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網走市議会 令和5年第4回定例会 2023年12月12日

3項目めの高齢者の肺炎予防について

2023年12月12日、網走市議会の一般質問で、永本浩子議員が「3項目めの高齢者の肺炎予防について」質問し、健康福祉部参事監 永森浩子が答弁しました。

質問者
永本浩子 議員
答弁者
健康福祉部参事監 永森浩子

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 永本浩子

それでは最後に、3項目めの高齢者の肺炎予防についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の取扱いが5類に移行し、コロナにかかったと聞いても誰も驚かない時代になりましたが、コロナ発生当初、特にデルタ株が猛威を振るっていた頃は、コロナイコール肺炎イコール死という負の連鎖が続き、エクモが何台あっても足りない状況でした。幸いデルタ株からオミクロン株に切り替わり、下気道疾患である肺炎を引き起こす率が下がり、せきや喉の痛み等の上気道疾患が中心になっていることから、肺炎のリスクは低くなっております。しかしながら、コロナ禍以前から肺炎は高齢者にとっては大きな問題でした。その理由は、肺炎の死亡者のほとんどが65歳以上の高齢者だからでございます。2021年の総務省統計局の調査によりますと、65歳を超えると肺炎による死亡率は急激に上昇し、肺炎による死亡者の98%が65歳以上の高齢者であるとの数字が示されております。まさに肺炎は高齢者の大敵と言わざるを得ません。肺炎で亡くなる人は、国内では年間12万人と推計されており、長らく死因の第4位だった肺炎が、2011年にはがん、心臓病に次いで第3位になり、2018年には第5位となり、2022年も第5位ではありますが、6位の誤嚥性肺炎と合わせると3位の老衰を抜いて第3位となります。さらに、老衰とされているものの、終末期の肺炎では抗菌薬等の強力な治療は控えるとの新たなガイドラインの影響により、死亡した際には肺炎死亡ではなく老衰死亡と捉える動きが増えてきており、老衰死亡は実際には肺炎による死亡が多いとも言われております。こうしたことを考えると、今後の超高齢化社会を迎えるに当たり、肺炎に対する対策はより一層重要になってくるのではないかと考えます。高齢者の肺炎による入院・死亡の現状と今後の見込みを市はどのように捉えているのでしょうか、御所見をお伺いいたします。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

肺炎による入院・死亡の現状と今後の見込みについてでありますが、市内における肺炎の入院状況については把握しておりません。一方、肺炎による死亡につきましては、北海道保健統計年報によりますと、網走市で令和元年31人、令和2年14人、令和3年10人となっております。当市において、現時点で肺炎による死亡は増加傾向ではありませんが、一般的に高齢者の肺炎は発熱やせき、たんなどの症状があまり見られず、肺炎と気づかないうちに重症化する危険性があるとされております。こうしたことから、日々の感染予防の実践や肺炎球菌ワクチンの接種など必要な対策について周知を行ってまいります。

質問 永本浩子

ただいまの答弁によりますと、令和元年の31人から令和2年には14人、令和3年には10人にまで減少しておりまして、一見減っているように見えるわけですが、先ほどお話しした終末期の肺炎には抗菌薬を控えるというガイドラインが出されたのが2017年、令和元年の2年前です。国も2017年は肺炎死亡の減り方が顕著で、一気に2万人以上が減少し、死因の第3位から5位になり、反対に翌年の2018年には老衰が第3位になりました。やはり終末期の肺炎には積極的な治療を行わなくなったため、死因は老衰にはなるけれども、実際には肺炎による死亡が多いということになるのではないかと考えます。当市における2018年以前の肺炎死亡数も伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

北海道保健統計年報による平成26年から平成30年の当市の肺炎の死亡数となりますが、平成26年が31人、平成27年が29人、平成28年が36人、平成29年が33人、平成30年が33人となっております。

質問 永本浩子

今お伺いしたところによりますと、30人台、29人が1年ありましたけれども、大体30人台がずっと続いてきていたというのが現状で、ここに来てちょっと数値は下がってはいるけれども、もしかしたら肺炎による死亡が老衰と捉えられていたりとかということも大いに考えられるのではないかと思います。また、入院の状況は把握されていないということでしたが、現実は結構多いのではないかと思っております。平成30年、2018年に亡くなった私の父ですが、もともと心臓疾患を持っており、心臓から来る脳梗塞、いわゆる心原性脳塞栓症を70代から5回繰り返し、最後は左半身完全麻痺の要介護5の車椅子生活になりました。母一人では介護はできないということで、父の介護をするために私が東京から帰ってきたわけですが、9年間介護する中で、何度も肺炎を起こしては入退院を繰り返しました。そして、93歳で亡くなったわけですが、最後も結局死因は肺炎でした。高齢者の場合、父のように慢性の心臓疾患や呼吸器疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病などの基礎疾患を持っている方が多いため、免疫力の低下から肺炎などの感染症にかかりやすく、かかると重篤化しやすいのが現状です。入院治療も必要になり、退院できても介護が必要になったり、介護度が上がることも多くなるため、医療費はもちろん家族や介護施設、人手不足の介護人材にも負担が増えると思われます。たとえ基礎疾患もなく元気に過ごしていたとしても安心はできません。特に75歳以上の後期高齢者は肺炎をきっかけに体力が低下し、介護が必要になることもあり、亡くなることもあり得ます。社会保障費が増加の一途をたどる中、高齢者の肺炎による医療費や介護への影響も大きな問題だと思われます。こうした高齢者の肺炎による医療費と介護への影響を市としてはどのように捉えているのか、お伺いいたします。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

高齢者の肺炎による医療費と介護への影響についてでありますが、東京大学大学院が過去に行った調査では、高齢者が肺炎により入院治療を行った場合、その期間が長期化する傾向にあり、35歳から64歳の平均在院日数と比較して、75歳以上では約2倍になるというデータも示されております。一般論として、肺炎にかかわらず様々な疾患により入院等療養期間が長期にわたることにより、医療費負担の増加や身体機能の低下などによる要介護状態への移行、認知機能の低下なども懸念されるものと考えております。

質問 永本浩子

やはり75歳以上というところが一つのポイントになるかなと思います。あと1年で団塊の世代の方たちが全員75歳以上という時代を迎えるわけですので、今からそういったところに対する対応は考えていくべきだと考えております。また、肺炎を起こす原因として最も多いのが細菌やウイルスなどの病原微生物の感染ですが、その中でも一番多いのが肺炎球菌だと思います。肺炎球菌は主に小児の鼻や喉に存在し、せきやくしゃみで周囲に飛び散り、それを吸い込んだ人へと広がってまいります。免疫力の低下した人などが肺炎球菌に感染すると肺炎になることが多く、また、高齢者の3から5%の人の鼻や喉の奥にも肺炎球菌がすみついていると考えられており、こうした人が風邪やインフルエンザをきっかけに免疫機能が低下したり誤嚥によって食べ物や唾液と一緒に肺炎球菌を気管に吸い込んでしまうと肺炎を起こしやすくなります。そのため、国をはじめ地方自治体では積極的に高齢者の肺炎予防に取り組んでおり、2014年からは主に65歳以上の高齢者を対象に肺炎球菌ワクチンの公費助成がスタートし、インフルエンザの予防接種も公費助成されております。そこで、当市の高齢者への肺炎球菌、インフルエンザ、新型コロナの各ワクチンの公費助成の内容と接種状況をお伺いいたします。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

高齢者の各ワクチンの接種状況についてでありますが、新型コロナワクチンの公費助成の内容につきましては、今年度末までは全額国の公費負担となっております。65歳以上の接種状況につきましては、令和5年春接種については7,472人が接種し接種率は67.1%、令和5年秋接種は現在実施途中ではありますが、6,681人が接種し、現在のところ接種率は60%であります。次に、高齢者インフルエンザワクチンの公費助成の内容についてでありますが、接種費用は3,850円で、そのうち自己負担額が1,000円で、公費負担は2,850円となっております。インフルエンザワクチンは例年約60%の高齢者が接種を受けており、令和5年度の接種状況は10月末現在で2,515人が接種し接種率は22%であり、令和4年度同期と比べると588人接種者が増えております。次に、肺炎球菌ワクチンの公費助成の内容でありますが、接種費用は8,250円で、そのうち自己負担額が2,500円で、公費負担は5,750円となっております。肺炎球菌ワクチンの令和5年度の接種状況でありますが、10月末現在で203人が接種しており、接種率は12.4%であります。

質問 永本浩子

今お聞きしたところ、コロナワクチンも年度末には多分70%ぐらいは行くかなと思いますし、インフルエンザワクチンに関しても現在は22%ですが、令和4年の昨年の同時期よりは増えているということで、年度末には従来どおりの60%ぐらいまでは行くかと思いますけれども、肺炎球菌の接種率がちょっとかなり低くて驚いているところなのですが、その要因はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

肺炎球菌ワクチンの接種率が低い要因についてでありますが、高齢者の肺炎球菌ワクチンにつきましては平成26年から定期接種化となり、65歳及び経過措置として65歳から5歳刻みの年齢の方を対象に接種の機会が設けられ、経過措置については現在二回り目の最後の年となります。初回の5年間は約40%の接種率でしたが、二回り目に入ってからは未接種者が対象のため20%前後と低い接種率となっております。また、ここ数年接種率が伸びていない一つの要因としては、新型コロナワクチンの接種が複数回にわたり行われていたことも影響しているのではないかと考えられます。

質問 永本浩子

私のところにもコロナワクチンと勘違いをされて、コロナは無料だと、ワクチンは無料だと聞いたのに、どうしてお金を払うのだという問合せが入りまして、それはコロナではなくて肺炎球菌のワクチンではないですかと聞いたら、そうでしたねということで、なかなか手元にもらっても内容をきちんと読まずに勘違いをされていたりとか、コロナは無料だけれども肺炎球菌がお金がかかるので、ちょっと敬遠したりとかという方も確かにいらっしゃったのではないかなと思うところなのですが、多分国でやっている二回り目は今年度で最後になるかと思いますけれども、もし3クール目も国が実施してくれるようだとしたら、接種率を上げるための対策というのが必要になるかと思いますけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

現在は対象者には個別通知を行い、ホームページや広報あばしり等でも周知を行っております。来年度からの対象者の詳細につきましては、今後国から示されると思いますので、その内容により周知方法については検討してまいりたいと考えております。

質問 永本浩子

周知方法、どうなるかこれからわかりませんが、そういう問合せがあったように、コロナなのか肺炎球菌なのかさえも見ないで判断してしまうという人も多いというのが多分現実なのかと思いますので、ぜひその辺のところがはっきりとわかるような周知方法を検討していただければと思います。また、本年9月ですが、60歳以上の成人を対象としたRSウイルスワクチンが世界で初めて日本で承認されました。RSウイルス感染症は、呼吸器合胞体ウイルス感染症の略でございまして、風邪症状を伴う呼吸器感染症として知られております。2歳までにほぼ100%の人がこのRSウイルスに感染し、生涯を通じて繰り返し感染する可能性がありますが、加齢や基礎疾患などで免疫力が落ちた高齢者が感染すると、重症化して肺炎になることが多いとされております。日本では毎年約70万人のRSウイルス感染者が出ており、そのうち約6万3,000人が入院、約4,500人が死亡していると言われております。このRSウイルス感染症は現在多くの方が予防接種をしているインフルエンザと比べると、その重症化のリスクは実はインフルエンザと同等、もしくはそれ以上とされておりまして、特に肺炎を引き起こすリスクはRSウイルスのほうが高く、しかも入院期間も長くなるとの報告もあります。また、RSウイルスは飛沫感染や接触感染で広まるため、病院や介護施設など、抵抗力の落ちた高齢者が多く閉鎖された空間では集団感染のリスクが高いと言えます。2018年に高知県で発生した介護療養型老人保健施設でのRSウイルス集団感染では31人が感染し、そのうち4人が亡くなるという事例もありました。しかしながら、RSウイルス感染症について知っている人は非常に少ないというのが現状ではないでしょうか。当市における高齢者の肺炎予防の一環として新型コロナ、インフルエンザ、肺炎球菌とともにRSウイルス感染症についても疾患の周知と感染予防への注意喚起をぜひ行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

RSウイルス感染症の周知と予防への注意喚起についてでありますが、現時点ではRSウイルス感染症に関する市民からの相談はありませんが、肺炎予防に関する必要な対策と併せ、RSウイルスの感染症についての周知及び感染の注意喚起をホームページ等で行ってまいります。

質問 永本浩子

病院でRSウイルスに感染していたとしても、治療薬がないので検査はしないので、RSウイルスに感染していますよと言われる方はもう本当にこういう集団感染等が起きない限り、多分ないのではないかと思います。そしてまた、RSと略してしまうので、何の意味だかわからないというのが現実にあるかと思いますので、ぜひRSウイルスは呼吸器合胞体ウイルス、日本語で言っていただいたほうがわかりやすいところもあるかと思いますので、そういったところもイメージがつきやすく、肺炎に結びつく確率が高齢者の場合は高いということもしっかり併せて周知をしていただきたいと思います。また、皆様も御存じのとおり、インフルエンザは三種の神器とされるワクチン、検査キット、治療薬がそろっております。新型コロナもメッセンジャーRNAという世界初の技法で異例の早さでワクチンがつくられ、検査キットもできました。治療薬も着々と開発されてきております。ところが、RSウイルス感染症に関しては、これまでは有効なワクチンもなく、治療薬もないため、検査キットはあるけれども一般には普及しておりません。適切な診断の機会も少なく、肺炎に至る原因感染症としては見逃されてきたウイルス感染症と言っても過言ではありません。そのため、厚生労働省は医療ニーズと疾病負荷等から開発優先度の高いワクチンとしてRSウイルスワクチンを位置づけ、内閣官房のワクチン開発・生産体制強化戦略でも重点感染症として開発を支援すべきワクチンとして位置づけられておりました。こうした背景を受けて、このたび開発・承認されたRSウイルスワクチンでございますけれども、治療法のないRSウイルス感染症に対抗する唯一の予防法として今回の開発・承認は大変価値のあるものだと考えております。しかしながら、帯状疱疹ワクチンのシングリックスと同様、1回2万円と大変高額です。またこのワクチンは2年に1回の接種で効果が保たれるので、接種回数が少なくて済みますが、現段階では任意接種のワクチンとなるため、接種するには全額自己負担になります。少しでも高齢者の皆様が接種しやすいように、当市といたしましても接種費用の一部助成を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 健康福祉部参事監 永森浩子

RSウイルス感染症予防ワクチンへの公費助成についてでありますが、RSウイルスワクチンは令和5年9月に承認されたワクチンでこれから接種が開始されるものと認識しております。当市として、現在のところ、RSウイルスワクチンの公費助成は考えておりませんが、今後のワクチン接種の状況やほかの自治体の助成の実施状況など、適宜調査しながら研究してまいりたいと考えております。

質問 永本浩子

周知とともにぜひ検討をお願いしたいと思います。最近、風邪症状で医療機関を受診して、コロナでもインフルでもないと診断をされて安心はしたもののなかなかよくならないという声をよく聞きます。もしかしたら、そのようなケースの場合、インフルよりも重症化リスクの高いRSウイルス感染症のリスクにさらされていた方もいるかもしれないということでございます。肺炎を引き起こす原因ウイルスから地域住民を守り、健康寿命を延ばすことは大変大切なことであり、それができるのであれば当市においても積極的に取り組む価値のある対策だと考えますので、ぜひ前向きな検討をお願いいたします。以上で、私の質問を終わらせていただきます。

出典:網走市議会 令和5年第4回定例会 2023年12月12日 議事録 PDF(38ページ) 間違いを知らせる