深川市議会 令和元年第3回定例会 2019年9月10日
地域の活性化に必要な関係人口の創出
2019年9月10日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「地域の活性化に必要な関係人口の創出」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 松本雅祐
続きまして、3点目、地域の活性化に必要な関係人口の創出についてお伺いします。昨今、自治体が注目しつつある概念に、関係人口があります。人口減少や少子高齢化の影響が大きい地方では、産業の振興や伝統文化の継承といった面でも、担い手不足が深刻化しております。地域活性化に欠かせない人材をどう確保していくのか、この点で注目されているのが関係人口であります。総務省が発表した関係人口とは、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもなく、地域や地域の人々と多様にかかわる者と明記されており、過去に居住体験や滞在体験がある人、また、観光などを契機に関心を持った人を関係人口と定義し、地域おこしの新たな担い手となるよう取り組みを始めております。積極的に外部の知見を取り入れ、関係人口の拡大を図っていくことによって、人材不足や地域活性化の人材として、さまざまな形でまちに寄与する可能性が大きいのであります。総務省は、関係人口に関して2018年度にスタートしたモデル事業について、2019年度では予算を倍増させました。そして、本年4月の段階で、全国で44自治体の提案が採択され、事業として行われております。滋賀県長浜市では、首都圏在住で市内にゆかりのある人を対象に、体験ツアーや情報発信を実施しております。また、長野県泰阜村では、山村留学の卒業生や保護者などを関係人口と位置づけ、村の内外のイベントや地域活動に参加できる仕組みをつくりました。北海道でも首都圏企業の社員や家族を視野に入れ、道内の16市町と連携し、現地に用意したオフィスで仕事をしながら、農水業体験などが楽しめるプランも策定しているそうであります。この取り組みは、いずれも将来の定住や継続的な訪問を見込んでいるだけではなく、都市部で暮らしながら、地域課題の解決にかかわってもらうきっかけを提供するという狙いもあります。そこでお伺いします。既に関係人口の創出に取り組んでいる自治体もありますが、本市の関係人口の創出についての取り組みについてお聞かせください。2点目、関係人口という考え方が広く浸透し、具体的な取り組みが成果を上げるには時間がかかることもありますが、関係人口の取り組みは今後重要になってくると思います。本市の第2期地方版総合戦略の中で、この関係人口の位置づけや目的などの設定について、どのように考えているのかお聞かせください。3点目、本市は農業が基幹産業であります。この特徴をもっと前面に出して、関係人口をふやすことに力を入れてはいかがでしょうか。総務省の関係人口創出事業で、ドイツで200年の歴史を持つ農業賃貸制度にクラインガルテンという制度があります。このクラインガルテンというのは、滞在型市民農園のことで、別荘やセカンドハウス感覚で農地を借りることができ、その敷地内には農園や家庭菜園やガーデニングができ、田舎暮らしを楽しむことであります。本市にも基盤となる地域資源が整っており、多様に富んだ人材がおり、例えば、つくった野菜などを道の駅などで販売するなどして、少し収入を得るといった多様な事業が展開できると思います。気軽に田舎暮らしを楽しみながらスローライフを送れるクラインガルテンのような事業を行ってはいかがでしょうか。市の考えをお聞かせください。4点目、関係人口の創出について、過去に進学や就職、何らかの理由により深川市から転出された方は多くおります。この方々と結びついていくことも関係人口の創出につながります。今でも転出した方と深川市に居住している方は、何かしらの縁や結びつきがあり、深川市との縁が切れたわけではありません。その結びつきの一つが、毎年開催されるであろう同窓会、同期会、いとこ会、ふるさと会などがあります。開催単位や詳しい情報などは掌握しておりませんが、年代ごと、地域ごと、また各学校ごとに多様であります。今回、この質問をするに当たり、この内容は平成26年度第1回定例会で辻本議員が、平成26年第2回定例会では宮澤議員が同様の質問をされております。時代が変化し、取り巻く環境が変わり、5年前は関係人口という概念はありませんでした。お二人は未来の動向を捉えた観点から質問されており、今回、関係人口の創出でこの内容を質問しますと相談したところ、よしいいぞとお二人の先輩議員に言っていただき、この質問をさせていただいております。実際、宮澤議員におかれましては、本年、深川西高校の同窓会を開催し、60人の同窓生が集まったそうです。このうち30人が深川市以外の方で、その方々の多くは市内に宿泊されたそうであります。このような同窓会などの催し物を深川市内で開催することは、関係人口の創出につながり、そのことにより深川市を転出された方々が、何年かに一度は深川市を訪れてくれます。懇親会が開かれ、市内に宿泊してくれる、経済効果にもつながります。関係人口創出の事業として、このような会合を開催する団体等に、例えば条件として、開催会場、宴会等は深川市内の業者を使う、当日配付するしおりに深川市内観光やふるさと納税についてのパンフレットなどを一緒に渡していただくなど、一定の条件を満たした場合に対し助成することはいかがでしょうか。市の考えをお聞かせください。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
ただいまの地域の活性化に必要な関係人口の創出について、4点の質問にお答えいたします。国は、ことし6月21日、「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」を閣議決定しまして、第2期の地方創生に向けた基本的な考え方や、国と地方の総合戦略の策定などについて、その方向性を示したところでございますが、この基本方針2019において、地方への新しい人の流れをつくる取り組みの一つとして、関係人口の創出・拡大という点が挙げられたところでございます。国が示したこの関係人口とは、議員も言われましたが、移住をした定住人口でもなく、単に観光に来られた交流人口でもない、地域と多様にかかわる人と定義されております。これに関する取り組みとして、一つ目には、地域とかかわりを持つ人に対する取り組み、二つ目には、これから地域とのかかわりを持とうとする人に対する取り組み、三つ目に、都市住民等の地域への関心を醸成する取り組み、そして四つ目に、訪日外国人の地域への関心を醸成する取り組みを例示し、これらによりまして地域外からの交流の入り口をふやすということが必要という考え方が示されているところでございます。そこで、1点目の質問の本市の取り組みについてという点でありますが、平成27年度に策定いたしました「深川市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、明確に関係人口を定義している事業はございませんけれども、国が示している取り組み例を踏まえますと、既に実施している関係人口の拡大・創出に関連する事業としましては、例えばふるさと納税の寄附者などに対する地域情報の提供、それから札幌、東京、関西の深川ふるさと会との交流事業、そしてお試し移住などの移住・定住の取り組み、これも広い意味ではそれに関連いたします。さらに言えば、新規就農者や地域おこし協力隊の積極的な受け入れ、また、インバウンド対策として、台湾からの教育旅行の受け入れなどを既に行ってきているところでございます。また、今年度からの新たな取り組みとしましては、国の交付金を活用しまして、深川市農泊推進協議会が実施する農泊推進事業において、首都圏在住者への農業体験と観光を結びつける取り組みなどを実施し、農業関係人口の増加を目指した事業に今年度着手いたしたところでございます。このほかに、議員も触れられたと思いますが、総務省の「関係人口創出・拡大事業」のモデル事業の採択を受けまして、北海道と本州を含む道内16市町村が連携をして、首都圏企業の社員を対象に、道内の短期滞在型サテライトオフィスで仕事をしながら、休暇には市町村が用意する受け入れプログラムを体験してもらう事業を、本市も実施する予定といたしているところでございます。2点目の本市の次期総合戦略における関係人口の位置づけなどについてでありますが、さきに申し上げましたこの「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」では、国の総合戦略について、従来の枠組みを維持しつつ必要な強化を図るとされておりまして、新たな視点として、先ほど来言っている関係人口の創出、新しい技術の活用、人材の育成支援、地域づくりを担う組織や企業との連携などの施策を挙げているところでございます。また、地方に対しましては、この国の総合戦略を勘案し、切れ目のない取り組みを求めておりますので、本市といたしましても、国に準じて現行の総合戦略にある四つの基本目標を維持しつつ、関係人口などの新たな視点を盛り込んで戦略づくりをしてまいりたいと、現在のところ考えているところでございます。本市の第2期の総合戦略の策定作業は、ことし10月から本格的に検討を開始したいと考えておりますので、質問の目標設定を含めて、今後、十分に検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。そして、3点目のクラインガルテンの取り組みについて質問がありましたが、農林水産省の公表した資料によりますと、クラインガルテンと言われる宿泊可能な施設を備えた滞在型の市民農園は、平成30年3月現在で、全国で66カ所において設置されており、それぞれ農園のほかに簡易宿泊施設などが整備されて、長期間滞在しながら農作業や農業体験ができる場として活用されているということでございます。このクラインガルテンにつきましては、都市住民等の方が農業や農村を理解する場として、大変重要な役割を果たすとともに、関係人口の増加という点についても大きく寄与するものと考えておりますが、新たにこうした施設を整備するといったことになりますと、当然のこと多額の投資が必要となります。そのほか、周辺の農用地の農業上の利用増進に支障を及ぼさない場所を選ばなければならないとか、あるいは当然、管理人の設置などもしていかなければならないなど、さまざまな課題もあるわけであります。このため、市としましては、こうした長期滞在型ではありませんけれども、既存のアグリ工房まあぶ等を拠点とした類似の事業の展開を図りながら、関係人口の増加に努めていけないものかといった観点から検討してまいりたいと考えております。最後に、4点目の市内で開催する同窓会、いとこ会、ふるさと会等への支援についてでありますが、この点につきましては、議員も触れられておりますように、平成26年市議会定例会におきまして、辻本議員と宮澤議員それぞれから同様の趣旨の一般質問がございました。そのときには、この点について調査研究をしていく旨のお答えをさせていただいた経過があります。当時の対応の結果ということにつきましては、同窓会等の支援、開催についての支援を行っている自治体は、その時点では道内で秩父別町と南富良野町と鷹栖町などにとどまっておりました。現在は、今申し上げた三つのうち、南富良野町と鷹栖町では事業を取りやめたと聞いておりまして、そのかわり新たに増毛町が実施町ということで加わっているということのようでございますが、取り組む自治体の数はそう多くなかったということ。また、隣町の秩父別町では、市外の居住者を含む10人以上の同窓会の参加者1人につき1,000円を助成するということでやっておられたようで、平成25年度の町の助成総額が46万円、ちなみに25件、481人に交付をしたということになっておりまして、この数字を参考に、本市の人口比率というか、何倍人口がいるということを勘案して事業費を試算いたしますと、相当程度の予算規模になるといったことなどもあり、事業に踏み込むといったことにはならなかったものでございます。しかしながら、長々申してきましたが、近年、総務省は関係人口という新しい概念を示しているということ、しかもこれに力を入れているといったことを受けまして、本市では、その関係人口の創出に向けた新たな展開というのが重要、必要と認識いたしております。そうした観点から、議員から今回提案のありました同窓会等の開催に対する支援を通じた関係人口増加といったことについて、これはやはり有効な取り組みの一つとも考えられると思いますので、次期総合戦略の策定作業の際に、事業の可能性について、しっかり改めて検討をしてまいりたいと思っております。