深川市議会 令和元年第3回定例会 2019年9月11日
関係人口と小さな拠点づくりに着目した施策の展開について
2019年9月11日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が「関係人口と小さな拠点づくりに着目した施策の展開について」質問し、副市長 平山泰樹が答弁しました。
- 質問者
- 辻本智 議員
- 答弁者
- 副市長 平山泰樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 辻本智
それでは、次の質問に移ります。関係人口と小さな拠点づくりに着目した施策の展開について、お聞きいたします。昨日の一般質問で松本議員が、関係人口に関して質問されておりました。内容に重複する部分が多くあることから、私の質問は、通告の中にある小さな拠点づくりのほうに軸を置かせていただきます。また、あわせて通告の3番目、まち・ひと・しごとの基本方針2019でありますが、昨日の山下市長からの答弁で理解いたしましたので、この部分に関しては割愛いたします。それでは、質問させていただきます。日本全体が人口減少社会に入り、地域のインフラ機能の維持を初めとして、自治体の業務水準の維持が大きな課題となっています。近年の出版業界にあっても、少子化、人口減少、高齢化といったテーマの新刊本が書店に並んでおりますし、平山副市長が市内の各種会合等で挨拶される機会には、このような記述を引き合いにされる頻度も多いように受けとめております。つい先日、農林水産省が、農村地域の2045年人口予測というのを発表しました。この先、山間農業地域の人口が2015年と比較してほぼ半減する、平地の農業地域でも人口が3割以上減少する、このような内容であります。これと類似した内容で、国のさまざまな研究機関や各省庁の検討会の報告書が昨年から立て続けに公表されておりますので、これら国の政策提言に対する深川市としての受けとめと評価について、順次お聞きいたします。初めに、総務省に設置された研究会が、自治体戦略2040構想と呼ばれるものを発表しました。この中で、人口減少社会の行く先にある自治体行政の課題を述べております。これは、以前出された「地方消滅」という極めて過激なタイトルで、道州制の議論を後押しした「増田レポート」の自治体版というような印象も受けます。ただ、このタイミングに合わせて第32次の地方制度調査会が開催され、人口減少に対応する自治体のあり方の中間報告を公表していることからも、この自治体戦略構想は見過ごせない内容と受けとめています。質問の1点目、この自治体戦略構想の評価についてお聞かせください。質問の2点目です。ことしの5月、国土交通省は、住み続けられる国土専門委員会の最終報告を公表しました。内容は、主に地方にある過疎集落の維持に主眼を置いた政策提言であり、持続可能な地域づくりのために、農山村と多様にかかわる地域外との関係人口に着目した施策の推進を提案し、あわせて集落機能の集約化ということでの小さな拠点ということを明記しております。この研究会は、農村の集落機能の再生を専門とする研究者も多数参加していることから、ここで出された報告書は、私も大変興味深く読みました。そこで質問の2点目ですが、住み続けられる国土専門委員会最終報告書の概要と、行政としての受けとめについてお聞かせください。3点目は、割愛させていただきまして4点目です。小さな拠点づくりについてお聞きいたします。先ほどの住み続けられる国土専門委員会の報告の中で、シェアリングエコノミー、いわゆる共有経済といった表現を使って住民同士が労力や物を持ち寄って助け合い、地域課題の解決を目指す取り組み事例を推奨されております。私は、この部分が小さな拠点ということにもなるというふうに理解しております。そこで、深川市のまちづくりの基本計画、深川市マスタープランを見ますと、このように記述があります。市街地の都市計画区域外にも、地域農業の拠点として機能している市街地が位置していますとの記載があり、今後の方向性として、交通ネットワークなどの充実強化とあわせ、そういった市域内の各市街地、これは郊外の市街地だと思いますが、市域内の各市街地に適切な機能、役割分担を持たせる、このような計画であるということが、記述されております。そう考えますと、今回の住み続けられる国土づくりで示されている地域の拠点づくりというのは、本市のマスタープランにある考え方とも合致し、有効な施策と捉えることができると理解しているところであります。本市納内地区では、既に住民の皆さんが中心となり、さらにまた集落支援員の方も活躍されて、さまざまな取り組みをされていると仄聞しております。こうした取り組みも参考にし、国が今回、例示している小さな拠点づくりが、本市が抱えるさまざまな地域課題の解決について、どのように結びつくと想定されるのかお示しください。
答弁 副市長 平山泰樹(副市長は2020年3月まで)
3点にわたり質問いただきましたので、順次お答えしたいと思います。1点目は、自治体戦略2040構想研究会報告に対する評価ということでございまして、この研究会は、議員ご指摘のように総務大臣が主催いたしまして、有識者10人の委員により平成29年10月に設置されたものですけれども、その目的は、高齢者人口が最大となる2040年ころの自治体が抱える行政課題を整理し、自治体行政において早急に取り組むべき対応策を検討したもので、第一次報告が平成30年4月に、第二次報告が30年7月に公表されました。報告書の概要につきましては、第一次報告では、自治体戦略の必要性や自治体行政の課題などが列記されておりまして、一種の処方箋と言うべきものが第二次報告で示されている構成になっているというふうに思います。第一次報告の課題は、迫りくる我が国の内政上の危機、議員がおっしゃられたとおりでございまして、そこでは、若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏、標準的な人生設計の消滅による雇用・教育の機能不全、スポンジ化する都市と朽ち果てるインフラなどの刺激的な表現が用いられているところであります。残念ながら、評価ということでございますけれども、第一部の課題に対して第二部が処方箋と言えるものかどうかというものについては、余り明確ではないなという印象を持っておりますけれども、少なくとも直面するであろう危機の諸相、時代を映すものについては、十分説得力を持って迫ってくるものがあるというふうに受けとめております。課題の幾つかを取り上げてみますと、自治体の置かれている課題の重さが感じられました。児童生徒数の減少により、小規模校や廃校が増加すること、医療・介護ニーズの高まる高齢者が増加するが、介護人材が不足するということ、老朽化したインフラ・公共施設が大幅に増加いたしまして、人口減少のため、水道料金等が上昇するという指摘も書いてあります。公共交通におきましては、高校生が減少すると地方バス会社の経営環境がさらに悪化し、廃止路線が増加すること、中山間地域で集落機能の維持がさらに困難になるような低密度化が発生するということ、就業意欲のある高齢者、女性に有業者、職についているという方ですけれども、そういう者が少なくなって、長期失業者、無業者がふえるといったことで、本市が抱えるあるいはさらに拡大するような課題が指摘されていると受けとめました。残念ながら、処方箋にある第二次報告の中身は、スマート自治体への転換ですとかあるいは新しい公共私の協力関係の構築など、これまで繰り返されてきた対応策かなという印象もありますけれども、その中では、圏域マネジメントと二層制の柔軟化という注目すべき視点が入っていると受けとめております。これを受けて、先ほど議員がおっしゃられた地方制度調査会が、2040年ごろから逆算して顕在化する地方行政の諸課題とその対応策についての中間報告をことしの7月に出しておりますけれども、圏域マネジメントという言葉こそ使用しておりませんけれども、それを色濃く反映した内容となっていると受けとめてございます。圏域マネジメントの具体像は見えておりませんけれども、これまでの自治体行政のあり方を根本から変革する可能性があると、日本弁護士連合会の意見書にあり、そういったことで、これは十分これから地方行政に携わる者として注目していく必要があるだろうと考えているところであります。2点目につきましては、住み続けられる国土専門委員会報告についての質問でございました。残念ながら私は、最近、慌てて読んだというのが現実で十分な把握をしておりませんけれども、お答えしたいと思います。この委員会は、国土交通省の諮問機関である国土審議会に属する委員会で、有識者9人の委員により平成28年4月に設置されまして、3年間の協議を経て、本年5月にまとめの報告があったというものです。この委員会がまとめた施策の方向性について一部紹介しますと、住み続けられる国土を実現するためには、「人」づくり、「場」づくり、「仕組み」づくりの三つの要素が重要であるといたしまして、「人」づくりでは内部人材育成のほか、関係人口と地域とのつながりを強化する「つながりサポーター」などの育成が必要とされており、「場」づくりでは、新たなコミュニティー創造空間の形成や公共交通のサービス拠点、小売店、学校、郵便局、福祉施設などのサービス機能を複合化した小さな拠点の機能強化などを挙げております。また、「仕組み」づくりでは、地域から都市住民へアウトリーチできる取り組みや、物・サービスなどを共有する、シェアリングエコノミーの活用などを例示しておりまして、これらの方向性については、先ほど議員がおっしゃられた納内地域の団体において一部取り入れ、取り組んでおりますし、本市においても十分検討すべき要素ではないかと受けとめております。審議結果として今回取りまとめられたのは、新たな価値感に共鳴した人々がつながる新たなコミュニティーが創造され、そのことによる定住人口・関係人口に内在する活動人口を拡大するということでございます。特に、地域の主体性を前提とした外部アクターとの連携を強調する新しい内発的発展による地域づくりということが、注目すべき点ではないかなと受けとめております。この新たなコミュニティーですけれども、コミュニティーという言葉は多様な意味に使われますけれども、この報告書では、従来の地縁的なコミュニティーと、テーマコミュニティーということが議論されております。地縁的コミュニティーというのは、従来の町内会のような、そういう地縁で結ばれた活動を指しておりますけれども、これに対してテーマコミュニティーは、共通の価値感に共鳴した人々がSNS等の活用によって形成されるとしております。これらの地域づくりにおいて、従来の地縁的なコミュニティーに加えてこうした外部アクター、つまり地域の外にあって地域を支援する人という意味ですが、これと連携することで、地域の内発的な発展につながると書かれております。内発的な発展は、外部から誘致された、企業誘致ですとかリゾート開発といったものに代表される外来的な発展ではなくて、地域みずからが発展していくという意味ですけれども、今後は、いかにこうした外部アクターとの連携を実現して、地域自体が、例えば多度志地域ですとか納内地域が内発的な発展につなげていくかといったことが本市にとっても重要なことではないかと思っております。4点目の地域づくりでの地域課題の取り組み事例についてでありますけれども、先ほど申し上げました納内地域におきまして、納内地域集落対策協議会が、国の補助金を活用するなどしてコミュニティー拠点施設サロンなごみを活用した多世代交流の推進などを実施しておりますし、全国の事例としましては、農協や郵便局、商店などを1カ所に集約する取り組みや農林水産物や加工品の開発等により、地域の雇用や収入確保につなげる取り組みもございます。議員も触れられておりますけれども、本市の深川市都市計画マスタープランでは、深川、あけぼの、広里、音江、納内、多度志の六つの市街地を形成し、この地域区分を基本として、地域が有効にリンクしながら都市を形成していくとしておりますので、国が進める小さな拠点づくりの導入については、基礎ができているものと受けとめております。したがって、安心して暮らしていく上で必要な生活のサービスを受け続けられる環境を、この制度によって整備していくことは有効な手段と考えますけれども、国土交通審議会の専門委員会にありますように、地域の主体性を前提とした外部アクターとの連携を強調する新しい内発的発展による地域づくりという視点が最も有効な取り組みにつながるものと受けとめております。いずれにいたしましても、小さな拠点づくりは、地域住民が自治体や事業者、各種団体と協力・役割分担しながら取り組むものでありますので、本市といたしましては、地域住民組織などによって機運の醸成が図られましたときには、積極的に支援をしていきたいと考えているところであります。