美幌町議会 令和5年第5回定例会 2023年9月13日
(1)障がい者(児)への理解と支援について/(2)特別支援教育、インクルーシブ教育システム導入について
2023年9月13日、美幌町議会の一般質問で、稲垣淳一議員が「障がい者(児)への理解と支援について」「特別支援教育、インクルーシブ教育システム導入について」について質問し、町長 平野浩司、教育長 矢萩浩、社会福祉課長 水上修一、福祉部長 河端勲、町民生活部長 関弘法、教育部長 遠藤明が答弁しました。
- 質問者
- 稲垣淳一 議員
- 答弁者
- 町長 平野浩司、教育長 矢萩浩、社会福祉課長 水上修一、福祉部長 河端勲、町民生活部長 関弘法、教育部長 遠藤明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 稲垣淳一
それでは、通告どおり、大きく2点ほど質問をさせていただきます。まず一つ目ですが、障がい者(児)への理解と支援についてであります。昨年5月、美幌町在住の自閉症・知的障がいのある青年、当時21歳が、職場からの帰宅途中、不審者がいたとして通報され、美幌警察署で事情聴取を受けました。青年はふだんから「子供には決して近づかないように」と母親から指導されていましたが、前を歩いていた小学生が歩いたら歩く、走ったら走るという行動を繰り返してしまったようであります。青年と母親への事情聴取後、事件性はないと判断されたようですが「誰も悪くないのになぜこのような事件が起きてしまったのか」と、しばらくの間、家族は悲痛な思いで生活をされ、その青年は人の目が怖くなり、今までどおり一人で買物に行くことができなかったとのことであります。町として、子供たちはもちろん、その保護者や地域の方々に対し、不審な行動を取っている人がいたら、速やかに警察に通報するよう周知を徹底され、その結果、しっかりと防犯対策が講じられているのが現状であります。また一方で、今回のように、何らかの障がいがあるために起こしてしまった行動の結果、悲しい思いをする障がい者やその家族もいることから、障がいに対する理解を深めてもらう方策も必要と考えます。現在、障がいのある人に対応した施設、設備やルールなどの存在を示したり、必要な支援を分かりやすく伝えるための様々なマークがあります。青年の家族は、ヘルプマークを役場で受け取った際に「まだまだ認知度が低い」と、担当から説明を受けたため、学校への周知、特に、保護者に理解してもらえるようお願いしてきたとのことであります。今後、施設等を利用される方もちろん、私たち地域住民一人一人が、マークに込められた意味を理解し、お互いを支え合うことを自然に行える美幌町を目指すため、障がい者に対する理解が深められるよう、どのような方策、指導を行うのかについて、考えをお示しください。次に、ヘルプマーク等の普及啓発への取組についてであります。現在、日本には様々な障がいを持った方、周囲からの配慮を必要とする方々を表すマークがあります。これらは、国際的に定められたものや障がい者団体等が独自に策定して普及を進めているものもあり、美幌町の至るところで見かけるものもあります。よく見かけるマークとしては、障がい者のための国際シンボルマーク、いわゆる車椅子マークで、障がい者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークであります。このマークは、全ての障がい者を対象としたものであり、特に、車椅子を利用する障がい者を限定し、使用されるものではありません。そのほか、車の運転をする際には、肢体不自由であることを理由に条件を付されている方が、表示する努力義務のある身体障がい者マーク(白い四葉のクローバー)、聴覚障がい者であることを理由に条件を付されている方が表示する義務のある聴覚障がい者マーク(黄色いチョウチョウのマーク)であります。ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、知的障がい等々、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に知らせることができるマークです。ハート・プラスマーク、耳マーク等々、数多くのマークが存在していますが、これらの意味をよく理解されていないのも事実であります。これらのことから、ヘルプマーク等の普及啓発を積極的に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。二つ目の質問といたしましては、特別支援教育、インクルーシブ教育システム導入についてであります。北海道教育委員会では、本年3月に、令和5年度から5年間を計画期間とする新たな特別支援教育に関する基本方針を策定し、「障がいのある子どもと障がいのない子どもがともに学ぶ共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの理念の下、全ての子どもたちが障がいの有無にかかわらず、多様な個性を互いに認め合い、支え合いながら、ともに学んでいくことができる環境を醸成し、誰もが生き生きと活躍できる社会が実現するよう特別支援教育を推進しています」としています。通常学級の教員も特別支援教育に関する理解や知識を深め、支援を必要とする子供が、どの学び場においても専門的な指導や支援を受けられるよう、教員養成大学との連携や計画的な研修の充実を図り、また、幼児期から卒業、就労まで切れ目のない支援を図るため、オンデマンド動画の作成等も盛り込みながら、保護者への情報提供に力点を置くというものであります。通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場において、障がいのある子供の自立と社会参加に向けた適切な指導及び必要な支援が行われるインクルーシブ教育システム導入に関する考えをお示しください。以上であります。
答弁 町長 平野浩司
稲垣議員の御質問に答弁いたします。なお、特別支援教育については、教育長から答弁いたします。障がい者(児)への理解と支援について。1点目の障がい者(児)への理解と支援についてでありますが、自閉症・知的障がいを持つ方は、外見から障がいを持っていることが分からず、誤解によりつらい対応が行われる懸念があります。障がい全般に対する理解をより一層深めるための手段として、ヘルプカードやヘルプマークは有効な方策と考えておりますが、一般的な認知度はまだまだ低いと認識しております。ヘルプカードやヘルプマークを本来の目的として活用していくためには、援助や配慮を必要とする方が所持、携帯することとともに、援助する側においても、そのマークの理解を深めていかなければ、効果的な活用はできないと感じており、大人がまず理解を含め、子供たちにもその意味をしっかりと伝えるなど、年齢層を問わず、浸透させていかなければならないと考えております。2点目のヘルプマーク等の普及啓発への取組についてでありますが、本町でも、内部障がいや難病の方など、外見から判断できなくても、援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせ、援助を受けやすくするものとして、平成27年度よりヘルプカードを作成し、配布を開始しております。また、平成29年度からは、北海道が作成しているストラップ型のヘルプマークの配布についても、併せて行っているところであります。今後、ヘルプカードやヘルプマークの意味を広く町民全体に周知し、必要と感じている方が安心して携帯できるよう、思いやりのある行動をさらに進めていくことが重要であることから、定期的に町ホームページや町広報紙に記事を掲載するほか、民生委員児童委員協議会や各種福祉関係の行事等においても周知を行ってまいりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。以上、答弁いたしましたので、よろしくお願いいたします。
答弁 教育長 矢萩浩
稲垣議員の御質問にお答えいたします。特別支援教育は、障がいのある子供たちの自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであります。本町においても、教育相談や就学時健診など、様々な形で保護者・児童生徒及び関係機関と協議を重ね、特別な支援を要する子供への就学先を決定した上で、学習機会を提供しております。北海道においては、令和5年3月に特別支援教育に関する基本方針を策定し、障がいのある子供と障害のない子供がともに学ぶ共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの理念の下、全ての子供たちが障がいの有無にかかわらず、多様な個性を互いに認め合い、誰もが生き生きと活躍できる社会の実現に向けて推進しております。御質問のインクルーシブ教育システム導入に関する考え方でございますが、本町の現状は、特別支援学級の在籍者が増える中、普通学級在籍者の中にも、特別な支援を要する子供も一定数在籍しております。このような状況の中で、普通学級、特別支援学級の教室でそれぞれ授業を行っておりますが、インクルーシブ教育の理念に基づき、道徳をはじめ、生活、音楽、体育などの教科のほか、特別活動や総合的な学習の時間においては、普通学級に特別支援学級が加わり、交流学習として、障がいの有無に関わらず授業を実施している状況にあります。特に、小学校では、支援を要する子供の数は全体の約3割を占めている中において、全ての子供が同じ場所で共に学び合う教育の実現は、個々への支援や配慮が行き届かない恐れがあることから、現時点では難しいと考えておりますが、インクルーシブ教育の考え方を理解しながら、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や支援を最大限に考え進めてまいりますので、御理解をお願いいたします。以上、お答えいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
再質問 7番 稲垣淳一
それでは、何点か再質問させていただきます。まず、障がい者、障がい児への理解と支援ということで、その青年のお母さんの了解を得まして、当時の思いをつづった作文をいただいて、改めて読ませていただきました。この話は、先月、包括支援センターの障がい者懇話会でもお話しされているので、ある意味、隠すものではありませんということで御理解いただいて、この場でもお話しさせていただくものであります。小さいときから一生懸命、家族で青年のことを、お子さんのことを見守りながら、また、自立できるように応援してきたという経緯を聞いております。そして、最近は歩いて職場まで行けるように、お母さんと一緒に道路を覚えるだとか、一生懸命にいろいろなことをトレーニングされてきたさなかの事件でありました。改めて余り詳しく話すものではないのですけれども、言いたいことは、特別、青年は子供に対して手をかけたとか、押しただとか、体を触ったりだとかしたことは全然ないのです。その状況を見ていた方が、何か不審者がいると、何かにやにや笑っている人がいると、これは子供が危ないと、そのような思いで警察に通報したと。その後、青年が帰宅途中にパトカーに連れて行かれて、警察でお話を聞いていたという流れであります。お母さんからも、うちの子はこのような状況なのだと、変なことはしないのだよという説明をし、青年本人と警察官とのやりとりの中で理解をしてもらって、無事に家に帰ることができたということではあります。ですが、自分は何もしていないのになぜこのようなことが起きたのかと、なぜ警察に連れて行かれたのかと。いつもは、パトカーを見てにこにこしていたようでありますが、そのような体験をしたことによって、パトカーを見るのも少し怖いという話も聞いております。その事件の後、家族で、どうしてこのような目に遭ったのか、何が悪かったのかと、誰が悪いのだと。結局、誰が悪いという結論はないのですが、いろいろと嫌なことを体験し、母親がいろいろと調べた中でヘルプマークという存在を知ったと。とにかく、第三者に障がいがあることを気づいてもらうということと、当時、不審者メールが出回りましたから不審者呼ばわりされたこと、そのことの誤解を解きたいという思いで、お母さんが役場にヘルプマークをもらいに行ったと。その中で、まだまだ認知されていないので、お母さんは教育委員会から学校へ周知してもらえるようにお願いしたと。特に、保護者に認知してもらえるようにお願いしたと。また、学校に電話をして、経緯だとか、学校のそばを通るので、いろいろと理解をしてもらう意味で挨拶したいと言ったのですけれども、電話に出た先生からそれには及ばないと言われ、少し残念な思いをしたと。そしてまた、警察署にも、ヘルプマークを持っている意味を伝えるために認識してもらえないかという話をしたところ、やはり、警察署内でも認識がまだ低くて、そのような話であればしっかりと署内で伝えるように努力いたしますという話がされたそうです。さらに、彼の職場にも、ヘルプマークを持つことの意味、意義を伝えていたそうです。不審者メールが出回った後も、結局、不審者ではなかった、問題はなかったという訂正メールがなかったのですね。当時、そのような緊急メール的なものは、この事案があっただとか、不審者が出ましただとか、そのようなことは発信するのだけれども、解決しただとか、なかなかそのようなことがない。結局、その後どのようになったかというと、親御さんにもなかなかすぐに情報が入ることがなく、学校では不審者がまだ近くにいるのではないかと心配する保護者がいたものですから、放課後のお迎えだとか、保護者の皆さんにも大変な思いをさせたのではないかと、警戒する保護者の目があったのでなかなかつらいものがあったという話もされていました。当事者になって考えたことというのは、書いてある文章を呼んでいますけれども、なぜ何もしていないのに逮捕されるのだと。やはり、何がどうあったか、その青年が自分で正確に伝えることができないということで、そのような誤解を受けてしまった。今のままでは自分を守れないということを強く感じたので、今度、家族ではどう対策をするのだということで、今現在、正確に事実を伝える練習をしている。例えば、朝の新聞を見て、言葉に出して読み上げるだとか、夜、日記を書いてみる、その日あった事実を日記として書いてみるだとか、併せて、自分の気持ちも書きつづるだとか、一生懸命、毎日トレーニングをしていて、今は楽しくそのようなことを日々やっているということであります。そうすることによって、自分のやっていること、思っていることを相手に伝えるということを日々トレーニングしていると。本人の無意識の中にそのような周りの目があることは、本当に残念な思いをし、このことを何とか理解してもらうことはできないのかということで、ヘルプマークをもらいに行ったという経緯を聞きました。ヘルプマークについては、去年6月の定例議会で、同じ会派でございます藤原議員からも同様の趣旨の質問がありました。そこで、改めてお尋ねいたします。これは抜粋になりますが、当時の課長または部長が、ヘルプマークについての周知徹底をしなければならない、行政が率先して行うことはもちろんですが、広く進めていくためには、関係団体による実践に加えて、何よりも住民の皆様に関心を持っていただくことが重要だと思っている、ホームページ等々の媒体を含めて周知していくが、一番広まるのは口伝えではないかと思っている、自治会やサークルだとか身近なところで話題に上げていただきながら広げていくのも一つの方法ではないかと思っていると。6月の話ですが、その後、今のお話をどのように展開されているのか、思っているだけで終わったのか、何かアクションが起きたのか、その辺の説明をお願いいたします。
答弁 社会福祉課長 水上修一
御答弁いたします。昨年の質問以降、ヘルプマーク、ヘルプカードの周知につきまして、窓口のところでもヘルプマーク、ヘルプカード内容の説明をいたしまして、強制ではありませんので、例えば、自分で意思表示ができませんので、このようなことが必要であれば窓口でも配布をしていますということは、窓口、ホームページなどでも周知を行っているところでございます。町民に対する周知につきましては、引き続きホームページなどで周知を行いまして、また先ほどお話がありましたとおり、8月9日に障がい福祉懇話会が開催されました。その中で、私も事務局として出席させていただきまして、翌日、定例の民生委員協議会がございましたので、そちらでも障がい福祉懇話会の中の内容を説明いたしまして、日頃の見守りの中でこのようなものをつける必要な方がいらっしゃる場合は、障がい福祉の窓口にお声をかけていただきたいという周知を行ってございます。よろしくお願いいたします。
再質問 7番 稲垣淳一
言い方が少しきつくなるかもしれませんが、言いやすいところにしか話がいっていないのです。答弁でありましたけれど、民生委員だとか、懇話会の人たちだとか、目の届く、手の届く範囲でしか言っていないということは、町民への周知になっていないと思うのです。本当に数多くのこのようなシンボルマークがありますよね。ヘルプマークを持っていろいろと誤解を受けないようにだとか、体調が悪いときに支えてくれるだとか、そのようなことを発信するためのマークがいろいろとあります。それを持つ方はもちろん、十二分に理解して持っているのですが、私が一番言いたいことは、そのマークを見て「それは何」と分からない人のほうが大半だというのが現実なのですよ。それは多分、課長も去年の答弁でおっしゃっていると思うのですが、周知が足りない、理解している方が少ないと感じるのは、例えば、どのようなところでそう思って答弁されたのでしょうか。
答弁 社会福祉課長 水上修一
御答弁いたします。懇話会の中での話になりますけれども、懇話会の中で私からも広報紙に載っている内容ですとか、ホームページに載っている内容を会員の方に説明をした際に、実際に懇話会に来た方の反応にはなってしまいますけれども、やはり、なかなかヘルプマークのカードをどのような方が持っているということがまだ認識されていないということも、後ほどのアンケートといいますか、その中でも確認ができました。自分で意思表示ができない方がつけるマークではあるのですけれども、やはり、実際に周囲でそのマークを見た方が理解されていないと意味がないということもありますので、そのようなところから周知がまだ足りていないということも理解しているといいますか、分析しているところであります。
再質問 7番 稲垣淳一
数多くの仕事の中の一つですから、なかなかこれだけに関わることは難しいのかもしれませんけれども、やはり、そのような残念な事件があったということを思っていただきたい。それこそ、この間の懇話会のときに、私のグループの中にいらっしゃいましたよ。その子は障がい者と言いながら一般就労されているのですけれども、近所で万引きというか、窃盗事件があったときに、警察が職場にいるその子まで事情を聞きに来たと。なぜ、そのようなことが起きたのだという、すぐ目の前でそのような話もあったりして、障がい者の方が抱えるなかなか表に出てこない残念な声というのは、私も今回ヘルプマークを取り上げたことでいろいろと聞き取りした中で、そんな話を耳にすることが残念ながら多いです。それこそ、女の子が割と身近な方から性被害を受けただとか、そのような本当に身近なところであるという話を聞いて、私もびっくりしたところであります。何はともあれ、このマークの意味を知らない人が多い、それをどう知らしめていくのかという話も真摯に取り組んでいただければと思っています。ホームページを見ましたけれど、最初にアップしたときのままなので、例えば、どこかのバナーに載っているとかであれば分かるのですけれど、自分からヘルプマークを探しに行く人がどれだけいるのでしょうか。そしてまた、今、ヘルプマークのチラシも出来ていますけれど、去年の7月以降の広報をずっと見ていましたが、残念ながら、特別取り立ててこのようなものを皆さん理解してほしいという話はなく、別に、ヘルプマークに限った話ではないと思いますけれどね。それこそ、ここに、思いやり駐車場があると思いますけれど、あそこにも六つ、八つぐらいのいろいろなマークがあります。私も全て答えられなかったので、改めて自分でも調べましたけれども、ここはきっと何か特別な障がいを持っている方が停める部分なのだろうなと感覚的に理解するので、あえてそこの場所に停めることはないのですが、それこそ思いやりを持った行政施策が求められているのではないかなと僕は思うのです。美幌町地域福祉計画というのがありまして、本当に事細かく、いろいろな障がいを持っている方から高齢者にまでつながって、全ての人々が互いに助け合い、温かに暮らせるまちへというすばらしい基本理念、目標が掲げられています。あえて言えば、絵に描いた餅にならないように、全ての人々が暮らせるというのは、個々人がいろいろな事情を抱えているわけですから、何をもって幸せとするかというものも違うとは思います。やはり、平穏に静かに暮らしている家庭の青年がささいなことで、それは、本人にとってみれば決してささいなことではないのですが、誤解を生んだことでかわいそうな目に遭った。かわいそうというと、彼にしたらまたいろいろな思いがあるかもしれませんが、やはり、弱い人を助ける、守るという、それは我々、健常者の責務だと思うのです。ですから、去年も部長が口伝えでという話をされていましたけれど、例えば、もちろん、行政一つが一択で全てやれなんてことは誰もそんなこと思っていません。ただ、私はいつも、町はプロデューサーだと思っています。いろいろなことをプロデュースして、町民の背中を押していろいろなものを進めていくということが、人もお金も使えるわけですから、そのような組織だと思っています。そこは、窓口に来た人だけにアクションを起こすと言うなら、誰でもできるという話になりますよ、これ。ですから、もう一歩進んで、皆さん町民ですから、町民が嫌な思いをすることは一つでも減らさなければならない。これは、私たちというか、ここにいる全ての人の責務だと思っています。残念な思いをする人たちを一人でも減らせるように、そこの思いを考えていただければ。ヘルプマーク持つ人、持たない人、考え方は自由です。でも、いろいろなパターンでつらい思いをしている人がいたら、気軽に声をかけられる社会をつくるために、後で教育委員会にも話を聞こうと思いますが、そのように思っています。改めて何か思うところがあれば、お話を聞かせてもらえればと思います。
答弁 福祉部長 河端勲(福祉部長は2024年3月まで)
ただいま議員から御意見をいただきました。広報、周知活動ということで、昨年の6月も答弁させていただいたところでございますけれども、いかんせんほかの情報発信についても同じことが言えるかと思うのですが、行政としてのコンテンツ、手法というものがどうしても限られてしまうという現状もございます。そのような意味で、昨年も幅広い周知をする上で口伝えという表現をさせていただきました。重なった答弁で申し訳ないのですけれども、今後につきましても、当然、私どもができる範囲といいますか、やれる分だけやりますけれども、それに加えまして、官民共同で皆様のお力もお借りしながら広めていきたいと考えています。このような事件が再発しないためには、議員もおっしゃられましたけれども、マークが何なのかという認識がないと意味をなさないと思っています。ですから、例えば、御自宅に帰って何かの機会に御家族でお話をするときがあれば、その際に、御両親がお子様にその御説明をしていただくだとか、その部分で幅広い年齢層というか、小さな子供のうちから、このようなマークだよという認識を持っていただくことが何よりも重要かなと思っていますので、よろしくお願いいたします。―――――――――――――――――――◎会議時間延長の議決
答弁 町長 平野浩司
今、お話を聞いていて、非常に悲しい話というか、身が引き裂かれる思いで聞いておりました。今までの分は置いておいて、これからに対しては、行政として至らない部分を。今回、ヘルプマークの普及についてのお話をされて、これはこれでしっかりやらなければいけないと思いますし、しっかりという言葉で濁すわけではありません。公共施設にそのようなものを貼るとか、具体的に、町民全体にどのようにして知ってもらうかということをやっていく必要があると思っております。私も障がいを持っている方々とお付き合いすることがあるし、毎日朝、私の家の前を通っていって、日課として「おはようございます。元気」というやりとりをして、あちらも「こんにちは」と。そのことを考えると、障がいがある人たちをふだんから知ってもらう、それから学ぶということです。たまたま、北海道療育園に関わることがあって、前理事長の岡田喜篤先生がおっしゃっていたのは、どちらかというと障がいを持つということに対して影のような形で関わっては駄目ですよと。ですから今、町のグループホームをつくったときにも町の中につくりましょうと、それから、今、ゆうあいセンターについても町の中で。やはり、そのような方々がいるのですよということをふだんから見ていただくというか、その人たちにきちんとお声を掛け合うというか、それはすべきですよとすごく主張されていて、そのような運営をしていただきました。私が教育長時代、療育園に遠足で行ったりするときには、ただ遠足に行くのではなくて、中にいる重心の子供たちを見てほしいというお願いもしていました。このような子たちもいるということをふだんから感じれば、その人たちにどう向き合えるかということは感じるのです。ですから、そのようなことに対して、行政のトップを預かる人間として悲しいという表現は、本当に本人には申し訳ないのですけれども、今、指摘されたことについては、具体的にやれることを原課に指示を出しながら、また、町民の方々にもしっかり理解してもらえることを進めたいと思っております。以上でございます。
再質問 7番 稲垣淳一
無論、障がいの方、高齢者の方、日常でいろいろ生きづらい場面があるかと思うのです。そのような方たちにも国の制度とか、いろいろな町の制度だとか、いろいろな支援で保護しているというのも、もちろん理解するのですが、お金ではなかなか解決できない問題もあろうかと思います。結局、制度をつかさどるのは人ですから、心の籠もった運営をしないと、お金があろうが、お金をもらったとしてもつらい思いをする人はたくさんいるでしょうし。また、お金だけではなくて、ちょっとしたアクションをいろいろ起こすことで助かる人がいるというのも事実でありますので、しっかりと伝えるということが大事だと思います。それで、このチラシをいつ広報に入れてもらうのか聞いたところ、折り込みで配るようなことは考えていないのだと、連絡協議会の人が言うのですね。どうしてですかと聞いたら、10人でも50人でも話をして理解をしてもらってこのチラシを渡すことに意義があるのだと、その思いでこのチラシを渡さないと、興味のない人には右から左の資源ごみになってしまいますから、全くつくった意味がありませんよと。聞く耳があるかないかは別にして、聞いてもらう場をつくる。例えば、自治会の総会でも、それこそ何かのサークルの冒頭でとか、それを行政にやれというわけではないのですが、でも、そのようないろいろな機会があったら、ちょっとチラシをくれと、前段3分間だけ説明する。だから、福祉部の人間がやる必要はないのですよね。例えば、行政で交通安全の人であったり、衛生の人であったり、いろいろな会議があると思うのですが、その前段でこの話を聞いてくれるかということでも、僕は十二分に伝わると思うのです。福祉部だけがやらなければならない仕事ではないと私は思っていますし、それはもちろん我々、あえて言えば民間の団体もいろいろな場でそのような発信をするということ、やはり、口で発することが理解を進ませる大きな方法なのだろうと思います。もちろん、その中でヘルプマーク本体の普及もしてもらえるとありがたいです。マークを持つことによってまた違う偏見とかを持たれるという事例も聞くことはあるのですが、美幌町はそのようなことないよと、みんな自信を持って、困っているときはお互いさま、そのような思いでこのヘルプマークを持つのだ、そして支え合うのだという気持ちのあたたかい町になりたいな、なれればいいなと、そのようにしましょうということで、この質問は終わります。すみません、最後に教育長。学校関係にもいろいろこのようなものはしっかりと、子供を通じて家庭に発信していく、もちろん、逆に、親御さんから、先ほど言ったいろいろな集まりから子供に伝えるだとかということが考えられると思うのですが、何か答弁してもらえるようなことはありますでしょうか。
答弁 教育長 矢萩浩
学校教育におきましては、様々な教科の中で福祉について学んだり、さらには中学校でヘルプマークに関する授業も行っているという状況にございます。今、議員おっしゃるように、例えば、このようなことを学んだよと、学級だよりだとか保健だより等を通じて家庭にも広げていければと思っております。その辺につきましては、各学校と連携をとって進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
再質問 7番 稲垣淳一
町民生活部長にお願いがあります。広報に載せるような考えが、一生懸命、頭の中で巡っているのではないかなと勝手に思っているのですが、広報は今、白黒ですよね。これはカラーで見せないと意味がないのですが、どうでしょうか、どこかでカラーを使うことは可能でしょうか。
答弁 町民生活部長 関弘法
御答弁申し上げます。町の広報紙につきましては、議員おっしゃるとおり、主に白黒となってございます。ただ、こちらの作成の仕方によっては、カラー仕様というのも可能でございます。全体の予算の中での対応ということになりますけれども、カラーのページでの広報、このようなことも視野に入れて、そのような部分につきましては検討していきたいと考えてございます。
再質問 7番 稲垣淳一
はい、では、次の広報の配布を楽しみに待っております。それでは、続きまして、インクルーシブ教育システムについて質問させていただきます。もちろん、前から国連の勧告があっただとか、いろいろ耳にはしていたのですが、道教委が5年間で策定するといっても、現場としては計画が出来た、それからやっていくという話は先の話になろうかと思います。美幌町は、特別支援学級を手厚く運営しているのだよという話を耳にすることが多いのですが、今後、同じグループで障がいのある子もない子も一緒に学ぶ場を美幌町でも取り入れなければならないということは、きっと視野に入っていると思います。そのために、答弁で交流する場面があったりだとか、いろいろなお話はあるのですが、改めてその辺の理解をするために、一つ、二つお尋ねいたします。最後のページで「特に小学校では、支援を要する子供の数は全体の約3割を占めている中において」とありますが、この3割というのは、小学生全体の3割が支援を要するのか、支援学級にいる子が全体の3割なのか、どのような考えなのでしょうか。
答弁 教育部長 遠藤明
御答弁申し上げます。3割の内訳でございますけれども、小学校におきましては、今年度は全体の17%が特別支援学級に在籍、残り13%におきましては、これは北海道で調査しておりますが、通常学級に在籍している児童のうち特別な教育的支援が必要であろうと判断した子たちが13%ということで、合わせて3割ということでございます。
再質問 7番 稲垣淳一
入学、進学するときに、保護者の方が特別支援なのか、通常学級なのかという判断をされて、この数字になっていると理解すればいいのでしょうか。
答弁 教育長 矢萩浩
就学先の決定についてでありますが、具体的な例を申し上げますと、来年の4月に小学校入学する子でありましたら、今年の大体6月ぐらいから教育相談が始まっております。早い子であれば、さらにその前年からやっているという状況にございます。そのときには、私ども教育委員会の担当者、さらには就学予定先の学校の管理職、あるいは特別支援を担当する教員、そして、現在就園中の幼稚園だとか保育園、発達支援センターそれぞれのふだん関わっていただいている方々を交えています。当然、保護者と子供さんも一緒に入りますが、その中でいろいろな話合いをして、大体10月ぐらいになりますけれども、就学時健診がございますので、このときにもまたお話合いだとか、さらには、この検査結果等も踏まえた中で、保護者の方々と相談をしています。最終的に、毎年12月に行っております教育支援委員会に医師も入っておりますし、理学療法士、さらには、各学校の管理職、養護教員と特別支援教育に携わっている方々が入った中で総合的に判断し、保護者の方の御意向を踏まえた上で、就学先を決定させていただいているという状況にあります。よろしくお願いします。
再質問 7番 稲垣淳一
美幌町は、療育病院があったり、発達支援センターがあったりと、いろいろな面で支援を必要とする子供さんたちのフォローといいますか、しっかりサポートができている町だなというのは理解するところであります。ですが、いうところのグレーゾーン、そのようなお子さんたちが通常学級で学ぶときに、いろいろな特性でなかなか落ちついて学ぶことができなくて、教室の中をうろつくだとか、廊下に飛び出しているだとか、そのような事例も何件か耳にしていることがあります。結局そうなると、担任の先生がその子にかかりきりになって、なかなか通常学級の授業がうまく進まないのだという事例を多く耳にすると。それは、別に今に始まった話ではないのかもしれませんけれども、学校ではその後どうしたのですかと聞くと、時々、支援学級のほうにも行くことが増えてきて、そこでは落ちついて授業を受けていると。何でそのようになるのですかと聞いたら、結局、一対一で先生がその子のことを見てくれて、しっかり話を聞いてくれるから落ちついて机に座っていることができると。だから、機嫌がいいときは通常学級に行って、ほかのときは支援学級に行って、そのように行ったり来たりしているという話を聞きました。それは日常的にある話なのでしょうか。
答弁 教育部長 遠藤明
御答弁申し上げます。日常的にあるかどうか、全ての学校を確認しておりませんが、今、議員おっしゃったとおり、教育課程というものがありますけれども、その子の特性に応じて困難な場面があればクールダウンでもないですけれど、そのときだけ特別支援学級でというのは、実際に数件ございます。
再質問 7番 稲垣淳一
支援学級にいるお子さんには、いろいろな特性があると思います。結局、指導する側というか、先生たち側からすると、子供の年齢とかその発達度合いによって様々なプログラムを提供するというか、サービスを与える。そのときに、あえて負荷をかけるという言葉を使えば、通常学級は同じレベルまで学習指導要領があって、頑張ってみんな勉強しなさい、覚えておいでということでばーっと話ができると思います。ですが、常に上から圧がかかってくるような状態だと、その特性によっては、子供たちもじっと聞くことができないだとか、そのような負荷のかけ方がそれぞれ千差万別といいますか。たしか、障がいの種別によって先生1人で8人まででしたか、その意味で支援学級の存在、そのぐらいの人数で教育というのは、確かにその子供たちにとってはある意味、あずましい環境なのかなと思います。改めて聞きますけれど、インクルーシブ学級の指導になったときに、算数や国語は多分、同じ土俵に入らないで、例えば、ほかの習字とか、そのような部分での交流になるという考えなのでしょうか。
答弁 教育長 矢萩浩
まず、特別支援学級の授業の展開をお話しさせていただきますと、通常の授業を全て100とした場合、そのうち下半分以上、50%以上が自立活動をやるということが求められています。交流学級、例えば、普通学級に行って一緒に算数をやるだとか、道徳を受けるだとか、そのようなものは50%以内ということであります。なぜそのようなことかといいますと、その子供さんたちの個、特性に応じたきめの細かい学習活動を行うという趣旨から、そうさせていただいているところでございます。そのようなことを踏まえて、特に、低学年1年生、2年生であれば、なおさらその個に応じたきめ細かな教育活動指導が必要だと思っております。しかしながら、現実、中学校を卒業してからの進路というのは、約半分が普通高校に進学しているという状況がございます。そのような中で、やはり、社会で自立して生きていくためにも自立活動、特別支援学級の中でも続けられておりますので、その辺のバランスを。最初、低学年のうちは、きめ細やかなところもあります。だけれども、小学校中学年、高学年、中学校となった場合、その先を見据えた中で自立活動のバランスもとっていかなければいけないと思っています。そのような観点からも、先ほど1回目の答弁でもお話しさせていただきましたけれど、全てをインクルーシブというのは、現状からするとなかなか難しいと思っております。インクルーシブの理念を取り入れた教育活動を今も展開しているところでありますので、その子、その年の状況によって、そのバランスをどうするかとありますけれども、その辺は適宜見極めた中で、子供たちにとって一番、ベストなる教育を提供できるように、これからも取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。
再質問 7番 稲垣淳一
現実問題、現場ではいろいろな問題を抱えながら、日々先生たちが御努力されているということは理解します。ですが、最初の質問にもありましたけれども、障がいがあろうがなかろうが、美幌に住んでいるいろいろな人が町民であるわけですから、その町民の皆さんがいかに快適に過ごせるかということを第一義に考えなければならない。そうなったときに、学校という箱ですから、子供がいて、学校があってとなると思うので、重要視しなくてはいけないのが、子供にとってベストな選択をどのようにしていくかということが求められると思うのです。逆に、美幌には通級学級はありませんけれども、あれは拠点校にあるという話でしたかね。昨日も学校の問題がいろいろ出ていましたけれども、通常学級はもちろん、特別支援学級の在り方、今後の存在はいろいろなことが求められているのだろうなと。やはり、障がいがあるないで分けられてしまうと、大きくなってもそのまま分けて生活する、分けて見ていかなければならない。別に差別するわけではないのだけれども、無意識に人を分けてしまうという、残念な思いをする人も中にはいると思います。そのようなことがないように、それこそ三つ子の魂ではありませんけれども、小さなうちから障がいあるなしにかかわらず、みんなが一緒にその場で学べるという状況を。現状では難しいと言っているかもしれませんが、いろいろな可能性はあるわけですから。例えば、今日は体調が悪くて学校に行けないけれどタブレットで参加しているだとか、そのような事例もあるということを聞くと、僕たちみたいな古い人間の凝り固まった発想では、これからのいろいろなパターンが理解できなくなってしまうのが少し残念だなと思いますが。何でもありとは言いませんけれども、多様性といいますか、子供の思いを最大限酌んだ中で、最大限ベストの方法で学校と関わる、そのようなことを受け止められる心の広い美幌町の教育委員会として、これからまた子供たちのためにいろいろな施策を進めてもらいたいという思いであります。以上で、質問を終わります。
再質問 7番 稲垣淳一
これで、7番稲垣淳一さんの一般質問を終わります。以上で、本日の一般質問を終わります。────────────────────◎散会宣告