網走市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月11日
水産業について
2024年9月11日、網走市議会の一般質問で、小田部照議員が「水産業について」質問し、農林水産部長 佐藤岳郎が答弁しました。
- 質問者
- 小田部照 議員
- 答弁者
- 農林水産部長 佐藤岳郎
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 小田部照
-登壇- 早速質問に入ります。私からは1点であります。網走の経済活動の大きな基盤となっている重要な基幹産業、水産業について伺います。近年の状況ですが、北海道の漁業は気候変動、温暖化の影響を受け、大きな変化が起きているのだと思います。気候変動に伴う、海水温の上昇や海流の変化が魚の生態や分布に直接的な影響を与え、漁獲量の減少や資源の枯渇が懸念されているところであります。各地の名産と言われた魚が急激に減少し、その一方で、これまで地域でなじみのなかった魚が水揚げされる事例も相次いでおります。先日、函館にカツオが水揚げされたとテレビ報道でありました。地域住民の方は脂が乗っておいしいと喜んでいる一方で、やはり漁師さんにとっては、当たり前にイカとか入ってくれなくてカツオが入っている、これでは困るというような報道がありました。この網走でも名産と言われたオホーツクサーモン、マスですね、これ近年全然見られません。カニもそうですが。また、定置網にはブリやシイラ、フグ、サバ、マグロ、先日にはエイも入ったそうであります。このように寒冷な海域を好む魚が減少し、逆に温暖な水域に生息する魚種が増えているという傾向にあります。また、温暖化の影響で台風や強風、暴風雨といった異常気象が増加すると、漁業にも大きな影響を与えます。昨年には、大しけによる能取湖のホタテ稚貝のへい死がありました。被害総額約7億円と漁業者の経営に大きな影響を与える深刻な事態が起こりました。このように様々な出来事が近年あるようですが、近年の状況、当市はどのように捉えているのか伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
まず、近年の当市の水揚げの状況について御説明をさせていただきたいと思いますけれども、過去5年間の総漁獲量は、おおむね5万トンから6万トンの間、取扱高にすると、100億円から140億円台で推移をしておりまして、2023年は漁獲量5万5,908トン、取扱高135億円と大きな変動は見られておりません。しかしながら、今議員お話のとおり、魚種別に見ると、サケやマス、それからカニ類、ウニについては近年漁獲量の減少が見られておりまして、また、網走湖のシジミ資源の減少、それからワカサギの記録的な不漁、それから昨年春には今お話ありました能取湖のホタテ稚貝のへい死など、様々な問題が発生してきております。また、以前はあまり見られなかったブリ、フグ、サバなどが定置網で漁獲されたり、マグロが混獲されたり、また沿岸域ではキタムラサキウニが見られるなど、温暖化によるものと思われる魚種の変化なども見られてきている状況となっていると認識しております。
質問 小田部照
水揚げ的な金額で言えば、数字だけ見ると横ばいのような状況で変わりないように見えるのですが、答弁でもあったとおり、なかなか海は大きな変化のときだと思います。今年、今シーズンの課題や現状でありますが、今シーズンといえば、スケソウダラが、ニシンが大漁して、またタコなどは昨年の倍近くも水揚げされてうれしい限りでありますが、一方で、先ほども言ったように、マスはほとんど見られません。カニも年々水揚げがありません。そして、今シーズンはなぜかウニが壊滅的におりません。そして、今ちょうど作業中、西のほうはまだ作業が残っていますが、ホタテの稚貝の幼生、種苗、ラーバ、これがつかない。非常につきが悪くて、網走のほうでは一通り終わりまして約5割。西のほうでは3割程度しか分散作業、終えられておりません。これは私の記憶のある限りでは、なかなかこんな状況はこれまでないような大変な事態となっております。これは一つ一つ確認していきたいのですが、まずは、このウニ資源、これも全道的な問題のようですが、網走におけるウニ資源の減少は、今シーズン特に深刻な状態にあるようであります。これには様々な要因が影響しているのでしょうが、海水温が上昇し、ウニの生態環境が悪化した。また特に、夏の水温が上がることで、ウニが生存できる範囲が狭まり、生息数が減少し、冷たい海域を好むため、温暖化の影響で繁殖力が低下し、幼生期の成長も厳しくなっている。または、ウニの主要な餌である海藻が減少していることも大きな要因だと、全道的には言われておりますが、この網走の現状、こういった要因は、当市としてはどのように捉えているのか伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
ウニの漁獲量についてですが、この5年間においても減少傾向になっておりますけれども、本年度については、8月末の漁獲量で、対前年同月比になりますけれども、約23%の0.5トン。金額でお示ししますと、同じく対前年同月比で約30%の2,000万円弱と、非常に厳しい状況になっているというふうに認識をしております。ウニについては、例年、流氷明け以降、漁獲が増加するということになっておりますけれども、今年については、ウニの姿が見えず漁獲が少ないという話があります。例年8月に漁協で実施する、このウニの資源量の調査が行われているのですけれども、ここについても資源量の減少が確認されているという報告を受けているところであります。要因についてですけれども、詳細な原因についてはまだわかっておりませんけれども、昨年の酷暑による影響、幼生が産卵しなかったのではないかとか、今年は流氷の接岸時期が長かったことによって、流氷による影響があったのではないかというふうにも言われております。この資源の減少を受けて、既に漁協のほうでは深浅移殖、深いところから浅い漁場のほうに移殖するということを実施しましたけれども、やはり深い場所にもウニが少なかったという話が出ているところで、既に漁協との協議も開始をしているところでございます。
質問 小田部照
原因は特定されていないというようなお話ですが、いろいろな要因はあるのでしょう。少なくとも温暖化の影響は少なからず受けているのだと思います。今、深みから浅瀬のほうに移殖の話も出ていましたが、移殖するようなウニ個体そのものがいないのだよというような話を聞いております。一度枯渇されてしまったウニ資源、これを回復させていくというのは大変なことなのだろうと思います。網走湖で言えばシジミみたいなもので、特に自然環境の変化が大きな影響を与えているため、自然回復の道筋をつけていくことが非常に困難であります。ウニの養殖技術を導入しております、今。してはいますが、そして資源管理を徹底することで、ウニ資源の回復を目指す取組が進められてはおりますが、ウニの漁獲可能となる5センチ前後のものになるまでは四、五年かかると言われております。次年度以降の漁獲がどうなるのか、非常に心配しているところでありますが、急になかったウニが来年は湧き出てくるわけもないでしょうし、養殖の状況を含めてどのような状況にあるのか伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
今、先ほど、既に漁協と協議を開始しているというお話をさせていただきました。これは次年度以降に向けて対策を協議するということですけれども、今議員お話のとおり、次年度以降の対策の詳細ということについてはまだ、今後協議が必要と考えておりますけれども、先ほどの深浅移殖、それから今お話あった籠養殖の追加、それから人工種苗の放流、そこから種苗生産の試験などということを検討しているところでございます。また、今お話ありました、急にウニが発生しないというのは藻場の状況というのも重要になってくると思うのですけれども、この藻場については、これも現段階で確定の情報ではありませんけれども、網走沿岸海域においては一部昆布の生育不良、それから藻場の喪失などが見られたという情報もいただいているところでありまして、今後こうした事象、当市もふるさと納税への影響も懸念されているということで、市長からも対策を行うようにということで既に指示を受けておりますので、令和7年度に向けて、今のような養殖試験の充実について考えていきたいというふうに考えているところでございます。
質問 小田部照
今御答弁いただきました。養殖拡充なり拡大させていかないと、今の数量ではとても追いつけるような状況ではないので、もうちょっと規模を拡大していくのがいいのかも含めて、よく協議していかなくてはいけないのだと思いますが、このウニ資源の枯渇に対応するためには、漁業者、行政、北海道、関係機関が協力し、持続可能な漁業の推進に当たることが極めて重要であります。ウニの生態系を保全するための取組、さらには海洋環境全体の改善に向けた施策が求められているのだと、私は考えております。各地域では、先ほど御答弁もあったように、磯焼けというものが各地域で起きています。網走でも一部あるのではというようなお話も聞いていますが、各地域ではこの藻場、藻場の再生プロジェクトのようなものが進められてきております。これに対する必要性、私はそろそろこういうことを考えていかなくてはいけないのだろうと思っておりますが、その辺の当市の考えを伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
今、藻場環境の改善ということで、日本製鉄のビバリーユニットという事業があって、道内では増毛とか泊村とか、あと古平町などで実施をされており、この効果についてもある程度は実証がされてきているものというふうに認識をしてございます。当市においても、こういう藻場の再生のプロジェクトも含めて、今後検討が必要な事態になればということで考えておりますけれども、まずは来年以降、ウニの生息、先ほどの急には生まれないというのもあるのですけれども、まだ生態もはっきり、幼生もそうですし種苗の関係も解明がされていない部分もありますので、今議員お話のとおり、しっかりと指導所、それから水産試験場等と連携をして、こういった取組の検討を進めたいというふうに思ってございます。
質問 小田部照
藻場の御答弁あったように、増毛のほうとかでも成功事例があるのですが、実は僕も御相談を受けまして、各漁協に相談、お話を伺いに行きました。ただ、やはりこのオホーツク海では流氷が冬に来るからなかなかうまくいかない。鉄鋼スラグのやり方とか、今日本製鉄のお話がありましたが、なかなかハードルが高いような状況も聞いております。しかしながら、このウニ資源、次年度以降大変な状況であります。各関係機関と連携してしっかりと進めて、市長もお話ししているということで、力強く環境の改善を含めた持続可能なウニ漁になるように努めていっていただきたいと思います。これはまた別の機会に質問させていただきます。次に、ホタテの種苗の減少について伺います。網走のホタテ種苗、このラーバの減少というのは、北海道漁業、地域経済に大きな影響を与える深刻な問題であります。ホタテの栽培漁業は、網走の主要な水産業の一つであり、その生産は種苗の確保に始まります。しかしながら、今年はその数が、全道的ではありますが、半減しております。網走漁協のほうでは5割、西漁協のほうでは3割しか取れませんでした、例年の。これにもそれぞれ要因があるようです。網走の海域でも温暖化に伴い、海水温が上昇しております。ホタテは冷たい水を好むため、海水温が上がると、稚貝の成長や生存に悪影響を及ぼします。特に産卵期や初期の成長期には、水温が適切でないと種苗がうまく育たないことがあるそうであります。また、北海道海域では近年、赤潮が発生することが増えており、これがホタテの稚貝に大きな影響を与えております。赤潮は有害なプランクトンが異常に繁殖する現象であり、これが稚貝の呼吸や餌の摂取を妨げ、結果として種苗の減少につながることがあるそうであります。また、風や波の強さ、海流の変化など、自然環境の変動も種苗の生育に大きな影響を与えます。例えば、産卵期に台風など異常気象が発生すると、卵や幼生が流れてしまい、結果的に種苗の量が大幅に減少してしまう、こういうことがあるそうであります。今回、北海道全域とはいえ、この網走漁協、西漁協、5割、3割に落ち込んでしまった種苗の減少、この要因は、当市としてはどのように捉えているのか伺います。また、次年度以降の対策を含め、どのようなお考えがあるのか伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
ホタテの種苗の関係ですけれども、今年はホタテの稚貝の種苗不振というのが発生しておりまして、直近の情報なのですけれども、網走漁協で、今議員がお話ししたとおり、予定数量の5割、西網走漁協は4割ということでしたけれども、その程度しか種苗ができていないという現状だというふうに聞いております。また、この採苗不振というのは全道的に発生しておりまして、オホーツク海、それから日本海域では平年の1割から4割程度、それから、噴火湾のほうでは平年の1割未満ということで、過去にも各海域ごとには採苗不振というものが発生したということはありますけれども、このように北海道全域で発生したことはないということでした。この要因についてなのですけれども、今議員お話ししたとおり、昨年の酷暑の影響、それから潮流、海流ですか、しけなどの影響があったのではないかと様々言われてはおりますけれども、現在、道総研の水産試験場のほうが要因の分析を始めておりまして、北海道としても、今後水産試験場と連携をして、採苗不振の要因分析、それから養殖技術の指導強化に努めるというふうに聞いております。また、来期の採苗については、この海水温の浮遊幼生、ラーバの発生状況のモニタリングの強化を行うと。それから、それを漁業関係者にフィードバックをして、稚貝の生産の安定化の取組について、一層強化をするということで聞いてございます。
質問 小田部照
今、ちょうど北海道関係機関を含めて、要因の特定に努めているというような答弁であります。次年度の対策として、ラーバのタイミングですね、ちょうちんを入れるタイミングをモニタリングするという、これまでもやってきて、各地域、漁師さんに落とし込んで、その決まった期間にそれぞれ入れた結果が、北海道全域でこういう状況であります。果たしてモニタリングの対応で、事前度以降つくとも思えないし、ちょうちんをたくさん入れたからといってつくようなものでもないし、なかなか厳しい現状があるのだと思います。自然環境、温暖化だけの影響なのか、潮の流れが変わって、そういうことまで全てが関係機関、解明されているのかどうかも含めて、なかなか厳しい現状にあるのだなと、私は受け止めております。とはいえ、今回こういう状況になりました。西漁協のほうでは、昨年の稚貝のへい死の約7億円の損害の負債を抱えたまま、今年の春は何とか一定程度の稚貝の出荷、地まき、両漁協ともできたのですが、次年度の稚貝の出荷の収入はほぼ地まきを優先しますので、管外出荷がないということは、なかなか収入が見込めない状況になってしまいました。稚貝の値段というのは、一定程度決まっていますので、春の出荷時期には。あくまでこれは予想、想定なのですが、想定される被害額といたしまして、網走漁協の稚貝が約5割の出来ということで、稚貝だけの被害は約5億円。春の稚貝の放流予定数が、地まき分ですね、5,000万粒少ない見立てだそうです。ということは、まいた貝が3年後育って、成貝として漁獲する頃は5,000トン減の見込みだそうです。5,000トン減ということは、1キロ200円で計算してもざっと10億円です。これ3年後のホタテなので、全道的にいないので金額も相当上がるのでしょうが、ざっくりですが400円だったら20億円です。大変な損害額が出ております。単純に、稚貝だけで5億円と言いましたけれども、産業全体で5億円と考えれば、えーと思うかもしれないですけれども、網走の稚貝の養殖部会、専業者7軒、兼業者4軒、11軒ですよ。この11軒で5億円の負債ですよね。単純に1軒5,000万円弱の収入がないのですよ。これは 一 般 的 に考 え た ら 相当 な 、 一 般企 業 で 言 えば5,000万円の収入がない。これはしかも個人事業主ですから、皆さん。なかなか厳しい現状であろうと思います。相当な打撃でありますが、網走の養殖部会、体力のある方がたくさんおられますので、持ちこたえるのだと僕は思っていますが、ただ、このような状況の中であれば、体力のあるうちに、この事業から撤退してしまう。これが非常に懸念されています。両漁協ともです。こうならないような対策、ホタテ養殖栽培漁業のスタートですので、稚貝がつくられなかったら成貝もないので、全部のサイクルが乱れてしまいます。それが一番大変な事態ですので何とか、今そこが大きな懸念材料になっているようであります。西漁協の稚貝の出来、3割4割と言いましたけれども、これの想定被害額も約5億円だそうです。西漁協では、昨年32軒の漁業者がおりました。しかし、昨年の稚貝のへい死を受けて、先行き、見通しがつかないということで、1事業所がやめてしまいました。これ、今31軒の漁業者の皆さんで能取湖は組まれています。31軒でこの5億円を単純に割ると、1軒当たり1,600万円の収入がないのです。これも大変なことです。先ほども言いましたように、西は特に昨年の7億円の負債もありますので、今時点ではこの要因もわからない、対策もなかなか打ちようもないというようなお話ですが、今後のホタテの栽培事業の持続にも大きな影響が出てきてしまうのだろうと思います。このような状況、本当に西などは特に経営的にかなり厳しいところも出てくるのだろうと。来春の収入の分なのですけれども、もう見えていますので、できたちょうちんは下げていますので。こういった状況ですので、漁業者を支援するための道や政府の補助金だとか緊急支援策も活用して、資金的なサポートや融資制度の拡充、漁業者の経営安定策が必須だと私は思いますが、市の見解を伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
今、議員お話のとおり、稚貝の取扱量が減ることによって、養殖業者の収入が減る。これは5割程度というふうに予想されていると聞いておりますけれども、逆に、4年後のホタテの価格は高騰するだろうということで言われています。ホタテの価格が高くなればいいということではないと思いますけれども、一方で、このホタテの稚貝の単価も1粒当たり今3.45円ということで聞いておりますけれども、この種苗が不足するということになると、稚貝の単価も必然的に高くなってくるべきなのかなというふうにも考えてございます。もちろん来年の種苗の単価というのは、私どものほうでコントロールはできませんけれども、このホタテの種苗の価格が北海道全体にどのような影響を及ぼすかということを見極めた上で、先ほどの調査、また来年も同じような種苗不振があるのかどうか、採苗不振が起こるのかどうかということも見極めた上で、議員先ほどもお話がありましたけれども、北海道、それから試験場とともに連携を強化し、加えて、この試験研究が今続けている部分、市も一緒になってやっていきたいというふうに考えているところでございます。
質問 小田部照
今、御答弁ありました。1枚3.45円なのですが、これはずっと変わらないですよね、ほとんど。成貝の値段はいろいろな情勢によって浮き沈みがあるのですけれども、稚貝業者の、いつも言っていること、いろいろな稚貝の部会、ホタテ部会、いろいろな兼ね合いがあるのでしょうが、なかなか値段が上がってこないというのも大きな課題なのだと思います。先ほど御答弁あったように、なかなか値段をどうこう言える問題ではないのであれですけれども、その辺の調整も必要であろうと考えております。いずれにしても、全道的な問題とはいえ、この網走の基幹産業を支えているこのホタテの栽培漁業、先ほど冒頭に言いましたけれども、ウニがいない、ウニ漁師さんたちは収入がなくて、本当に困っている。だけれども、ホタテがあるから何とかなっているのです。マスの漁師さんたち、マスの収入だけでは全然やっていけないのです。でもホタテが支えているのです。みんなそれぞれ権利がありますので、このホタテはすごく、ホタテとサケですね。サケ定置が本当に網走の漁業界を支えている柱で、そのホタテの栽培漁業がかなり厳しい状況に、今年度からなってしまっているのだろうと、私は強く懸念をしているところであります。そこで課題といえば、これも毎回質問していることですが、漁業の人手不足の課題であります。担当課もいろいろと努力を重ねていることも、私も重々承知をしております。昨年に至っては、漁業就業フェアを柔軟に対応して開催していただきました。各熱心な養殖部会、ホタテ部会、底引き、水産加工場の西のほうからも、いろいろ漁業者はみんな、たくさん来てくれました。しかしながら、なかなか雇用につながったかと、なかなか実を結んでいないというのも実態であります。それが現状であります。北海道の漁業における人手不足というのは、全体的に深刻な問題となっております。産業全体に対して、様々な課題を引き起こしています。これは全国的な労働力不足の一環として見られる一方、特に漁業は過酷な作業、環境や若者離れが影響し、地域の経済や持続可能性に大きな影響を及ぼしているところであります。人口減少が急速に進んでいるこの網走でも、あらゆる分野で人手不足、高齢化という重大な課題に直面しておりますが、これを克服するために、水産業の現場では労働環境の改善、技術の導入、外国人労働者の受入れなど、早くから加工場なども取り組んでいます。今では、底引き船や養殖部会の船、乗船員としても外国人の労働者を活用し、対応しているところであります。そして、最近よく見られるのが、各漁師さんたち個人的にそれぞれSNSだとかを活用して、漁業の様子をアップして紹介したりですとか、時には一緒に働く仲間を募集したりだとか、非常にいい傾向だなと僕は見ておりますが、この漁業者に対する人材不足、この課題に対する市の対応、見解を伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
漁業就業者の人手不足の課題についてですけれども、人材不足というのは全ての業種で発生している共通の課題であるというふうに認識しております。しかし、漁業では今議員お話があったとおり、若者の意識、それから価値観の変化などもありまして、特に人材の確保が難しくなっているというふうに認識しております。こうしたことから、市でも技能実習生の受入れへの支援、それから市営住宅の活用、就業者向けの住宅の新築・改築への支援などを実施してきております。また、ハードというか住む場所の支援等は実施しているのですけれども、実際の就業の定着については、これが期間雇用である点、それからあと給与面、高いほうに動いてしまうとか、それから将来性など、そういった個別の問題も抱えているというふうに考えられます。そういった個別の課題については、自治体はなかなか個別には対応はしきれないというのが実情ではないかというふうに考えております。また、今お話ありました、就業者への対策としては、例えば水産業で働く楽しさをPRするための動画、これは令和4年、今お話ありました就業フェアのために、西網走漁協青年部と小田部議員も関わって作成したということも聞いております。こういったものをSNSなどで発信していくということも有効と考えております。また、人材不足の対応については、逆に、省力化の機器の導入などイノベーションの活用によって、生産性の向上を図っていくということも必要ではないかなというふうに考えております。また、ただ直近の状況をどうしたらいいのだというのもありますけれども、農業でも様々な就業者の取組というのを行っておりまして、マッチングアプリ等で人材を募集するとか、そういった取組も必要になってくると思っております。このような取組も含めて、今年度から水産業のパワーアップ補助金の上限額を引き上げるとともに、人材募集のための経費というものも当然対象にするように事業を拡充してきたところであります。今後については、この人材に適した事業の在り方の構築というものも必要と考えておりますけれども、漁業者の就業者の対策について、引き続き関係機関と必要な施策について協議をしてまいりたいと考えております。
質問 小田部照
いろいろと種々御答弁いただきましたが、今いろいろやっていますと、パワーアップ事業の拡大だというようなお話がありましたが、このパワーアップ事業、活用が一切されておりません。一切パワーアップになっていません。要するにつながっていないのですよね。活用されていないのですよ。今、ようやく働き方環境の賃金の問題、季節労働者の問題、いろいろ御答弁がありましたが、ようやく網走のホタテ船団も合同になる見込みです。合同になって働く労働環境の改善にもみんな取り組んでいるところであります。先ほど言ったパワーアップ事業の拡充もいいですけれども、ぜひ現場に適応した形で活用されるような、しっかり身になるような事業の展開により一層努めていっていただきたいと思います。これについてはまた違うところで質問させていただきます。次に、物流の2024年問題の漁業への影響について伺います。物流2024年問題は、日本の物流業界全体にとって大きな課題であり、特に漁業を含む水産業にも重大な影響を及ぼすことが予測されております。この問題はトラックドライバー不足や労働環境の厳格化が主な要因で、2024年この春に施行され、働き方改革関連法の改正により深刻化しております。この改正には、時間外労働の上限規制が適用され、特にトラック輸送が重要な役割を担っている水産業界に大きな影響がこれから出てくるものだと私は思っております。網走においての現状ですが、今ピークのホタテ、そしてこれから最盛期となるサケ、そして底引きのニシンやタラなど、漁獲された魚種の鮮度を保つために迅速かつ適切な温度管理で、それぞれの加工場へと水産トラック業者さんによって運ばれております。この水産トラック業者さんは、例えば網走の加工場はすごく大きなところが何社かありますので、ホタテでいえばこの網走だけではないのですよね。オホーツク海全域、常呂、紋別、湧別、雄武、猿払、頓別まで、毎日のようにホタテを取りに行って網走の加工場まで運んでおります。そして、これから秋になると、底引き船にイカが大量に漁獲されることを私は期待しております。去年とかここ数年正直数量は全然ないのですけれども、でも本当に何年か前のピークのときには、9月から11月まで、ほぼ毎日底引き船3隻で、1万箱を超えるようなイカが水揚げされて、これが2か月、3か月と続いたときがありました。この時期、先ほども言いましたが、加工場のほうでもホタテやサケが最盛期、繁忙期で、加工場のほうもフル稼働で全然余裕がないといったらあれですけれども、忙しい時期なのです。そんな中にイカが入ると、大抵これは道南のほうに運んでおります。しかも、1万箱入ろうと1万5,000箱入ろうと、一つ一つの箱に氷詰めして、生で活で飛ばすのですね。それが一番値段がよくて、漁業者も加工場も一番いい状態で、これを冷凍とかしてしまうと値段がやはり半減してしまいますので、しかもホタテやサケの繁忙期になると、ストックのほうも空きがありません。イカとかタラを冷凍していくような隙間はないのだと伺っております。このような状況の中で、当時、これだけイカが入ったとき、フル稼働で道南のほうに運ぶのですが、網走には水産トラック業者というのが、この営業ナンバーを持ったところは実は3社しかないのです。当時もうとても対応しきれなくて、北海道全域の水産トラック業者の皆さんに、協力をお願い、要望をして、皆さんの御協力の下、何とか鮮度のいい、価格のいいものを、函館、道南のほうへ運んで対応したのだというようなお話も聞いております。これが、この2024年問題、4時間に30分休憩してください、中継地点でもって交代してくださいというようなあれでは、この水産業界は対応しきれません。なぜかというと、イカでもタコでも、タラでも何でもそうなのですけれども、底引き船に何が入るか、どれぐらい入るかは、その日の荷揚げをしてみないとわからないのですよね、漁獲してみないと。漁獲したものを、その日の夕方に水産関係のトラック屋さんに運んでくれと依頼があるのですよね。だから予想もつかないし、対応しきれないのは当然なことであるのですが、このトラックドライバーの不足、長距離輸送における時間外労働の規制が厳しくなると、輸送スピードが遅くなり、結果として水産物の鮮度が落ちるリスクが高まります。特に生鮮食品である魚介類にとって、迅速な流通は品質維持のために不可欠であります。輸送の遅延は、漁獲物の価値を下げ、最終的には水産業全体の収益に悪影響を与えることとなりますが、こういった実情を当市はどのように捉えているのか伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
物流の2024年問題ということでございますけれども、網走の主要魚種であります、ホタテ、サケ、スケソウダラなど、多くは市内、もしくは近隣の市町村で加工されるということで、現時点で主要な魚種についての大きな問題は聞こえてはおりません。しかしながら、ただいまお話のありました、ホタテの遠方からの買い付けですとか、あと底引きなどにおいて、近隣では加工が困難である、今お話のあったイカなどの魚種が大量に取れた場合、函館など遠方への輸送が必要となることから、その際、2024年からの労働時間制限などで、これは1名のドライバーでは輸送できないという問題が生じる可能性があるというふうに聞いております。今、これについて経過措置中ということで聞いてはございますけれども、今後これも厳しくなるというふうに聞いております。この対策としては、一般的にモーダルシフト、それから共同輸送、それから中継輸送などとか言われておりますけれども、この水産業においては鮮度が重要であるということで、この活用が難しいというふうに考えております。また、長期的には、地元での加工処理、それから販売の検討も考えられますけれども、今お話のありました漁獲時期が重なるということ、それから加工業者側の逆に労働力、それからあと設備能力の不足というものも懸念されます。こういったことから、今後については、イカ、それから先ほどお話もありました様々な魚種も、酷暑の影響で多様な魚種が捕獲されるということでありますので、それら一つ一つが大切な資源、そして収入になり得るということから、この運送業界の役割は非常に重要であるというふうに認識しているところでございます。
質問 小田部照
イカは浮遊物ですので、いつ大量に入るか、全然わからないですよ。追っかけていても、底引きしても。取りたくて取りに行っても、なかなか入らないものですけれども、取れるときは、すごく大量に取れます。そして一方で、流氷が来てしまうと、網走の漁船団は漁をしないのですが、一方で加工場というのは年中稼働していますので、冬、流氷が来て漁のないときは道南のほうに行って、それこそ長万部、八雲、森、砂原、鹿部とかにも活のホタテを取りに行って、網走で加工したりもしています。やはりこの水産トラックの現状、しっかり把握して、きちんと円滑にスムーズに回るような対応、対策に努めていっていただきたいと思います。次に最後です。網走漁協の今後の見通しについて伺います。先ほども冒頭からいろいろな、今年特に多くの課題を抱えているこの水産業界でありますが、気候変動、資源管理、人手不足への対応を進めると同時に、付加価値の高い水産物の開発は輸出促進に大きな力を入れて邁進してきております。持続可能な漁業を実現し、地域経済を支える柱、この水産業の今後の見通しについて、市の見解を伺います。
答弁 農林水産部長 佐藤岳郎
漁業を取り巻く環境については大きく変化をしておりまして、繰り返しになりますが、サケ、マス、カニ、ウニの資源の減少に加えて、ホタテの採苗不振の影響が懸念されております。また、ブリやフグ、サバなどの漁獲をされる漁種の変化というのも今後も見込まれております。水産業としては、今後、環境の負荷の低減を進めるとともに、協業化、それから合同化などによる経営体質の強化を実践するとともに、変化をする気候、それから魚種にいかに柔軟に対応していくかということが重要ではないかというふうに考えております。そのためには、変化をする魚種に対応した漁業、そしてそれを受け入れる加工、流通体制の構築、また、天然資源に依存をしない養殖技術の開発や温暖化に適応できる強い種苗の開発も重要であるというふうに認識しております。今後とも水産業の持続的発展のため、国や道と連携するとともに、漁協、大学、各試験研究機関などとも協議を行って、この水産業を振興していきたいというふうに考えてございます。
質問 小田部照
終わります。