みんなの議会

深川市議会 平成29年第2回定例会 2017年6月19日

改定農業災害補償法で示された収入保険制度について

2017年6月19日、深川市議会の一般質問で、和田秀隆議員が「改定農業災害補償法で示された収入保険制度について」質問し、市長 山下貴史が答弁しました。

質問者
和田秀隆 議員
答弁者
市長 山下貴史

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 5番 和田秀隆

最後の質問にいきます。最後の質問は、農政についてです。最近の農政に関する動きでは、日欧EPAが、日本が輸入拡大の譲歩を検討し始めたことで、来月にも大筋合意が予想されているとのことです。合意されれば、TPP発効に匹敵する打撃が予想されており、心配が尽きないところですが、国内施策では主要農作物種子法の廃止が可決・成立し、16日には改定農業災害補償法が参議院で可決されました。質問の1点目は、改定農業災害補償法で示された収入保険制度についてであります。資料では、減収に対する補填は最大8割で、国の補助が50%になることがわかりますが、ならし対策の場合だと、補填割合は9割で、国の補助は75%です。これでは補填率を9割から8割に引き下げ、農家の負担が25%から50%の倍となります。また、収入保険では、任意加入で青色申告のみを加入対象としており、共済組合がもたなくなるという懸念が持たれています。やはり戸別所得補償制度の復活が地域農業には望ましいと考えますが、市長は今回の改定農業災害補償法をどう捉えているかお伺いします。2点目の質問は、主要農作物種子法について。種子法は、稲、麦、大豆の種の開発・生産を国と都道府県の責任として定め、農家への安定供給を保障してきた法律で、それぞれの地域に適した良質な種子を奨励品種に指定・普及するために、各地の農業試験場などに国がお金を出す根拠となっていた法律です。これが廃止されると、農業試験場の運営を担保するものがなくなり、種子の安定供給も危ぶまれます。また、安倍内閣の農業改革では、種子法廃止で外資系企業を含む民間参入を進め、種子ビジネスを構築するのが狙いのようですが、これこそ諸外国で起きた、かのモンサントを代表する多国籍企業による悲劇が容易に連想できます。農林水産省は直ちに影響はないとしながらも、影響が出ることは認めていることから、深川市の農業にとって具体の影響はどういったものが考えられるか。この点に関しては通ったばかりのものですので、市が把握できているものでお答えいただきたいと思います。また、市長はこの種子法廃止をどう捉えているかお伺いします。

答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)

農政についての質問にお答えいたします。1点目に、収入保険制度に関してお尋ねがありました。議員が言われたことと少し重なることをまず申し上げますが、農業経営の安定のためのセーフティーネットとして、現在、農業災害補償法に基づきます農業災害補償制度、俗にいう農業共済制度が運用、実施されているわけでございますが、この農業災害補償制度は、言われましたように、自然災害による減収、収量減が制度の補填対象でございます。ですから、その裏側で需給関係等に伴う価格変動、価格低下には対象外ということ、それから農業災害補償制度の対象となる品目は、収穫量をきちんと正確に把握できるものに限定されておりまして、それぞれの農家の経営全体をカバーするものにもともとなっていないといったことなどが、これまでの農業災害補償制度にかかわる課題ということで指摘されてきたわけでございます。そこで、こうした事情を踏まえて、これもご案内のように、国は農業経営全体の収入に着目した農業保険の制度を導入しようということで、平成26年度から調査・検討を進めまして、昨年11月には政府の「農林水産業・地域の活力創造本部」という組織において決定されました「農業競争力強化プログラム」の中で、収入保険制度の仕組み等が取りまとめられました。そして、ことし3月に農業災害補償法の一部を改正する法律案として、さきの通常国会に提出され、つい先週末、議決され、可決・成立したところでございます。収入保険制度は、農業経営全体の収入減少を補填するものでございますが、過去5年間の平均と言われている平均収入額を基準にしまして、その年の収入が基準の9割を下回った場合に、補償金が受け取れる仕組みだと言われております。しかし、言われたように、この制度に入れる対象者は、青色申告者に限定されているということ。それから、価格の下落によって収入が下がり続けると、例外なく、過去5年ですので、下がっていけば、どんどんそれも足し込んだ基準が下がっていくことになります。こういったことから、経営の下支え効果として本当に効果があるのかどうか、不安が残るといったこと。それから、農業災害補償制度や、今のならし対策と言われている収入減少影響緩和対策など類似制度と、新しくできる収入保険制度は、両方に入ることはできないとされておりますので、農業関係者等からいろいろ懸念が指摘されていると承知しております。私自身も細かなところまで勉強をまだしておりませんけれども、新しい制度は本当に農業経営の安定ということに効果をもたらすものであるのかどうか、少し疑問を覚えているところでございます。ともあれ収入保険制度の実施と、新しい変化をする農業災害補償制度への切りかえは、平成31年度からとされておりますので、その間に制度の細部の運用などについて、いろいろと示されてくることになるだろうと考えておりますので、引き続きそういった情報を収集しまして、どういう動きになっていくのか、しっかり注視し、制度に問題ありと思われるような場合は、その是正についてしっかり求めていかなければならないと考えているところでございます。それから、2点目に、主要農作物種子法の廃止についてのお尋ねであります。主要農作物種子法は、主要農作物であります米、麦、大豆について、優良な種子の生産及び普及を促進するために、都道府県内に普及すべき優良な品種を決定するための奨励品種決定試験、あるいは採種を行うために必要な原原種や原種の生産、種子の審査などの実施を都道府県にやるようにという義務づけをしてきた法律でございます。しかし、国は、農業の戦略物資と言われております種子について、多様なニーズに対応するために、民間のノウハウなり、民間企業の活力といったものを活用して、品種開発を強力に進める必要があることから、法律に基づいて、非常にバランスを欠いていたという都道府県と民間企業の競争条件を改善するために、この法律を来年4月1日に廃止するという中身だったわけでありますが、これもさきの通常国会で議決され、可決・成立したところでございます。この法律の廃止によりまして、都道府県においては、主要農作物の種子生産を行う法的に義務づけられていた根拠を失うことになりますので、全ての都道府県でしっかり従来どおり、こういった優良な種子の生産・供給を続けていく体制が確保されるのかどうなのか、農業者や関係者は大変不安視しているのが現状かと思います。ただ、幸いにして、北海道は法制度の変更後においても、道内の生産者に安全で優良な種子を安定的に供給していくということで、安心して営農に取り組んでもらえるように、引き続き同様の対応を継続することを既に姿勢として明らかにしておりますので、その点はさすが北海道だなということで評価しているところでございます。しかし、市といたしましては、いずれにしても、主要作物の優良種子の生産・供給体制に問題が生じるようなことがこの先ないように、そういった事態が懸念されるような場合には、関係機関等と連携して、必要であれば要請活動を行っていくなどして、適切にこの先も主要農作物の優良種子の確保・供給が確保されていくように、市としても関心を持って努力していきたいと考えております。

出典:深川市議会 平成29年第2回定例会 2017年6月19日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる