みんなの議会

江別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月14日

地域愛が支える持続可能なまちづくりについて

2023年9月14日、江別市議会の一般質問で、髙柳理紗議員が「地域愛が支える持続可能なまちづくりについて」質問し、市長 後藤好人、教育部長 伊藤忠信が答弁しました。

質問者
髙柳理紗 議員
答弁者
市長 後藤好人、教育部長 伊藤忠信

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の目次の表記です。

質問 髙柳理紗

皆様、こんにちは。えべつ地域創生の会、髙柳理紗です。私は、3歳からこの江別市で育ってまいりました。そして、今、こうして、ふるさとのために力を尽くす機会を市民の皆様より賜りましたことに、日々大変に身の引き締まる思いでおります。本日が、私の初めての一般質問となります。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従って順次質問させていただきます。件名1、地域愛が支える持続可能なまちづくりについてお伺いいたします。今回、件名に用いた地域愛の地域とは、本市全体を地域と捉えた、すなわち江別愛を指すものであります。近しい意味の言葉として、郷土愛または地域愛とほぼ同義のシビックプライドという表現も検討いたしましたが、より身近な表現はどのようなものかということを市民の皆様にも御相談させていただいた上で、皆様とともに検討を重ね、地域愛という言葉を選定いたしました。その上で、項目1、地域愛を育むことに対する市の認識についてお伺いいたします。近年、前段でもその言葉に触れましたシビックプライドの概念が都市政策において注目を集めております。この言葉の意味は、地域への誇りと愛着であり、自分たちの住むまちをよりよいものに、そして誇れるものにしていこうという思いを指しております。郷土愛とも似た意味を持ちますが、郷土愛は、生まれ育った地域への感情として表現に用いられることが多くあるのに対し、シビックプライドは、ふるさとに限らず、移住先や自身が関心を寄せている地域も含み、その対象の範囲は広がります。各自治体が発表しているシティプロモーション、すなわち市の魅力を広めるための取組における指針や基本方針の中でも、シビックプライド、つまりは地域への愛着について触れられており、その狙いとしては、主に定住人口の増加、定住志向の高まりにより、転出者の抑制、まちづくりへの参画意識の向上、市民による情報発信の増加などが挙げられることが多く、地域愛が特に人口の増加に寄与すると捉えている自治体が多いことが分かります。また、公益社団法人日本都市計画学会が2022年に富山県高岡市に居住する高校生を対象とし、アンケート調査を用いて実施した地域への愛着と将来の定住率に係る研究では、総合考察として、高校生の将来の定住意識の形成には、地域への愛着の醸成が重要であることが示されております。地域への愛着を基盤として、参画意識やアイデンティティー、持続意識が高まり、さらには、地域への愛着の醸成には、地域環境、文化、歴史の源泉が大きく影響していることも、これに併せて示されておりました。定住率を増やすことは、まちの持続可能性を高めるための重要な要件ではありますが、今ほどお示しいたしました各市町村のシティプロモーション指針の傾向や他市を対象とした研究結果から、私が申し上げたいことは、持続可能なまちづくりの手段である、いかなる経済活動にも、その政策にも、全ての根底に欠かせないのは、そのまちに対する人々の思いや、そして、熱量ではないかという点であります。そこで、お伺いいたします。本市は、持続可能なまちづくり政策において、地域愛を育むことの重要性についてどのようにお考えか、御見解をお聞かせいただきたいです。次に、項目2、地域文化と歴史を学ぶ場の創出についてお伺いいたします。本市の地域文化と歴史を学ぶ取組と致しまして、学校教育においては、小学3・4年生の社会科副読本、わたしたちの江別を用いての学習や市内社会教育施設への社会科見学が行われていることは承知しておりますが、この項では、社会教育という観点からの御質問を申し上げます。文部科学省のホームページより、社会教育法第1章総則より社会教育の定義を抜粋いたしますと、第2条、この法律で社会教育とは、学校教育法に基づき、学校の教育課程を除き、青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動をいうとされております。教育基本法や社会教育法から大まかに社会教育というものを理解すれば、学校や家庭外の社会で広く行われている組織的な教育活動ということになります。地域の中での社会教育は、地域社会における教育活動や学習機会を指し、幅広い世代の市民へ向けて提供されていきます。この地域の中での社会教育とは、地域社会の連帯感をもたらし、持続可能なよりよいまちづくりにおいても欠かせない取組であることは、まちづくりに関わる我々の共通認識であると理解しております。本市は、歴史、文化共に、地域愛を育むすばらしい源泉にあふれております。例えば、本市は、土器のまち、れんがのまちとしても広く知られております。北海道江別太遺跡出土品、北海道元江別1遺跡土壙墓出土品は、平成5年と平成7年にそれぞれ国指定の重要文化財へと指定されております。焼き物文化は今も市内で盛んであり、北海道内最大級の陶芸市えべつやきもの市は、今年で34回目を迎えました。地域環境としての視点では、市内の公民館や郷土資料館、セラミックアートセンターなどの社会教育施設は、建物の外観にいずれもれんがが使われており、まさしく、れんがのまち江別らしい情緒が感じられます。また、主に青少年を対象とする地域の特色を生かした体験活動では、生産者を講師に招いた農業体験及び加工体験の実施、郷土資料館での学芸員仕事体験や史跡見学を通し、ふるさと江別への理解を深める子ども学芸員カレッジ講座、セラミックアートセンターでの電動ろくろ体験や星空観察会、そして、今年で55回目を迎えた1泊2日の青少年キャンプ村事業など多岐にわたり、これは現在策定作業中の第10期江別市社会教育総合計画(案)、第3章基本目標と基本方向より、基本方向3、子どもの豊かな人間性を育む教育の実践のページに記されております。青少年期の体験活動は、他者と協働する能力や社会を生き抜く力、規範意識、道徳心、コミュニケーション能力や自立心、協調性、チャレンジ精神、責任感、創造力を培うことができる、子供たちの成長にとって重要なものであり、そのため、子供たちの身近な地域でできる様々な体験活動の機会を充実し、地域社会全体で青少年の豊かな心やたくましく生きる力を育む取組を推進していきますとの方向性に最も忠実であります。体験学習を大切にしておられる日頃からの本市の取組と源泉豊かなこの江別市というまちに、大変感謝しているところであります。その上で、課題点もあると感じておりました。それは、本市には、せっかく恵まれた自然環境や地域の歴史に触れることのできる郷土施設があるにもかかわらず、子供たちの地域の歴史や文化を学ぶ場としては、現行の様々な取組を経てしても、なお、そのポテンシャルを生かし切れていないのではないかということです。郷土資料館における令和元年度、令和2年度の個人来館者数割合で、そのうち小・中学生の割合はいずれも半分以下であり、大人の人数からすると子供の人数が少なくなっています。その要因として、これは私も幼少期から感じてきたことではありますが、資料館という環境下で、もちろん仕方ないこともあるのですけれども、実際に触れてはいけないという展示物が多いということが一つあるのではないかと思います。郷土資料館においては、様々な子供向けのイベントが定期的に開催されていることも存じておりますし、その内容においても、子供たちが楽しみながら地域の歴史文化を学び取ることのできるロマンあふれるイベントばかりであると大変うれしく思っています。そこで、例えば、ふだんの展示から実際に触れて感じることが可能な体験型の展示スペースを現行よりも広く設けるなどの展示、工夫を検討してみてはなどと考えます。今ほどお話しさせていただきました内容は一例であり、この質問を通して直ちに展示方法の変更等を求めるという趣旨のものではありませんが、全くもって新しい箱物や新しい取組をつくり出すということではなくて、今あるものを生かすという視点から、地域文化や歴史に触れる学びの場を充実させる取組の有無について、市に御見解をお伺いいたします。次に、項目3、江別市の未来を担う子供たちの10年後の理想像について、市長にお伺いいたします。私は、本市のお隣の札幌市で生まれ、3歳からこの江別市に暮らしております。3歳から江別市で暮らしているという点は、後藤市長と同じであります。このまちで育ち、自らもこのまちで母となりました。幼い頃にはなかなか気がつくことのできなかったこのまちの温かな風土を、今は日々感じながら過ごしております。私は、幼稚園、小学校、中学校と、長い期間を不登園、不登校として過ごしてまいりました。自ら自分の子供時代を振り返り、思い起こしましても、今では考えられぬほどに、随分と生きにくさを抱えた子供であったのかなということを思います。それでも、いつでもこのまちとこのまちの皆さんに支えられ、守られながら育ち、私は、このまちから大きな幸せをもらいました。そして、私を育ててくれたこのまちは、長い時間をかけて、私の心に地域への愛着とプライドを植えつけたのだと思います。今でも、いつでも私の心の核を支えるのは、幼少期、青年期の経験と、このまちで過ごしてきた思い出でございます。そのことに気がつけたからこそ、私は、このふるさと江別市に恩返しをしたいと考えられたのだと思います。さればと言って、まちに愛着を持つ子供を増やし、多くの子供たちが地元に根づくことだけが正解だということではありませんけれども、このまちで育つ全ての子供たちが、暮らしたまちの文化や歴史を思い生きていくことは、江別市の本質的な意味での持続可能なまちづくりにおいても、何より、子供たち一人一人の心のよりどころという意味においても、重要だと考えるところであります。市長の市政執行方針や第7次江別市総合計画でも、将来都市像、すなわちこのまちの目指す姿については、既にお示しいただいておりますが、その上で改めてお伺いいたします。市長は、江別で育つ子供たちが10年後の未来にどのような姿になっていることを望んでおられるのか、ぜひ後藤市長のお言葉でお聞かせください。以上で、1回目の質問を終わります。

答弁 市長 後藤好人

髙柳議員の一般質問に御答弁申し上げます。地域愛が支える持続可能なまちづくりに関しまして、まず、地域愛を育むことに対する市の認識についてでありますが、市では、将来にわたり、誰からも選ばれ、誰もが住み続けたいまちであり続けるためには、市民の皆さんが地域への愛着を抱き、充実した生活を営み、江別市民であることを誇りに思っていただくことが重要であると認識しております。こうしたことから、豊かで潤いのある地域社会を築くために、子供たちが健やかに暮らし、学び続けられる環境の整備と、郷土の歴史や文化に触れる機会の充実に取り組んできたところであります。具体的に申し上げますと、学校、家庭、地域が一体となって学校を運営するえべつ型コミュニティ・スクール事業や社会科の授業で副読本などを用いて地域を再発見する取組のほか、郷土資料館では、江別の歴史や産業についての出前講座などを実施しております。さらに、幅広い世代の方々に地域の魅力を知ってもらうため、地域おこし協力隊の活動やシティプロモーション事業を通して、市内外の方々に対しまして江別の魅力を発信しているほか、江別市民活動センターが実施する江別まち検定や一般社団法人えべつ観光協会が作成するえべつコレクションなど、関係団体による取組も行われております。市と致しましては、将来にわたり、誰からも選ばれ、誰もが住み続けたいまちであり続けるため、引き続き、市民の皆さんが地域への愛着と誇りを抱き続けることができるよう、まちづくりに努めてまいります。次に、江別市の未来を担う子供たちの10年後の理想像についてでありますが、現在、本市では、子供の教育環境と子育て支援の充実を図る取組の成果として、子育て世帯を中心とした転入増が続いております。こうした新たに江別市民となられた方々に、江別のことをもっと知ってもらい、郷土への愛着と誇りを抱いていただくため、市では、これまでも、文化、歴史遺産の保存活用やれんがに親しむ機会の提供などを通じて、ふるさと意識の醸成と地域文化の創造を図ってきており、このような取組をさらに充実することが重要であると考えております。私は、江別市で生まれ育つ子供たちも、江別市に転入し暮らし始めた子供たちも、ふるさと江別への愛着と誇りを抱きながら住み続けていただくことが理想であると考えておりまして、たとえ江別市を離れたとしても、まちの応援者であり続けてほしいと考えております。いずれに致しましても、子供たちをはじめ、全ての市民の皆さんが、10年後、20年後においても、ふるさと江別への愛着と誇りを持ち続け、江別市の未来像とあるべき姿を描き続けてほしいと願っているところでありまして、誰もが暮らしやすいまち、そして、住んでみたいと思ってもらえる魅力のあるまちを目指して、市民の皆さんとまちづくりを進めてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、教育部長からお答え申し上げます。

答弁 教育部長 伊藤忠信(教育部長は2024年3月まで)

私から、地域愛が支える持続可能なまちづくりについての御質問のうち、地域文化と歴史を学ぶ場の創出について御答弁申し上げます。本市の教育目標では、彩りのある歴史を持った可能性あふれる郷土江別に誇りを抱くことを掲げ、ふるさとに対する郷土愛の育成に重点的に取り組んでいるところであります。教育委員会では、地域の方々と協働して、小・中学生を対象とした江別の魅力である食や自然を通した体験型学習のほか、郷土資料館では、職員が生活道具等を学校へ持参し、児童に触れて学んでもらう昔の道具調べ教室、セラミックアートセンターでは、親子を対象とした陶芸体験事業のほか、本市の産業文化であるれんがへの理解を深めてもらうための出前講座等を実施しております。これらの取組に加え、今年度、両館では、子供たちの学習意欲がより高まるよう、展示室内に生活道具に触れてその移り変わりを実感したり、音の違いで焼き物の種類を体感したりするコーナーを設けるなど、展示方法を工夫することとしております。いずれに致しましても、教育委員会と致しましては、地域との絆を深め、郷土愛を育むことは重要であると認識しておりますことから、引き続き、学校、地域、家庭と一体となり、子供たちへの様々な体験活動や共同学習の機会の充実に努めてまいります。以上であります。

再質問 髙柳理紗

再質問はなく、要望とさせていただきます。項目1につきましては、御答弁から、持続可能なまちづくりにおいて、地域愛が重要であるということが共通認識であることをおおむね理解いたしましたので、その上で、項目2より、順次、要望を述べさせていただきます。項目2、地域文化と歴史を学ぶ場の創出につきましては、セラミックアートセンター、郷土資料館の両館での現在の取組と展示室内の工夫等を御説明いただきました。現在の取組については理解した上での質問のつもりでありましたが、引き続き機会の充実に努めていただけるとのお約束を答弁で頂きましたので、今後も取組に対する子供たちの実際の反応や意見を集めながら、地域の歴史文化を身近に学び取ることのできる環境がまちに増えていくような工夫をよろしくお願いいたします。続いて、項目3、子供たちの10年後の理想像についてであります。後藤市長におかれましては、どうか、この江別市で預かっている全ての子供たちが、しなやかに成長していくための環境づくりとその指揮を引き続きよろしくお願い申し上げます。今回、初質問ということもあり、持続可能なまちづくりについて、全体を通して、動力の基盤でもあります思いと熱量、ここに焦点を合わせて質問をさせていただきましたが、住み続けられる地方のまちづくりを進める上では、その思いの上に、地方自治の根幹である二元代表制の下、市長を筆頭とした市政執行部の皆様と我々議会が切磋琢磨し、論理的思考を持ちながら、いつでも現実的な是々非々の議論を幾つも積み重ねる作業が必要であります。私は、本日、地域愛について市の御見解を伺った自らの初質問と、市民の皆様が地域への愛着と誇りを抱き続けることができるまちづくりに努めると、市長に御答弁の中でお約束いただいた内容を、決して忘れることなく、今後の議会活動及び議員活動、その全ての基盤として、これを生かしてまいります。笑顔あふれるまち江別市が目指す姿として、後藤市長が掲げておられるこの言葉に、市長が多方向から込められた思いと市長御自身の江別市への愛着とプライドを、私は信じております。そして、このたびの質問作成の過程に携わってくださいました全ての方々へ敬意と感謝を表し、私の初めての一般質問を終わらせていただきます。

出典:江別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月14日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる