた形でしっかりと思い描いて、そこから逆算していくような手法が必要になってくるのだと感じております。そういった10年後の姿をしっかりと明確にリアルに描くという作業は、物すごく骨が折れて大変な作業だとは思いますが、これからまずはそこを取り組んでいっていただいて、そこから明確になる職員数だとか、財政規模だとか、その辺を鑑みた形で、これからしっかり全ての施策を行っていく必要があると思いますが、そのことについて伺いたいと思います。
答弁 町長 田中
行政改革のお話も申し上げましたけれども、行政改革推進委員会の中で、来年度以降その計画もつくるわけでありますけれども、今おっしゃられたような10年後を見据えた形の中で、職員数がどうあるべきか、公共施設のお話も先ほど申し上げましたけれども、そういった様々な10年後を見据えた中での行政の在り方、まちづくりの在り方について、議論していく必要があるのだというふうに思っております。令和8年度から実施するまちづくり後期計画でありますけれども、これらについても当然そういった形を見据えた中で、町民の皆さんにも、人口が増える形が一番いいのでありますけれども、努力はしますけれども、現実問題としてはこういう形になるのだということを理解してもらうという努力も当然していかなければなりませんので、様々な形で町民の皆さんにもそういう今後の町の在り方について説明する機会を設けながら、進めていければなというふうに考えているところであります。
質問 6番 松田健司
先ほどお話のあった様々な人口減少対策、産業・企業の育成による雇用の場づくり、移住・定住の促進、子育て支援の充実等がありました。先ほどお話にあったように、特に子育て支援に関しては給食費の無償化など、これまでにない踏み込んだ施策を実行されており、子育て世代の移住・定住促進や、社会減対策への強い動機になると期待しております。ですが、これまでどおりの移住促進計画では、現状なかなか結果に結びついていない部分もあると認識しております。端的に言いますと、先ほどお話しになったまちづくり10か年計画の前年、前期5年間、その結果が出ていないこと自体がまさに結果だと、結果が出ていないこと自体が結果だということをしっかり認識した上で、例えば中期計画のKPIの評価がC判定以下のものは、結果が出せないものとして淘汰し、その分の予算や資源を効果のある施策や新たな施策に振り分ける事業の選択と、そこへ資源を集中させ効果を上げるような考えも必要になってくると思いますが、その辺のことについての町長の考えを伺いたいと思います。
答弁 町長 田中
大変難しい問題ではありますけれども、そういった形で進めていく方向で考えていきたいなというふうに思っております。まちづくりの根幹をなすものはやはり産業振興でありますので、そういった産業振興があって、産業があって、そこに商業があって、別な仕事が生まれてくるという、そういうまちづくりの全体の流れを把握しながら、そして町民の皆さんにも申し上げている10年後に広尾町がどうなることが望ましいのか、そういったことも常々機会あるごとに町民の皆さんとも意見を交わしながら、将来の広尾町の在り方について検討していければなというふうに考えているところであります。
再質問 6番 松田健司
これで最後の再質問にさせていただきたいと思います。先ほど来、町長がおっしゃる言葉の中で、人口減少社会の中で広尾町を将来にわたり存続させていくためには、社会減を緩やかにし、出生数の増加を図ることがポイントだとありました。そして、外から人を呼び込む移住・定住の促進、いま一つ成果が現れていない現状もあると思いますが、これを着実に実現させていくためには明確な移住者像、例えば広尾に移住してもらいたい人物像、それは若者なのか高齢者なのか、独身の方なのか夫婦なのか、女性なのか男性なのかといった具体的なターゲットの絞り込みが必要になってくると考えます。現状で行われている施策のように、そういったターゲットを分散させると、限られた人員や資金の分散にもつながり、期待する効果を得ることが難しくなってくると認識します。限られた原資で効果を上げるためには、先ほどもお話ししましたが、投資対象の選択と資源の集中、それが必要になってくると思います。一方で、消滅可能性自治体を回避するには、20歳から39歳までの女性の減少率を5割以下にすることができれば、回避することもできるというふうにも取られると思います。そのことから、例えば移住促進のターゲットを子育て中のシングルマザー等に絞り込んで、若年女性と14歳以下の子どもの減少率に対し同時に歯止めをかけるような施策、ピンポイントにターゲットを絞り込んだ施策、そのようなものが必要になってくると思いますが、例えばこのような具体的な案に対して、町長の考えを伺いたいと思います。
答弁 町長 田中
ピンポイントでというお話でありますけれども、投資対象をどのような形にするかというところであります。大変難しい話というふうにばかり申し上げていますけれども、現実問題として消滅可能性のあるという部分で言われているのは、やはり20代から40代の女性が少ない、6割減少するという、そういうことに着目してのご意見だというふうに考えておりますけれども、そのためにはそういった発想も大変重要だというふうに思っております。そのためには、その方々がやはり広尾町で暮らしていけるような具体的な仕事がなければならないというふうに考えておりますし、そういった総合的に移住・定住を進めていく中で考えていきたいなというふうに思っております。今ご提案のいただいた部分についても、大変参考になる部分がありまして、そういった発想の転換も今後図っていきながら、町の計画、これから後期の部分でもつくっていくわけでありますから、そういったことも十分に参考にしながら進めていきたいなというふうに考えております。