深川市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月17日
教育現場における「さんづけ」
2022年6月17日、深川市議会の一般質問で、田畑陽美議員が「教育現場における「さんづけ」」について質問し、教育部長 荒井幸治が答弁しました。
- 質問者
- 田畑陽美 議員
- 答弁者
- 教育部長 荒井幸治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 田畑陽美
2問目の質問に入らせていただきます。教育現場における「さんづけ」についてお伺いいたします。令和3年第4回定例会で男女平等観に立った教育について一般質問させていただき、学校教育においては、児童生徒の発達の段階に応じ、社会科、公民科、家庭科、道徳、特別活動などの関係の深い教科を中心に、学校教育全体を通じて、人権の尊重や男女の平等、男女が共同して社会参画することの重要性について指導されているとのことでした。また、教科以外に学校で行われていることとして、男性が「君」、女性が「さん」であったものを「さん」に統一して、子供たちを呼んでいると答弁いただきました。近年、多様性やLGBTQという言葉が広く浸透してきており、男の子だから、女の子だからという理由のみで敬称を区別することが難しくなってきていると感じています。そういった教育を含め、児童生徒の発達の段階に応じた指導の下、多くのことを学び、理解していくものと思います。ただ、特に低学年においては、小学校に入学するまで「君」、「ちゃん」やあだ名で呼ばれていた子供たちが、入学と同時に「さんづけ」で呼ばれることについてどう感じているのか。児童たちにどのように伝えているのか、なぜ「さん」なのか。「さん」には男女に差がなく、公共性をもたらすという点においてよさがあります。また、「君」、「ちゃん」は、子供に対して親しみを持ち、心の距離感を近く保つことができ得る点において大変魅力とも感じます。教育現場に関わる方や多数の子供たちと関わる機会がある方は、どの敬称が正しいのかではなく、何を根拠にその敬称を用いるのかを考えることも必要になってくるのかもしれません。また、最近メディアや雑誌などでも多く取り上げられていますが、クラスメートをあだ名や呼び捨てなどではなく「さんづけ」で呼ぶように指導する学校が増えてきているようです。中には校則に明記しているケースもあるといいます。学校でのあだ名禁止の動きは、いじめ全盛の1990年代後半から見られ始めました。いじめ事案では「嫌なあだ名で呼ばれた」という被害者の言葉が多く出ており、いじめ防止の観点から、あだ名禁止の機運が高まったことにより、2013年施行のいじめ防止対策推進法や2017年発表の国のガイドラインを受け、いじめの早期発見のために子供のあだ名や呼び名に気を配ることが重視されるようになったと言われています。その具体的な取組として、あだ名禁止の対応を取る学校が増えていったようです。あだ名がきっかけによる集団のトラブルをなくすために禁止とするやり方です。文部科学省では、教育現場でのあだ名禁止や「さんづけ」の取組など、一律に方針や通知を出すことは特段していないということです。学校で男女とも「さんづけ」が主流になった背景には、LGBTQの主張が拡大し、ジェンダー尊重の考え方が出てきたり、「さんづけ」で子供同士のトラブルが減ったという教師の報告もあることから、増加につながっているのではないかと考えます。一方で、あだ名禁止や「さんづけ」は表面的な対応であり、形だけではあまり意味がないという考えもあるようです。確かにいじめがあるような学校においては、幾らあだ名禁止や「さんづけ」をしたとしても、違う形で意地の悪い行為が行われてしまうこともあるのでしょう。例えば特別活動の授業の一環として、あだ名をつけることによるよい点、悪い点はどのようなものなのだろうとクラスで話し合い、あだ名で呼ぶことによって親しみを感じることができるという面、反対に嫌な思いをする子供が出る可能性があることも話題になってくるのではないでしょうか。明確な結論が出る場合もあれば、出ない場合もあるようですが、話合い自体にとても意味があるように思います。あだ名のよしあしについては、いろいろな考えがありますが、子供たちが話し合う中で人との関わり方や言葉遣いなどについて考えたり、感じたりすることがとても大切に思います。そこで、2点についてお伺いいたします。1点目、学校では先生が統一して児童たちを「さんづけ」で呼ばれているとのことでしたが、どのように伝えているのか伺います。また、新入生に対しての対応、呼び名についてどのように教えているのか伺います。2点目、いじめ防止にもつながるとして、クラスメートを「さんづけ」で呼ぶよう指導する小学校が増えてきていますが、本市での状況と今後の考えについてお伺いいたします。
答弁 教育部長 荒井幸治(教育部長は2023年3月まで)
教育現場における「さんづけ」について、2点の質問をいただきましたので、お答えいたします。初めに、1点目の「さんづけ」で呼ぶことについてどのように子供たちに教えているかについてでございます。小中学校におきまして、教員の児童に対する呼び方や児童同士の呼び方につきましては、学習指導要領などにおいて記載はなく、明文化されているものではございませんが、各小学校の独自のルールといたしまして、男女平等といった観点などから、教員も児童も集団の場では「さんづけ」で呼ぶよう指導することが広がり、定着してきたものと考えております。小学校入学時には、「さんづけ」に違和感を感じる児童もいると思いますが、1年生は言葉の意味や物事を正しく理解できる発達段階ではないことから、まずは先生が「さんづけ」で呼ぶことで見本を示し、児童は学校生活の中で覚えていくということであります。また、2年生以上になりますと、理解力が高まることから、「さんづけ」で呼ぶことには、相手を大切にすることや相手に対して丁寧な言い方である、また慣れ親しんでいない相手に気を遣った言い方、また自分より年上の相手には「さんづけ」することが大切なことなどの意味があるということを指導しており、お互いに「さんづけ」で呼び合うこととしておりまして、機会を捉えて児童に説明しているということでございます。次に、2点目のクラスメートを「さんづけ」で呼ぶよう指導することに対する本市の状況と考えでございます。市内の小中学校におきましては、集団の場では「さんづけ」で呼ぶことと統一されているところでございますが、児童同士の呼び方につきましては、相手が嫌な気持ちになるような呼び方はしないよう指導しておりますが、「さん」に限定した呼び方をするよう指導はしておりません。集団の場と個人間とでは関係性が異なり、個人間では互いの距離感や信頼関係が千差万別であり、児童の発達段階においても呼び方は変化するものでありまして、受け止め方も変化すると考えます。呼び方に対し嫌だと感じるといじめにつながる場合もあることから、特に低学年にあっては生活や道徳の時間を中心に相手を大切にすることを指導しておりますが、「さんづけ」をしないことが必ずしもいじめの要因に直結するものではないと考えておりますので、状況に応じて友達の気持ちを考えた対応ができるよう、指導していくことが必要と考えているところでございます。