深川市議会 令和5年第2回定例会 2023年7月19日
農福連携の推進
2023年7月19日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「農福連携の推進」について質問し、副市長 宮森栄治が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 副市長 宮森栄治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 松本雅祐
次に、農福連携の推進についてお伺いします。農福連携は、農業と福祉が連携し、障がいのある方の農業分野での活躍を通して、農業経営の発展とともに障がいのある方の自信や生きがいなど、生活の質の向上も創出し、社会参画を実現する取組であり、広がりを見せております。また、年々高齢化している農業現場での貴重な働き手としても期待されております。農福連携は、様々な目的の下で取組が展開されており、これらが多様な効果を発揮されることも期待されているところであります。この取組が持続的に実施されるには、農福連携に取り組む農業経営者が障がいのある方を人材として、また担い手として認識していただき、その上で農業の経営が発展していくことが重要であると考えます。そして、個々の農家の取組を通して、地域の農業の発展、ひいては農業を支える力になるのではないでしょうか。しかし、農家の方に知られていない、踏み出しにくい、広がっていかないといった課題もあり、農福連携を地域に広く展開し、裾野を広げていくには、官民挙げて取組を推進していくことが求められます。私は、農福連携について、過去にも質問しており、障がいのある方と健常者が垣根を越えて共に働ける共生社会の実現を進めることで、障がいのある方も働く喜びやお金を稼ぐ喜びなど、生きがいを持って人生を歩むことができると訴えさせていただきました。また、農福連携は、障がいのある方の御家族の方にもとても大きな力になると思っております。農福連携はユニバーサルな取組として、高齢者や生活困窮者の方々の就労、社会参画の支援、また犯罪や非行を起こした人の立ち直り支援など、様々な分野にウイングを広げ、地域共生社会の実現を進めることにも貢献でき、SDGsにも通じると言われております。そこで、お伺いします。まず、1点目、私は障がいのある方やその親御さんと懇談する機会があり、農福連携は働く場の拡大や工賃の向上につながるため、大きな期待が寄せられております。この3年間は新型コロナウイルス感染症の影響もあったと思いますが、本市の農福連携の取組と実績についてお聞かせください。2点目、私は本年、市内の農業経営者のお宅を訪問し、お米を精米する作業で障がいのある方と一緒にお仕事されているところを見学させていただきました。経営者の方は、農福連携の趣旨も御理解していただき、お話を聞くと、「真面目に働いてくれて、仕事を覚えてくれる。丁寧に仕事をしてくれるので助かる。今後も一緒に働いていきます」と前向きに話をされ、今後は冬の仕事のことも考えておられました。一方、別の農業経営者のところへお伺いし、農福連携のお話をしますと、「それはいいことだけど、私は知らない、紹介されたことがない、やってみたい」と言われておりました。そうしますと、課題もあるのではないかと思います。本市の農福連携の取組の周知と課題についてお聞かせください。3点目、取組の促進についてでありますが、私は以前、雨竜高等養護学校の卒業式に招かれたことがあり、その際に校長先生から、本校の卒業生が就職するのは大変厳しいとお聞きしたことがあります。就職という観点では難しいかもしれませんが、特別支援学校との連携で農業実習を体験しながら、就労の可能性があるのではないか。また、ハローワークと連携して、農業分野での障がいのある方の雇用の推進を図ることもできるのではないかと考えます。そのためには、ニーズをつなぐマッチングの仕組みとして、ワンストップで相談できる相談窓口体制の設置や、コーディネーターの育成などに取り組むことも必要だと思います。本市は現在どのような取組を推進しているのかお聞かせください。4点目、農福連携の取組では、障がいのある方が働きやすいように環境を整える必要があると考えます。農業の現場ではどのような準備が必要なのかお聞かせください。また、先ほど紹介した農業経営者の方は、農福連携に取り組まれておりますが、支援については何も分からないと言われておりました。以前、農福連携の事業を行う法人や団体、企業に対しては、国や自治体から補助金や助成金の支援が受けられるようになっておりましたが、改めて支援策についてお聞かせください。また、支援策の周知についてもお聞かせください。5点目、厚生労働省が示した農福連携等推進ビジョンによりますと、農福連携の農と福とそれぞれの広がりを推進し、農福連携を地域づくりのキーワードと捉えて推進する。そのことにより、地域共生社会の実現が進められると言われております。私は、農福連携を進めるためには、支援員の人材確保の取組が必要であると思います。この支援員は、障がいをお持ちの方が就労先へ行くときに必ず随行する方で、支援員が少ないと、障がいのある方が持てる能力を発揮したり、生き生きと暮らしていく機会が限られるのです。今月11日、旭川市において、北海道の主催で、農福連携の推進に向け、初めての技術支援者育成研修会が開催され、障がいのある方に助言できる専門人材を増やすことが狙いの研修会でありました。そして、この研修会最終日に試験を行い、修了者には農福連携技術支援者として認定される、このような研修会でありました。支援員の確保・育成の環境づくりを推進することが、農の広がりを支援することであり、また福の広がりの支援につながってまいります。本市として、農福連携にどのように関わっていくのか、どう推進されるのか、今後の取組についてお聞かせください。
答弁 副市長 宮森栄治
農福連携の推進について、5点の質問をいただきましたので、順次お答えいたします。初めに、1点目の取組実績についてでございます。本市における取組は現在、JAきたそらちが主体となって就労支援事業所や受入れ農家、深川市、北竜町で構成する農福連携懇談会を設置いたしまして、協議を行いながら、農福連携の促進を図ってきております。令和4年度の取組実績といたしましては、市内外四つの就労支援事業所と連携し、生産者の現場で行う施設外就労では、JAきたそらちほか7戸の農家におきまして、キュウリやナガイモの箱の作成作業、花の定植・収穫・選花作業、カラーピーマンの袋詰め、苗箱洗い作業、家畜の餌配合や小分け作業などを実施しておりまして、延べ522日間、1,987人が作業に当たっていただいているところでございます。また、事業所内で行う施設内就労では、JAきたそらちほか3戸の農家からの委託を受けまして、花用クッションの作成、ひもつき紙コップの作成、おもちゃカボチャの洗浄作業、箸のラッピング作業が実施されております。ちなみに令和4年度の事業におきましては、前年度と比べ新規の受入れ農家戸数が3戸増え、作業につきましても、田植え時の苗箱洗いや家畜の餌配合などの作業が新たに加わったところでございます。次に、2点目の周知と課題についてでございます。JAきたそらちでは、農福連携懇談会の中で、受入れ希望の取りまとめを行っているほか、JA広報紙における取組内容などの紹介記事の掲載や、市のホームページにおきましても取組実績を掲載するなどの周知に努めてきているところでございますが、農福連携の取組を促進するためには、さらに広く知っていただき、浸透を図っていくことが課題の一つと考えますので、今後、JAきたそらちとともに周知方法などを工夫してまいりたいと思っております。次に、3点目の取組の推進についてでございます。障がいのある方の就職という観点からの雇用の推進ということでは、なかなか進んでいない現状でありますけれども、継続した農福連携の取組により、障がいのある方の雇用に対する理解が深まることで、農業分野での雇用につながる可能性も出てくるのではないかと考えております。そのプロセスにおいて、特別支援学校やハローワークとの連携なども大切なことでありますので、今後農福連携懇談会におきまして協議してまいりたいと思っております。また、現在のマッチングの仕組みについては、取組を開始した当初から、JAきたそらちが窓口となり、農業者からの要望を受け、細かな内容を確認しながら、事業所とのマッチングをコーディネートする流れになっておりまして、市といたしましては、この体制を維持しつつ、農福連携の取組を推進してまいりたいと考えております。次に、4点目の農福連携に関する農業経営者への支援策についてでございます。まず、受け入れる農家の現場での必要な作業といたしましては、障がいのある方の特性や意向などにより、様々ありますが、作業しやすい道具を用意したり、細かく作業を切り分けたり、写真などで作業の進め方を分かりやすく明示するなど、障がいのある方が農作業に従事するに当たって、無理なく参加できる環境の整備、受入れ体制の整備などが重要となってきます。そうした中で、農業分野における国の農福連携対策の支援といたしましては、障がいのある方の農林水産業に関する技術習得、作業工程のマニュアル化などを支援する農福連携支援事業ですとか、障がいのある方が作業に携わる生産・加工・販売施設の整備を支援する農福連携整備事業などがありますけれども、本市ではまだこれらの制度の活用にはつながっておりませんので、今後関係者が集まる農福連携懇談会等におきまして、支援策などの周知を行い、農業者等の意向を踏まえながら、必要に応じて活用していく考えであります。最後に、5点目の今後の取組についてでございます。議員の御指摘のとおり、障がいのある方が作業を行う場合には、障がいの区分にもよりますけれども、事業所の支援員が随行することとなり、その支援員の不足により、農業者の要望に対応し切れないなどの実態がございます。そのため、支援員の人材確保と育成は喫緊の課題であると認識しているところでありまして、こうした課題に対しましても行政として対応すべきことを見極めながら、引き続き農福連携懇談会などにおきまして協議してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、本市における農福連携の取組実績は、年々着実に増えている状況にありますことから、現行の推進体制をしっかりと維持しつつ、よりよい方向となるよう引き続き関係者と十分協議を行いながら取り組んでまいりたいと考えております。