深川市議会 令和7年第4回定例会 2025年12月10日
健全な財政運営
2025年12月10日、深川市議会の一般質問で、伊藤美恵子議員が「健全な財政運営」について質問し、市長 田中昌幸が答弁しました。
- 質問者
- 伊藤美恵子 議員
- 答弁者
- 市長 田中昌幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 伊藤美恵子
2025年も、残すところ22日となりました。1年が過ぎるのは本当に早く感じますが、人間が感じる時間の長さは、実際の長さではなくて記憶の量や密度で脳が判断するそうです。子供の頃は初めての体験が多く記憶がたくさん残り時間が長く感じますが、歳を重ねるにつれ毎日がルーティン化して脳が新しい情報として記憶しなくなり、振り返るとあっという間と感じるのだそうです。来年は、新しいことに挑戦したり、初めての場所を訪れてみるなど、記憶の密度を高めることを心がけたいと思っています。師走ということで、何となく気持ちがせかされますが、実際のところは急いでも1年は延びませんので、落ち着いて議論を深めることが大切だと自分に言い聞かせながら、本日の一般質問に入らせていただきます。初めに、健全な財政運営に関する条例の制定についてです。2007年に公布された地方公共団体の財政の健全化に関する法律は、地方公共団体の財政状況を統一的な指標で明らかにし財政の健全化や再生を促すための法律で、地方公共団体の財政悪化の兆候を早期に把握し計画的な改善に取り組むことを義務づけています。財政健全化法では、財政悪化の度合いとして早期健全化基準と財政再生基準の2段階が設けられています。昨年度の本市の状況を見ますと、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率、資金不足比率の五つの指標で、いずれも早期健全化基準を下回っておりました。しかしながら、実質公債費比率と将来負担比率においては、道内の市町村で実質公債費比率が2番目、将来負担比率は4番目に高い状況となっており、厳しい財政運営が強いられています。人口減少により歳入が減少し、高齢化の進展により歳出が拡大していくことが予想される中、財政規律と健全性を確保し、将来にわたって持続的な財政運営を行っていくためには、健全な財政運営に関する条例の制定が必要になってくるのではないでしょうか。2007年に岐阜県多治見市で初めて条例を制定した以降、全国で29の自治体で財政運営に関する条例が制定されています。条例には、財政運営の基本原則として財政の透明性の確保、財政情報の公開、財務諸表の作成と公開を定めているほか、計画的な財政運営のルールとして、資産・負債の管理、基金積立て、地方債発行の在り方、使用料、補助金の見直しなどを規定しています。また、財政収支見通しを含む中期財政計画等の策定と公表についても規定しています。ここでお尋ねいたします。1点目、本市の財政状況についてどのように捉えているか、市の見解についてお伺いします。2点目、少子高齢化の進展や景気の低迷など、社会経済情勢が大きく変化していく中、時代にふさわしい市民自治に基づくまちづくりを推進していくためには、市民、議会、行政が財政運営上のルールを共通して認識することが必要と考えますので、健全な財政運営に関する条例の制定についての市の考えをお伺いいたします。
答弁 市長 田中昌幸
健全な財政運営に関する条例の制定について、2点の質問をいただきましたので、順次お答えいたします。初めに、1点目の本市の財政状況をどのように捉えているかについてでありますが、本市の令和6年度決算に基づく健全化判断比率につきましては、伊藤議員が述べられておりましたとおり、いずれも地方公共団体の財政の健全化に関する法律で定める早期健全化基準は下回っている一方で、道内の市町村との比較では、将来負担比率は4番目に高く、実質公債費比率は2番目に高い水準にあり、将来にわたる財政負担が他市と比べて大きい状況にあると認識しております。また、昨今の人件費や各種労務単価の上昇、さらには物価高騰の影響により、義務的経費を中心に歳出が増加しており、本市の財政への負担は一層重くなっております。令和7年度当初予算においては、財政調整基金及び減債基金から約6億5,000万円を繰り入れることで収支の均衡を図っておりますが、これは基金の取崩しによって一時的に対応している状況であり、今後も同様の対応が続けば、財政の弾力性が低下し、将来的な財政運営に深刻な影響を及ぼすことが見込まれております。一方、国の動きについては、政府は令和7年11月28日に令和7年度補正予算(第1号)を閣議決定しております。その中では、地方交付税交付金の増額として1兆3,000億円余りが計上されていることから、本市に対する普通交付税の追加も見込まれ、今後の状況にもよりますが、財政調整基金等の繰入金を一定程度解消することができるものと考えております。このように、一定の国の財政措置が講じられる見込みではありますが、義務的経費の増加による収支不足額を全て補えるほどの状況にはありません。本市では、この厳しい財政状況を踏まえて、今後数年間にわたる中期的な財政収支の見通しを試算しているところであり、今後、これらの分析を基に、歳入確保策を含めた抜本的な財政構造の見直しに取り組み、健全な財政運営に努めていく考えであります。次に、2点目の健全な財政運営に関する条例の制定についてお答えいたします。近年、社会経済情勢の変化に対応し財政運営の透明性を高めるために、全国の自治体で健全な財政運営に関する条例を制定する動きが広がっております。この条例は、単なる理念の宣言にとどまらず、財政運営の基本原則を明確化し、財政規律を確保する仕組みとして位置づけられるもので、具体的には、財政情報の公開や財務諸表の作成・公表、中期財政計画の策定と公表を義務づけることで、市民や議会が財政状況を正しく理解し、行政とともに持続可能な財政運営に取り組むための基盤を整えるものです。本市では、深川市財政事項の公表に関する条例に基づき、年に2回、広報ふかがわに財政状況を掲載し、透明性の確保に努めているところであります。また、条例等により明文化された財政運営上のルールは制定しておりませんが、地方債の発行額をその年の償還額以下に抑えるなど、一定の規律にのっとった財政運営に努めております。一方で、今後の厳しい財政状況を踏まえ、将来にわたって健全な財政運営を続けるためには、これまでの取組にとどまらず、財政運営の基本的な考え方や方向性を整理し、中期的な見通しに基づいた計画的な対応が必要であると考えております。このため、本市としては、他市の状況なども参考にさせていただきながら、条例制定には至らないものの、その方向性を踏まえた仕組みづくりについて検討を進めてまいりたいと考えております。