深川市議会 平成29年第4回定例会 2017年12月11日
インクルーシブ教育
2017年12月11日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「インクルーシブ教育」について質問し、教育部長 荒井清光が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 教育部長 荒井清光
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 松本雅祐
続きまして3点目、障がいがある、ないではなく、みんなが一緒に学べるインクルーシブ教育についてお伺いします。インクルーシブとは、包括的な、包み込むという意味であります。インクルーシブ教育とは、子供たち一人一人が多様であることを前提に、障がいのある、ないによって学ぶ場所が分けられるのではなく、誰もが望めば、自分に合った配慮を受けながら地域の通常学級で学べることを目指す教育理念であり、実践プロセスのことであります。一人一人丁寧に教える、みんなで一緒に学ぶの両方の実践を目指すものであります。インクルーシブ教育という言葉は余り聞きなれませんが、1994年、ユネスコで開催された国際会議がきっかけであります。会議の中で、万人のための教育について、可能な限り、全ての子供たちの能力や困りごとに応じた教育を行うことが発表され、2006年12月、障害者権利条約が国際連合で採択され、インクルーシブ教育の方向性が提案されました。日本の教育制度は、これまで通常学校と障がい児学校に分かれた分離教育の立場をとっておりました。そのため、障がいのある方は、必ずしも社会参加できるような環境にはありませんでした。障がいのある方が積極的に社会で活躍できる環境づくりの一環として、2010年12月、日本においても、文部科学省はインクルーシブ教育理念の方向性を示しました。基本的な方向性としては、障がいのある子供と障がいのない子供ができるだけ同じ場でともに学ぶことを目指し、それぞれの子供が授業内容をわかり、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら充実した時間を過ごし、ともに生きる力を身につけていくことが最も本質的な視点であります。そのため、子供たちが生活する地域で初等、中等教育の機会が与えられるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学び場を用意することも必要であります。また、障がいのある子供が一般的な教育制度から排除されることなく、個人の特性や場面に応じて発生する障がい、困難を取り除くため、一人一人に合わせた合理的配慮が提供されることも重要であります。しかし、障がいといっても、発達障がいには注意欠如、多動性障がい、学習障がい、自閉症、情緒障がい、難聴、弱視、肢体不自由及び病弱、身体虚弱、言語障がいなど、さまざまであります。このため、就学の相談や就学先の決定についても、インクルーシブ教育の理念に基づき、平成25年までは、障がいのある子供は、原則、特別支援学校に就学することになっており、現在においても、最終的に就学先の決定をするのは教育委員会となっておりますが、それを決めるまでに本人と保護者の思いが最大限に考慮されるよう、改善が行われております。インクルーシブ教育の推進は、子供の力が最大限に発揮できる環境で過ごさせてあげること、障がいのあるなしにかかわらず、多様な子供たちが集い、学びやすい学校環境、教育環境をつくることで共生社会の構築を進めることができると思います。お伺いします。1点目、本市は、どのようにインクルーシブ教育に取り組んでいるのか。また、障がいのある子供に対する基礎的環境整備について伺います。2点目、合理的配慮についてですが、障がいのある子供がほかの子供と平等に教育を受ける権利を確保するため、どのような合理的配慮を提供しているのか、具体的に教えてください。3点目、就学時の対応について、本市ではどのように進めているのか、お聞かせください。例えば、本人と保護者が教育委員会と意見が違った場合には、どのように解決するのか。また、幼児期の段階から発達について相談の機会や情報提供はどのようにされているのか、伺います。4点目、インクルーシブ教育は、全ての子供たちのための教育という理念は共有されておりますが、実際に進めていく中で見えてきた課題などがありましたらお聞かせください。
答弁 教育部長 荒井清光(教育部長は2019年3月まで)
インクルーシブ教育について、4点、質問をいただきましたので、順次お答え申し上げます。なお、1点目の本市の取り組みと基礎的環境整備、2点目の合理的配慮につきましては関連がございますので、あわせてお答えさせていただきます。本市では、子供たち一人一人が多様であることを前提とした指導や支援に加え、障がいのある子供も、ない子供も平等に、そして可能な限りにともに学ぶ仕組みでありますインクルーシブ教育システムの構築に向けた取り組みとして、特別支援教育支援員の配置などに早くから取り組んできております。障がいのある児童生徒の支援に必要な基礎的環境整備としましては、多様な学びの場の活用、学校行事における交流や共同学習等、交流の場の提供、校内支援委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの配置、一人一人に適した個別の教育指導計画等の作成による細かな指導、支援の提供、それから、支援が必要である児童生徒に即した教材備品、設備の整備等の物的提供などを行ってきてございます。また、障がいのある児童生徒が障がいのない児童生徒と平等に教育を受けることを確保するために、生活や学習の困難さを軽減する合理的配慮についても、障がいの状態や教育的ニーズに応じて、学習内容の変更・調整や、心理面・健康面での配慮など、一人一人の状況に即して取り組んできております。具体的には、普通学級において支援が必要な場合の特別支援教育支援員によるきめ細やかな支援や、交流関係がうまくつくれない場合の保健室やスクールカウンセラーなどを活用したトレーニングの実施、また、口頭説明だけでは理解が難しい場合には、大画面に投影しての視覚的な説明、それから、集中の維持が難しい場合には、端的な説明、あるいはきめ細やかな説明による課題解決への導き、自発的な意思表示が苦手な場合に、挙手による発言を求めず、カードによる意思表示を行わせる。時間の間隔が不安定な場合に、見通しを持たせて活動するような配慮などに必要な教材等の提供とあわせて取り組んできております。以上、1点目と2点目の質問のお答えとさせていただきまして、次に、3点目の障がいのある児童生徒の就学決定はどのようになっているかということについてでございますが、新入学児童につきましては、例年9月下旬から10月上旬に実施しております就学時健診の際に、知能検査もあわせて実施しており、その結果に基づき、何らかの合理的配慮の必要が懸念される場合には、心理学者による教育相談として親子面談を実施いたします。その後、12月までに、医学、児童福祉、教育関係者などで組織する深川市特別支援教育推進委員会の就学支援部会において、当該児童の教育措置を検討し、その報告が教育委員会へ答申されます。この答申を踏まえまして、教育委員会が最終的な決定を行っております。在籍児童生徒につきましては、経過観察中、あるいは新たに支援を要すると考えられる児童生徒について、各学校の校内支援委員会による調査、そして深川市特別支援教育推進委員会による判断を経まして、特別支援学級の教員で組織します専門調査委員会が心理検査を含む教育相談を実施します。この結果を踏まえまして、専門調査委員会において、さらに教育相談の必要な児童生徒を抽出し、第2次教育相談として心理学者による親子面談を実施して以降、新入学児童と同様の流れで決定となります。なお、教育委員会と本人、保護者の意見が食い違う場合には、あくまでも本人と保護者の意向を最大限尊重して決定します。通級による指導、また専門的スタッフを配置して通常の学級に在籍するなど、本人、保護者が望む多様な学びの場を選択することができるよう、柔軟に対応しております。また、幼児期における発達についての相談等は、健康福祉課において幼児の健診や市の療育センターでの相談により行っているところでありますが、教育委員会としましても、就学に向けた道立特別支援教育センターによる巡回教育相談に際して、幼稚園や保育園、療育センター等との連携により、就学前児童の状況把握に努めております。次に4点目、インクルーシブ教育の課題についてでございます。インクルーシブ教育システムの構築に向けた一層の取り組みのためには、障がいのあるなしにかかわらず、多様な子供が学びやすい学校環境の充実に向けて、施設、設備のさらなる整備及び教材の開発が考えられます。また、定数改善による指導者及び特別支援教育支援員の増員など、人員の配置が求められるところでございます。これらにつきましては、国の財政支出なくしては拡充、実現できないものでございますので、今後におきましても、北海道都市教育委員会連絡協議会、そして北海道都市教育長会などを通して、北海道、さらに国に対して要望してまいりたいと考えてございます。