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美唄市議会 令和8年第2回定例会 2026年6月19日

生活観光行政について

2026年6月19日、美唄市議会の一般質問で、森明人議員が「生活観光行政について」質問し、市長 桜井恒が答弁しました。

質問者
森明人 議員
答弁者
市長 桜井恒

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 森明人

令和8年第2回定例会において、大綱1点、生活観光行政についてお伺いいたします。生活観光を軸とした地域活性化と農業、飲食業、地域産業の継承についてお伺いいたします。初めに、生活観光の意義でありますが、私は今回、生活観光を軸とした地域活性化とそれを通じた農業、飲食業、地域産業の継承について質問いたします。近年、観光の在り方は大きく変わってきております。かつて有名な観光地に行って写真を撮ってお土産を買って帰る、これが主流でありました。しかし、今はその土地に暮らす人の生活や価値観に触れたい、地域の一員のように過ごしてみたいというニーズが高まっております。この流れの中、注目されているのが生活観光であります。観光客がお客さんではなく、一時的な地域の仲間として過ごすこと、地域の暮らし、仕事、食、文化を体験と対話を通じて、理解していただく。その出会いが関係人口、移住、産業継承へとつながっていくこと、こうした環境を作ることが生活観光の本質だと考えております。美唄市の魅力は、観光パンフレットに載る作られた非日常ではなく、市民の皆さんが日々営んでいる本物の日常そのものです。田んぼの季節ごとの表情、炭鉱の記憶が残る町並みと人のつながり、アルテピアッツァでの静かな時の流れ、宮島沼とともにある暮らし、美唄焼き鳥をはじめとする地域の食卓の味、これら全ては生活観光の視点で見れば、世界に一つしかない観光資源であります。しかし、その一方で、現場ではこんな声が聞こえております。「跡取りがいない」、「自分の代に終わりにするしかない。でも、本当は残したい」、「続けてほしい」この声をどう受け止めるか、ここに生活観光を単なる観光メニューではなく、地域政策の柱と位置付けることに意味があると考えております。美唄市の現状と課題ですが、美唄市は豊かな農地と自然、炭鉱の歴史、アート、食文化を持ちながらも、人口減少、高齢化、産業構造の変化という大きな波の中にあります。農業は高齢化が進み、担い手不足が深刻化、規模拡大が難しい中小規模農家が多く、「続けたいが後がいない」という声、飲食業・食文化については、美唄焼き鳥をはじめとする地域の味が店主の高齢化とともに消えつつあります。店を閉めたらこの味はもう終わりという不安。地域産業加工業については、小さな工場や加工場が静かにシャッターを下ろしていく、技術やノウハウが人と一緒に消えていく現実。こうした現状は、統計だけでは見えてこない、現場の肌感覚としての危機であります。一方、美唄市では、まだまだ余白があると感じております。観光地として過剰に消費されていないこと。生活と観光の距離が近く、暮らしの中に入ってもらいやすいこと。農業、食、自然がコンパクトなエリアに共存していること。だからこそ、今の段階で生活観光という視点を持ち、暮らしと観光、産業と観光をどう結び付けるかを考えることが重要だと考えております。農業、飲食業、地域産業の現場の声ですが、ここで少し現場の声を具体的に共有させていただきたいと思います。農業の現場からは、ある農家の方はこう話してました。「この田んぼは親の代から守ってきた。でも、子どもは別の仕事をしている。体力的にもいつまで続けられるか分からない。本当はこの景色を残したい」田んぼの景色は観光のポスターに使われる美しい景色でありますが、その裏には1人の農家の人生と葛藤があります。飲食業の現場では、「うちの味はレシピだけではない。体と感覚で覚えた。それを教える相手がいない、店を閉めたら、この味はもう二度と戻ってこない」美唄焼き鳥をはじめとする地域の味は単なるメニューではなく、地域の記憶そのものであります。地域産業の現場からは、小さな加工場はこう話していました。「私のようなやり方は、父親から叩き込まれてました。機械を新しくすれば、楽になる、早くなるかもしれない。ですが、うちの味や品質は昔ながらのやり方だから出せる。でも継ぐ人がいない」、ここでは、効率では計かり切れない価値があります。生活観光はこういった現場の声と非常に相性が良いと考えております。農業の現場に都市部の人や若者、移住希望者が入り、一緒に田植えをする、収穫を体験する、農家の食卓を囲む、飲食店で仕込みから一緒にやってみる、店主の話を聞きながら食べる。地域産業では、工場見学ではなく、実際の作業の一部を体験する、職人の手元を間近で見る、こうした体験は単なる観光メニューではなく、この仕事をやってみたい、この地域と関わり続けたいという気持ちを生み出すきっかけになります。つまり生活観光は、関係人口を増やす手段であり、移住希望者を生み出すきっかけであり、後継者候補と現場をつなぐ出会いの場になり得る。そうした多重の意味を持つと考えております。このような現状と可能性を踏まえた上で質問させていただきたいと思います。生活観光の位置付けについて、まず初めに、本市の観光施策について、生活観光をどのように位置付けているのかお伺いします。また、生活観光の可能性を正式に調査、研究するための庁内プロジェクトチームやワーキンググループの設置について、市の見解をお伺いしたいと思います。次に、関係人口・移住促進と連携について、生活観光と移住体験ツアーを一体化した新たなプログラムを検討する意思はあるかお伺いします。次に、農業・飲食業・地域産業の継承について、市内の農業、飲食店、食品加工業者、地域産業の方から私は次のような声を伺っています。「跡取りがいない」、「自分の代で終わりにするしかない、でも本当は残したい、続けてほしい」。農業では、高齢化が進み、担い手不足が深刻であります。飲食業では、美唄焼き鳥をはじめとする地域の味が失われつつあります。地域産業でも、技術やノウハウが継承されないまま消えていく例が増えております。生活観光は地域の暮らし、食、産業を体験、交流、学びとして伝えることができ、後継者候補や関係人口の創出につながる可能性があります。そこで、生活観光と連動させながら、農業・飲食業・地域産業の技術継承や後継者確保を支援する仕組みを市として検討する考えはあるか、お尋ねします。

答弁 市長 桜井恒

森議員の質問にお答えします。生活観光を軸とした地域活性化と事業継承についてでありますが、生活観光は、地域住民の日常の暮らしや仕事、食文化、自然環境など、地域固有の営みそのものに価値を見いだし、来訪者との交流を通じて、地域への理解を深める観光の考え方であるとされ、関係人口の創出や移住促進、地域文化継承・事業継承などにつながる施策となる可能性があるとして、30年以上研究や実践されてきた考え方であると認識しております。本市の第7期総合計画基本構想後期基本計画や観光ビジョンにおいては、この生活観光の考え方は盛り込まれておりませんが、これまで本市では関係団体と連携しながら、地域資源を活用した観光地づくりの推進や、トマーレびばいなどの短期宿泊、グリーンツーリズムなどでの農泊、企業研修の受入れなどを行っており、生活観光に類似した考え方である滞在型観光や暮らしの体験、ワーケーションなどについて取り組んでまいりました。本市には農業がおりなす農村景観、炭鉱の歴史や文化、宮島沼の自然環境、アルテピアッツァ美唄をはじめとする芸術文化、さらにはとりめしや美唄焼き鳥などの食文化、市民の皆様が日々築き上げてきた地域資源が数多く存在しており、それぞれが生活観光の視点と親和性が高いものと考えております。一方で、生活観光は、観光分野のみならず、地域振興、産業振興、移住・定住、文化財保護など幅広い分野との連携が必要であることから、まずは先進事例や本市の実情を検証しながら、市内団体等との情報共有を深め、どのように施策などへの展開につなげられるか、調査研究したいと考えております。次に、関係人口・移住促進との連携についてでありますが、本市では、人口減少や少子高齢化が進行する中、移住・定住の促進とともに、地域と継続的に関わる関係人口の創出、拡大を重要な取組として進めております。このためシティプロモーションの推進やふるさと美唄応援団制度の実施などを通じて、本市に関心や愛着を持ち、継続的に関わりを持っていただける方々とのつながりの深化に取り組んでいるところであります。生活観光につきましては、地域の暮らしや文化、人々との交流などに深く触れていただく機会であり、本市の魅力を実体験として感じていただくことを通じて、地域への愛着や関係性を生み出す契機となり得るものと考えております。こうした生活観光の視点は、現在実施しております移住体験プログラム等においても、親和性が高いものであります。そのため、今後は既存プログラムにおきましても、地域住民との対話やより具体的な暮らしの体験を重視した内容へのブラッシュアップを図ってまいります。また、新たなプログラムの検討につきましては、単なる観光施策としてでなく、移住・定住を見据えた美唄の暮らしの体験という観点から、庁内横断的な視点を持って、地域の方々の受入れ体制や、実施効果を慎重に見極めつつ、実現可能な手法について検討を進めてまいります。次に、農業・飲食業・地域産業の承継についてでありますが、本市の農業、飲食業、食品加工業、地域産業においては、担い手不足や後継者不足が大きな課題となっております。また、そこには産業だけではなく、長年培われた技術や経験、地域の歴史や文化が含まれており、その承継は、本市の地域力を維持していく上で重要な課題であると認識しております。農業では、農業後継者となる新規学卒者やUターン者、新規参入者などの多様な人材確保や育成、異業種からの参入支援などを行うことで、持続的な発展を目指しており、市内企業に対しては、中小企業等振興補助事業にて、事業承継や人材育成に対し助成を行ってまいりました。生活観光の視点に立てば、農作業体験や地域食文化の体験者づくりの現場見学や体験などを通じて、地域産業の魅力や価値を伝える場が生まれ、関係人口の創出や将来的な担い手確保につながる可能性があるものと感じております。しかしながら、後継者確保には、事業承継支援や就業支援、移住・定住施策など、総合的な取組が必要でありますことから、関係機関とも情報共有しながら、生活観光による交流人口、関係人口の拡大と産業振興施策との連携について理解を深めてまいりたいと考えております。今後も、本市の農業、食文化、地域産業などの貴重な地域資源を次世代に引き継ぐため、多様な各分野との連携を図りながら、持続可能な地域づくりに取り組んでまいります。以上でございます。

再質問 10番 森明人

再質問をさせていただきたいと思います。生活観光の調査研究の具体化についてですが、先ほどご答弁では生活観光について、先進事例の検証や市内団体との情報共有を深めながら調査研究を進めるとのことでした。しかし、調査研究という言葉は非常に幅が広く、何をどの部署が、どの期間でどのレベルまで行うのかが明確ではありません。そこでお伺いします。担当部署、主幹はどちらになるのか。また、検討の進め方、庁内横断か、また、外部有識者を入れるのか。また、検討期間でありますが、年度内か又は中期的か。次に、成果物として報告書、方針案やモデル事業の立案など、これらをどのように想定しているのかお伺いしたいと思います。次に、移住体験プログラムの生活観光化の実行時期についてでありますが、ご答弁では、既存の移住体験プログラムを地域住民との対話や暮らし体験を重視した内容へブラッシュアップするとありました。これは非常に重要な方向性ですが、いつからどのように改善するかが示されておりません。そこでお伺いしたいと思います。移住体験プログラムのブラッシュアップについて、令和7年度から具体的に内容を変更するのか。次に、モデル的に一部地域で先行実施するのか。次に、生活観光の視点を取り入れた新メニュー、農家訪問、食文化経験、職人との対話などを試行する予定はあるのか。これらの実施時期と進め方について質問したいと思います。次に、産業承継支援と生活観光の連携の仕組みについてでありますが、ご答弁では、生活観光が担い手確保につながる可能性に触れつつも、事業承継支援や移住施策などの総合的な取組が必要と述べられました。しかし、現場の機関は、総合的な取組が必要という一般論では解決いたしません。農家・飲食店・加工業の皆様は今まさに消えようとしている畑・技術・味をどう守るかという切迫した課題を抱えております。そこでお伺いします。生活観光と産業継承を連動させさせるために、まず、後継者候補と現場をつなぐ体験型マッチングについて。次に、技術承継を目的とした短期間弟子入りプログラムについて。次に、市がコーディネーター役となる産業承継支援窓口など、具体的な仕組みづくりを検討する考えはあるかお伺いします。市として単なる情報共有にとどまらず、仕組みとして残し、制度として支える方向性を持つのかどうか、明確な見解を求めます。よろしくお願いします。

答弁 市長 桜井恒

森議員の質問にお答えします。生活観光を軸とした地域活性化と事業承継についてでありますが、まず、生活観光の調査研究の具体化につきましては、体験型観光や暮らし体験などは、これまで同様の事業を市で取り組んでおり、包括的な理念である生活観光という考え方を念頭に深めてはおりませんでした。今後は、経済部が中心となり、観光客の受入れ態勢の再確認や承継を希望する企業等の情報収集、人と企業をつなぐ手法について、複数年の中期的な取組になると思われますが、専門的知見のある団体の協力を得ながら検討してまいりたいと考えております。次に、移住体験プログラムの生活観光化の実行時期につきましては、現在、移住希望者への相談窓口の設置や市内の一日案内を継続して実施しております。この案内では、事前に皆様のニーズをお伺いし、市役所や金融機関、お店などの買物環境はどうなっているのか。万が一の病気や事故に備える病院はどこか。学校や子育て福祉施設にはどのようなものがあるのか。さらには、美唄のおいしい食や観光資源を見てみたいといった個別のご要望に沿ったきめ細やかな案内を展開しているところであります。ご提案のありました生活観光の視点を取り入れた展開に当たりましても、こうした日頃の相談や案内の機会を通じて、移住希望者が美唄の暮らしのどこに、より強い関心を持っているのかというリアルなニーズを丁寧に把握することが最優先であると考えておりますことから、具体的な進め方としましては、まずは、これらの既存の市内案内等の取組の中で取り入れてまいりたいと考えております。最後に、産業承継支援と生活観光の連携の仕組みにつきましては、農業・飲食業・地域産業の担い手不足や後継者不足が喫緊の課題となっている現在、その対策の組合せとして、生活観光と産業承継を連動させ、マッチングや体験プログラム、さらには相談窓口など、様々な具体的な仕組みが必要であると認識しております。生活観光については、観光分野のみならず、地域振興、産業振興、移住定住、歴史や文化など幅広い分野との連携が必要であることから、市内外の関係機関との連携や情報共有、専門団体などの支援を受けながら、必要な対応を検討してまいります。なお、事業承継に時間がない、事業承継の方法が分からないなどという場合には、商工会議所などと連携しながら、専門知識がある団体への取次ぎなど、可能な方法について紹介してまいります。以上でございます。

出典:美唄市議会 令和8年第2回定例会 2026年6月19日 議事録 PDF(22ページ) 間違いを知らせる