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深川市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月4日

それでは、TPP合意

2016年3月4日、深川市議会の一般質問で、太田幸一議員が「それでは、TPP合意」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。

質問者
太田幸一 議員
答弁者
市長 山下貴史

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 太田幸一

今国会の予算委員会が今行われているわけですけれども、この中で先般、安倍首相は在任中に改憲したいというような発言をして、これに対し与党からも選挙に支障、唐突だという懸念が強く言われていると。安倍首相一連の強権的国会運営、安保法制等、重要な政策決定の過程で当事者の声を聞かず、先人、野中広務らの天声に耳をかすことなく、首相周辺の声のみを声とし、憲法本来の立憲主義を忘れ、意に沿わぬ官僚は首のすげかえ、大言・虚言で世論を誘導するさまは、まるで過去のドイツを思わすと。82歳になられた象徴天皇をしても、さきの大戦への反省に初めて言及され、天皇はさらに「平和であったなら、犠牲となった人々の死に、非常に心が痛む」と感情をあらわにし、声を詰まらせたと伝えられています。さて、現政権の経済政策であるアベノミクス、消費税10%の前提、物価2%アップの目標は、日銀をして、手のひらを返すマイナス金利の実施。このじり貧は、原因にコミットせず、地方では金融機関の業績悪化が特に懸念され、蓄えが大きい大手中央銀行は別格として、地方との一層の二極化が。見込み違い、矛盾拡大、さらに庶民へのしわ寄せが明らかになってきております。残念にも、先般の軽井沢のバス暴走死亡事故を初め、笹子トンネル崩落事故、くい打ち偽装改ざん事件、さらに製薬研究所の脱法犯罪など、湧き出る不正を見るとき、社会の構造的欠陥、政治の懈慢そのものと強く指摘するところであります。永田町は、金銭・公序良俗のていたらく。霞が関の安全見ざる、縄張り保身、省益集権。一部であろうけれども、大手業界を中心とした相変わらずのもうけんがためのずさん、違法。これらは規制緩和や労働法制改悪等、人命・人権軽視の素地から発生していて、生存権をも否定する結果となっています。いま一つは、スパイ防止法、特定秘密保護法、安保法制、国の管理統制強化は、不都合な情報は隠蔽し、さらに武器輸出、首切り自由化まで行おうとする労働法制改悪等々、良民には根源的な人権の制約が極めて顕著であり、看過できるものではありません。最高裁判所でさえ、違憲判決を出す問題の小選挙区制。現制度下での27%の得票で、過半数を占めている安倍政権は、多くの法学者、国民の声に耳をかさず、平和への敬けんな思いに水を差し、あらゆるところで詭弁で体裁を繕い、さらに戦争する国、憲法改悪へひた走るさま、原発事故で街が消えても、大風呂敷の一億総活躍社会、何をいわんやであります。したがって、国家が国民の多くの反対をよそにして、強権独断、強行突破は、国民を守るとの詭弁の裏で、国民の本来守られるべき憲法の三本柱まで空文化され、結果、中央集権強化から対等であるべき地方自治・地方分権が隅に追いやられる。さらに、自由、平等、民主主義までも後退を決定づける事態となります。対米追随、中央財界の意向にゆがんだ国政は、地方で生きる我々深川市民として、物事の真偽を見きわめる真贋の目を持ち鍛え、節々において、だめなものはだめとの意思表示をする我々国民の姿勢が強く求められていると感じます。戦争は、国民を守るものではなく、ただ利権を守るのみ。過去の歴史が教えています。何が真の安定・安寧かを我々世代の責任として追い求めていきたいものです。それでは、通告に従いまして一般質問を行います。まず初めに、国はTPP国会決議をほごにし、日本農業の犠牲を決定づけた。農業に立脚する深川市の考えを伺う。昨年、TPP断固反対で各種選挙を行った安倍政権は、TPP交渉閣僚会合において大筋合意。結果、「農産物主要5品目を守る」国会決議はほごにされた。しかし安倍総理は、国会決議を守ったと強弁・詭弁。当然農業者の受けとめは、農業新聞や農協組合長から「守られていない」と批判が9割強に達し、この数字を見るまでもなく、安倍政権の虚言・虚勢は明確で、残念ながらここでも農民や国民を煙に巻く虚構と言われる実態になっています。さて、深川市はTPPのいかんにかかわらず、農業振興について市長を先頭に力強く進めているところでありますが、TPP貿易における関税障壁撤廃は、農林水産省試算でさえ、食料自給率40%が14%まで落ちるとしています。既に木材の自由化で山村が限界集落化し、山は荒れ、関連事業所が廃業・縮小、人口減少に拍車をかけた実態にあります。したがって、中山間地を含む日本農業の立地は、スイスを含めたフランス、ドイツ等、EUの農業形態に類似し、単に農業を財界目線とせず、さらに重要な国土・海洋保全、食料安保、それらを柱とすべきであります。しょせん日本の相手国アメリカ、オーストラリアには、コスト、地勢からも太刀打ちできるものではなく、EU、特にスイス山岳部の直接支払い10割給付を見習う農業保護強化が必須であることも強く申し上げておきます。今日、道庁の道産米へのTPP影響ゼロは、道内農家の立場になく、国の意向を代弁した不届き千万、言語道断の中身であります。農業都市深川から怒りの思いを3点伺いたいと思います。一つ、TPP合意は、我が国の農産物主要5品目国会決議に違反しているが、深川市の受けとめはいかに。二つ、以前、テレビ討論会で国側の学者が農業の影響はわずかGDP2%で、工業製品輸出の比ではないと素直な発言。これらの底流から日本農業の犠牲は既定方針と見るが、深川市の所見はいかに。三つ、北海道はTPP実施後、米への影響ゼロを公表。これは米作農家の立場になく、実態にない。深川市の思いを伺う。

答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)

それでは、TPP合意についての3点の質問にお答え申し上げます。まず、1点目のTPP合意は国会決議に違反しているが、市の受けとめはというお尋ねについてであります。TPP交渉合意につきましては、ご承知のように、我が国は平成25年7月から正式に交渉参加しまして、昨年10月5日にアメリカのジョージア州アトランタで開催されたTPP閣僚会議において大筋合意が成立し、そしてことし2月4日にニュージーランドのオークランドで開催されたTPP閣僚会議において、協定文に署名が行われまして、合意内容が確定したところであります。今後、関係各国は協定の発効に向けて、それぞれ国内の承認手続を本格化させる段階に入ったと承知いたしております。TPP合意には、無論のこと、さまざまな市場アクセス改善の約束事項が含まれておりますが、本市農業にもかかわるアクセス約束事項としましては、若干繰り返しになりますけれども、米については、現行のミニマムアクセス米77万トンの上乗せとして、アメリカ、豪州から当初の3年間は5万6,000トン、そして13年目以降は7万8,000トンの無関税の輸入枠が新設され、輸入が拡大するということ。小麦につきましては、政府が売買に関与しておりますが、売買差益でありますマークアップ分を9年目までに45%削減するといった約束に加えて、アメリカ、豪州、カナダから国別の小麦の輸入枠を新設するといったことが約束されております。そして、牛肉については、現行38.5%の関税を段階的に下げていきまして、16年目には最終税率9%とすると、以後は9%が継続するということでございます。これらが本市の農業にもかかわる主な合意内容であります。これも既に議員の指摘のように、また承知のように、TPPに関しましては、我が国の国会において決議がなされております。平成25年4月、衆議院、参議院の両院において、8項目の決議になっているわけでありますが、決議の1番目に米・麦・牛肉・豚肉・乳製品、甘味資源などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産が可能となるように交渉の除外、または再協議の対象とすること。そして、10年を超える期間をかけた段階的なものでも関税撤廃は認めないということが決議で述べられているわけであります。そのほか聖域が守られない場合は脱退すべしとか、あるいは残留農薬や添加物の基準などについても、我が国の食の安全・安心及び食料の安定供給を損なわないようにすることといったことも決議の中にうたわれているわけであります。そのような国会決議があってだと思いますが、こうした流れの中で昨年、政府はご承知のようにTPPの大筋合意を受けてということで、TPPによる国内農業への影響を抑制・緩和するための対策などを取りまとめました基本方針として、昨年11月25日に総合的なTPP関連対策大綱というものを発表しました。それも受けて、ご承知のようにことし1月20日にはTPP国内農業対策分として、3,122億円を盛り込んだ平成27年度の補正予算案が成立しているところでございます。以上がこれまでのTPPについての一連の流れでありますが、そこでお尋ねの国会決議との関係の受けとめについてでありますが、これは今回のTPP合意の内容を素直に受けとめますと、国会決議でいろいろ述べられている趣旨に整合しているとは到底思われない部分が含まれている、これは事実であろうと我々としては認識しているところでございます。農産物の重要5品目について、仮にこのまま何の国内対策もされずにTPP合意が実施に移された場合、本市農業も含め、我が国の国内農業に大きな影響が生じることは必至だろうと認識いたしております。ともあれ今後については、政府もTPPにかかわる国内農業の影響を回避するための諸対策の実行や必要な予算の計上を、今後も毎年度の予算編成の段階で引き続き行うといった趣旨のことも一方で明示しておりますので、我々としては国内の農業にきちんと影響を生じさせないような対策をこの先政府がしっかりと実行していくかどうかといったことについて、注意深く見ていかなければならないと認識しているところでございます。以上が1点目の問いに対するお答えとさせていただきます。2点目に、農業の影響額、GDPのわずか2%云々で、日本農業の犠牲というものは既定方針となっているといったことについての本市の所見はといったお尋ねについてでございます。これについて我が国がTPP交渉に参加する以前の段階だったと思いますが、農林水産省がTPPに伴う国内の農林水産業への影響というものを試算いたしましたが、その段階のものによれば、実質GDPは2011年で510兆3,000億円ぐらいだったと思いますが、その実質GDPの中で減少額として生じる金額は7兆9,000億円、これが約2%ということで、こういったことから、わずか2%といったような数字が述べられているのかと思います。この数字が正しいかどうかはともかくといたしまして、今回のTPP合意が今ほども申し上げましたように、何の国内対策もなく実施されれば、国内の農業生産への影響は重大だと思います。具体的に大きく言えば、我が国の食料安全保障を脅かす事態ともなりかねないということに加えまして、農業を基盤産業として成り立っている多くの地方圏の地域社会において、そういった地域社会の崩壊のリスクといったものも生じてくるおそれもなしとはしないと思いますし、さらに言えば、日本という国土保全上の機能といったことにも懸念が生じるのではないかということでありまして、GDPのわずか2%などという金額の問題ではない、もっとそれを超えた大きな問題であると我々は考えているところでございます。なお、TPPにおいて、日本農業が犠牲となることが既定方針となっているということで、TPPにおいて初めて日本農業が犠牲にさせられているようなニュアンスも少しありましたが、それは冷静に見ると、それ以前の例えばウルグアイラウンド交渉にしても、さらにその前の日米の牛肉・オレンジ交渉などにしても、常に日本農業が犠牲にさらされるという動きがあったと思います。それに対して、その危機を押し返す運動、闘いがこれまでも国内において行われてきたし、今も行われつつあると認識しているところでございます。以上が2点目に対するお答えとさせていただきます。最後に、3点目、北海道はTPP実施後、米への影響はゼロだという趣旨の公表をした点についての思いはというお尋ねであります。これも事実経過として、本年2月17日に北海道は、北海道TPP協定対策本部会議というものを開催しまして、TPP発効に伴う道内の農林水産物への影響について発表したわけでありますが、その内容は、農畜産物において約337億円から約478億円分の生産額が減少するということを含んでいるものでございます。特に米については、議員も言われましたように、その前に先立って農林水産省が発表した影響におきましても、そうなっているわけでありますが、北海道においても米については影響額ゼロという試算結果が出されたわけであります。このことについては、アメリカと豪州から追加的に輸入することとなる主食用米でありますが、その輸入が8万トンに相当する国産米を備蓄米として政府が買い上げて、その分を市場から隔離する方針なので、結局プラスマイナスゼロだから、影響は生じないだろうという考え方で影響額ゼロとされているものかと思います。しかし、これはどのように市場が動いていくのか予測がつかない部分があります。国内において、とにかく安価な輸入米が無関税で流入してくるということになりますと、国全体の米の消費量の低減傾向が続いている中でもありますので、そういったことと相まって、米価そのものを大きく引き下げるおそれがあるのではないかといった点を懸念せざるを得ないというのが我々の認識であります。したがいまして、今後、本市としまして、TPP合意にかかわる米の問題も含めて、影響をよく見定めながら、北海道市長会あるいは空知地方総合開発期成会の活動を通じまして、継続的に地域農業を守るための要請行動をしっかり継続し、関係団体・機関と十分連携して、臨機応変に必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

出典:深川市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月4日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる