深川市議会 平成30年第3回定例会 2018年9月5日
『児童虐待』から救い出す「社会(行政)」の確立
2018年9月5日、深川市議会の一般質問で、太田幸一議員が「『児童虐待』から救い出す「社会(行政)」の確立」について質問し、市民福祉部長 安田浩人が答弁しました。
- 質問者
- 太田幸一 議員
- 答弁者
- 市民福祉部長 安田浩人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 太田幸一
それでは、2番目の『児童虐待』から救い出す「社会と行政」の確立についてお伺いいたします。これは、新聞に出ていた部分でありますが、これから読み上げたいと思います。「もうおねがい ゆるして」とノートに残されていた船戸結愛ちゃん5歳の学習ノートに書かれた心の叫びをつづったものです。「パパとママにいわれなくても しっかりとじぶんから もっとできるようにするから もうおねがいゆるして ゆるしてください おねがいします もうほんとうにおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします」。東京のアパートの一室で、ことしの3月、船戸結愛ちゃん5歳が、義理の父親からの暴行後に死亡した事件で、衰弱していた結愛ちゃんに必要な医療措置も受けさせずに死亡させた父親33歳、母親25歳が保護責任者遺棄致死容疑、傷害罪、これらの罪状で警視庁から逮捕された。逮捕容疑の中身は、1月から結愛ちゃんを栄養失調にした上、暴行を加え虐待。病院に連れて行かずに、3月2日、敗血症で死亡させた容疑。父親は日常的に顔を殴るなど暴行を加えていたほか、結愛ちゃんに自分で4時に起きさせ、平仮名を書く練習を命じ、そのノートには先ほどの事柄が書かれていたわけであります。結愛ちゃんは十分な食事も与えられず、5歳児の平均体重であります20キログラムに対して、死亡時には12キログラムしか体重がなかった。容疑者の父親は、香川県で暮らしていた昨年2月、さらに5月に結愛ちゃんへの傷害容疑で2回書類送検されています。警視庁は、わずか5歳の幼い子供が受けた耐えがたい苦痛は察するに余りある。彼女の頭の中には、謝罪の言葉しかなかったのだろうと無念さをにじませていたということであります。ノートは、香川県善通寺市から東京に引っ越した1月下旬に書き始められ、両親の意向に従おうと必死な思いだったことをうかがわせる記述となっていました。香川県の児童相談所が一時保護を繰り返し、県警が傷害容疑で義理の父親を書類送検していたものの、転居先として引き継ぎを受けた品川の児童相談所が、2月9日、自宅を訪問し、対応した実母から「かかわってほしくない」と言われ、その後、小学校の入学説明会にも実母のみの出席で結愛ちゃんには会えていない。都の担当者は、見守りが必要な家庭だが、香川県の児童相談所の引き継ぎ内容から危険が差し迫っているとは判断していなかったと説明した。このことにつきまして、NPO法人児童虐待防止協会は、「事案を受け付けた児童相談所の危機感が薄く、引き継ぎ先との共有もできていなかった。これは行政の連携ミスです」と問題点を明確に指摘しております。北海道においても、2008年、深刻化する虐待事件の検証が各自治体に義務づけられましたが、2008年から2017年までの10年間で、27人が虐待により死亡している。しかし、検証報告書の取りまとめでは、児童相談所が事前に情報を把握していたものは4件にとどまっている。いずれの検証報告書にも、児童相談所が単独の判断に陥り、他機関との連携が不足していたとある。複数の検証を行った有識者委員会の1人は、いつも同じ問題でつまずいている。もはや児童相談所だけに頼っては、虐待事件を防ぐことはできないと指摘しています。平成9年、稚内市の母親と同居の男の、長男4歳への虐待でも、平成15年の札幌市の男児4歳が養父に殴られて死亡する事件等も、事件に対する児童相談所の対応は、全国的に見ても共通するとされております。道内では、関係機関同士が虐待情報の共有や解決に向けて連携する場、要保護児童対策地域協議会、要対協と言いますけれども、ここに参加を求め、事案に応じて児童相談所や学校、医療機関等が合同受理会議といったものを開くことになっていますが、検証報告書を作成した4件の発生自治体では、この合同受理会議という性格のものが開かれていることはなかったとされています。さきのマスコミ報道でも、1年間に虐待対応件数が10万件と、10年間で3倍になっているという実態であります。さらに、虐待による入院児童の数が365人に上り、195人が1カ月以上入院し、1年以上に及ぶ場合もある。さらに、担当医はこれらを「虐待入院」と位置づけして呼んでいるということであります。これらの事象から、初めて世の中にこれらのことが知らされるというおぞましい状況でもあることが言われております。この原因について、当然親元に帰りたくない、帰らない、帰れないという子供たちの入院の長期化ということになっているわけですけれども、虐待児童については、これは一般的な話ですけれども、里親か施設で保護されるものということであります。しかし、現状の保護施設なり里親というところの、いわゆるSOSを発した子供たちのいわば隔離施設といったものは極めて少ない状態にあるのだと。本当に福祉の貧困ということがそのまま言えると思いますけれども、そのような実態も指摘されております。何と言っても、子供は社会の宝であります。まだまだ国や社会が手厚く子供の人権を擁護し、保護しなければなりません。こうしている間にも、全国では児童虐待による殺人事件が氷山の一角として報道されています。これらの状況から、国は強制力を行使して児童を守る方針を明らかにし、現状そのことが進められておりますけれども、国による自治体への虐待児童保護施設の制度の強化を初め、関係機関の危機意識といったものを不断に持ち合わせていくことが必須の条件だろうと思います。何点か深川市の考え方を伺います。一つ、児童虐待は予防にまさる対策なし。虐待の芽を小さなうちに察知し、未然に対策することが行政の立場からも極めて重要とされている。深川市としての所見を伺う。二つ、空知総合振興局管内は、北海道岩見沢児童相談所が空知10市及び14町を管轄しているということでありますけれども、どのような組織連携及び業務分担となっているか。実態としては、市町村の窓口が極めて重要と思われる。そういったことはどのようになっているか伺いたい。三つ、児童虐待が想定される場合、対応マニュアルが厚生労働省で定められていると思われるが、過去10年のどのような実態経過となっているか。さらに、関係機関との連携の事例はどのような実態経過となっているか伺います。四つ、マスコミ報道によりますと、道内では虐待事件が発生しても、要保護児童対策地域協議会等による合同会議等が行われていた実態はないとされていますが、深川市においてはどのように進めているかお伺いする。五つ、国が示している強制力による児童虐待からの救出をどのように受けとめ、裁判所や警察署等との連携はどのように進めているのか伺う。
答弁 市民福祉部長 安田浩人(市民福祉部長は2021年3月まで)
『児童虐待』から救い出す「社会(行政)」の確立について、5点の質問をいただきましたので、順次お答え申し上げます。1点目、児童虐待の芽を小さなうちに察知し、未然に対策することが行政の立場からも極めて重要とされており、深川市としての所見についてでありますが、子供の虐待は、議員が示されました事例のように、時には生命にかかわる場合もあり、迅速かつ組織的な対応が求められております。このため市町村は、平成16年の児童虐待防止法改正により、虐待の通告先の一つとなり、19年の児童虐待防止法改正では、都道府県設置福祉事務所とともに、児童虐待にかかわる通告を受けた際の当該児童の安全確認が義務化されましたほか、児童相談所への送致、立入調査及び一時保護の実施が適当と判断される場合は、児童相談所長等への通知を行うなど、児童虐待の早期発見において、その市町村の役割が重要な位置づけとなりました。本市では、子育て支援推進室内に設けております家庭児童相談室が、虐待の通告があった場合の児童の安全確認、また児童福祉法に基づき関係機関で組織しております深川市要保護児童対策協議会の調整機関を担っており、要保護児童等に対する支援が適切に実施されるよう、支援の実施状況等を的確に把握するとともに、児童相談所及び関係機関との連絡調整を行っております。さらに、児童の虐待対策は発生予防・早期発見が重要と考えますので、児童と直接かかわる保育所、幼稚園及び学校、そのほか母子保健担当部局等とも連携し、ハイリスクのある家庭の把握を行うほか、児童虐待防止推進月間などには、児童虐待防止のための啓発や虐待の通報について、広報で周知するなど市民啓発にも努めているところであります。次に、2点目、北海道岩見沢児童相談所と各市町の組織体系及び業務分担についてでありますが、市町村は、児童福祉法では児童の福祉に関し、実情の把握、情報提供、家庭、そのほかからの相談、必要な調査及び指導を行い、児童福祉事務を適切に行うために必要な体制の整備に努めるということとあり、また児童虐待防止法では、虐待の通告先と規定されております。これらの規定により、虐待の通告があった場合には、市町村が緊急受理会議を経て当該児童の安全確認を行い、必要に応じて児童相談所への送致を行う、あるいは要保護児童対策として設置されております地域協議会において、当該児童にかかわる構成機関等の実務担当者による情報交換や支援方策の具体的な検討を行うこととしております。他方、児童相談所の業務といたしましては、主に市町村相互間の連絡調整とそのほか必要な市町村援助、専門的な知識及び技術を必要とする相談・判定、児童の一時保護、在宅指導・児童福祉施設入所措置・里親委託の措置等を行うこととなっております。虐待の通告が直接児童相談所や警察署へ通報された場合におきましても、市町村へ情報提供があり、協力依頼があれば、児童の情報収集と提供、安全確認、地域協議会による検討を行うことになります。児童虐待におきましては、第一義に市町村が責任を持って対応し、専門性が高い困難事例につきましては、児童相談所への通告を行うなどの対応となりますので、市町村担当部署におきましては、一元的に情報管理を行い、支援状況を検証するとともに、状況の進行管理なども行い、状況に応じた適切な判断により、児童にとって最善の支援が行えるよう努めております。次に、3点目、児童虐待の対応マニュアルの実態経過と関係機関連携の実態としての事例についてでありますが、厚生労働省が示す「子ども虐待対応の手引き」は、平成11年に作成後、法律改正に伴いこれまで4回改訂を重ねております。過去10年間で見ますと、平成19年の児童虐待防止法等の改正、及び20年の児童福祉法改正による児童相談所の立入調査の強化や、子育て支援事業等の法定化などを受けた改訂が21年3月に、また23年5月、民法等の一部を改正する法律成立により、親権停止制度の新設、法人または複数の未成年後見人の選任など、その都度の新たな制度導入に踏まえた改訂が25年8月に行われております。その後、平成28年に児童福祉法の一部を改正する法律が成立しまして、児童虐待について発生予防から自立支援まで、一連の対策のさらなる強化等を図るため、児童福祉法の理念を明確化するとともに、母子健康包括支援センターの全国展開、市町村及び児童相談所の体制強化、里親委託の推進等の所要の措置を講ずるなどの改正がありましたけれども、現時点ではこれらを反映された手引の改訂はまだ示されていないところであります。しかしながら、目黒区の虐待死の事案の後に、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議におきまして、緊急に実施すべき重点施策として、全ての子供を守るためのルールの徹底や子供の安全確認を早急に行うことなどが示されているところであります。続いて、関係機関連携につきまして、本市では、要保護児童に係る検討を深川市要保護児童対策協議会設置要綱に規定するケース検討会議で行っており、昨年度はこの会議を5回開催しております。主に児童とかかわりのある保育所、幼稚園、学校及び教育委員会、市の母子保健担当部局、療育センター及び障がい児等のサービス機関、そのほかにも地域の民生委員・児童委員、主任児童委員などにも参加いただきながら、児童相談所に送致したケースは児童相談所も参加しながら、当該児童の情報共有と支援の方法を検討し、関係機関等が連携し、当該児童や家庭の支援に努めているところであります。次に、4点目、深川市において合同会議等はどのように進められているかについてであります。本市では、虐待の通告があった場合は、家庭児童相談室のほか、必要と認められる関係者で速やかに緊急受理会議を行い、当該児童の状況把握やその緊急性を判断しており、その時点で困難性が高いケースであると判断した場合は、岩見沢児童相談所へ送致を行い、関与を求めております。そのほか、緊急的な対応までは必要としない案件につきましては、個々の事例の状況を把握した上で、改めて受理会議を行っているところであります。次に、5点目、国が示している強制力による児童虐待からの救出をどのように受けとめ、裁判所や警察署等との連携はどのように進めるのかについてであります。児童虐待防止法に規定されております一時保護や立入調査は、児童相談所が執行するものですので、市町村においては、児童相談所からの求めがあった場合に同行することになります。また、児童相談所は、児童の安全確認や一時保護などの際は、必要がある場合には警察署に対して協力を求めることができることとなっております。なお、児童の状況が確認できず、保護者が児童相談所からの出頭要求、立入調査及び再出頭要求を拒否した場合、裁判所の許可を得て臨検・捜索が行われることとなりますが、いずれも児童の安全確保及び人権を守るための必要な措置がとられているところであります。