深川市議会 平成27年第4回定例会 2015年12月3日
TPP合意
2015年12月3日、深川市議会の一般質問で、和田秀隆議員が「TPP合意」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 和田秀隆 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 和田秀隆
次の質問に移ります。2番目の質問は、TPP合意についてです。10月5日に大筋合意が発表されたTPPですが、現在示されている情報内容は、日本の全品目9,018品目の関税撤廃が95.08%、農林水産物の81%が関税撤廃となる総自由化とも言える内容で、重要品目についても、米はミニマムアクセス米77万トンの枠外で7万トンの輸入特別枠、枠内でも6万トンの売買同時契約枠を設け、牛肉、豚肉も現行から引き下げ、小麦は売買差益を45%削減、乳製品は生乳換算で7万トンを受け入れるなど、重要586品目の29.7%に当たる174品目が関税撤廃となることが見えてきています。本来であれば、臨時国会を開いて徹底審議しなければなりませんが、政府は招集を行わないというルール違反をしており、今わかっている少ない情報だけ見ても、大きな衝撃と動揺が広がっています。そして、重要品目は除外する、交渉により収集した情報については国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置することとした国会決議に違反しているのは明らかです。質問の1点目は、こうした国会決議に反する合意に対して市の所見を伺います。2点目に、現在想定される深川市への影響と対策。そして、3点目に、北海道の資料では輸入品目に対し一部セーフガード措置がついていますが、農家の経営を担保するようなセーフガードが設けられていない、それこそ直接支払交付金に代表されるような措置をさらに政府に訴えるべきと考えますので、市の見解を伺います。4点目に、今回の合意は最終合意ではなく、この先、調定・発効までがまさに運動の踏ん張りどころと思われます。営農に携わってきた方々は怒りを覚える内容であり、農業以外の全ての生活シーンで悪影響を及ぼすTPPに対して、改めて市として反対の意思表示と行動計画を伺います。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
TPP合意についての質問にお答え申し上げます。初めに、1点目に国会決議に反する合意に対する市の所見ということと2点目に想定される影響と対策を伺うといった趣旨の質問がございましたが、これは内容に関連がございますので、合わせて答えさせていただきたいと思います。そこで、TPP交渉につきましては、我が国は平成25年7月から交渉に正式に参加しておりまして、これまで幾度となく閣僚級、あるいは事務レベル級の交渉が重ねられてきたわけでありますが、ご承知のようにアメリカのジョージア州アトランタで開催されましたTPP閣僚会合において10月5日に大筋合意に達したとする共同声明が発表され、その後、日本政府からも合意した内容について公表が行われたところでございます。その合意内容のうち、これも議員が今おっしゃられましたけれども、市場アクセス交渉結果における品目数ベースの関税撤廃の状況について申し上げますと、我が国は全品目9,018品目中8,575品目、率にして95.1%ほどの関税撤廃の約束をしたということ。この全体の品目のうち農林水産物については、全部で2,328品目あるわけでありますが、この中の1,885品目、率にしますと81%について、関税撤廃の約束をしたということ。さらに、農産物の中で重要と言われている586品目については、このうちの174品目、29.7%を撤廃約束ということになっているわけでございます。また、関税撤廃の約束のほかに、本市農業にかかわる重要なアクセスの約束事項として、米につきましては、これまた言われましたように、現行のミニマムアクセス米77万トンに上乗せしまして、アメリカとオーストラリアに対して当初の3年間は合わせて5万6,000トン、そして13年目以降は7万8,000トンの無関税の輸入枠を新設するという約束をしたということ。それから、小麦につきましては、売買差益でありますマークアップと称するものを9年目までに45%削減するという約束に加えてアメリカ、カナダ、オーストラリア向けに国別の輸入枠を新設しているということであります。また、肉牛につきましても、現在38.5%の関税が課されているわけでありますが、これを段階的に引き下げまして、16年目には最終的に税率9%にまで引き下げるといったことなどの合意がなされたところでございます。もちろんこれ以外にもさまざまな市場アクセス改善の約束が含まれているわけでありますが、これらが我が国において何の対策もなく、そのとおりに実行に移されたとした場合は、申し上げるまでもなく、本市の農業にも相当程度の影響が生じるということは必須だろうと思われます。一方で、政府はそうした国内農業への影響を抑制・緩和するといった対策のための基本方針というのを先般11月25日に取りまとめたわけであります。総合的なTPP関連対策大綱という名前がついておりますが、それが発表され、今後その方針に沿って、TPPに係る日本農業への影響を回避するためのさまざまな対策の実行に必要な実際の政策化、そしてそれらを実行するのに必要な予算の計上といったことを行うとしております。そして、この協定はいつごろ批准されるかよくわかりませんが、批准手続が国会で問われるまでに相当程度の時間があるだろうと見ておりますので、まずはこうした政府の対策の内容についてしっかり我々としても確認させてもらい、我が国の農業、とりわけ本市農業にどの程度影響があるのかということを見きわめていきたいと考えているところであります。また、深川市において、TPPに関して独自に対策をとることを考えているかといったことについてのお答えであります。本市は農業が基幹でありますので、これまでも本市農業の振興発展のための施策、経営安定のための対策、生産振興のための政策の推進、それから担い手を確保する対策、さらには海外販路の開拓といったことについての調査研究など、さまざまな農業施策を実施してきております。今後もTPPにかかわる対策といった観点に限らず、幅広く本市の農業の将来的な振興発展のために、必要な施策を打っていくのは当然のことでございますので、その状況に応じて、しっかりこの先もJAきたそらちなどと十分相談・協力いたしまして、必要な農業振興施策の推進に努めてまいりたいと考えているところであります。それに加えて、政府が先般示した総合的な.TPP関連政策大綱において、攻めの農林業への転換といったことをうたっており、農林水産物、あるいは食品の輸出枠を1兆円にまで持っていくといった目標を前倒しで達成するという前向きなことでありますとか、すぐれた担い手の育成、産地イノベーションの促進など、やや新味を持った施策も盛り込まれております。それらについて、政府の今後の具体的な政策展開を十分注視しながら、本市における必要な対策として取り入れられるものについては、しっかり取り入れながら施策を進めてまいりたいと考えているところでございます。それから、3番目になりますが、経済的セーフガードについてという趣旨のお尋ねがございました。今の国内政策においても、例えば米や麦、あるいは肉用牛経営といったものに対して、収入減少した場合の影響緩和対策の制度は既に設けられておりますが、議員が言われましたように農家の経営全体を見て、農家の所得が減少した場合に、それを保険的に補填するといった制度、収入保険とでも言うべきものなのでしょうか、そういったものはもちろんまだ日本には存在しておりません。しかし、これも総合的なTPP関連政策大綱の中で、それほど文字数はないですが、将来的に収入保険制度の導入に向けた検討を継続するということが明記されております。これは大体議員の指摘と同じ趣旨を持った制度かと思いますので、そういった政策展開の動向につきましても、しっかり注視してまいりたいと思っているところでございます。最後に、4点目、市として反対の意思表示、行動をという点についてであります。本市といたしましては、政府がTPP交渉に正式に参加を表明したときから、TPP交渉から日本の農業を守ろうという趣旨の懸垂幕をつくりまして、市役所を含め市内3カ所に設置し、本市としての姿勢を示してきたわけでありますが、それとともに再々申し上げておりますが、北海道市長会、あるいは空知総合開発期成会の活動を通じまして、継続的に北海道、そして深川の地域農業を守るための必要な要請をしっかり行ってきたところでございます。TPP大筋合意後の最近ということで申し上げても、11月12日に行われた北海道市長会としての秋季の要請活動に私も参加しまして、要請を行ってまいりました。また、11月24日にも北海道庁と市長会と町村会などが共同して政府関係者に要請する活動にも参加してきたわけであります。重要5品目等につきまして、とにかく今回の合意による影響額などをしっかり把握して明らかにしてもらいたいということ、それに伴い直ちに予想される影響については、平成27年度の補正予算や来年度以降の予算においてしっかり対策を講じていってもらいたいということ、さらに策定された大綱に基づき、将来とも農業振興のための万全な対策を講じていってくれるように国に対して強く要請してきたところでございます。ともあれ、先ほども申し上げましたが、協定の批准手続が国会で行われるまでには、この先、相当程度時間があるものかと思われますので、今後においても関係機関・団体等と十分連携し、国としての影響を緩和・解消するための対策の中身がどういうことになっていくのか、しっかり注視しつつ、必要に応じ適時適切にかつ機敏に対応を図ってまいりたいと考えております。