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江別市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月4日

フューチャー・デザインの積極的な活用について

2025年3月4日、江別市議会の一般質問で、石川麻美議員が「フューチャー・デザインの積極的な活用について」質問し、市長 後藤好人、企画政策部長 三上真一郎が答弁しました。

質問者
石川麻美 議員
答弁者
市長 後藤好人、企画政策部長 三上真一郎

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の目次の表記です。

質問 石川麻美

ただいま議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。フューチャー・デザインの積極的な活用についてお伺いいたします。フューチャー・デザインは、高知工科大学の西條辰義教授が2012年に提唱したアイデアになります。将来世代の視点から現代の社会を設計することを目的としており、経済学の視点を取り入れた新しい思考法です。私たちは、様々な問題について、どのように対応するか、話し合って決めています。しかし、その対応による影響は、私たちだけではなく将来に生きる人々にも及びます。しかし、将来世代の人々は、今現在の話合いに参加することができません。また、自分の子供や孫のためになることなら、自分が我慢してでもやってあげたいと思うことはないでしょうか。こうした気持ちが、親と子との間だけではなく、現世代と将来世代との間にも成り立つとき、すなわち、現世代が将来世代のためなら喜んで我慢をしたいという気持ちを持つとき、現世代は、将来可能性を持つと定義されております。フューチャー・デザインは、政策形成に当たり、現代に生きる現世代のみならず、まだ生まれていない仮想将来世代をも利害関係者として捉え、現世代と仮想将来世代の双方の視点を持って考えることで解決方法を見いだすものです。従来のように、現在の視点からの評価だけでは、既存計画や政策が未来社会に及ぼす影響を適切に評価できないかもしれません。また、現在の視点の延長では、方針転換を要するような本質的な課題の顕在化や改善案提起も容易ではありません。フューチャー・デザインの仮想将来世代といった新しい仕組みを導入することで、より長期的視点から潜在的課題やリスク、未来の価値やニーズを捉え、現世代と将来世代を俯瞰した観点から、政策評価や持続可能性を高めるための対策も見えてくると言われております。また、フューチャー・デザインの活用には4つの効果があるとされており、1つ目に、将来のトレンドや変化を予測し、それに基づいた未来を見据えた戦略立案が可能となります。これにより、企業や組織が、将来の市場動向や競合状況に適切に対応することができます。2つ目に、従来の常識にとらわれずに、新しいアイデアやコンセプトを生み出すことが可能となります。これにより、イノベーションを促進し、新たなビジネスチャンスを見いだすことができます。3つ目に、将来のリスクや課題を予測し、対策を講じることができます。これにより、組織や企業が将来におけるリスクを軽減し、安定した成長を実現することができます。4つ目に、チーム内のメンバーが将来のビジョンや目標に共感し、協力して取り組む姿勢が生まれることがあります。これにより、チームのパフォーマンス向上や意思統一が図られ、組織全体の成果向上につながります。以上のように、フューチャー・デザインの活用は、企業や組織にとって戦略的な価値をもたらすことが期待されております。以上を述べさせていただき、ここから3点についてお伺いさせていただきます。1つ目に、将来世代へ向けた政策立案の重要性についてお伺いさせていただきます。先ほど述べましたとおり、フューチャー・デザインは、将来の世代を考慮した意思決定を促進します。現在の世代が将来のニーズや価値観を理解し、将来世代の利益を考慮することで、よりよい政策を形成することを目指すものであります。大阪府吹田市は、2016年、フューチャー・デザインを初めて導入しましたが、2019年3月から2020年8月にかけて、吹田市第3次環境基本計画をテーマに、フューチャー・デザインを取り入れたワークショップを開催しました。公募で選ばれた市民と市役所職員が6グループを形成し、4回にわたる議論を行い、現世代の視点及び仮想将来世代の視点によって、2050年時点の大阪府吹田市の社会像と今後採用すべき政策オプションが検討され、グループごとに最終的な施策案の意思決定や政策評価が行われました。ワークショップで提起されたアイデアや考え方及び評価結果は、計画策定においても参照されており、また、仮想将来世代の意見は計画にも反映されております。大阪府吹田市は、ほかにも再生可能エネルギーや水道インフラなどのテーマにフューチャー・デザインを取り入れた政策立案を行っております。また、アメリカやヨーロッパにおいても、将来世代を考慮した政策決定が各種施策に組み込まれ、可視化されています。これにより、短期的な利益の追求に偏らず、長期的な視点を重視する環境が形成されております。このような実践を通じて、我々は、次世代に責任を持った社会を築くことが求められますが、江別市として、将来世代に向けた政策立案の重要性についてどのような認識をお持ちか、また、長期的な視点に立った政策立案について、これまでの実例などがあれば併せてお伺いいたします。2つ目として、フューチャー・デザインと共にバックキャストを活用し持続可能なまちづくりを目指す取組は、将来世代の視点を取り入れた意思決定を促進するためのアプローチとして昨今注目されております。フューチャー・デザインとバックキャストを統合することによって、現在の取組に対する評価や将来のビジョンを確立することが可能となります。特に、少子高齢化や人口減少が進む私たちの地域においては、フューチャー・デザインを取り入れ、行政サービス、産業や農業、子育てや介護など、持続可能な未来への多様な課題に対応するために、現在の延長ではなく、抜本的かつ独創的な施策の展開が必要だと思います。そうすることで、近視眼的な判断や意思決定ではなく、現世代と将来世代の双方の利益を考慮した意思決定を促し、具体的かつ創造的な将来像を示すことができると考えます。一方、バックキャストは、その将来像から逆算して、現時点からの必要な行動や戦略を考える手法であり、この手法を活用することで、現時点から将来に向けての具体的な行動計画を立てることができます。例えば、東京都のあるプロジェクトで、フューチャー・デザインとバックキャストを組み合わせ、東京の将来像を描いた上で、現実的な政策提言を行いました。このプロジェクトでは、住民の意見や専門家の知見を横断的に取り入れ、計画的かつ実行可能な施策を設計しました。参加した住民からは、自分たちの意見が未来に影響を与えることが実感できたとのポジティブなフィードバックも寄せられております。このように、フューチャー・デザインとバックキャストを組み合わせるアプローチは、持続可能なまちづくりに貢献するだけではなく、未来志向の地域づくりに必要な視点を提供します。その上で、当市として、持続可能なまちづくりに向けて、フューチャー・デザインとともにバックキャストを活用することについてお考えをお聞かせください。次に、3つ目として、フューチャー・デザインを政策立案に取り入れるための組織体制の整備についてお伺いいたします。フューチャー・デザインを効果的に政策立案に取り入れるためには、適切な組織の整備が不可欠になるものと考えます。フューチャー・デザインを全国、そして、世界で初めて取り入れたのが岩手県矢巾町になります。岩手県矢巾町は、もともと長期的な水道ビジョンづくりに住民参加の仕組みを取り入れた先進的な活動を行っていましたが、住民から建設的な意見が出た一方で、その意見は現在の課題解決を起点としたものであり、未来の視点を伴うものではありませんでした。そこで、未来の視点から水道事業を考えるため、2015年、ワークショップにフューチャー・デザインを取り入れ、約6か月にわたる討議を行いました。その内容は、参加町民が現在の年齢で2060年にタイムトラベルした状況を想定し、2060年の町民になりきって意思決定や考察を行う仮想将来世代グループと現在から未来を考察する現世代グループとに分かれて、地方創生プランの施策を検討しました。その結果、仮想将来世代グループからは、地域の様々な資源やまちの長所を有効に活用することで、新たな地域の創造につながる様々な提案が出されました。仮想将来世代グループの討議には、岩手県矢巾町の持続可能な未来をつくるために、現在の延長ではなく、抜本的かつ創造的な施策を提案する傾向が見られたとのことでした。最終的な合意形成セッションにおいては、仮想将来世代グループが提起するアイデアに現世代グループが理解を示し、仮想将来世代グループが提案した施策が半数以上取り入れられる結果となったとのことです。フューチャー・デザインを導入することで、参加者の将来のリスクへの認知や将来の地域の目標に対する意識の共有が図られると同時に、現行計画の評価や改善への視点も磨かれます。この結果を受けて、岩手県矢巾町は、フューチャー・デザインを行政活動や政策立案に取り入れるための機構として、2019年、役場内に未来戦略室を設置し、2023年には未来戦略課へと格上げし、まちの総合計画策定にもフューチャー・デザインが応用されております。以上を踏まえ、まちぐるみでフューチャー・デザインを政策立案に取り入れるための組織を整備し、様々な行政課題の行き詰まりの打開を目指すことも大変重要と考えますが、見解をお聞かせください。以上で、1回目の質問を終わります。

答弁 市長 後藤好人

石川議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、フューチャー・デザインの積極的な活用に関しまして、まず、将来世代に向けた政策立案の重要性について御答弁を申し上げます。少子高齢化や人口減少が進む現状において、持続可能なまちづくりを考えたとき、将来世代に向けた政策立案は欠かすことができないものと認識しております。中でも、子どもが主役のまち宣言を行った当市にとりまして、現在の子供たちや未来の子供たちが子育て世代やその次のシニア世代となったときの状況を見据えることは、非常に重要な視点であると考えております。なお、長期的な視点に立った政策立案の直近の例と致しましては、第7次江別市総合計画の例があります。その策定に当たっては、20年先までの人口推計を行った上で、10年後の将来都市像をつくり上げるため、高校生や大学生、市民活動団体等の30グループと、計31回にわたってえべつの未来づくりミーティングを行う中で、多くの市民と江別市の現在の状況や将来の姿について議論を交わし、その実現を図るためのまちづくり政策やえべつ未来戦略に反映させてきたところでございます。次に、フューチャー・デザインを政策立案に取り入れるための組織体制の整備についてでありますが、現在、市の様々な長期的計画は、それぞれの所管課で策定しておりますことから、現時点では、同手法に特化した一元的な組織体制の整備は考えておりませんが、今ほど御答弁を申し上げましたとおり、将来世代に向けた政策立案は欠かすことができないものと認識しておりますことから、今後におきましても、将来世代の視点を取り入れたフューチャー・デザインのさらなる活用に向け、情報収集等に努めてまいります。私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、企画政策部長からお答え申し上げます。

答弁 企画政策部長 三上真一郎

私から、フューチャー・デザインと共にバックキャストを活用することについて御答弁申し上げます。フューチャー・デザインは、様々な長期的課題に対し、現役世代だけでなく、その課題の影響が及ぶ将来世代の立場も踏まえて議論を行う取組であり、バックキャストとは、将来像から逆算して、現時点で必要な行動や戦略を考える手法であります。これらは、将来世代に過度の負担を残さず、現役世代と将来世代の双方にとって最適となる政策を考える上で有効な手法の一つであると考えており、先ほど市長から御答弁を申し上げました第7次江別市総合計画の例など、これまでも同様の考え方を用い、計画等の策定を行ってきたところであります。今後におきましても、将来世代の視点を取り入れたフューチャー・デザインのさらなる活用に向け、情報収集等に努めてまいります。以上であります。

再質問 石川麻美

再質問をさせていただきます。1件目、1項目めの将来世代に向けた政策立案の重要性について、現在の子供たちや未来の子供たちにとって非常に重要な視点であり、第7次江別市総合計画では、20年先まで人口を推計し、えべつの未来づくりミーティングで市民の方と議論を交わしたとの御答弁でした。今、皆様が考えて計画を立てているのは20年先のことになりますが、フューチャー・デザインは、単純に少し先の話ということではありません。それよりもさらに先の50年後を見据えながら、そのときの立場に立って考えるということになります。そこで、50年先の江別市を調べてみました。昨年8月に開催された江別市総合戦略推進委員会で、令和2年の国勢調査を基準にした江別市独自の将来人口推計が報告されていましたが、45年後である2070年の江別市の総人口は6万503人でした。5年間の人口増減数を見ると約6,000人が減少するという推計でしたので、50年後の2075年の人口は約5万5,000人になると推定すると、現在の人口の約半分になります。また、65歳以上の老年人口も、2035年をピークにその後緩やかに減少しますが、15歳から64歳までの生産年齢人口とあまり差がない結果となっておりました。この結果を踏まえると、施設整備など、これから先の総人口や年齢人口に合わせた考えで進めていかなければいけないですし、江別市の50年先の未来を考えると、やはり将来世代に向けた政策立案をすることが必要であり、大事な視点だと考えます。フューチャー・デザインは、現在の考え方や進め方よりも、さらに先の長期的な課題や様々な計画を立てていく上で、共に考えていくという新しい手法になり、そのフューチャー・デザインを活用していくというのが今回の質問の趣旨になります。この手法のように、50年先のことまで見据えて考えていくことの重要性についてどのようにお考えか、お伺いいたします。また、現在のやり方よりも、さらに一歩進めた手法を取り入れて考えていかなければいけない時代に差しかかっているのではないかと思います。今後、そういった手法を検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。以上で、再質問を終わります。

答弁 企画政策部長 三上真一郎

再質問に御答弁を申し上げます。50年先のことまで見据えて考えていくことの重要性についてでありますが、日々変化する社会経済情勢や情報技術の進歩など、近い未来でさえ見通すことが容易ではない近年の状況において、50年先の長期的な視点を用いて策定すべき計画等の選定については一定の判断が必要と考えており、例えば、江別市DX推進方針では、その予測困難性から計画期間を設けずに策定したところでございます。いずれに致しましても、公共施設等の管理計画など、50年先など長期的な視点が必要となる計画もございますことから、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、今後におきましても、将来世代の視点を取り入れたフューチャー・デザインのさらなる活用に向け、情報収集等に努めてまいります。以上であります。

再質問 石川麻美

3回目は要望を述べさせていただきます。先日の令和7年度市政執行方針の中で、20年、30年先、誰もが幸せをつかむことができる未来をつくり、子どもたちの世代にまちづくりのバトンをつなぐことが私たちの世代の務めでありますと、市長からお言葉がございました。冒頭に申し上げましたが、子供たちは、大人たちの話合いに参加することができません。今、まちづくりのことを検討し、決定していること自体が私たち世代の務めであり、それが未来につながっていくとするならば、とても責任があることであり、だからこそ、さらに先の将来を見据えて考えていくことは重要であると思います。近い将来を予測することも難しく、ただでさえ目まぐるしく変わる時代であるからこそ、情報収集に時間をかけていたら、あっという間に状況が変化していくのではないでしょうか。近い未来でさえ見通すことが容易ではない近年の状況だからこそ、フューチャー・デザインのような手法を用いて検討していくことが必要であると思います。長期の計画には中間の見直しもあると思いますので、スピード感を持って検討していただきたいと要望を申し上げ、私の一般質問を終わります。

出典:江別市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月4日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる