深川市議会 平成29年第4回定例会 2017年12月11日
所有者不明土地
2017年12月11日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が「所有者不明土地」について質問し、副市長 平山泰樹、農業委員会会長 菊入等が答弁しました。
- 質問者
- 辻本智 議員
- 答弁者
- 副市長 平山泰樹、農業委員会会長 菊入等
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 辻本智
では、通告に従い一般質問を行います。まず初めに、所有者不明の土地について伺います。午前中に、楠議員から空き家問題解消に向けた質問がありました。私も同様の問題意識を持つものですが、ここでは、土地の相続登記全般についてお聞きいたします。登記上の所有者が死亡等により、その名義が相続されないことによる所有者不明の土地、いわゆる相続未登記の土地が増加していることが社会問題化しております。国土交通省が2014年に行った抽出調査による推計値では、所有権に関する登記が30年以上前に行われた土地が登記簿上の46%、そのうち50年以上所有権の変更がないものは19.8%という、推計値ではありますが、そのような結果が出ております。また、法務省でも同様の調査を本年行っておりますが、相続登記未了となっているおそれのある土地は、中小都市、山間地域では26.6%に上がっていることが報告されております。先日、北空知森林組合でお聞きした話では、不在村所有者、山林の場合、その場所に住居を構えておられない所有者をそのように呼ぶそうですが、組合員における不在村所有者の割合が約半数近くあり、その中で、東京近郊を初め、道外に居住されている方が、その中のまた半分程度に上るとのことであります。そうなりますと、事業に係っての連絡文書を発送しても、宛先不明として戻ってくるものもあり、その都度対応を行っている状況とのことでありました。よく人口減少と過疎化に伴う課題は、山から里におりてくると言われますが、土地所有者の転居、死亡により、その後の手続が一度滞ると、年を追うごとに権利関係が複雑になり、時間と経費がかさみます。仮に、これが水田や畑等の農地であるならば、将来的には、耕作放棄地の発生要因ともなりかねませんし、本市面積の約6割を占める山林及び原野の場合だと、水資源等への懸念、あるいはごみの不法投棄等の混乱が心配されるところです。先ほど楠議員も述べておられましたが、相続登記は任意であり、必ずしも義務でないということから、住民の高齢化、若年層の市外への人口流出等を考慮しますと、本市において今後増加していくものと心配しております。質問の1点目ですが、深川市内の住宅地、農地、山林において、行政が把握している相続未登記土地の現況はどの程度になるのでしょうか。行政事務としては、住民基本台帳、固定資産課税台帳、農地台帳での把握と管理が適時なされているとは思いますが、それらは必ずしも土地の登記簿と内容が一致するのではないと考えます。これら状況についてお聞かせください。また、廃屋、空き地等、顕在化している問題との関連についても、改めて現状をお示しください。2点目、今後の取り組みについてですが、政府は来年の通常国会に向けた新たな法案を準備中であることは、先ほども説明がありました。また、パンフレットの作成ということも報告がありましたが、私からも、深川市として関係機関との連携など、今後の取り組み状況についてお聞きいたします。3点目、特に、農地の相続等、名義変更は適切になされているのかについてお聞きいたします。住宅地や山林と違って、農地は、耕起、播種、収穫といった単年度ごとの連続した経済活動が行われていますし、都度、さまざまな手続がついて回りますので、名義相続等は適切になされていると推測いたします。また、農業委員会制度による管理もあります。ただ、そうした中にあっても、例えば離農等により転出された所有者との賃貸契約の場合、契約の更新時には、農業委員さんも相当に苦労される場合があると仄聞しております。仮に、相続上の登記が行われないままですと、将来的に土地の売買を通じての農地の集積、あるいは基盤整備事業への参加など、さまざまな障害が発生するものと思われます。登記上の名義人の方とは必ずしも一致しない農地の賃貸契約の現状についてお聞かせください。また、この機会ですから、いわゆる改正農業委員会法などにより、これまで以上に、農地の適正利用が求められ、深川市農業委員会も農地パトロールに力を入れていると思います。農地利用状況調査の内容についても、あわせまして、お聞かせいただきたいと思います。
答弁 副市長 平山泰樹(副市長は2020年3月まで)
所有者不明土地について3点のご質問をいただきましたので、私からは、1点目と2点目について答弁いたします。1点目、所有者不明土地の現況についてでありますが、議員がご質問で触れておられますとおり、土地の権利の登記につきましては、住民基本台帳等と連携していないため、内容が一致していない場合があります。相続未登記の現況については、市全体でどれだけの相続未登記の土地があるかについて、市でも実を言うと把握していない状況にございます。土地の登記事務を所掌する法務局にお聞きしましたところ、そこでも把握できていないという返事でございました。顕在化している問題といたしましては、楠議員の答弁の中にもありましたけれども、空き家、空き地における落雪や雑草が繁茂するなどの問題が生じているところでありまして、それらに対応するため、登記をもとに所有者に対して連絡を試みておりますけれども、既に亡くなられていたり、登記された住所にいないなどの理由で戻ってくることが多くあるところであります。その要因としましては、土地の所有者が亡くなられて相続した場合や引っ越しした場合など、一般的には移転の登記申請を行いますけれども、何らかの事情、例えば手間がかかるために、得るところが非常に少ないというような事情があるようでございますけれども、そういったことで申請がなされなかったというふうに推測されております。そのほか、国の国土審議会土地政策分科会特別部会におきまして、支障事例として挙げられているのは、例えば、土地に家電製品が大量に投棄されているが、土地の所有者の住所が不明なため、不法投棄なのか、それとも保管しているのかがはっきりしないことで、自治体が処分できないという事例が生じることがあります。また、台風被害により崩れた急傾斜地への対策工事につきまして、一部相続人の特定ができないために、着手が困難になっている事例などが挙げられております。また、山林においては、本市に居住されていない不在村所有者が、一般民有林の所有者の過半を占めておりまして、不在村所有者が所有する面積は、市内の一般民有林の約6割の面積を占めているというところですけれども、今のところ、相続未登記に起因する問題は特に顕在化していないというふうになっております。しかし、一般民有林が相続されないことによりまして、植えて、育てて、切る、そして植えるといった森林のサイクルが、将来的に保たれなくなることが懸念されているところであります。2点目、相続未登記土地発生防止に向けた普及啓発の取り組みについてでございますけれども、市民課窓口で死亡届を受理した際には、深川市からのご案内として、市内の方に、各種手続についての文書をお渡ししておりますけれども、固定資産をお持ちの方に対する手続の内容も記載して、相続登記を促すための啓発を行っております。しかしながら、市外の方については相続を把握することができないために、対処することは困難という状況になっております。また、土地の相続登記に向けた相談窓口等については、先ほども答弁一部ありましたけれども、税務課で相続登記を含めての固定資産税に伴う各種問い合わせとして、ご相談に応じているところであります。相続未登記土地は、全国的な問題になっておりまして、廃屋等の対策や住民の利便性をよくするための公共工事などに支障を来しているところであります。先ほどの答弁にもありましたが、本年5月29日から、法務局において、相続手続に係る負担を軽減し、少しでも相続による移転登記を促進するため、法定相続情報制度を新設し、制度の紹介はもちろんのこと、不動産の相続登記をお忘れなく、と記載されたパンフレットで啓発を行っておりまして、本市においても死亡届受理の際にお渡ししているところであります。また、林野庁におきましては、森林の所有者が不明となっていると、行政が森林所有者に対し助言などを行うことができない。あるいは事業体が間伐などをする場合に、所有者への働きかけによる森林の集約化に支障が生じ、効率を上げられないといった問題が生じることから、森林の土地の所有者の把握を進めるため、平成24年度に森林法に基づく森林の土地の所有者届出制度を創設し、売買契約に限らず、相続や贈与、法人の合併などにより、森林の土地を新たに取得した場合には、その取得した土地がある市町村に事後の届け出を行うこととされました。このことから、先ほどご紹介しました深川市からのご案内の中にも、森林所有者の届け出が必要であることにつきましても記載しておりまして、制度の啓発に努めているところであります。法務省についての答弁もありますけれども、未登記の土地や建物が空き家対策などに影響を与えていることを踏まえて研究を始めておりますことから、その動向を注視するとともに、本市としましても、対策について検討してまいりたいと思っております。
答弁 農業委員会会長 菊入等
私のほうから、ご質問の所有者不明土地における農地の部分についてお答えさせていただきます。1点目の所有者不明、相続未登記の土地の現況についてでございますが、農地に関しては、農地法の規定により、農業委員会は、農地の所在、地番、地目、面積、所有者の氏名、住所等を記録した農地台帳を作成し、年に1回、固定資産課税台帳等と照合することになっております。また、相続等により農地の権利を取得した場合には、その農地の所在する農業委員会に届け出をしていただき、その都度、農地台帳の補正をしており、過去2年間においては、相続者等から毎年約20件前後の届け出がございました。これらにより、所有者不明の農地については、農地の賃貸借をしている市民がお亡くなりになられた場合、地域の農業委員による助言等もありまして、届け出等をしていただいているので、少ないのではないかと思っております。しかしながら、指摘のありましたとおり、市外在住の所有者がお亡くなりになられた場合は、現状として、その届け出があった場合や、賃貸借の再設定の期限が到来する場合以外では、所有者不明農地の把握は困難な状況にあると考えております。2点目の、相続未登記土地発生防止に向けた普及啓発の取り組みについてお答えいたします。さきの副市長の答弁にもありましたとおり、現在、市民課窓口で死亡届を受理した際には、深川市からのご案内として、各種手続の文書をお渡ししておりますが、固定資産をお持ちの方に対するご案内と同様に、農地をお持ちの方に対する手続内容も記載しておりまして、相続登記を促すための啓発を行っております。また、農業委員会の窓口でのチラシや市のホームページにおいても、農地の相続等の届け出についてと題しまして、その啓発を促しているところでございます。今後も、相続未登記の農地がないよう周知に努めるとともに、これらの取り組みによって、遊休農地の発生防止に努めるところでございます。次に、3点目の農地利用状況調査の概要と結果についてお答えいたします。1点目、2点目にも関連いたしますが、登記簿上の名義人とは一致しない農地の賃貸借契約の現状についてお答えいたします。これにつきましては、相続登記が何らかの事情によりなされていない場合がございますが、農業経営基盤強化促進法の賃貸借の場合、未相続登記であっても、数人の共有に係る土地について、賃貸借期間が5年間であるならば、2分の1を超える共有分の持ち分の同意があれば、該当する農地の賃貸借契約が可能ということで、相続未登記の場合は、法定持ち分で計算することになっております。これにつきまして、平成23年度、28年度、本年度は各1件、27年度は3件の賃貸借契約がございまして、受け手である地域の担い手に農地の集約がなされたところであります。これは登記簿上の名義人とは一致しない農地の賃貸借契約の特殊なケースでございまして、それ以外であっても、質問で触れられたとおり、市外に転出された所有者との賃貸借や売買の場合、所有者が市内にいる場合とは異なり、さまざまな問題がありますが、各農業委員や地域の皆様の努力によりまして、現在は、これらの問題による遊休農地はございません。農業委員会は、これからも深川市の農地を守るべく、農地の利用の最適化に推進していく所存でございます。次に、農地利用状況調査でございますが、これは農地法の規定により、遊休農地に関する措置として、農業委員会は、毎年1回以上、農地の利用状況について調査し、遊休農地があった場合は、その遊休農地の所有者に対して、みずから耕作するのか、誰かに貸し付けるのかなど、農地中間管理機構等を含め利用意向調査をすることになっております。これを受けまして、当農業委員会は、平成27年度から毎年7月までに、委員が担当する深川、一已、納内、音江、多度志の5地区に分けまして事前調査を実施し、その調査をもとに重点箇所を決定します。さらに8月、その重点箇所を地区別にそれぞれ調査し、農地なのか、遊休農地なのか、既に原野化しており、非農地とすべきかなどの現地調査をし、農地台帳に記録するものです。この調査によりまして、平成28年度は0.6ヘクタールの遊休農地が発見され、所有者は、農地中間管理機構への貸し付けを希望しておりましたが、中間管理機構からは耕作困難との回答があり、本年度の調査におきましても、原野化した遊休農地となっておりましたので、非農地としたところでございます。なお、平成27年度、29年度の調査では、遊休農地は発見されておりません。今後も、委員一丸となりまして、遊休農地発生防止に努め、農地利用の最適化に邁進してまいります。