網走市議会 令和6年第2回定例会 2024年6月26日
「生理の貧困」について
2024年6月26日、網走市議会の一般質問で、松浦敏司議員が質問し、学校教育部長 北村幸彦、教育長 岩永雅浩が答弁しました。
- 質問者
- 松浦敏司 議員
- 答弁者
- 学校教育部長 北村幸彦、教育長 岩永雅浩
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 松浦敏司
-登壇- 日本共産党議員団の松浦敏司でございます。通告に従い、2項目にわたって質問を行います。はじめに、「生理の貧困」についてであります。これまでもたびたび取り上げてきた問題でありますが、憲法及び教育基本法に基づく対応について、まず質問をしていきたいと思います。憲法14条、すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または社会的関係において差別されない。憲法26条、すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。2項、すべての国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とすると書いてございます。教育基本法第1章、教育の目的及び理念の中の教育の目標第2条1項に、健やかな身体を養うこと。3項では、正義と責任、男女平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。4項、生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うと、このように書かれております。学校教育の第6条2項では、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。とございます。そこで、「生理の貧困」について考えるときに、憲法や教育基本法を基に捉えて検討すべきと考えますが、教育委員会の見解をまず伺います。
答弁 学校教育部長 北村幸彦(学校教育部長は2024年12月まで)
日本国憲法や教育基本法が、日本における教育の意義や目的、また、全ての国民が等しく教育を受ける権利を持ち、また、保護者は子供たちに普通教育を受けさせる義務を負っていることにつきましては、改めて申し上げるまでもないことでございます。学校は国民の教育を受ける権利を保障するため、公の性質を有するものとして法に基づき設置されるものであり、教育のなすべき目標を体系的、組織的に達成されるための中心的な役割を担うことが学校教育法に定められており、学校における教育活動を通じて、児童生徒が心身ともに健やかな成長が図られることが重要であると考えております。「生理の貧困」について考えるときは、子供の貧困対策の推進に関する法律のほか、三つの法令に基づく大綱を一つに束ね、子供施策の基本的な方針や重要事項等を一元的に定めたこども大綱を昨年12月に定めておりますので、こども基本法に基づく大綱の精神に則り、検討されるべきと認識しております。
質問 松浦敏司
よくわかりました。そういったことを根本にして、今これから質問をしていきたいと思うのですけれども、この問題、まだまだ議論が始まってといいますか、世界的にもそんなに歴史的には長くはない、比較的に浅いものではありますが、しかし、急速にこの問題が世界的に取り上げられて、いろいろな運動も起きています。生理をめぐる社会的課題を啓発する「世界月経衛生デー」に関わって質問をしてまいります。この世界月経衛生デーとは、全ての人の月経、衛生・健康を促進するための日として、沈黙を破り生理に対する否定的な社会の意識を変えようということで、月経衛生を政治の優先課題にということで、国際NGO「WASHユナイテッド」が、2013年に提唱しました。平均的な月経の期間5日、そして、周期として28日ということで、5月28日としたそうであります。運動の始まりはドイツだということであります。ベルギーのブリュッセルでは、生理をめぐる社会的課題を啓発する「世界月経衛生デー」を迎えた5月28日に、ベルギーの首都ブリュッセル市では、全中学生への生理用品の無料配付を決定したそうであります。欧州では生理の負担軽減に向けた取り組みが各地で進んでいるようであります。ブリュッセル市によると、一生涯にかかる金額は、平均で5,300ユーロ、約90万3,000円ということのようです。これは円とかユーロとかによって違いますので、いずれにしてもこれぐらいかかるというのは明らかであります。学校に無料配付することで、「生徒が心配なく勉学に集中できる」と歓迎されております。また、慈善団体の調査では、低所得家庭の女子生徒の45%が生理用品を買う余裕がないということで「生理の貧困」に陥っているという調査もあります。不安や恥ずかしい思いを抱えながら友人から分けてもらったり、トイレットペーパーで代用するなどをしているというようなこともあるということであります。中には、期間中、不登校になる生徒もいるということであります。このような現象が網走にもあり得るものだと考えますが、教育委員会としてはどのように考えているか伺います。
答弁 学校教育部長 北村幸彦(学校教育部長は2024年12月まで)
議員お示しの事例につきましては、現時点で当市において確認はされておりませんが、こうした理由で学校へ行くことができない状況にならないよう、普段から児童生徒の家庭環境などの状況把握や、気兼ねなく相談しやすい体制づくりが必要であると考えております。
質問 松浦敏司
それもそのとおりですね。私も含めて、女性の生理についていろんな場面で発言できるようになってきたことは、世界的にも日本社会全体としても大きな変化であるというふうに考えます。しかし現実には、生理の貧困の問題がなかなか前進していないというのが現状ではないかと、網走市も同様ではないかというふうに思うのですが、市教委としては世界の動きや国内の状況について、どのように受け止めているのか伺います。
答弁 学校教育部長 北村幸彦(学校教育部長は2024年12月まで)
生理をはじめといたします、女性の健康に関わる正しい知識や情報の共有と理解につきましては、学校現場に限らず、一般社会においても必要なものであると考えるところでございます。
質問 松浦敏司
それで、次に生理用品の設置の検討状況について伺っていきたいと思います。現在、北海道は全ての公立高校の女子トイレに生理用品を設置しています。それは必要だから揃えているのだというふうに思います。この間、私も含めて何人かの議員が、小中学校の女子トイレに生理用品の設置を求めてきたところでありますが、未だ実施されていないというのは非常に残念なことであります。市教委として、この間、この問題でどのような検討をしてきたのか、状況について伺います。
答弁 学校教育部長 北村幸彦(学校教育部長は2024年12月まで)
現在、市内全小中学校の保健室におきまして、生理用品を常備しまして、児童生徒が急に生理用品を必要とする状態になった場合には、対応できる体制をとっております。これは単に生理用品を渡すだけでなく、その理由を把握し、必要があれば、その後の生徒指導につなげることを意図しているためでございます。本年度に入ってから、改めて市内中学校における女子生徒からの生理に関する保健室などでの相談状況について確認をいたしましたが、いわゆる生理の貧困ということで相談を受けたケースはない状況でございました。また、市内6校のうち2校におきましては、施行的に女子トイレ内の共有スペースにおきまして、生理用品を設置しているという事例もありますが、その学校におきましても、生理期間中の有無に関わらず、鞄の中には常に生理用品を常備していくこと、自分の必要なものは自分で用意するという基本的な考えを身につけることが大事であることを併せて指導しております。女子トイレ内の生理用品の設置につきましては、設置場所や補充、管理の方法、さらには生理に関する困りごとに対する相談を必要とする生徒に対しまして、家庭環境などの情報を学校としてしっかりと把握し、必要な支援を行うことが大切であると考えております。貧困対策といたしましては、現状どおり保健室での対応を現時点で基本とする考えではございますが、学校によって事情の違いもありますので、引き続き学校とも協議しながら、状況や実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
質問 松浦敏司
それほど相談はないということのようであります。次に、そういうのであれば、あえて伺っていきたいのですが、保健室に来るのは女子生徒だけではないと思うのですね。保健室に男子生徒も当然来るのだろうというふうに思いますが、一般的に、男子生徒がいる中で女子生徒が、生理用品がないので取りに行くということは、これはなかなか今の網走市の現状からいうと、大変厳しいのじゃないかと私は思います。そういう部分は、いわゆる保健室の状況というのは、どんなふうに教育委員会としては把握しているのですか。
答弁 学校教育部長 北村幸彦(学校教育部長は2024年12月まで)
市内学校の保健室の現状についてのお尋ねでございますけれども、保健室内でも、つい立て等を行いまして、一定程度のプライバシーは守られているような状況でございます。
質問 松浦敏司
プライバシーは保たれているということではあっても、声は聞こえますよね。そういう意味で、今やはり私は現役の学校の先生にも聞いたのですけれども、男子生徒がいると、それはなかなか難しいですよという話も聞きました。私もそう思います。そういう意味で、保健室に用意しているから大丈夫なんだという点は、やっぱりこれ、本当にそうなのかと。それから相談が今のところ、直接ないという話だけれども、そういう環境になっていないというのが現状でないかと私は思うのです。つまり、男子生徒もいたりすると、なかなかそういう環境にいないということなので、そういう意味でも私は全ての小中学校の女子トイレに生理用品を設置するということが大事だというふうに思うわけです。それが果たして、先ほど言った管理上の問題だとか、いろいろ補充の問題だとかありましたけれども、これ、いわば財政的な関係もあって、全ての小中学校の女子トイレに生理用品を設置できないと、そういう意味で捉えてよろしいのでしょうか。
答弁 学校教育部長 北村幸彦(学校教育部長は2024年12月まで)
今回の貧困対策といたしましては、やはり生理用品で困っているという児童生徒につきましては、やはりそれだけでなくて、家庭環境とかのいろいろ困り事もあるかと思います。そういう児童生徒に対しまして、相談もなしに、そういう生理用品を自由に持てるという環境はよろしいかと思うのですが、それだけでなくて、困り事もいろいろ相談に乗ってあげたいという体制がございます。この生理の貧困に関しまして困っている方に対して渡さないというわけでは、考えではございませんので、それ以外についての困り事も学校としても把握した中でいろいろ対応したいという考えでございます。また、予算の面とか、そういうことでなくて、先ほど申し上げた困り感を把握したいというのが、一番一義的に考えているところでございます。
質問 松浦敏司
困り感という点では、保健室に来なくても、それはそれとして別問題としてあるのだと思いますよ。ただ、生理用品というのは、裕福な家庭であろうと、貧しい家庭であろうと、生理は定期的に来るわけです。そういう意味でも、私は今世界的にも言われているのは、確かに貧困というのはあるのだけれども、全ての女性に関わることなのですね、実は。全ての女性の人たちが、本来なら全ての公的施設に、そういうものがトイレットペーパーと同じように設置されて、設置すべきものではあるのだけれども、しかし、まだそこまでは行っていない。であれば、高校が全ての女子トイレに設置されているという状況を考えたときに、今現状、日本の子供たちの生理というのは、私たち子供の頃からすると、生理が始まるのが早まっているというふうにも聞いています。そういう意味では、小学校時代からちゃんとそういったものを設置することによって、女性の体をこの社会が守っていくということにつながると。そういう意味でも、私は女子トイレに生理用品を設置することが必要なのだろうというふうに思います。貧困の問題は貧困の問題として、保健室に相談を行くというのは、それはそれで当然大事にしなければならないけれども、それを理由にして、だから女子トイレに設置しなくてもいいというのは、それはちょっと違うのではないかと私は思うのですが、いかがですか。
答弁 教育長 岩永雅浩(教育長は2025年3月まで)
松浦委員のおっしゃることはわからないではないのですけれども、先ほどから申し上げているのは、議員もおっしゃっているように、この生理の問題については大人になってもずっと続くことです。なので、試行的にトイレに置いている学校においても、今後自分にとって必要になるものについては、生理の期間がどうであれ、必ず鞄に用意するようにということであったり、自分に必要なものについては、自分でしっかり用意するということが大事だろうということも併せて説明をしているわけです。部長も申し上げたとおり、貧困で用意ができないとか、急に生理になったので、今持ち合わせていないということについては、保健室に来て対応ができるということです。保健室の中では、生理についての指導もしますし、もし貧困で用意ができないということであれば、家庭に関する指導も含めて、生徒指導につなげたいということがありますので、そういう対応を基本にしたいということです。大人への生理の対応についても、市の中では取組もあるというふうに聞いておりますが、トイレットペーパーのようにいつでもあるということではないというふうに思っています。社会的にですね、状況や実態が変わってくれば、対応についてはまた考える時期があるかと思いますけれども、繰り返しになりますが、貧困における生理対応については、保健室を中心に対応していきたいというふうに考えています。
質問 松浦敏司
なかなか意見が一致しないところであります。確かに貧困の部分だけを捉えれば、そういうことも言えるかとは思います。ただ先ほど、教育長も言ったように、突然生理が来るということもあるわけです。だから、そういうときには対応が必要だし、保健室というのは、先ほど私も言いましたけれども、女子生徒だけが行くのではなくて、男子生徒もたくさん行くというふうに聞いています。そういうときに、果たして気軽に生理になったので、生理用品をくださいというふうに言えるかというと、それはなかなか難しいというふうに私は思うのです。そういう意味でも、そういう思いをさせない、トイレにいつ行ってもあるという安心というふうな場所をつくるというのが、私は大事ではないかというふうに思うのです。例えば、お金がかかりますから、そういう場合どうするかというのは、一つには、これはあくまでも私の案ですけれども、防災用品として一定程度保管していると思います。それについても、一定期限の使用期間がありますから、その期限が近づいてきたものについては、取り替えたときに、それを学校の女子トイレに回すということも当然できるのだろうと。そういう意味で、いろんなことも考えながら、女性の体を守ると。今、少子高齢化、そして女性がなかなか子供を産む環境にないという中で、出生率も1.2なにがしになっていると。東京では0.9台まで下がっているという中で、やっぱり現在の日本社会における中で、妊娠そして出産できるのは、今のところ女性しかありません。そういう意味では、私たち社会全体が女性の体を守っていくという点で、やれることは最大限やるというふうに、努力をしていく必要があるのだろうというふうに思います。そういう意味で、網走でもできれば公共施設の全てに女子トイレに設置するような、そういう状況になることを、私は早急に実現できることを願っているということであります。これ以上質問をしても、いい答えが返ってきそうもないので、そういうふうな私は思いでおります。そして引き続き、この問題については取り上げていきたいというふうに思っております。