深川市議会 平成24年第3回定例会 2012年9月4日
いじめ問題
2012年9月4日、深川市議会の一般質問で、北畑透議員が「いじめ問題」について質問し、教育長 沢田敏幸が答弁しました。
- 質問者
- 北畑透 議員
- 答弁者
- 教育長 沢田敏幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 14番 北畑透
次に、6点目、いじめ問題について何点かお伺いします。大津市の中学2年生の男子生徒が昨年10月、いじめを苦に自殺したとされる問題は、今になって大きな社会問題として波紋を投げかけております。この1カ月間、さまざまなメディアが連日報道し、次々情報が流れてきております。中には興味本位の報道や評論家の一方的な情報もあり、インターネット上では非難中傷も広がっているとも言われております。どこに真実があるのか、軽々に語ることはできません。しかし、中学2年生の13歳の未来ある子供がみずから命を絶った重い事実には心が痛みます。いじめ問題は、子供たちの問題、教師・学校の問題、そして教育行政の問題の三つの側面が考えられます。社会生活は人間と人間のぶつかり合い、触れ合いでもあり、そこには摩擦もあつれきも生まれてきます。そのはけ口にいじめがあるとすれば、いじめはどこにでも起こり得るとの認識に立たなくてはならないと思います。文部科学省によれば、小中高校などの2010年度のいじめの認知件数は約7万8,000件で、前年度に比べ6.7%増加しているとの報告もあります。昔は餓鬼大将のような子がいて、自浄作用が働いて、子供同士で解決していることもありました。しかし、今はもっと陰湿になり、複雑になっているとも言われております。だからこそ、周囲にいる誰よりも教師がそのサインを教育的敏感さでキャッチする必要があると思います。文科省は、「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」と定義しております。この定義に当てはまるかどうかに固執することはなく、例えば殴られたとか、悪口を言われたとか、起きた事実を正確、公平に把握して、教師やその周辺にいる私たち大人が真正面から取り組まなければならない問題とも思います。特に、教師は校長を先頭に、その組織、集合体の機能だけではなく、組織体としての対応がなされなければならないと思います。その意味で、大津市の場合、学校と教育委員会、そして行政と教育委員会の関係がぎくしゃくとして、その影が事件をさらに増幅させ、ついには警察が立ち入る異例の展開に発展しております。生徒たちへの心理的な影響も心配されます。その一方で、問題に真っ先に対処すべき教員を取り巻く環境は意外に厳しいものがあると指摘されております。教員は、残業時間がふえ、授業の準備時間も少ないと文部科学白書2010が指摘するように、教育以外にも多くの労力が割かれている実態も見過ごすことはできません。現場では、人格の完成を目指すとの教育基本法の教育目的に立ち返る余裕もない。いじめの解決には、一つにはこの本末転倒の状況を変える必要があると思います。教員が一人一人の子供と丁寧に接することができるよう、教員数の増加や教員各自の役割分担の明確化などの現場の負担軽減と効率化も急ぐべきであると思います。この悲劇を繰り返さないため、市長並びに教育長に伺います。1点目、今回の大津の事件をどのように認識し、いじめについてどのように考えておられるのか。2点目、本市におけるいじめの実態とその取り組みについて。3点目、現場の教師、学校、そして行政と教育委員会、先ほどの大津の例ではございませんけれども、この関係性についてどのような認識に立たれているのか。4点目に、現場の教師などの負担軽減と効率化も求められますが、その認識と対応について。5点目、いじめで苦しむ子供たちをなくすための所見を最後にお伺いしたいと思います。
答弁 教育長 沢田敏幸(教育長は2015年3月まで)
いじめ問題について、5点にわたり質問がありましたので、順次お答えいたします。初めに、1点目の大津市の事件に対する認識と、いじめについてどのように考えているのかにつきましては、児童生徒がみずからの命を絶つという悲惨な事故は、いかなる原因があろうともあってはならないことであり、事故を未然に防ぐことができなかったことについて非常に残念に思うところであります。また、いじめはどの学校でも、どの子供にも起こり得ることを常に意識の中に持ち、未然防止と早期発見に努めるとともに、いじめが確認された場合には、学校、市教育委員会が迅速かつ適切な対応を図る必要があると考えているところであります。2点目の本市におけるいじめの実態とその取り組みについてですが、いじめの実態把握につきましては、日常の学校内での児童生徒の動向のほか、北海道教育委員会が平成23年度から実施しております、直接、児童生徒に対していじめの実態についてアンケート調査を行ういじめの問題に関する調査によりまして、いじめの状況を把握しているところであります。平成23年度の状況としましては、市内の小中学校の全児童生徒に対して行ったいじめについてのアンケート調査の結果、いじめと認められる件数は26件あり、そのうち仲間外れや無視される、あるいは軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり蹴られたりするという内容のものが5件あり、そのほかの21件については、悪口や嫌なことを言われるなど言葉によるものでありました。このアンケート調査で把握したいじめにつきましては、担任や生徒指導担当教諭などが、関係する児童生徒との話し合いや、指導する中で解決を図ったものがほとんどでありますが、中には保護者と連携を図ったり、学級指導や学年指導を行うなどにより対応に努めた結果、年度末においては全ての事案についていじめが解消され、それ以降は注意深く行動を見守っていると学校から報告を受けているところであります。平成24年度につきましては、5月に全児童生徒に対していじめについてのアンケート調査を行いましたが、その結果は、いじめと判断されるものはありませんでした。また、8月には文部科学省が大津市の事件を受けて、全国一斉に全ての児童生徒に対して緊急のアンケート調査を実施いたしましたが、その結果におきましては、いじめと認められるものが1件確認され、早期に解決が図られるよう、現在その対応に努めているところであります。次に、3点目の現場の教師、学校、行政、教育委員会の関係についてであります。市教育委員会では、いじめを未然に防ぐ、あるいは早期に発見し早期に対応することが大変重要なことと認識しております。そのため、各学校におきましては、児童生徒の最も身近にいる教師が、子供たちの日常生活の行動や態度の変化など、その兆候を見逃さないよう絶えず気を配るなどの取り組みがなされているところであり、さらには定期的に職員会議などにおいて児童生徒の日ごろからの行動や態度について情報の共有化を図り、学校全体として取り組んでいるところであります。また、いじめを把握した場合におきましては、保護者とも連絡をとりながら学校全体の問題として取り上げ、迅速かつ適切な対応に努めているものであります。市教育委員会では、学校からの報告に基づき、状況に応じて学校教育指導専門員が学校に赴くなどして、学校と一体となって問題解決に当たることとしているものであります。さらに、いじめの当事者の心のケアにつきましては、スクールカウンセラーなど子供たちの悩みや保護者の心配事に対応する取り組みも行っているところであります。行政との関係についてのお尋ねがありましたが、市町村の教育委員会の位置づけにつきましては、地方自治法第180条の8の規定におきまして、市町村において教育行政を担当する独立した行政委員会として位置づけられておりまして、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条には教育委員会の職務権限が規定されており、この規定によりまして、教育委員会は学校の運営及び児童生徒の教育、指導などの教育に関する事務を担当しているものであります。また、同法第24条には、地方公共団体の長の職務権限が規定されておりまして、その中には、学校設置者の役割として教育財産の取得処分、教育委員会が所掌する契約の締結及び予算の執行などが定められております。これらによりまして、地方公共団体の長と教育委員会との役割が定められているところでございまして、学校におけるいじめの対応につきましては、学校の管理者である教育委員会としての責任ある対応をしてまいる考えでありますけれども、その対応の中で、事態の重大性なども考慮しながら、学校の設置者であります市長と情報の共有を図りながら、個々の事案の対応に努めてまいりたいと考えております。次に、4点目の教師などの負担軽減と効率化の認識についてでありますが、学習指導要領の改定による授業時間の増加や内容の高度化に伴いまして教員の負担は増加しているものと考えているところであります。一方、各学校の教員の数は、関係法令などの基準に基づき決められるものでありまして、各学校におきましては、それらに基づき配置された教員により、学校運営に当たっているところであります。国におきましては、習熟度別指導のための少人数指導の実施や、いじめ、不登校への対応など、学校が個々に抱える課題解決のために、定員を超えた教員配置、いわゆる加配配置をする制度があります。平成23年度の加配配置の状況は、定数の6.5%程度の人数となっており、希望どおりには加配配置が受けられない状況にありますが、その制度の活用を図ることや、これまで申し上げましたそれぞれの立場において適切にその役割を果たすこと、そして教員同士が協力し合って対応することなどが最も効果的で効率的な取り組みであると考えております。5点目のいじめで苦しむ子供たちをなくす所見についてでありますが、学校は適切な人間関係を築くことを学ぶ場でありますので、いじめは人間として絶対許されないことという意識を児童生徒に徹底させることが、非常に重要なことと考えているところであります。このため、未然防止の取り組みとしまして、児童生徒に対し命を大切にする心や思いやりの心、善悪の判断や規範意識の醸成などのために、道徳教育や心の教育に一層力を注いでまいりたいと思います。また、繰り返しになりますが、いじめはどの学校でも、どの子供にも起こり得るものであることを十分認識し、未然防止と早期発見、早期対応につきまして、学校、保護者、教育委員会が一丸となって対応に努めてまいりたいと考えております。
質問 14番 北畑透
市長からの答弁はございませんでしたけれども、こういったことが起きないということが大前提でございますけれども、あった場合には一丸となって取り組んでいただきたいということを申し上げて、最後の7点目の通学路の安全対策について伺います。本年4月、京都府亀岡市で軽自動車が集団登校中の児童と保護者の列に突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷という痛ましい事故が発生し、その後も各地で登下校時の児童が死傷する事故が立て続けに発生しました。平成24年度版交通安全白書によると、昨年1年間の交通事故死者数は4,612人で11年連続の減少となり、いわゆる交通戦争のピーク時から見れば3割以下となっておりますが、負傷者は今なお85万人を超え、いまだその交通戦争は終わっていないと言っても過言ではありません。しかも、死者数の中で歩行中が占める比率が上昇しております。交通事故死者数を状態別に見た場合、2007年までは自動車乗車中が最多でありましたが、2008年以降は歩行中が自動車乗車中を上回り最多となりました。