みんなの議会

江別市議会 平成28年第3回定例会 2016年9月14日

北海道林木育種場旧庁舎の保存と利活用について

2016年9月14日、江別市議会の一般質問で、本間憲一議員が「北海道林木育種場旧庁舎の保存と利活用について」質問し、教育長 月田健二が答弁しました。

質問者
本間憲一 議員
答弁者
教育長 月田健二

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の目次の表記です。

質問 本間憲一

議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。今回は、北海道林木育種場旧庁舎についてお伺いいたします。北海道林木育種場旧庁舎は、市のホームページによりますと、昭和2年に建築され、石材、木材を巧みに組み合わせた構造、外観を持ち、大正、昭和初期に流行した、いわゆるハーフテンバーを基調としたもので、端正で均整のとれた上質な外観意匠を持っているとのことであり、そして、内部についても、林木育種場庁舎ということから、木製ドアや腰壁板、木製窓枠などのすぐれた意匠が見られ、豊かな空間を形成しており、当時の状態の部分が相当数残されており、さらには、階段手すり、床仕上げなどに技量の高さをうかがわせる左官工事もなされているようで、大正、昭和初期の建築物、特に庁舎建築物の中で、現存するものが少ない点からも貴重なものであると書かれております。また、明治時代から、野幌国有林において北海道林業にかかわる研究が広く行われ、北海道林木育種場旧庁舎は、昭和の時代に入ってからの林業研究のかなめとなっていたことから、江別市の歴史的背景を特徴づける重要な建物であります。また、文京台地区に広がる緑の丘陵地のほぼ頂部に位置するこの建物は、国道12号を札幌方面から江別市内へ向かう車中からも遠望できる江別市の貴重なランドマークの一つでもありますと表現されております。このような特徴を持つ旧庁舎でありますが、取得の経緯については、平成8年に当時の林野庁から打診があり、理事者会議、文化財保護委員会、郷土資料館の審議会などを経て、貴重な建物であるとのことから、平成10年から平成14年までの4年間の貸与期間、いわゆるお試し期間の後、同平成14年に1億2,668万691円で国から保存を目的に正式に取得をしたと伺っております。また、これまでの間、貸与期間中に建物耐震診断と劣化診断として約280万円、平成12年に屋根のふきかえ工事として約1,430万円、床の改修工事として約350万円、翌平成13年に1階内部改修工事として約1,200万円、平成16年には南側の壁、サイディング工事、2階天井と壁の工事として約290万円と、今までに合計約3,550万円をかけてきたと聞いております。そして、今年度は、さらに外壁モルタル補修などの工事を予定しているとのことであります。このように長年にわたり、当初の保存目的を果たすために、相当の補修・改修工事を繰り返してきたわけでありますが、今年度予定工事も含めて、今後も相当の補修・改修工事が予想されるものと考えるところであります。建造物は例外なく、劣化や傷みが進むことは避けられないことであり、経年による自然の傷みや、物理的な理由で建造物が傷むことは当然とも考えます。そのような中、この間の利活用としては、主に野幌原始林を訪れた皆様方の休憩スペースとしての開放や、地域の自治会等の会議や打ち合わせに使われている状況が続いております。担当部のお話によりますと、保存が大前提であり、当初の目的は果たされているが、建物のPRはもっと必要であると考えるとのことでありました。ここで、登録有形文化財について少し触れさせていただきます。この林木育種場旧庁舎は、江別市が希望をして、国に登録の申請をし、文部科学大臣によって文化財登録原簿に記載されたわけでありますが、登録有形文化財とは、建造物である有形文化財のうち、その文化財としての価値に鑑み、保存及び活用のための措置が特に必要とされるものとして登録されたものをいうとあります。繰り返しますが、保存及び活用のための措置が特に必要とされるものとあるわけでありまして、この点、保存については一定程度なされていると考えるところでありますが、活用という点では、十分ではないのではないかと思うところであります。来月5日には、旧庁舎の一般公開、説明つきの見学会を1時間程度、1日限定での公開が予定されておりますが、この旧庁舎の価値が明らかにされ、市民の皆様方に情報共有されることや、地域の歴史文化についての市民の皆様方の理解が深まることはとても重要で、多くの方々にお越しいただけることを期待するところであります。さらには、地域の文化財の価値を魅力的な形でわかりやすく皆様に提示することで、文化財保護において、地域との連携協力が推進されることも期待したく思っているところであります。このような経緯を踏まえて、今回は五つの視点から、市としての現在の状況や今後の利活用、そして保存についてのお考えをお伺いさせていただきます。まず1点目、先ほど申し上げました現在の旧庁舎の活用状況についてでありますが、主に野幌原始林を訪れた皆様方への休憩スペースとしての開放や、自治会等の会議がどの程度利用されているものなのか、また、これ以外の利活用として、何かなされているものがあるのかないのかをお伺いさせていただきます。2点目に、現在及び今後、当面の維持管理についてであります。まず、補修・改修工事を除く定期的にかかる年間の維持管理として、どのような経費で、年間にどれくらいの経費がかかっているのか、そして、今年度予定されている補修・改修工事の後、今後、当面想定されている保存のための補修・改修工事として、いつごろ、どのような工事が必要で、幾らくらいかかるのかというようなことを掌握されているのかお伺いさせていただきます。次に、3点目でありますが、平成21年に、保存の枠を超えて、民間活用の募集を開始したわけでありますが、これまでの間に、どのような、そしてどれくらいの利活用検討の申し出があったのか、また、活用までに至らなかった主な理由としては、どのような事由があったのかをお伺いさせていただきます。4点目、旧庁舎のこれからの利活用についてであります。長年にわたり、保存目的のために補修・改修工事を繰り返してまいりました。そして、保存の枠を超えて民間活用の募集も行ってきたわけでありますが、残念ながら十分な利活用が現時点までになされてきたとは言えない状況であると考えるところであります。そこで、今後の利活用について、今までどおりあくまでも民間活用の募集を行っていくのか、幾つかの活用の申し出がありながら、活用に至らなかった事由を解消していき、新たな民間活用への道を市として開いていくのか、また、現時点で何か新しい活用のお話やお考えをお持ちであるのかないのか。近年は地域の伝統文化を活用した魅力ある地域づくりが重要視されており、地域において文化財に期待される役割は多様化していると考えるところから、お伺いさせていただきます。最後に、保存についてお伺いさせていただきます。まず初めに、保存の考え方でありますが、私は、保存とは、一般的には現状以上に悪くしない、現状のままを維持する、傷みの速度をおくらせることと考えております。また、修復とは、一般的には当初の性能まで戻す、回復させることと考えますが、保存の面から見れば、どのように努力してもつくられたときの姿にまで戻すことは不可能であり、現状維持が相応かと考えております。そこで、当初取得の目的となりました保存、この保存の目的とは、いつまで、または、どれくらいの期間保存を行えば達せられたと考えていらっしゃるのかお伺いさせていただきます。以上で、1回目の質問を終わらせていただきます。

答弁 教育長 月田健二(教育長は2020年6月まで)

私から、北海道林木育種場旧庁舎の保存と利活用について御答弁申し上げます。まず、旧庁舎の現在の活用状況についてでありますが、北海道林木育種場旧庁舎は、昭和2年の建築以来、北海道の林業を支える研究施設として活用され、平成8年、隣接地に新庁舎の建設があり、その役目を終えております。建物は、当時流行したハーフテンバーと呼ばれる柱やはりなどを外部に見せる建築法が用いられ、均整のとれた外観意匠を持ち、内部にも大理石を用いるなど、原始林の入り口にたたずむシンボリックな建物として、昭和初期を代表する庁舎建築物であります。道内においても、大正、昭和初期の庁舎建築物の中で現存するものは少なく、また、北海道の林業史を物語る貴重な建物でもあり、このような歴史的な価値が認められ、平成13年度に国の登録有形文化財として登録されたところであります。市では、平成10年度から国から賃借する形で保存・活用し、地域の歴史的な遺産を活用した個性的なまちづくりを進めるため、絵になる江別という政策の一環として、平成14年1月に取得し、現在に至っており、登録有形文化財の趣旨である外観の保存、公開を重要と考え、必要な補修等を行いながら、歴史的な価値のある外観を多くの市民にごらんいただけるよう整備してきたところであります。また、建物の内部については、野幌森林公園に近接する利点を生かし、野幌森林公園を訪れる市民のための休憩所として、週末や祝日に一般開放しているほか、地元自治会等の会合の場や埋蔵文化財の整理室等として利用に供しているところであります。次に、旧庁舎の現在及び当面の維持管理についてでありますが、維持管理に要する費用は年間200万円程度であり、その内訳は、一般開放に係る管理委託料、機械警備委託、光熱水費等となっております。旧庁舎は、登録有形文化財として、その外観が歴史的価値の高いものとして評価されておりますことから、これまでも外観を損なわないよう配慮しながら、建物の保存に必要な整備として、雨漏りを防ぐための屋根や外壁の補修を行ってきたところであります。今後、いつごろ、どのような工事が必要かとの御質問でありますが、想定される経費といたしましては、維持管理に必要な経費のほか、建物の保存に係る外観の改修工事経費が必要になるものと想定されます。教育委員会といたしましては、専門家の意見を取り入れ、計画的に対応していかなければならないものと考えております。次に、旧庁舎の現在までの利活用の申し出についてでありますが、林木育種場旧庁舎の活用に当たっての公募要件では、土地と建物については長期無償貸し付けとし、施設整備については事業者が行うと定めております。事業者に向けた公募は、平成21年度から開始し、これまでの間に飲食店や野幌森林公園と合わせた活用など、合わせて12件の問い合わせや申し出がありましたが、旧庁舎はその用途によって、都市計画法上の用途地域、また建築基準法上の構造強度、さらに消防法上の防火・避難規程などさまざまな制約があり、改修に向けて多額の経費が必要となることから、いずれも正規の応募には至りませんでした。現在も、応募期限を設けず、募集を継続しているところであります。次に、旧庁舎のこれからの利活用についてでありますが、今後の利活用については、先ほど申し上げた理由により、法令上の制約や費用の問題があり、現時点では、事業者等からの利活用の申し出はない状況であります。しかしながら、登録有形文化財である旧庁舎は、歴史的建造物としての外観を生かしながら、新たな用途に積極的に活用していくことが、文化財の魅力を広く伝える手法として有効であるため、利活用のPRと公募を継続してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、利活用の事業者等が決定するまでの間は、当面、現状のままで市民の利用に供していきたいと考えておりますが、今後、新たな民間活用の手法や考え方について、引き続き検討してまいりたいと考えております。次に、旧庁舎の保存についてでありますが、平成25年度に江別市大学連携調査研究事業として、歴史的建造物等の保存活用による地域環境保全と地域振興策に関する調査研究報告をいただきました。その報告の中では、国道12号からの視認性を高めることでランドマークとしての活用が可能となることや、自然豊かな周辺環境の活用として、四大学を結ぶフットパスの整備検討など、今後の活用に向けた提案を含めた報告がなされました。文化財登録制度は、時代とともに社会的評価を受ける間もなく、消滅の危機にさらされている文化財を、後世に幅広く継承していくための保存と活用の措置でありますことから、教育委員会といたしましては、地域の歴史的な遺産を活用した個性的なまちづくりを進めるという取得時の考えに基づき、旧庁舎を適切に保存し、後世へ残していきたいと考えております。以上であります。

質問 本間憲一

丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございました。それでは、2回目の質問をさせていただきます。まず一つ目に、2項目めの当面の維持管理についてお伺いさせていただきます。保存についての御答弁で、適切に保存し、後世へ残していきたいと考えておりますとのことでありましたが、この当面の維持管理についての御答弁では、これからは専門家の意見を取り入れて、補修・改修・維持について、計画的に対応していかなければならないとのお考えのようでございますが、担当部にお伺いしたところ、現時点では、中長期的な補修・改修・維持についての計画は策定していないとのことであります。私は、適切に保存をしていくとおっしゃるのならば、保存のための中長期的な計画をつくるべきだと考えております。先ほど申し上げましたけれども、平成12年に屋根のふきかえ工事を行いました。それからもう16年経過しています。間もなくそういった工事もまた必要になってくるでしょう。目に見える先にある程度想定される改修工事、補修がわかるわけですから、その計画をつくるべきだというふうに考えますが、いかがお考えでしょうか。次に、4項目めのこれからの利活用についてお伺いいたします。平成21年から民間活用の公募を開始され、御答弁にもありましたとおり、法令上の制約や多額にかかる費用の問題があり、今日までの間に活用に至らないことが明らかになったわけであります。活用のためにネックとなっている問題が明らかになったわけでありますから、そこを解決しない限り、御答弁にありました新たな用途に積極的に活用していくということにはつながらない、難しいのではないかと思いますがいかがでしょうか。お考えをお伺いいたします。次に、5項目め、保存についてでありますが、2008年の5月に、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律、通称歴史まちづくり法が公布されました。私は、これからは市として、地域における幅広い文化財の調査や、文化財保護に関する総合的な計画策定が必要なのではないかと考えるところであります。地域の歴史文化の特性を明らかにし、文化財やその周辺環境の保護の方向性を示すことも大切なことではないかと考えておりますが、全国的に見ると、江別市も含めて多くの自治体で文化財保護条例などを制定し、都道府県や市町村単位で文化財の指定や補助金交付、調査研究を行いながら地域レベルでの文化財を守る、そういった取り組みが進められてきております。できるだけ多くの市民の皆様方に、より一層地域の歴史と文化を正しく、そして深く理解していただくためにも、林木育種場旧庁舎保存に向け、総合的な計画策定が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。以上で、2回目の質問を終わらせていただきます。

答弁 教育長 月田健二(教育長は2020年6月まで)

私から、旧庁舎の現在及び当面の維持管理についてほか2点の再質問に御答弁申し上げます。旧庁舎の維持管理に関連して、中長期的な保存に向けての改修計画をつくるべきとのことでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、旧庁舎は、登録有形文化財として、その外観が歴史的価値の高いものとして評価されておりますことから、建物の保存に必要な整備として、屋根や外壁等の改修を行ってきているところであります。これまでも、建築技師、大学教授等の専門的な見地からの助言を受け、緊急性の高いものから修繕を行ってきております。教育委員会といたしましては、旧庁舎の維持管理につきましては、補修を含め、どのような計画が必要となるのか、引き続き、建築物の保全に係る知識を有する専門家と相談しながら、検討してまいりたいと考えております。次に、旧庁舎のこれからの利活用についての再質問に御答弁申し上げます。今後の利活用につきましては、法令上の制約や費用の問題があり、現時点では事業者等からの利活用の申し出がない状況であります。教育委員会といたしましては、新たな民間活用の手法としてどのようなものが考えられるのか、全国的な先進事例を調査研究してまいりたいと考えております。平成21年度から7年間にわたり、公募に応じる事業者がなかった現状を踏まえ、公募条件を改めて検証するとともに、事業者が投資に前向きとなるような公募条件の見直しについても検討を進めてまいりたいと考えております。次に、旧庁舎の保存に関連して、総合的な計画策定が必要とのことでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、旧庁舎は、登録有形文化財として、その外観が歴史的価値の高いものとして評価されておりますことから、建物の保存に必要な整備として、屋根や外壁等の改修を行ってきているところであります。教育委員会といたしましては、地域の歴史的な遺産を活用した個性的なまちづくりを進めるという取得時の考え方に基づき、旧庁舎を適切に保存し、後世へ残すことが重要と考えておりますことから、今後の旧庁舎の保存につきましては、補修を含め、どのような計画が必要となるのか、引き続き専門家と相談しながら検討してまいりたいと考えております。以上であります。

質問 本間憲一

御答弁ありがとうございました。旧庁舎のこれからの利活用について、公募条件の検証、それから見直しを行っていただけるということで、一歩前進かというふうに考えるところでありますので、一日も早く、この林木育種場旧庁舎のさらなる利活用がされることを願って、私からの質問を終わらせていただきます。

出典:江別市議会 平成28年第3回定例会 2016年9月14日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる