みんなの議会

深川市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月14日

農福連携の取り組み

2020年9月14日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「農福連携の取り組み」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。

質問者
松本雅祐 議員
答弁者
市長 山下貴史

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 松本雅祐

通告に従い、一般質問を行います。最初に、農福連携の取り組みについてお伺いします。農福連携とは、農業の人手不足などの「農業における課題」と障がい者の働く場所などの「福祉における課題」の双方の課題を解決し、お互いに利益がある有効なウィン・ウィンの取り組みであると言われております。働きづらさを抱える障がいのある方が、地域に出て活躍する場の一つとして、農業が期待されています。実際、人手を必要とする農業の手伝いや、耕作放棄地などの課題解決にかかわることで、障がいのある方が地域を支える存在となり、このほか農業を通じて自然に触れ合うことで体調がよくなった、地域の人々と交流する機会がふえて自分の生活の質が向上したとの声もあります。また、農業に障がいのある方がかかわることで、農業経営を変える力があるのではないかと期待されています。それは、働きにくさを抱える人を受け入れることにより、これまでの農業経営の在り方を見直すことにつながり、その方々が働きやすいようにするにはどうすればよいのかと考え、結果的に全ての人が働きやすい職場となり、経営が改善されるというプラスの効果があると言われております。江別市のてらしま農園は、地元のJAや農業振興公社の支援を受けて農福連携を進めており、キュウリやニンニクの収穫のピーク時に、障がい者就労施設から障がいのある方5人と、世話人1人が週3回程度、ニンニクの選別作業に来られており、農業責任者の方は、農業作業がはかどり助かる、一番の頼りだと語られております。また、別の農業法人では、彼らはとにかく元気に挨拶をしてくれる。ハンディキャップを抱えながら一生懸命働く。僕たちも小さいことで落ち込んでいる場合ではないと前向きになった。そして、結果として、仕事の効率が上がったと言われております。農福連携は、単に障がいのある方が農業分野で働くだけでなく、農業分野で活躍し、生きがいや自信を持って働くことにより、障がい者の方が地域の一員となり、労働不足や過疎化といった問題を抱える農業にとって働き手であり、地域産業の維持、さらには地域活性化にもかかわる人材となり、地域で支えられる立場から支える立場になっていくと考えます。また、こうした農福連携の取り組みをさらに推進するため、2019年3月、日本農林規格、通称JASの中に、障がい者が生産過程に携わった食品を「ノウフクJAS」として認証する新たな規定が新設されたのです。障がいのある方が、主要な生産工程にかかわった野菜や加工品などが認証の対象となるそうです。私は、本市にとってノウフクJAS認証取得は、食の宝庫である深川市をさらに広くアピールでき、農産物のブランディングを後押しすることになると考えます。ブランディングとは、ブランドに対する強化や信頼などを通じて、顧客にとっての価値を高めていく、ブランドにしていくという意味でございます。ノウフクJASの認証を取り、その商標をふるさと納税の返礼品や農産物の出荷の際、箱にシールを貼ったり、またさらには、野菜などの販売の際など、さまざまな場面で活用し、農福連携をアピールすることができると考えます。農福連携を広げていけば、地域における障がいのある方の就労の訓練、雇用など、さまざまな分野でつながってまいります。何より、障がいがある方々の働く喜びを後押しすることができます。そこで、お伺いします。1点目、本市でも農福連携に取り組んでおり、私も昨年4月にJAきたそらちを訪問させていただき、取り組みなどを視察させていただきました。そのときは、青果部の出荷の際に使う段ボールの組み立て、農業法人深川未来ファームでのキュウリの収穫作業などに取り組まれておりました。本年度、新たな取り組みを推進しているとお聞きしております。本市の農福連携の取り組みの状況についてお聞かせください。2点目、私は先月、再びJAきたそらちを訪問し、担当の農業振興部の方々と、農福連携とノウフクJASについて意見交換をさせていただきました。担当の方は、農福連携の取り組みはとても大切なことで、1人でも多くの障がいのある方が就労できるように頑張ってまいりたい。また、農福連携は人に優しいまちづくりや移住・定住にもつながり、農福連携を通して社会や地域に貢献していきたいとも語られておりました。そして、その際、ことし障がいのある方を受け入れた農家の方からも、「この方々のこれからの人生を考えなくてはいけないという思いで、一緒に働いている。」とのお話も聞かせていただきました。ノウフクJASの認証取得については、大変前向きな考えで、これを取り組むことにより、障がいのある方の工賃のアップにつなげたいなど、さまざまな意見をいただき、大変勉強になりました。ノウフクJAS認証の取得は、基幹産業が農業である深川市にとって大変有効なものと考えています。本市のノウフクJAS認証取得について、どのような考えをお持ちかお聞かせください。3点目、農福連携の推進は、農業分野での障がいのある方の就労に限らず、新しい共生社会を築いていけると考えます。本市は、本年度策定した第8次深川市農業振興計画の多様な担い手と労働力の確保の項目で、農作業のアルバイト求人や福祉分野との連携により、就労支援など農外からの多様な人材による労働力の確保を推進しますと記載されております。障がいのある方は、これからも農業分野を支える労働力として大きな期待が寄せられております。また、本年第2期深川市まち・ひと・しごと創生総合戦略で、SDGsの基本理念を用いて計画が策定されました。共生社会の構築に向けては、SDGs、持続可能な開発目標が掲げる「誰一人取り残さない」という精神と農福連携はつながっていると思います。ですから、本市の主要な取り組みの一つとして、農福連携の取り組みをもっと広く、さまざまな場面で市民の皆様に知っていただき、そのことでさらに障がいのある方の活躍の場が広がるよう推進することが、本市の役割だと考えます。本市における農福連携がどのような位置づけなのか。また、行政として農福連携の担う役割についてお聞かせください。

答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)

ただいまの農福連携の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。1点目の農業と福祉が連携して行う農福連携の本市における取り組み状況について、お尋ねがありました。本市における農福連携の取り組みにつきましては、農業従事者の高齢化、後継者不足に伴います農家戸数の減少により、経営規模拡大が進む中で、労働力不足が深刻になりつつあります。その解消の取り組みとして、本市もJAきたそらちや深川未来ファームとともに、市内の障がい者就労支援事業所と連携し、平成30年度からその推進に努めているところであります。具体的に昨年度までは、これは議員も質問の中で触れられましたけれども、深川未来ファームでのキュウリの収穫作業のほか、JAきたそらちでのキュウリ、ナガイモの出荷用の箱作り作業を実施し、それぞれの働き手の作業の習熟度を踏まえ、市内農家さんへの就労の可能性についても、実証的に研究してきたところであります。そこで、3年目の本年度にありましては、これまでの取り組み状況や障がい者就労支援事業所の意見、さらにはJAきたそらちがことし2月に実施しました担い手確保・労働力確保に係る意向調査を踏まえまして、JAきたそらちのマッチングにより、合計4戸の農家での就労を実現しております。そのうち2戸については、花卉の収穫作業や選花等の作業に、また残る2戸においては、ピーマンの袋詰め作業やミニトマト収穫作業に従事していただいているところでございます。このほか、JAきたそらちの選果場においても、引き続き受け入れを実施しておりまして、アスパラの選果作業やキュウリの選別作業のほか、キュウリ、ナガイモの箱作り作業に従事していただいているところでございます。また、障がいのある方を送り出す側のニーズも増しており、障がい者就労支援事業所としては、これまで市内の二つの事業所との連携でやってきたわけでありますが、今年度からは新たに滝川市と妹背牛町にあります2事業所からも、JAきたそらちに対しまして、農作業への就労の申し出があり、JAきたそらちが中心となって、受け入れ先農家とのマッチングを行ったところでございます。そして、それが実現しているということでございます。次に、2点目のノウフクJAS認証取得の考えについてのお尋ねであります。ノウフクJASは、障がいのある方が生産工程に携わって生産された食品を、JAS、日本農林規格として認証し、農福連携の取り組みを後押しするための新たな規格ということで、平成31年3月に制定されたものでございます。このノウフクJASの認証を取得することで、議員も触れられましたけれども、生産企業としては、そうした社会的価値のある商品として当該食品をアピールすることができるわけでありますし、また、農業者においては、その結果、売り上げがふえることにより、障がいのある方の雇用機会をふやせる、そして人手不足解消のきっかけとすることができる。さらに、障がいのある方が携わった野菜などが流通することで、障がいのある方の生産意欲の向上や、今後の賃金の上昇も期待できるといったことなどが、この制度の効果として期待されているものであります。ただ、質問のノウフクJAS認証取得についての考え方でありますが、本市の現状では、キュウリやピーマン、ミニトマトの生産工程において、障がいのある方が携わっている工程は、残念ながらまだ少なく、また認証取得やそれを維持する年次監査に一定のコストというか、事務経費が生じることになりますことから、現段階では、こうしたノウフクJASの認証を取得するメリットが十分にあるとは言えない状況と理解いたしております。そうでありますけれども、ノウフクJASの認証を取得することで、ノウフク生鮮食品の販路拡大、あるいはその促進への展開につながりますし、その結果、地域での障がいのある方の雇用拡大にもつながるといった大きな可能性があると思われますことから、本市といたしましては、JAきたそらちと必要な情報を共有させてもらいまして、必要な調査・研究に努めていきたいということでございます。3点目、本市における農福連携の位置づけと行政が担う役割についてのお尋ねがありました。議員も触れられておりますように、先般策定いたしました第8次深川市農業振興計画は、大変重要な計画であると認識いたしておりますが、この計画におきましても、その農政の取り組みの基本方向の一つとして、多様な担い手と労働力の確保をしっかり掲示しております。その中で、福祉分野との連携による多様な人材の確保といったことも大きな課題として位置づけているところでございます。いずれにしましても、農福連携については、農業分野では、農繁期の労働力不足に対応した短期雇用などの人材確保の面が大きく期待されますし、福祉分野では、障がい者の就労機会や職業選択肢の増加に寄与するといったこととともに、自然と接することによる健康状態や精神状態への好影響、ひいては住民一人一人の暮らしと生きがいを大切にした地域共生社会の実現といったことにもつながる大変重要な取り組みと理解いたしております。このため、本市といたしましては、今後におきましてもさまざまな場面を通じて農福連携の周知を行うことで、その取り組みが一層広がるように努めますとともに、障がい者就労支援事業所、JAきたそらち等と十分連携し、皆が働きやすい環境づくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。

出典:深川市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月14日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる